2月1日(日)大阪・世界館にて、バーサス主催『OVERCOMING
2009 vol.1 POWERGATE CRASH』が開催された。
2009年度初興行となった今大会には、パラエストラ大阪・PUREBRED京都・総合格闘技道場コブラ会・成蹊館など、関西の常備艦隊である各道場から前線部隊が送り込まれ、PG戦艦からは
岸本秀輝・グッドマン田中・星子裕介など、主力パワーゲーターが迎え撃つ格好となった。
パウンド解禁ルール(PGクラッシュルール)が施工されてから今回で3大会目にも関わらず、早くも全試合をクラッシュルールに転換させたのには、急ぎや焦りからの選択ではなく、関西のマット事情がこうした早い局面を向わせたと言っても過言ではない。
PGライト級注目の一番、岸本秀輝(GROUND CORE)VS梅園文平(パラエストラ大阪)を始め、全日本アマ修を制した者同士、金山康宏(PUREBRED京都)VS
YOKOSAI(ピロクテテス新潟)の一戦。
また、カイザーグランプリライト級王者・山崎善太がエキシビションながら半年ぶりの登場。今後の動向に注目が集った。前売りチケットが早い段階で売り切れ、当日券もソールドアウト。地固めの3年を終了したパワーゲートが満を持して4年目でパウンド解禁に踏み切り、5年目を前にした師走の第二都市・大阪から、一気にレベルアップの豆を撒き始めた。
情報提供=有明大吾(パワーゲート)
バーサス
「OVERCOMING 2009 vol.1 POWERGATE CRASH」
2009年2月1日(日)大阪・世界館
開場16:00 開始16:30
▼FINALGATE ライト級 5分2R
○梅園文平(パラエストラ大阪)
一本 1R3分05秒 ※腕ひしぎ十字固め
●岸本秀輝(GROUND CORE/’08カイザーGPライト級準優勝)
ゴングと共に飛び込んで来る梅園に右フックを合わせる岸本。更に右ストレートに行く岸本をかわし、グラウンドコントロールでトップを奪う梅園。弾みをつけたい梅園が大きくバスターに来たのを見計らい、岸本はガードを解除してタイミング良く着地する。
スタンドで膝の攻防が続く中、梅園は払い腰でサイドポジションから流れる様なグラウンド捌きを見せ、パウンドでダメージを奪いにかかる。スイープしたい岸本だが、梅園の上手さに手も足も出ず、最後は岸本の腕を捉えてタップを奪った。
前回大会同様にライト級王座への挑戦をブチまける梅園。今大会でエキシビションながらリングにカムバックしてきた王者・山崎善太は、4月の復帰を目途に調整に入る。防衛戦は6月になると見られるが、その相手が梅園になる可能性は充分だ。
勝った梅園とは裏腹に、今大会に向けたモチベーションが保てなかった岸本はしばらくの休養宣言。岸本には沢山のファンが待っている。パワーゲートにとっても大事な選手の内の一人だ。もう一度気持ちを作り直して帰って来てくれることを皆が願っている。
▼9th GATE ミドル級 5分2R
○グッドマン田中(GOODMAN GYM/’08カイザーGPミドル級準優勝)
TKO 1R2分28秒 ※グッドマンドライバー
●tetsu-low(Team Joker)
離れて戦いたいtetsu-lowは蹴りで距離を測り、相手のローでガードが下がった所を右フック。一旦コーナーまで下がったグッドマンは攻撃を掻い潜り、胴タックルでテイクダウン奪取。グラウンドパンチと鉄槌を数発打ち込んでアームロックに捉え、無理だと見るやサイドをキープしながらまたもパウンドと鉄槌の雨。
強引に立ち上がるtetsu-lowに組み付きの手を離さないグッドマンは、スタンド状態で相手の股をすくって強烈なスタンプ。一瞬、動かなくなったtetsu-lowを見てレフェリーが試合を止めた。このストップが物議を醸し、納得のいかないセコンド陣は抗議の姿勢を見せたが、一回落ちてしまった意識のまま続行した場合、もし二回落ちてしまえば生命の危険にもなることからストップは妥当だったと見る。
これが巷で行なわれている喧嘩ファイトであれば続行したかもしれない。危険さを売り物にしている性質上、どちらかが完全KOするまでやらせる意地の張り合いが喧嘩ファイトの醍醐味とも言える。
その反動で未然に防げた事故も多い。プロの格闘競技上は果し合い・殺し合いを見せる場所ではなく、一定の管理体制で試合を行なっている以上は続行させることは出来ない。tetsu-low選手の今後を思うからこその裁定に理解を頂きたい。
▼8th GATE ライト級 5分2R
○柴博(PUREBRED京都/’07修斗ウェルター級新人王)
TKO 2R3分25秒 ※グラウンドパンチ
●星子裕介(ロボット刑事K)
※1R、グラウンドでの頭部踏付けで星子イエローカード1
1R、左に構える柴のローが立て続けに入る。左ストレートで突破口を見い出し、左右のコンビネーションから跳び膝を合図に柴の猛攻が火を噴く。左右のフックにボディを散らし、組膝から左フックを畳み掛け、後ずさりする星子の首を捉えてフロントチョークで引き込んで行く。
パワーで首を抜こうとする星子が不用意にパウンドを放った時、柴がガッチリ三角を極める。深く入ったかに見えたこの技も、星子の遮二無二な脱出法で解除される。焦った星子はグラウンドの柴の顔面へ向かって踏付け行為を見せてイエローカード。再開後も柴は左ストレートから跳び膝で積極的な攻めを見せる。
2R、後がない星子はグラウンドでトップを取り、パウンド狙いでダメージを奪おうとするが、柴の巧みな三角絞めの罠にはまってしまう。強引に脱出しようともがく星子をコントロールし、極めながら鉄槌を下ろす容赦ない攻めを見せる柴は、バックマウントからチョークを狙いそのままグラウンドパンチで力の差を見せつけた。同門の金山に続きマイクを握った柴は、カイザーGPのベルトを狙いたい旨を伝えた。
▼7th GATE フェザー級 5分2R
○金山康宏(PUREBRED京都/’04全日本アマチュア修斗ライト級優勝)
KO 1R3分10秒 ※パウンド
●YOKOSAI(ピロクテテス新潟/’06全日本アマチュア修斗ライト級優勝)
サウスポーに構えて距離をとる金山は、左フックで飛び込んだところを脇を差してテイクダウン。ロープ際だったことから、リング中央へ導く冷静さで相手をコントロールする。ハーフガードで堪えるYOKOSAIが下から腕を取り、肩固めで隙を作る等の脱出を狙うが、その間にも金山の牽制のパンチが上から降ってくる。
金山が片足を抜こうとする瞬間に合わせてようやくクロスガードに移行。ボディーへの打撃で攻勢をキープさせたい金山だが、YOKOSAIの防御に膠着してブレイク。エンジンがかかった両者はスタンドで打撃合戦。ストレート中心のYOKOSAIを金山が右のフックで交錯させる。
金山は絡んだ首を引き寄せて膝を合わせ、崩れたYOKOSAIに無酸素ラッシュでパウンドを打ち下ろした。試合後、マイクでフェザー級タイトルに挑戦を表明する金山。2大会とも実績のある選手に完全勝利した金山は挑戦権を得て然るべきだろう。王者・尾崎大海は厄介な獲物に狙われた。
▼エキシビションマッチ 3分2R
−山崎善太(チームKGW/カイザーGPライト級王者)
エキシビションにより勝敗はなし
−泉谷剛(M-BLOW)
試合後のコメントで、4月・6月に予定される大阪大会のどちらかで両者の復帰戦が組まれる可能性があることが明らかとなった。特に山崎にいたってはカイザーグランプリ王者として6月の防衛戦が目されている。状態が上向いていれば4月に1試合挟んだ後、防衛戦に挑む構えだ。
▼6th GATE フライ級 5分2R
○吉田朋彦(G-FREE)
一本 1R4分22秒 ※チョークスリーパー
●長田泰典(相補体術)
▼5th GATE バンタム級 5分2R
○一休さん(フリー)
TKO 2R3分47秒 ※レフェリーストップ(左腕脱臼のため)
●金山浩樹(成蹊館)
▼4th GATE ウェルター級 5分2R
○ロシアン鈴木(総合格闘技道場コブラ会)
判定3-0 ※20−18、20−18、20−18
●須田智行(KFN)
▼3rd GATE ライト級 5分2R
○松山誠(Team Joker)
一本 1R3分14秒 ※三角絞め
●堅田信明(BHAIRAVA)
▼2nd GATE バンタム級 5分2R
○WAKATSU(総合格闘技道場コブラ会)
判定3-0 ※20−18、20−18、19−18
●三木隆正(相補体術)
※1R、ローブローで三木イエローカード1
▼1st GATE フェザー級 5分2R
○KAZUYA(NJKF・誠至会)
TKO 1R2分40秒 ※グラウンドパンチ
●tatsu(Team Joker)
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