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【新日本キック】石井宏樹が現役ムエタイランカーを撃破!王座獲りへ再出発

2009/03/08



新日本キックボクシング協会
「MAGNUM19」

2009年3月8日(日)東京・後楽園ホール
開場16:45 開始17:00

▼メインイベント 日泰国際戦 62.5kg契約 3分5R
○石井宏樹(藤本/ラジャダムナンスタジアム認定スーパーライト級5位、WMC同級7位、初代TOUITSUライト級王者)
判定3−0 ※50−47、49−48、49−47
●ウィナイレック・ポー・ランサン(タイ/ラジャダムナンスタジアム認定ライト級6位)

 昨年3月のラジャダムナンスタジアム&WMCスーパーライト級タイトルマッチ以来の後楽園ホール登場となる石井。「負ければ引退」を懸けて臨んだ昨年12月の『TOUITSU』で他団体のチャンピオンたちを退け、トーナメント優勝を果たしての凱旋だ。

 挑むのはムエタイ現役ランカーのウィナイレック。石井が敗れている元王者ジャルンチャイ・ケーサージムと昨年10月&11月に闘い、1勝1敗の成績を残している。戦績は42勝(8KO)15敗2分。22歳。両者ワイクーを舞って試合開始。

 1R、石井はきびきびとした動きから的確にローキックをヒットさせていき、相手がロープに詰まるとパンチ。ジャブ、前蹴りでけん制しつつ、飛び込み右ストレートを狙う。ウィナイレックは強い右ミドルを単発で蹴ってくるが、まずは様子見という雰囲気。その間に石井はよく動いて相手にリズムをとらせず、右ローでダメージを与えていく。

 2R、左右のローを蹴る石井にウィナイレックが右ミドル、石井はその軸足にローを合わせる。石井がバックブロー。ウィナイレックはさっそく組みに来てのヒザ蹴り、石井の蹴り足を掴んでの攻撃を見せる。石井は強いローを当ててパンチでも入っていくが、相手が捕まえに来るため下がる。終盤には激しい右ローの蹴り合いが行われ、場内がどっと沸く。石井はローに合わせて左フック。

 3R、石井がジャブから右ロー、飛び込み右ストレートから右ローと徹底した右ローの集中砲火。ウィナイレックの左ミドルには左フックを合わせる。ウィナイレックも左右のハイキック、ミドル&ローを蹴ってくるが、石井がすぐに左右ローをリターン蹴り返す。さらに左フックもヒットさせるなど、スピードで完全にウィナイレックの上を行く。

 4R、石井が右ローを蹴り続けてロングの距離からの右ストレートをヒットさせる! すかさずフック、アッパーの連打でロープに詰めていく! しかし、ヒジや組みを警戒して深追いはしない。ジャブ、前蹴りを出しつつ、しつこく右ローを蹴って左ローも織り交ぜていく。ウィナイレックはヒジを繰り出して突進するなど必死さが見える。

 5R、序盤に左フックの相打ちとなり、石井がグラつく! ウィナイレックはパンチ主体に切り替えて迫っていくが、石井は打ち合いはせずに右ローと前蹴り。ローとパンチで前に出るウィナイレックをすかすように回り込み、飛び込み右ストレート。ウィナイレックが組もうとすると、バックエルボーを繰り出す。

 残り時間が僅かになると、石井もロングの距離からの右ストレートで前へ出て、ジャンプしてのヒジ打ちも見せる。持ち前のコンビネーションはほとんど出さなかった石井だが、右ローで確実にダメージを与え、蹴られたら蹴り返す、要所要所でパンチを当てるなどの老獪なテクニック&スピードで完全にウィナイレックを上回った。勝者は判定3−0でもちろん石井だ。

「もっといろんなことが出来ましたね。ちょっと手数が出なかった。途中から逃げに入られたのでそれが悔しかったです。勝ったと思って逃げてるのかと一瞬思ってしまいました」と、現役ランカーに完勝しながらも喜びが少ない石井。

 ウィナイレックはジャルンチャイ戦のビデオを見て研究し、「やりやすいタイプでした。ジャルンチャイ戦では首ヒザでガンガン行ってたので3Rにやってくると思ったんですが、やってこなかったですね。ローはジャルンチャイにもバンバン蹴られていたので当たると思っていました」と、作戦が完璧だったと語る。

 しかし、「途中から自分の足がイカレてきて……実は1週間前に大月(晴明)君とスパーリングをやって、後頭部を蹴ってしまって足の甲を痛めてしまい、練習でも何日間かしか蹴れなかったんです。試合中は痛さを感じなかったですけれど、気にはなっていたので悔しかった」と告白。

 相手のローもパンチも「全然、見えていたから効かなかった。ローの蹴り合いなら絶対に負けないと思っていました。相手が下がり気味で、コンビネーションが繋がらなかったのが残念」と問題なかったと語り、最後は向こうもパンチで来てくれたので、負けてると思って来てるんだと嬉しくなりましたね。タイ人がパンチで最終ラウンドに来るのは珍しいじゃないですか。これで盛り上がると思ったんですが、一瞬だけでした(笑)」と余裕のコメント。

「タイ人に通用するところを見せたい。夢を追いかけている時は楽しいです」と、石井は再びムエタイ王座獲りに動き出すことを宣言。「タイ人以外は興味ない。今後は打倒ムエタイ路線一本で行きたい」とし、鴇コーチは「実績を考えると今日のランカーに勝ったことですぐにタイトルマッチも出来るはずです。でも、こちらの意向としてはもう1試合タイ人との試合を挟んでからタイトルマッチをやりたい」と方針を語った。

 また、石井は王座から転落したジャルンチャイとの再戦も希望している。「けっこう手が合うので、もう1回やりたい相手です。今日勝ったので、改めてやりたいと言えるようになったと思います」。そして、スーパーライト級よりも層の厚いライト級に挑んで行きたい、と語った。


▼セミファイナル 日泰国際戦 55kg契約 3分3R
△木暮 智(ビクトリー/日本バンタム級王者)
ドロー 判定0−0 ※三者とも30−30
△チャイナリット・ソー・モンコンデット(タイ)

 試合前、日本バンタム級チャンピオンに認定された木暮(前王者は深津飛成)。これが王者第一戦となる。対するは18歳ながら23勝(2KO)12敗のキャリアを誇る手足の長いチャイナリット。

 1R開始早々、チャイナリットが放った速い右ハイキックに場内からどよめきが起こる。チャイナリットはそのまま何度も高い蹴りを狙うが、後半はヒジ狙い。木暮は蹴りをかわしてのロー。

 2R、ロープを背負うチャイナリットは前蹴りと左ミドルで突き放しにかかる。木暮はローを蹴るもその後に続くパンチがなかなか当たらない。チャイナリットは前蹴りを出して前に出て行くが、大きな動きは見られない。

 3R、今度は徹底して組んでのヒザ蹴りを繰り出すチャイナリット、組むと木暮をマットに叩きつける。木暮は下がりながらも左ローを的確に蹴っていくが、すぐに捕まってしまいヒザをもらう。山場を迎えることなく、ドローに終わった。


▼第12試合 バンタム級 3分3R
○拳士浪(治政館/同級7位)
判定2−0 ※30−30、30−28、30−29
●池田茂由(伊原/同級2位)

 バンタム級転向第一戦で勝利し、いきなり2位にランキングされた池田。今回は上位ランカーとして同級7位の拳士浪と対戦する。

 1R、ローの蹴り合いからパンチの交換、池田は速いパンチのコンビネーションを回転させていく。拳士浪も右ストレートを伸ばしてロー&ミドル。

 2R、同じようにショートの距離でパンチのコンビネーションを回転させようとする池田だったが、拳士浪はテンカオと組みヒザで応戦。ロープ際で拳士浪が右の縦ヒジを繰り出してカットに成功する。ドクターチェック後、試合再開になると拳士浪は徹底した組みヒザで池田にパンチを出させない。池田は首相撲に対応できず、ヒザをもらってしまう。

 離れれば池田のパンチとローが当たるが、コンビネーションを回転させる前に組まれてヒザをもらう。拳士浪のテンカオもグサリとボディに突き刺さる。

 3R、前蹴りを多用して池田を近づけさせない拳士浪。さらにパンチと左ミドル。池田がパンチで攻めようとすると組んでのヒザだ。しつこくヒザと前蹴りを繰り返し、最後は池田がガムシャラにパンチで入ろうとしたが、突き放されて拳士浪が作戦勝ちした。


▼第11試合 ミドル級 3分3R
○喜多村誠(伊原/日本同級1位)
TKO 2R終了時 ※肩の負傷で試合続行不可能
●ナーセル・アハマディアン(イラン/大誠塾/極真王者、2002年イランムエタイ王者)

 ミドル級1位になった喜多村が迎え撃つのは、極真空手イラン王者の肩書きを持つナーセル。

 1R、ナーセルがハイキックから後ろ廻し蹴りを繰り出すと、場内が沸く。喜多村はミドルを蹴ってパンチで突っ込み、前に出るとナーセルも強気に打ち合ってくる。

 しかし2R、喜多村が右ローを連打するとナーセルの動きが止まり、弱気な表情でセコンドに目をやる。右ローとパンチで喜多村がコーナーへ追い込み、ボディを連打するとナーセルは顔面だけをカバーして棒立ち状態に。これをレフェリーは戦意喪失とみなしてダウンをとる。

 左ミドルを蹴ってパンチで前へ出る喜多村。右ローに足を上げるナーセル。2Rが終了するとナーセルは右肩の以上を訴え、試合続行不可能となって喜多村のTKO勝ちに。喜多村は腕立て伏せと、なぜかコサックダンスで余力をアピールした。


▼第10試合 日泰国際戦 67kg契約 3分3R ※ヒジなし
○イソラサック・シッセクサン(タイ/元ルンピニースタジアム認定フェザー級王者)
判定3−0 ※30−28、30−28、30−29
●石原裕基(伊原道場/日本ウェルター級6位)

 1R、サウスポーから変則的な左ハイキックを繰り出すイソラサック、その後もハイキックを連発して歓声を浴びる。石原はイソラサックのミドルに左フックを合わせに行くが、イソラサックは長いリーチからのワンツーで石原を下がらせる。イソラサックは緩急を極端につけた動きで石原を惑わせる。

 2R、ロングの距離からのワンツーを何度も繰り出し、高めの左ミドルを蹴るイソラサック。石原は返しの左フックを合わせようとするが上手く行かない。距離も詰められず、ローは足を引いて避けられる。逆にイソラサックは長いリーチを活かして伸び上がるようなワンツーで石原を迎撃。

 3R、右インローを蹴っていく石原だが、どうにも距離を詰めることが出来ない状態。イソラサックは2Rと変わらずロングの距離からワンツーと高めの左ミドルを蹴り続ける。そのワンツーが何度もヒットし、石原はパンチの距離に詰めさせてもらえず、イソラサックがVS日本人無敗記録を更新した。


▼第9試合 ミドル級 3分3R
○青木克眞(トーエル/同級4位)
判定3−0 ※27−24、27−24、27−26
●SHING(治政館/同級2位)

▼第8試合 フェザー級 3分3R
△田中義人(伊原/日本バンタム級5位)
ドロー 判定1−0 ※30−29、29−29、29−29
△古河たすく(トーエル/日本フェザー級6位)

▼第7試合 ウェルター級 3分3R
○藤田ゼン(横須賀太賀/同級7位)
TKO 1R1分32秒 ※ヒジによるカット
●土屋修平(伊原/同級5位)

▼第6試合 ウェルター級 3分3R
○斗吾(伊原/同級10位)
KO 1R1分53秒 ※3ノックダウン
●小川大介(トーエル)

▼第5試合 ウェルター級 3分3R
○恭平(大誠塾)
KO 3R2分22秒
●隼侍(伊原稲城)

▼第4試合 ライト級 3分2R
○直闘(治政館)
判定3−0 ※20−18、20−17、20−17
●松本憲幸(伊原稲城)

▼第3試合 フライ級 3分3R
○江幡 睦(伊原土浦)
判定3−0 ※三者とも20−18
●七星達也(菅原道場)

▼第2試合 フェザー級 3分2R
○平井 順(トーエル)
判定3−0 ※三者とも20−18
●川津拓也(ASSHI-PROJECT)

▼第1試合 ウェルター級 3分2R
ー内山源太(伊原道場)
ノーコンテスト ※1R1分34秒で偶発的な事故により
ーロッキー壮大(治政館)

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