DEEK総合企画&M-1MC主催
「M.I.D JAPAN プレゼンツ
ムエローク Japan 2009 〜最大最強のムエタイ祭り〜」
2009年1月18日(日)東京・国立代々木第2体育館
開場11:00 開始12:00
※オープニングマッチは11:30開始
▼メインイベント(第19試合) WPMF世界スーパーミドル級王座決定戦 WPMFルール 3分5R
○ヨードセングライ・フェアテックス(タイ/ルンピニースタジアム認定ウェルター級王者、プロムエタイ協会認定ジュニアミドル級王者、WBCムエタイ世界ジュニアミドル級王者、元ルンピニースタジアム認定ミニフライ級王者、元WMC世界ウエルター級王者)
判定3−0 ※50−46、50−45、50−45
●中村高明(藤原/全日本キックボクシング連盟/前・全日本ミドル級王者)
※ヨードセングライが王座に就く。
2006年にK-1
MAXオープニングファイトに起用されるも、あまりの強さにその後の参戦が見合わされたといわれるヨードセングライが再来日。
昨年1月に江口真吾を下して全日本ミドル級王座を防衛したばかりの中村高明とWPMF世界スーパーミドル級王座決定戦を闘う。全18試合の大トリで、いかなる激闘が展開されるのか?
1R、前蹴りの打ち合いはヨードセングライ優勢でスタート。だが中村は細かいジャブを連打して前進、ヒザやローも出していく。体格差を利してプレッシャーをかけていく中村だが、ヨードセングライはフック系のパンチ、左ミドルで応戦。
後半、中村は左ミドルからジャブを連打。だがヨードセングライは右アッパーを返し、さらに左ストレート、左ボディ、左ミドルと畳みかける。中村もワンツーからローで反撃、終了間際には打ち合いになるが、ヨードセングライの左で若干、中村の動きが止まる場面も。
2R、ジャブを連打して出る中村だが、ヨードセングライは左ミドル、左ストレートをヒット。左ボディから組まれても、打ち上げるような左のパンチ。なおも前に出る中村だが、ヨードセングライの左が効果的に入る。さらにパンチ連打から前進して組みにいく中村。ヨードセングライは左ミドル、左ヒジ。終盤にはボディから左右ストレートの連打で優勢のまま終了。
3R、テンカオの奇襲をかけようとした中村だが、これはヨードセングライのパンチに阻まれる。ヨードセングライはペースを上げてパンチを繰り出し、この攻防の中で中村は顔面をカット。ドクターチェックが入るも再開。
ヨードセングライは左ストレート。中村もジャブを出すも、ヨードセングライは左ミドルを連打。中村はこれで右手がほとんど上がらなくなっているようで、右の手数が激減。さらに左ミドルを連打するヨードセングライ。最後まで前に出る中村だが、終盤に2度目のドクターチェック。だがこれも続行。ヨードセングライが左ミドル、中村が右ミドルを蹴り合ってゴング。
4R、中村はジャブで前に出るも、やはりヨードセングライの左が迎撃。だが後がない中村は左右パンチを繰り出し続け、ヨードセングライの顔を捕らえる場面も。だがヨードセングライの左ミドルの威力は衰えることなく、クリーンヒットのたびに嬌声が上がる。
途中、ヨードセングライのグローブのバンテージが外れて中断を挟み、なおもパンチで出る中村と左ミドルで迎え撃つヨードセングライという構図が続く。
9時を回り、大会開始から何と9時間が経過して始まった最終5Rも、基本の構図は変わらず。だがこのラウンドにかける中村の突進の勢いは、確実に増している。ヨードセングライはジャブ、左ストレート、左ミドルで迎撃。組んでのヒジも狙う中村だが、これは入らず。
逆にヨードセングライはヒザ蹴り。残り1分を切るとヨードセングライが左アッパー3連発、左右ストレートで最後の猛攻。中村も最後まで前に出るが、組み合った状態で終了のゴング。
観客が一斉に席を立つ中、アナウンスされた判定はヨードセングライが大差のフルマーク。身長差をものともしないヨードセングライの攻撃力が目立つ中、中村が諦めず最後まで出続ける姿も印象的な一戦だった。
▼セミファイナル(第18試合) WPMF世界バンタム級王座決定戦 WPMFルール 3分5R
△藤原あらし(S.V.G./全日本キックボクシング連盟/元全日本バンタム級王者、MACH
55優勝、真王杯55kgトーナメント準優勝)
判定1−1 ※50−49、48−49、49−49
△ヨックモラゴット・ペットフォーカス(タイ/WPMF世界バンタム級4位)
※ドローのため王座は空位のまま。
長らく腰に巻いた全日本バンタム級のベルトを返上、さらにスケールの大きな闘いに挑もうとしている藤原あらしに、早くも「世界」戴冠のチャンスが巡ってきた。WPMF世界バンタム級王座決定戦として行われるこの一戦、相手となるのはWPMF世界フライ級4位のヨックモラゴット・ペットフォーカス。あらしが「世界」のベルトに王手をかける!
試合前のワイクーでは相手のタイ人よりも長い時間踊っていた藤原は1R、早くも左ミドルを蹴っていくが、ヨックモラゴットは掴んで倒す。左ハイを出し、やはりあらしの左ミドルはすかしてこかせる。あらしは左ロー。右アッパーから左ローのコンビネーションを見せるが、ヨックモラゴットは直後にやはり足払いであらしをこかす。
2R、ヨックモラゴットは左ハイに前蹴り。あらしは左ローを返す。コーナー際で詰めるあらしだが、逆にヨックモラゴットが反撃。だがその後のあらしの左ローで、ヨックモラゴットはやや動きが止まる。
速いジャブからローにつなげるあらし。コーナーに詰めるとボディからロー。ヨックモラゴットはロープを背負って足が止まる。あらしのローを取って倒しながらヒザ蹴りを見せるも不発。
3R、前に出てきたヨックモラゴットにあらしはロー、左右フック。ヨックモラゴットもローやジャブを返し、左ミドルであらしにバランスを崩させる場面も。さらに組んでからの投げではヨックモラゴットが優勢で、あらしは何度かマットにこかされることに。あらしはそれでも前進し、組んで細かいヒザを連打。終盤にもあらしは組んでのももへのヒザを連打。
4R、あらしはいきなり右アッパーからローで奇襲。これは食らったヨックモラゴットだが、直後には組みにいってあらしをこかす。あらしはヨックモラゴットの組みのテクニックに、なかなかペースを安定させられない。
後半、あらしは左ローを3連発。さらにローからアッパー、またローと連続攻撃を見せる。後退を余儀なくされるヨックモラゴットだが、組めばやはり投げ。このラウンドも、やはりあらしは何度かマットに背をつけることに。
そして迎えた5R、あらしは早々から左ミドルで前進し、ローへ。コーナーで組み合ってのヒザの打ち合いから、あらしは左ミドルを2連打。だが2発目はやはりヨックモラゴットが掴んでこかす。
ペースを上げてきたヨックモラゴットは組んでのヒザ。あらしもコーナーに押し詰めてヒザを返す。ミドルの打ち合いからあらしが左ストレート。3分過ぎにはあらしがコーナーで右ローを連発、ヨックモラゴットも左ハイを返す。コーナーを背負ったままのヨックモラゴットに、あらしがロー、アッパーを連発してゴング。試合はシーソーゲームのまま幕を閉じたが、判定は3者3様のドロー。あらしは惜しくもタイトル獲得はならなかった。
▼第17試合 M-1スーパーフライ級王座決定戦 M-1ルール 3分5R
△KENT(湘南格闘クラブ/M-1フライ級王者、元J-NETWORKスーパーフライ級王者)
ドロー 判定1−1 ※50−49、48−50、49−49
△TOMONORI(OGUNI GYM/ニュージャパンキックボクシング連盟/WMCインターコンチネンタルスーパーフライ級王者、UKF世界バンタム級王者、元NJKFフライ級王者、MACH
GO! GO! '06 52kgトーナメント優勝)
※ドローのため王座は空位のまま。
▼第16試合 M-1ライトヘビー級王座決定戦 M-1ルール 3分5R
○寒川直喜(バンゲリングベイ/J-NETWORKミドル級王者)
TKO 3R1分45秒 ※ヒジによるカット
●ロッタン・フェアテックス(タイ/フェアテックス/元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級4位)
※寒川が初代ライトヘビー級王座に就く。
▼第15試合 68kg契約 M-1ムエタイルール 3分5R
○ボーウィー・ソーウドムソン(タイ/元ラジャダムナンスタジアム認定フライ級王者、元WMC世界スーパーバンタム王者)
TKO 5R0分55秒
●ヴァヒド・ロシャニ(イラン大誠塾/2004〜06年イランムエタイ王者、2007年アマチュアムエタイ世界選手権優勝)
「隠れムエタイ大国」イランで3年連続チャンピオンに輝き、一昨年にはアマムエタイ世界選手権優勝の肩書きも持つヴァヒド・ロシャニと、そのアグレッシブなファイトで「壊し屋」の異名を持つボーウィー・ソーウドムソンの一戦。
1R、両者ローを出し合う中、パンチやヒジで先手を取るのはボーウィー。だが中盤、ボーウィーが右を出して前進すると、ロシャニは左右フックを返していく。終盤、ボーウィーはボディ、ロシャニは右ミドル。終了近くにはロシャニが独特のバックキックを見せる。
2Rもボーウィーが先にパンチを出していくが、ロシャニは組んで対応。ボーウィーが右、ヒジとヒットするとロシャニも左右フックを出し、徐々に試合が熱さを増す。ボーウィーは左右ボディを生かして前進すると、強烈な右ロー。だがロシャニもパンチやローを返していく。タテと横のヒジ連発でボーウィーがロシャニをロープ際で追い詰めると、後ろを向いてしまったロシャニの頭部にヒジ。
3R、まずボーウィーが右ロー。ややローが効いてきているようにも見えるロシャニは下がりつつも反撃の機会をうかがうが、ボーウィーは左右ボディ、左右フックで前進一方。さらにヒジも繰り出し、完全に自分のペースに。2分過ぎにはコーナーに追い詰めてラッシュをかける場面も。その後も何とかパンチで反撃したいロシャニをボーウィーが追い回す展開が続く。
4R、決めにかかるボーウィーは左ハイ、右ストレートで前進。さらにロシャニを追って何度も左右のヒジを振るう。ロシャニも下がりながらパンチを出していくが劣勢は否めず、苦しい展開に。ニュートラルコーナーに追い詰めたボーウィーが左右ヒジを連打してロシャニを投げると、場内からは歓声が上がる。炉Yさにも何とかロー、右フックなどで打開を狙うが、ボーウィーのペースは崩せず。
5R、ロシャニはバックステップを踏みながらパンチを出すが、ボーウィーは気にせず左右ヒジ連打、さらに投げ。これでロシャニが顔面をカットし、ドクターチェック。試合はストップされ、ボーウィーがTKOで勝利を手に入れた。
▼第14試合 63kg契約 M-1ムエタイルール 3分5R
○アタチャイ・フェアテックス(タイ/元ルンピニースタジアム認定フェザー級王者、1997年ムエタイ最優秀選手)
判定3−0 ※50−47、50−48、49−48
●ツグト“忍”アマラ(モンゴル/元全日本ライト級王者、元MA日本スーパーフェザー級王者、KING
COMBAT 2002 60kgトーナメント優勝)
K-1
MAXでも活躍し、近年は本来のライト級に活躍の場を戻したツグト“忍”アマラが、その華麗なテクニックで“神”とさえ称されるアタチャイ・フェアテックスと激突。
1R、ゴング直後は軽くローや前蹴りを出しながら様子見の両者だったが、アタチャイは素早くステップしてのハイ、ボディ、高くジャンプしてのハイキックなどで早くもそのテクニックの片鱗を見せる。アマラは終盤、飛び込んでのジャブなどを見せる。
2R、開始直後にアマラがテンカオ。その後もアマラはしゃにむにパンチを振るっていくが、アタチャイは左フックでダウン気味に倒す。アマラもニールキック、左右フックを見せるが、アタチャイは突っ込んできたところにテンカオ。
2分過ぎ、アマラは左右フックを大振りするが、アタチャイはスウェーでかわしてテンカオにつなげていく。終盤にはボディからテンカオのコンビネーションも。
3R、自ら前に出てパンチを振るってきたアタチャイ。飛び込んでのテンカオや左フック連打とフィニッシュへの意欲十分。だがアマラもそれをかわしてヒジを出すなど、何とか打開策を探りに行く。2分過ぎには左右ストレートで前進したアマラだったが、逆にアタチャイは持ち上げて大きく1回転させる。最後に突進したアマラの右が当たったところでゴング。
4R、接近戦を挑もうとするアマラにアタチャイはカウンターの右、左ミドル。組んだら投げ。アタチャイは左ハイを当てるが、アマラも突進してのパンチ。
積極的に前に出るアマラはどんどん手数を出していくが、アタチャイは冷静に対処。追い込むには至らない。終了間際、アマラがアタチャイをこかすと場内からは歓声が。
5R、パンチを繰り出していくアマラにアタチャイはテンカオ、カウンターのジャブ。それでもアマラは左右フック、右アッパーで前進。アタチャイが打ち合いに応じたタイミングではアマラのパンチがヒットする場面もあり、終盤には蹴り足を取ったアマラが左を入れる。最後まで突進し続けたアマラだったがポイントを挽回するまでには至らず終了のゴング。アタチャイの判定勝ちに終わった。
▼第13試合 69kg契約 M-1ムエタイルール 3分5R
○ケム・フェアテックス(タイ/元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフェザー級王者、元プロムエタイ協会認定フェザー級王者)
TKO 3R1分16秒 ※ヒジによるカット
●石毛慎也(東京北星/ニュージャパンキックボクシング連盟/元NKBウェルター級王者)
当初予定された2冠王ナルポン・フェアテックスがキャンセルとなり、「今大会出場選手中最強」とも言われるケムとの対戦となった元NKBウェルター級王者・石毛慎也。「打倒ムエタイ」だけを追い求めて闘ってきた石毛が、元ラジャ・スーパーフェザー級、元プロムエタイ協会フェザー級王者のケムにどれだけ迫ることができるか。
いつものように「マスクマンズ」を従えて入場してきた石毛は1R、ローと前蹴りからスタート。ケムも右ローを返していく。
前蹴りからのヒジを見せて詰めていくケムに、石毛もジャブで応戦。ケムはジャブからの速い左フックから攻勢に出ると、ジャブから右ストレート、右ハイと畳みかけていく。ジャブとローで応戦する石毛だが、ケムのプレッシャーに押され気味だ。
2R、石毛はフットワークを使いながらジャブを出し、前蹴りで距離を取ろうとする。石毛が右に回り込んだところにケムは左フックから右ロー。右ハイ、腕をとってのバックヒジなどで攻めるケム。
さらに左ハイ連打からジャブ、ジャブから右ハイ、ヒジと波状攻撃。石毛も飛び込んでのヒジを試みるが、打開策は見出せず。
3Rもケムは序盤から左ハイをヒットすると、パンチでラッシュで一気に前進。石毛も右クロス、右フックで活路を探るが、直後の組み際のヒジで石毛が顔面をカット。ドクターチェックでストップがかかり、ケムがTKO勝ちを収めた。
▼第12試合 60kg契約 M-1ムエタイルール 3分5R
○ノンオー・シットオー(タイ/元ルンピニースタジアム認定バンタム級、スーパーバンタム級、フェザー級王者、2005年ムエタイ最優秀選手)
TKO 1R0分58秒 ※左フック
●末廣智明(大道塾吉祥寺支部)
センチャイ、ウティデートとムエタイ最高峰クラスを形成するノンオーが登場。昨年12月にはウティデートに勝利を収めており、今回来日したムエタイスーパースターズの大将格だといえる。
当初は駿太がこの超強豪に挑む予定だったが、怪我で欠場となったため大道塾所属の末広が名乗りを挙げた。
1R、末広は右ローを蹴り込んで行く。どんな試合でもよく見られる序盤の光景だったが、ノンオーはその右ローに右フックを返してさっそくのダウンを奪う!
この速攻劇に場内は沸くが、それだけではなかった。立ち上がった末広に左フックを叩き込み、末広を横倒しにしてKO勝ち! 恐るべき強さを発揮した。
勝ったノンオーには総合格闘家・青木真也からトロフィーが送られた。
▼第11試合 ライト級 M-1フレッシュマンルール 3分3R 肘なし
○飛猿(AX KICK)
判定3−0
●田中雄士(レンジャー品川)
▼オープニングマッチ第2試合 38kg契約 2分2R
△伊藤澄哉(尚武会)
ドロー 判定
△岩田翔吉(フリー/M-1ジュニア35kg級王者)
▼エキジビジョンマッチ 2分2R 肘なし
“アウトローのカリスマ”瓜田純士(フリー)
勝敗なし
チャンデー・ソーパランタレー(タイ/元ルンピニースタジアム認定ライト級チャンピオン)
▼第10試合 WPMF世界スーパーバンタム級王座決定戦 WPMFルール 3分5R
○ワンロップ・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックス/M-1バンタム級王者)
判定2−0 ※49−48、49−49、50−49
●オットノーイ・ソーウォントン(タイ/WPMF世界スーバーバンタム級6位)
※ワンロップが王座に就く。
ここまで本国のムエタイ戦士と在日ムエタイ戦士の対抗戦は、本国の2戦2勝。日本の各団体では猛威を奮うウィラサクレック軍も本国で揉まれている選手には勝てないということなのか…。対抗戦はついに大将戦、ウィラサクレック軍のエース格であるワンロップが登場し、タイトルマッチに臨む。対するオットノーイは身長で10cm劣る小柄な選手だが、パンチを主体としたファイタータイプ。
1R、サウスポーのワンロップはジャブを伸ばし、オットノーイは前蹴りでそれぞれ距離を測る。ワンロップはさっそく右アッパーを炸裂させ、長いリーチから伸びる左ストレートで入り込み左右のアッパー。
オットノーイもボディから豪快なパンチ。ワンロップは左アッパーからのヒジを見せる。オットノーイの左フックにもヒジを合わせるが、オットノーイは構わずどんどん回転の速いパンチで出て行く。
2R、ワンロップは前蹴りとジャブでオットノーイをパンチの距離に入らせず伸びる左ストレート。ローの蹴り合いからワンロップのヒジとオットノーイのパンチが交錯する。オットノーイのパンチにワンロップはヒジとテンカオ、攻撃がほとんどパンチのオットノーイに対し、身長&リーチ差を活かして入らせない。それでもオットノーイは左フックをヒットさせる。
3R、左ミドルを多用し始めたワンロップ、オットノーイはパンチで入ってはヒジから組み付く。しかし、ワンロップはジャブと前に伸ばした手で距離を制してほとんど入らせない。自分の距離を保ち続けるワンロップは前蹴り、左ストレート、ハイキック。オットノーイがパンチで切り込んでくると組んでしまう。
4R、蹴ってくるオットノーイだが距離が掴めない様子。遮二無二パンチを繰り出すがなかなか当たらない。ワンロップは3Rと変わらず前蹴り、左ストレートとリーチを活かした攻撃。オットノーイのパンチはスウェーで避けるが、入り込んだオットノーイは右アッパー、前蹴りで突き放してから左右フックで攻める。ワンロップは苦しくなってきたから、組みを多用する。
5R、ガードを固めてロープ際に下がるワンロップへ、オットノーイがパンチで入っていく。距離が近くなるとただ抱きつくだけのワンロップにヒザ蹴り。ワンロップは左ミドルを当てては離れるという逃げの態勢。それでもオットノーイのパンチに対して左ストレートやテンカオを返していく。
最後は苦しい展開となったワンロップだが、判定2−0でウィラサクレック軍に初勝利をもたらし、タイで最も権威のあるタイトルであるWPMF王座を手にするという快挙を達成した。
▼第9試合 WPMF世界ミドル級タイトルマッチ WPMFルール 3分5R
○レッドモンコン・ソータムティップ(タイ/WPMF世界ミドル級王者、WMC世界ミドル級王者)
判定3−0 ※50−48、50−48、50−47
●ゲンナロン・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックス/M-1ウェルター級王者/挑戦者)
※レッドモンコンが防衛に成功。
本国のムエタイ戦士と在日ムエタイ戦士の対抗戦第2弾は、31歳の大ベテラン・ゲンナロンが24歳のチャンピオン・レッドモンコンに挑むWPMF世界タイトルマッチとして行われる。
1R、ロープを背にするゲンナロンはレッドモンコンのパンチをかわしての右フックを狙う。WBFの国際式ボクシングでアジアパシフィック王者となったこともあるパンチの技術で、カウンターを奪う作戦だ。残り1分のところでその右フックがクリーンヒット。ガードの隙間からねじ込むような、鋭角的な右フックである。レッドモンコンはさっそくヒジを返す。
2R、同じようにレッドモンコンの攻撃を待って右フックを狙うゲンナロン。左ボディも叩く。レッドモンコンは左ミドル、組んでのヒザ蹴りでパンチの打ち合いを避けるようになってきた。
3R、完全に闘い方を変えたレッドモンコンは組みに行ってのヒザ蹴り。ゲンナロンは左ボディを叩いてから組み、両者ともヒザ蹴りからヒジを突き上げる。レッドモンコンは長い足を高く上げてのヒザ蹴り、ゲンナロンはその軸足を払ってコカす。
離れ際に右ストレートを狙うゲンナロンだが、レッドモンコンはパンチでは勝負せずテンカオの連打だ。これに怯むゲンナロン。レッドモンコンは組み付き、足を高く上げてのヒザ蹴り。
4R、ゲンナロンが得意の右ヒジを振るって前へ出ると、レッドモンコンはやはり組んでのヒザ。足を高く上げて蹴るため見栄えもいい。ゲンナロンがパンチで攻めようとするとテンカオを合わせる。徹底的にしつこく組んでヒザに持ち込むレッドモンコン、離れてもテンカオを巧みに突き刺し、また組んでのヒザと自分のペースに持ち込んだ。
5R、前へ出るゲンナロンにレッドモンコンは左ミドル、テンカオ、ヒジ。さらに組み付くと首相撲でコカす。レッドモンコンはヒジを使い、ゲンナロンが右ストレートを伸ばしてくると捕まえてコカす。
レッドモンコンがジャブ、ミドルを的確に当てるのに対し、ゲンナロンは右ストレートの空振りを繰り返す。中盤を過ぎるとポイントをとったと確信したレッドモンコンはジャブとミドルで逃げの体勢に入り、笑顔でゲンナロンの攻撃をかわして余裕の勝利を収めた。
▼第8試合 M-1ヘビー級王座決定戦 M-1ムエタイルール 3分5R
○コウイチ・ペタス(ザ・スピリット/J-NETWORKヘビー級3位)
KO 4R1分33秒 ※3ノックダウン
●高森啓吾(谷山/MA日本キックボクシング連盟/MA日本ヘビー級2位)
※コウイチが初代王座に就く。
初代ヘビー級王座を争うのは、K-1などで活躍した元・極真空手家“大山倍達最後の内弟子”ニコラス・ペタスの愛弟子コウイチと、柔道出身でパンクラスなど総合格闘技で活躍後キックボクサーとしての試合経験を積んでいる高森の二人。
共に18戦を経験しており、コウイチが13勝(6KO)5敗、高森は10勝(10KO)7敗1分。勝率はコウイチの方が上だが、勝った試合は全てKOという高森の豪腕は驚異。
1R、高森が右ボディから左右フックと豪腕を振るって前に出る。なぎ払うような左右フックに対し、コウイチはステップでパンチをかわしながら右ミドル&ロー。振りの大きい高森のパンチを警戒にかわしていたコウイチだが、ローからパンチに行ったところで右フックをもらいダウン! 一気に仕留めんとする高森が勢い余ってロープから外に出てしまいそうになる場面も。コウイチは下がってパンチをかわし、難を逃れた。
2R、思い切った左フックを振り回す高森、コウイチはローで迎え撃ち、フックを空振りさせてフックから右ハイキック。左フックからヒザ蹴りを突き刺し、ラッシュを仕掛けると高森も打ち返す。高森のパンチにコウイチはテンカオを合わせる。
コウイチの左ローに高森の巨体が揺らぎ始める。フックを空振りさせたコウイチは右インローからの右フックでダウンを奪い返す! フックで反撃してくる高森をテンカオで迎え撃ち、パンチを軽快によけていく。
3R、高森のパンチに合わせて左ローを蹴り続けるコウイチ、右ハイキックからパンチで攻める。高森も豪快な左右フックで応戦し、右ローでディフェンスに回るが、コウイチがパンチを打って来るとフックを振り回してヒヤリとさせる。
突っ込む高森を右ローで迎え撃つコウイチという展開が続き、そしてついに、右ローで高森がダウン! ロープを掴んで立ち上がったところでゴングが鳴った。
4R、倒し返そうとフックで前へ出ようとした高森にコウイチのテンカオがグサリ! ダウンを奪ったコウイチは一気に襲い掛かり、右ロー、右ミドル、左右のパンチ。それでも倒れずフックを振り回す高森。しかし、掴まれての左ヒザを顔面にもらって2度目のダウン。コウイチは右ローを連打し、高森が突進して空振りしたところへ右フックを叩き込み、高森は前のめりにマットに沈んだ。
▼第7試合 M-1女子ミニフライ級王座決定戦 M-1女子タイトルマッチルール 2分5R 肘&顔面膝なし
○岡田敦子(RAPTUREKING/J-GIRLS同級7位)
判定3−0 ※三者とも50−48
●勝山舞子(上州松井/ニュージャパンキックボクシング連盟/元MTIA世界スーパーフライ級王者)
※岡田が初代王座に就く。
M-1がムエタイの女子部門を設立、昨年11月より4人でトーナメントが行われ、その決勝戦を迎えた。日本初の女子ムエタイ王座を争うのは、これが21戦目となるベテランの岡田と元MTIA世界女子王者の肩書きを持つ勝山。
1R、大振りのパンチで前へ出る勝山をジャブで迎え撃つ岡田。連打から組み合いになるという展開が続く。
2Rは岡田が左右に動いて攻撃の機会を探るが、勝山はパンチを入れるとすぐに組み付いてヒザを入れる。岡田はヒザの攻防をしながら、何度も勝山を投げていく。
3R、パンチからの組みが多い両者だが、組んでのヒザの打ち合いから岡田が離れ際に右ロー。また、投げを見舞って勝山をマットに這わせる。
4R、勝山の右ミドルからの右ストレートで岡田が尻餅をついたが、これはスリップ。ここで岡田が勝負をかけて打ち合いに出る!
勝山も打ち合いに応じ、組み合う場面もあるが岡田がパンチの連打で勝山をロープ際へ詰めていく。会場の一角を占めた岡田の応援団から大歓声が沸き起こる。
ワンツーから連打で前に出る岡田、勝山は組んでこれを凌ぐ。
5R、勝山が前蹴り二発で岡田を突き放しにかかるが、岡田はパンチで前進。勝山がバックブローを繰り出すと、ジャンプして組んでのヒザ蹴り。残り10秒でまたも岡田がパンチのラッシュをまとめ、判定3−0で初のチャンピオンベルトを腰に巻いた。
▼第6試合 58kg契約 M-1ムエタイルール 3分5R
○ウティデート・ルークプラバート(タイ/プロムエタイ協会スーパーバンタム級王者、2008年ムエタイ最優秀選手)
判定3−0 ※50−47、50−46、50−46
●大野信一朗(藤本/新日本キックボクシング協会/元日本フェザー級王者)
あのセンチャイ・ソーキングスターと勝ち負けを繰り返す現役トップ選手のウティデートが初来日。2008年ムエタイ最優秀選手(MVP)に輝いた実力を日本のファンの前で披露する。挑むは元・日本フェザー級チャンピオンで42歳の大ベテラン大野。セコンドには山本元気、望月竜介らがつく。
1R、前蹴りとローで前へ出る大野、ウティデートはノーモーションに近い左ハイキック。右ローからの左ヒジでいきなりカット! 大野を流血に追い込む。
ドクターチェック後、大野はジャブと前蹴り、ウティデートはスピードのあるローから回転ヒジ、組むと左ヒジ。ジャブから縦ヒジ! 大野も右ヒジを返すが、またもウティデートの左ヒジが炸裂! 再び大野にドクターチェックが入る。
前蹴りから左ヒジ、左ストレートで大野がスリップ。大野の右目尻からは大量の血が流れ落ちる。戦慄の1Rがようやく終了した。
2R、ウティデートは鋭い前蹴りを突き刺しながら、縦ヒジで入っていく。コーナーへ大野を詰めると左ヒジの嵐のような速射砲!
大野はロープ伝いに逃げていくが、ウティデートは大野を前に出さず次々とヒジを繰り出していく。
リング中央に戻るとウティデートは左ミドル、前に出てきた所で大野が左フックをヒットさせるが、ウティデートは近付きながらの左ヒジ、大野はコーナーを背負って右クロスをヒットさせるもウティデートに組まれる。
左ヒジから右フックの連打で大野をコーナーへ追い詰め、足払いでコカすウティデート。大野の踏ん張りにウティデートの表情が曇る。2Rも濃密なラウンドとなった。
3R、パンチで切り込む大野は組み際にヒザ、左ミドルを蹴られながらもパンチを返していく。ウティデートは大野のパンチをブロックしながら前蹴り、ジャブを伸ばして右ストレート。組まれた大野は右ヒジ、前へ出て左右のフックで攻める。ウティデートはスウェーして左フックを返すが明らかに疲れが見える。
4R、前蹴りを多用するウティデートに、大野がローからの右フックをヒットさせるとウティデートはニヤリ。前蹴りで大野を突き飛ばし、大野が組もうとすると体を捻るだけで相手を倒す。
左ミドルから左ハイ、プッシュするとジャンプしてのヒジも見せ、すぐに前蹴りで大野を突き放す。ジャブ、前蹴りで大野を近づけさせず、最後には回転ヒジを繰り出した。
5R、逆転を狙ってパンチとミドルで前へ出る大野は右ローから右フックに繋ぐ。ウティデートは下がりながら左ミドル、大野の右フックがヒット。しかし、ウティデートはガードの上からパンチを叩かせると、矢のような右ストレートを突き刺す! そのまま大野をコーナーへ詰めてヒジ、足払いで倒してレフェリーが入る間もない速さで顔面への蹴り!
パンチとハイキックで大野をロープ際に詰めて行き、右ストレート、左フック、ヒザと矢のような右ストレート。仰け反る大野もパンチを返すが、右ストレートでコーナーに吹っ飛ばされてヒジの猛攻を受ける。
ウティデートはさらにプッシングでロープに飛ばし、跳ね返ってきたところへ飛びヒザ蹴りと一方的な攻め。最後まで左ヒジの連打、回転ヒジと圧倒した。
▼第5試合 70kg契約 M-1ムエタイルール 3分5R
○ヤソトーン・ポー.プラムック(タイ/元WMC世界ミドル級王者)
判定3−0 ※49−48、50−48、50−47
●クンタップ・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックス/M-1スーパーウェルター級王者、元WMC世界ウェルター級王者)
ブアカーオを擁するポー.プラムックジムから送り込まれた、180cm近い長身を誇る新鋭ヤソトーン。今大会でタイ本国からやってくるムエタイ戦士を、在日ムエタイ戦士が迎え撃つという構図の3VS3対抗戦の先鋒戦を務めることになったのはベテランのクンタップだ。両選手とも元WMCチャンピオンの肩書きを持つ。
1R、サウスポーのクンタップがパンチを多用しながら右ロー、ヤソトーンは左ミドルを合わせる。オーソドックスに構えなおすとクンタップはヤソトーンのミドルをキャッチしてはパンチを突き刺す。
2R、ヤソトーンが1Rよりもアップテンポのリズムを刻み、左ハイキック、パンチを長いリーチから繰り出す。クンタップは顔面へ前蹴りを狙い、右ロー中心の攻め。ヤソトーンも右ローを蹴り、ハイをスウェーさせての右ローも見せる。ミドルを叩き込まれたクンタップはパンチから組みに行くが、首相撲で優るのはヤソトーンの方。ガッチリと組んで回しながらヒザを蹴るヤソトーン。
3R、右ローを蹴って前へ出るヤソトーン、フックで倒しに行くクンタップだが、ヤソトーンの長い手にさえぎられてクリーンヒットを奪えない。
逆にヤソトーンは連打から組み付いてのヒザ蹴り、クンタップのパンチをかわして組み付いてのヒザと上手さを見せ付ける。クンタップの表情にはやや疲れの色が…。
4R、右ローで攻めるクンタップに連打を返して右ローへ繋ぐヤソトーン。首相撲の展開になると必ずヤソトーンが勝ち、蹴り合いでもヤソトーンが優る。
クンタップのパンチをかわして組んではヒザを入れていくヤソトーン、クンタップは疲労と焦りの表情を隠せない。
5R、いきなり組んでのヒザに持ち込むヤソトーン、クンタップは突き放してフックを狙うが、すぐに組まれてしまう。レバーを二発叩くと、ヤソトーンは嫌そうな素振りを見せて組み付く。するとクンタップがフックとローで前へ出る!
ボディにストレートを突き刺し、フックへ繋げていくが、ヤソトーンは組む。KOしようとパンチで前へ出るクンタップ、ボディへの攻めを明らかに嫌がるヤソトーンは組み付く。追い上げを見せたクンタップだったが、逆転はならなかった。
▼第4試合 フェザー級契約 M-1ムエタイルール 3分5R
○コムパヤック・ウィラサクレック(ウィラサクレック・フェアテックス/M-1スーパーバンタム級王者)
判定3−0 ※三者とも50−47
●RIOT(真樹ジムオキナワ/MA日本キックボクシング連盟/MA日本フェザー級王者、元MA日本バンタム級王者)
約9ヵ月のブランクを経て出場した山本真弘戦では判定負けを喫したコムパヤックが、4ヵ月ぶりの復帰戦に臨む。対するはMAで二階級制覇を達成した沖縄の獅子RIOT。元々はワンロップ戦を直訴していたが、その第一関門としてコムパヤックが立ちはだかった形となった。
1R、サウスポーのRIOTが左ミドルで先制、コムパヤックが右インローを放ってくると左のパンチを伸ばす。組み付いたRIOTだが、崩してコカしたのはコムパヤックの方だ。下がるRIOTに前へ出るコムパヤックは右ロー。
2R、コムパヤックは右ハイキックを狙っているのか、徹底的に右ローを蹴りこむ。RIOTは蹴りに合わせての左フック、コムパヤックはパンチを防ぎながら確実に右ローをヒットさせていく。前へ出てRIOTの奥足へ右ローを深く入れ、RIOTが組んでくると崩して投げる。
3R、下がりながら放つRIOTの左ミドルを、しっかりとスネで受けて右ローを返すコムパヤック。RIOTはしきりにパンチを繰り出すも、空を切る。コムパヤックが前に出てくるところへパンチを合わせようとするRIOT、コムパヤックは構わず左ミドル。
4R、ロープ際まで下がってカウンターを狙うRIOT、コムパヤックはパンチをかわしながら右ロー、左フック。RIOTはボディも狙っていくが、コムパヤックは積極的に前へ出て蹴る。
5R、前に出るコムパヤックは右ハイ、右ロー、右ミドル。RIOTの蹴り足をキャッチしてのジャンピングハイキックも繰り出す。すでに勝ちを確信しているのか、手数も減ったコムパヤックが逃げ切りの体勢に入り、判定勝ちを収めた。
▼第3試合 70kg契約 M-1エクステンションルール 3分3R延長1R
○清水 武(藤原/全日本キックボクシング連盟)
判定3−0 ※30−26、30−27、30−26
●喧四浪(GAREX)
▼第2試合 ライト級 M-1フレッシュマンルール 3分3R ヒジなし
○宮田隼児(AJ/全日本キックボクシング連盟)
判定3−0 ※三者とも29−28
●谷山俊樹(谷山/MA日本キックボクシング連盟)
▼第1試合 フェザー級 M-1フレッシュマンルール 3分3R ヒジなし
△裕センチャイジム(センチャイ・ムエタイ/ニュージャパンキックボクシング連盟)
ドロー 判定1−0 ※30−29、30−30、29−29
△メックガイワー・ウィラサクレック(ウィラサクレック・フェアテックス)
▼オープニングマッチ第1試合 40kg契約 2分2R
○嶋田将典(シーザー力道場/M-1ジュニア40kg級王者)
判定3−0
●大田原友亮(フリー)
|