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【NJKF】前田尚紀がまたしても大激闘の末、米田貴志に逆転勝ち!

2009/01/25


ニュージャパンキックボクシング連盟
「ROAD TO REAL KING 1」

2009年1月25日(日)東京・後楽園ホール
開場16:30 開始17:00

▼メインイベント(第11試合) 交流戦 59kg契約 3分5R
前田尚紀(藤原/全日本フェザー級1位)
判定2−0 ※47−47、47−46、47−46
米田貴志(OGUNI/真王杯55kg王者・WMCインターコンチネンタルスーパーバンタム級王者)

 昨年11月に全日本フェザー級4位・岩切博史をKOした米田が、今回は全日本フェザー級1位・前田を迎え撃つ。同じく昨年11月には全日本キックのリングでNJKFのエース桜井洋平が山本元気にKO負けを喫しているだけに(K-1ルール)、全日本のトップランカーを破ってNJKFの牙城を守りたいところだ。米田は真王杯決勝戦で藤原あらしも破っており、“全日本キラー”の一面も持つ。

 対する前田は昨年12月、約1年4ヵ月ぶりの勝利を収めて調子を取り戻しつつある。いつも通りの“魂の勝負”を米田に挑む。前田のセコンドには先輩・小林聡が就いた。

 1R、まずは前田が右インローで先制、サウスポーの米田もすぐに左ローを返すがこれはローブローに。前田は右インローを連発、米田は左で奥足を蹴っていく。前田は米田が蹴りの体勢になると回り込みながら下がってかわそうとするが、思ったよりも米田の蹴り足が伸びてくる様子。米田はやや見すぎか。

 2R、米田の刈り込むようなロングレンジの左ロー、前田も前に出て右インロー。米田が左ハイキックから下がる前田にパンチのラッシュ、コーナーで左のヒザをアゴに突き上げると前田がダウン!

 仕留めにかかる米田はヒザ蹴りとパンチの猛攻、前田を追いつめていく。米田のパンチからの左ローで前田はヒザをついて2度目のダウン。左右のフックで反撃する前田だが、米田は強烈にアゴとボディへヒザを突き上げていく。しかし、ラッシュをかけてガードが甘くなった米田に前田の右がカウンターでヒット、米田がグラつく! 

 形勢は一気に逆転、今度は前田がパンチで猛襲、左フックでさらにグラつかせてボディへのヒザ連打。さらに右ヒジ! 左ローとヒザ蹴りの連打で大逆襲に転じた。

 3R、左右のフックで襲い掛かる前田、米田は左ロー。パンチで勢いよく突進する前田に米田は蹴りで距離を作ろうとする。前田の左ミドルから右フック。米田の左ロー、左ハイ。ジャブを突き刺して左ローで前田をグラつかせる米田だが、前田は構わず左右フックで前へ出る! 米田はさらに左ロー、前田は前へ出てボディブローを繰り出すがこれはバッティングとなる。

 米田は左の眉辺りをカットするが、血はそれほど出ていない。

 左フックから右でボディを叩く前田、米田は左ローを返す。突進を続ける前田はボディ打ち、米田はローと、共にダメージを蓄積させていく。大熱戦に場内が大いに沸く。

 4R、勢いが止まらない前田は左右のフックと右ミドル。組んでのサバ折りで倒す。米田は左ローで前田の突進を止めようとするが、前田は構わず左フック、そして右のボディ。すぐに米田が左ローを返す。

 前田の右ミドルに米田が左ロー、ジャブから前へ出る米田がロープを背負う前田に左ローを蹴るが、前田もフックで反撃。

 米田はさらに連打から左ローを決めていくが、後半になると前田の手数が減り、米田も手を出さない。

 5R、セコンドの小林聡から「1回ダウンを取り返せ。俺と約束しろ」と発破をかけられて前田がコーナーを飛び出す。激しく打ち合う両雄にホールの熱気は最高潮! 打ち合いの最中、米田は左ローと左ハイ、前田もワンツースリーで前へ出る。

 米田もすぐに左ローを返す。米田の左ローと前田の左フックが相打ちとなり、前田が必死の形相でパンチのラッシュから右ロー! 米田も左ローと左ハイを返すが、前田の勢いは衰えを知らない。右ミドルからパンチ、そしてまた右ミドル。苦しくなった米田が時計をチラリと見た直後、前田の左フックがクリーンヒット!

 一気に連打で畳み掛ける前田! 防戦一方で打たれまくる米田にスタンディングダウンが宣告される! 大爆発する場内の歓声! 前田は連打、ヒザ、右ロー、右フック、右ヒジ! 

 さらに米田のお株を奪うような首ヒザの連打でダウンを追加する! フラフラの米田に攻撃の手を休めず、ワンツーを突き刺す前田。米田はもはや組み付くのが精一杯。スタンディングダウンをとられてもおかしくないほどの猛攻を浴び、米田はなんとか試合終了のゴングを聞いた。

 全力を出した前田はコーナーに倒れ込む。大熱戦に後楽園ホールは歓声と拍手に包まれ、前田には「お前が全日本キックだ!」との賛辞がとぶ。 そして判定は1人がドローだったが、2−0で前田が逆転勝利。前田はガッツポーズで歓声に応えた。


 試合後、小林は前田が12月のヨースケ戦で右膝を痛めて満足な練習が出来なかったことを打ち明けた。

「フィジカル的な練習ばかりでスパーリングとかサンドバッグを蹴るとかのキックボクシングの練習が出来なかった。今回は絶対に勝って欲しかったので1月に入ってから“ふざけんな、膝が痛いとか言い訳するな”と怒りのメールを送りました。怪我してるとか病気だとかは、闘いには何の関係もないんですよ。練習しろと気合いを入れました。信じてよかった」と、自分が藤原敏男会長にそうされたように“鬼”になって前田を叱咤激励したという。

 前田は「強かったです。まぐれに近かった。絶対に逆転してやろうと思っていました」と、まだ息をハアハアと切らせながらコメント。まさに気持ちの勝負で最後は米田のハートをへし折った一戦だった。




▼セミファイナル(第10試合) NJKFフライ級王座認定試合 3分5R
関 正隆(昌平校/元NKBフライ級王者)
判定3−0 ※49−48、50−48、50−48
中西祐介(健心塾/NJKFフライ級1位)

 中西は昨年9月、三好純を下してフライ級王座への挑戦権を獲得したが、11月のタイトルマッチは王者・久保賢司の試合放棄という形で中止に。そのため今回は王座認定試合(中西が勝った場合のみ王者として認定される)となった。勝てばベルトを巻くことが出来るが、その前に立ちはだかるのはフリーの関。これまで5回もタイトルマッチを経験しているベテランである。

 1R、左右に小気味よく動きながら左右のローを蹴っていく関に、中西は強い左ローとワンツー。前に出て行くのは中西だが、パンチで関をとらえることが出来ない。

 2R、右ローを狙い撃ちする関、中西はダッキングされてパンチの空振りが続く。右ローをもらい続ける中西は左ジャブをかわさせて右フックを当てていくが、有効打が少ない。

 3R、中西がワンツーを繰り出すと関はすぐに左ローをリターン。中西の左ミドル、関はやや手数が減って前蹴りで距離を取ったり組み付いたりする。

 4R、中西のパンチをブロックしながら左右のローを蹴り続ける関、何とかパンチを当てようと前へ出る中西。しかし、左ミドルは入るがパンチはかわされ、逆にローをもらう。

 左をかわさせて右のパンチを狙う中西、関は左目尻から流血する。右ストレート、左フックを繰り出す中西に、関は声を出しながらローを蹴る。

 5R、両者ともアグレッシブに動き出し、ローを蹴り合い、相手の蹴りにパンチを合わせていく。関は中西が入ってくるところに左ミドルを合わせ、ローとフック。前に出る関の左フックがヒットし、終了のゴング。判定3−0で関が勝利し、中西はベルトを巻くことが出来なかった。




▼第9試合 WBCムエタイ統一ランキング戦 ウェルター級 3分5R
宮越宗一郎(拳粋会/NJKFウェルター級2位)
判定3−0 ※50−49、49−48、49−48
一貴(マスターズピット/MA日本ウェルター級2位)

 WBCムエタイルールによるNJKFとMAの統一ランキング戦第2戦は、両団体のウェルター級2位同士の対戦。宮越は劇画『四角いジャングル』にも登場した空手家&キックボクサー内藤武を父に持つ。

 去年9月に長島☆自演乙☆雄一郎に壮絶な1RKO負けを喫したが、それまではクリストフ・プルボーからの勝利を含む三連勝を飾っていた。復帰戦、そしてMAとの対抗戦で勝利を収めることが出来るか?

 1R、太い腕からボディストレートを伸ばしていく一貴、左右のフックをブンブンと振り回す。宮越はロープを背負いながらもフックのカウンターを狙う。

 フックを振りながら突っ込んでくる一貴に、よくみて右フックをヒットさせる宮越。

 2R、ジャンプしての前蹴りから左右フックと勢いよく攻める一貴。宮越は相手の動きをよく見て左フックから右ストレートを返していく。両者とも強いローを当てて行き、左右のフックに繋ぐ。

 3R、フックをフェイントにして右ローを放つ一貴、宮越は前に出るところへの左フックを狙い続ける。宮越の左ハイキックがヒット! 左フックを当てては左へ回り込む宮越、一貴はローを当てていくがパンチが雑になり気味。

 4R、一貴は宮越のパンチをダッキングでかわして左フック。しかしバックブローを空振りして逆にパンチをもらうなどパンチの雑さが目立つ。一貴のワンツー、宮越は右ロー。大降りになる一貴のパンチをかわして宮越がパンチを当てて行く。

 5R、パンチで前に出る一貴とそれをパンチで迎え撃つ宮越。一貴の左フックがクリーンヒットし、宮越が仰け反るが、宮越もすぐにパンチで反撃。宮越の右フック、右ストレートが突き刺さり、一貴はフラフラで防戦一方に! 判定3−0で宮越が勝利し、ランキング戦はNJKFの2連勝に終わった。




▼第8試合 WBCムエタイ統一ランキング戦 ライト級 3分5R  
一輝(OGUNI/NJKFライト級3位)
KO 5R1分40秒
渡辺大介(ダイケン/MA日本ライト級2位)

 いよいよNJKFとMAによるWBCムエタイルール統一ランキング戦がこの試合からスタート。先陣を切るのはNJKFの一輝とMAの渡辺。

 1R、右ローをコツコツと当てていく一輝に対し、渡辺は右ミドルと右ロー。右ストレートを狙いつつ前へ出て行く一輝に、渡辺は回り込みながら右ローを蹴って行く。

 2R、渡辺はパンチをブロックして右ロー、右ミドル、下がって一輝が出て来るところを迎え撃つ。一輝はやはり右ローをコツコツと蹴って行く。

 3R、渡辺が左ミドル、左ローを蹴り、前蹴りで距離を取りつつ回り込んでの右ロー連打。左フックからの右ローも。この右ローに一輝が足を上げ始める。

 4R、渡辺の右ローで大きく体が揺らぐ一輝。渡辺はジャブと前蹴りを使って一輝をなかなか入らせない堅実な試合運び。一輝は前へ出てジャブ、右ローから右ストレートを狙うが逃げられる。しかし、一輝の右ローも確実に効き始めているのが窺える。

 5R開始早々、一輝の右ローで渡辺がダウン! 一輝は右ローの連打で逆襲に転じ、スリップさせた後の右ローで2度目のダウンを奪う。最後はバックブローを空振りさせての右ローで仕留め、勝ち名乗りを受けた。

 一輝は昨年9月の翔太戦も前半はリードされながら、4Rにダウンを奪って5Rも盛り返した。まさに後半強い“5回戦男”だ。




▼第7試合 交流戦 ウェルター級 3分3R
上田龍之介(キングジム/NJKFウェルター級7位)
判定3−0 ※30−28、30−27、30−27
YUTA(谷山/MA日本ウェルター級10位)

 NJKFと他団体の5VS5対抗戦と銘打たれた5番勝負の先鋒戦。上田はここまで4戦4勝(1KO)の18歳のホープ。K-1トライアウトのユース部門でも合格している。対するYUTAは昨年末にタイで1RKO勝利を挙げたばかりだ。

 1R、サウスポーの上田が高めの左ミドルを多用して距離をとり、離れた距離からの飛びヒザ蹴りをアゴに突き刺す。YUTAは右ミドルを出すがやや見すぎか。真っ直ぐ下がるYUTAに上田が押して左ロー。

 2R、左のパンチを当てて左ロー、左の飛びヒザ蹴りに繋ぐ上田。YUTAがパンチで突進すると首相撲で組んで徹底したヒザ蹴りを見せる。上田の攻撃の圧力にYUTAは下がり続ける。

 3Rはお互いに打ち合って一気にヒートアップ。YUTAがバックブローを繰り出し、上田は組んでのヒザ。上田が左ハイキックを連発し、飛びヒザ蹴りも繰り出す。最後はお互いにバテ気味となったが、上田は組んでのヒザを出し続けて判定勝ちで無敗記録を5に伸ばした。




▼第6試合 NJKFアマチュア70kg級王座決定戦 2分2R
小西拓槙(M-BLOW/ネクストレベル70kg優勝)   
判定3−0 ※三者とも20−18
朝比奈真吾(力/HATURATU70kg優勝)

 NJKF初のアマチュア王座決定戦は、関東のブリザードジム主催大会『HATURATU』と、関西の超党派で運営されている『NEXTLEVEL』でそれぞれ2階級のトーナメントが行われ、その優勝者同士が日本一を争う。優勝者の腰にはベルトが巻かれる。選手はレガースを着用。

 70kg級の決勝戦は関東の朝比奈と関西の小西で争われる。

 1R、サウスポーの小西がパンチを出して前へ詰めていく。

 ミドルの連打からパンチで詰めていくと朝比奈はガードしたまま亀になってしまう。

 2R、朝比奈はローを蹴るも小西のパンチで下がってしまう。疲れが見えた小西に右ストレートを一発ヒットさせたが、最後まで手数で圧した小西がベルトを関西にもたらした。




▼第5試合 NJKFアマチュア60kg級王座決定戦 2分2R
頴川 裕(インスパイヤード・モーション/HATURATU60kg優勝)      
判定3−0 ※20−18、20−17、20−17
木谷典史(フリー/ネクストレベル60kg優勝)

 60kg級の王座決定戦には昨年行われた『K-1甲子園』に出場、西日本地区で優勝して前田憲作チームドラゴン代表が「18歳の時に会った魔裟斗を最初に見たようなオーラを感じました。将来スターになることは間違いありません」と太鼓判を押した18歳の木谷典史が出場。セコンドには前田憲作も就く。対するは名匠・山本アキラ会長率いるインスパイヤード・モーション所属の19歳の頴川。

 1R、フックで勢いよく突っ込んでいく頴川に、木谷は前蹴りで応戦して掴んでのヒザ蹴り。

 頴川は左フック中心にパンチでガンガンと攻め込み、距離を潰される木谷はやりにくそう。それでも後半には左ハイキックで頴川をヒヤリとさせる。

 2R、頴川は木谷の蹴りに合わせて突っ込み、パンチを当てていく。木谷も右のパンチをヒットさせていったが、頴川の飛び込み様の左フックで痛いダウン! 頴川は飛び前蹴りから左フック、フックの連打を繰り出して押したまま試合終了。頴川がチャンピオンベルトを腰に巻いた。


▼第4試合 56.5kg契約 3分3R                
心センチャイジム(センチャイムエタイ/NJKFフェザー級4位)
KO 3R0分41秒
松田 徹(PIT/NJKFスーパーバンタム級9位)


▼第3試合 交流戦 女子フライ級 2分3R           
☆MIKA☆(ワイルドシーサー群馬)
判定3−0 ※三者とも30−28
大浜芳美(OGUNI/J-GIRLSフライ級2位)


▼第2試合 ヘビー級 3分3R
篤志(ブリザードジム)
判定3−0 ※29−28、29−28、30−29
長谷川康也(アクティブJ/J-NETWORKヘビー級9位)


▼第1試合 68kg契約 3分3R
高橋誠治(町田金子ジム)
KO 1R2分31秒
篠原久仁宏(拳之会)

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