志村道場・日本拳法同心会館 「HEAT9」 2009年3月28日(土)愛知県武道館 開場14:00 開始15:00 試合レポート=HEAT事務局
<全試合結果> ▼ダブルメインイベント HEAT総合ルール ウェルター級トーナメント(77.1kg以下)決勝戦 ○マックス・フェルナンデス(エクストリーム/志村道場) 一本 1R1分00秒 ※腕ひしぎ十字固め ●ジャスティン・ホルダス(Fairtex
U.S.A.) 多くのブラジル人応援団の声援がこだまする中、我が子を肩車してマックスが入場。ジャスティンはその姿に目もくれず、己の集中にその時間を費やした。 開始直後、マックスの右ローをジャスティンが捉えてテイクダウンを狙うが、逆に引き込んだマックスは即座にラバーガードの体勢に移行。首から左腕に移動するが、ジャスティンはこれを振りほどき、マックスの足を狙う。 スタンドに戻るが飛びついて再びグラウンドに引き込んだマックスは左腕を取る。ジャスティンが外そうともがくが、マックスはジャスティンの足を抱え隙間を作らせない。そのまま回転し、腕ひしぎ十字の形が完全に極まるとジャスティンはたまらずタップ! マックスの勝利と同時に金網には大勢のブラジル人応援団がなだれ込み、王者となった彼を祝福した。 ▼ダブルメインイベント HEATキックルール ミドル級トーナメント(70kg以下)決勝戦 ○ファピカートRSプロモーション(一宮ムエタイジム) 判定3−0 ●欽士(チームブレイクスルー) ファピカートの入場に、ジムの仲間から愛称である「ハム」のコールが起こる。 1R、欽士は距離を詰め渾身のフックを放っていく。すこしグラついたファピカートだが、すぐに立て直し、右ミドル、ローを返していく。飛び込んでくる欽士に左ジャブを返したが、首相撲からのけぞったところに欽士の強烈な右フックがヒット!後ろに下がるファピカートを欽士が追うが、逆にカウンターのジャブを合わされて追い込めず。ファピカートが強烈な右ローを浴びせたところで1R終了。 2R、ファピカートの右ローが欽士を捉え、足が流れる。前に出ようとする欽士だが、ファピカートは前蹴りで距離を取り、突っ込んでくる欽士に左ジャブをあわせていく。左ジャブ、右アッパー、さらに追撃の右ストレートとコンビネーションを見せるファピカートに、欽士は得意の大きなパンチが打てなくなる。的確に入るファピカートのパンチに顔が腫れ始めた欽士は、ローを蹴られて次第に足も動かなくなっていく。 3R、互いのローの応酬で始まったが、欽士はファピカートのパンチ捌けなくなり、貰う場面が増える。しかし倒そうとする豪快なフックが再び見られ始める。どうにか前に出ようとする欽士だが、消耗が激しいのか攻撃が続かず、止まったところを前蹴りで距離を取られてしまう。その後もファピカートはクレバーな攻めで欽士の動きを封じ、欽士の最後のアッパーをかわしてジャブを返したところで試合終了となった。勝利を確信したファピカートは金網を乗り越え仲間にアピールした。 判定は3-0でファピカートの完勝。欽士の強烈なパンチを封じたファピカートが、ミドル級初代チャンピオンとなり、声援を送り続けた一宮ムエタイジムの仲間と戴冠の喜びを分かち合った。 ▼第7試合 TOSHIN
presents HEAT総合ルール ヘビー級トーナメント(無差別級) 準決勝 ○戦闘竜(志村道場/チームファイティングドラゴン) KO 1R1分14秒 ※右フックからのパウンド ●野地竜太(TEAM
GARO) 野地が足を使い、フェイントを交えながら戦闘竜の周りをまわっていく。戦闘竜はパンチを出さずゆっくりと前に出てプレッシャーをかけると、一瞬の隙を突いて左フックをヒットさせ、そのまま右、左とパンチで金網に詰める、 金網際を脱出した野地を睨みつけた。野地は左のインローで戦闘竜の左足を狙い、足が流れる場面が増えてくる。しかし戦闘竜が飛び込んで放った右フックがヒット!崩れ落ちた野地にパウンドをあびせたところでレフェリーがストップをかけ、戦闘竜がみごとな勝利を収めた。 試合後、マイクを握った戦闘竜は、クリスチアーノ上西にリベンジし、元力士としてベルトを取ることを宣言。最後に「相撲は強いんだよ!」と叫んで喝采を浴びた。 ▼第6試合 TOSHIN
presents HEATキックルールヘビー級トーナメント(100kg以下)準決勝 ○上原 誠(士魂村上塾) KO 延長R ※左フック ●恩田剛徳(志村道場) 開始前、睨み合う両者。レフェリーの声にも微動だにせず、お互いに目を逸らさない。 1R、上原の右ストレートに恩田が右ハイ、ローと蹴りで返していく。恩田は距離を取りキックで攻めていくのに対し、ステップインしておおきなパンチを狙う上原と対照的な立ち上がり。スピードと迫力ある重量級の攻防に観客も盛り上がる。 2R、上原のフックをさばき恩田が蹴るという展開が続く。ミドルが左脇腹を捉え、上原は少し手が出なくなる。上原の飛び込んでの左をもらい怯む恩田だが、すぐに右ハイを打ち、上原はガードを固める。残り10秒を切ってから恩田がパンチで畳み掛けたが2R終了。 3R、上原のフックがヒットするが、続けざまに放ったローが恩田の下腹部に入り一時中断。再開後、ローキックの応酬から上原は回し蹴りを見せる。恩田が少しずつ前に出始め、組み付いても膝を放っていく。ここで流れの中で恩田のヒジが上原のアゴをかすめた為、ダメージ回復のため中断。恩田には口頭注意が与えられた。残り一分を切ると両者手がでず、そのまま時間切れとなった。判定は恩田、上原、ドローと割れて延長に突入した。 延長R、前に出る上原。恩田もパンチを返していく。上原は前蹴りで距離を取り、しばらく消耗から手が出なかった両者だが、上原が放った大きなフックを貰った恩田の足が止まる。そのまま左右のパンチを叩き込むと、右フックで恩田がダウン!カウント9で立ち上がった恩田だが完全に足が止まり、どうにか手を出すのが精一杯。 右フックを受けてふらついたところでスタンディングダウンを取られる。9カウントでファイティングポーズを取ったが、左ジャブを受けて棒立ちとなり、レフェリーがストップを宣告した。恩田は倒れ、勝利した上原もへたり込み立ち上がれず。試合の激しさを物語った。 ▼第5試合 TOSHIN
presents HEAT総合ルール ヘビー級トーナメント(無差別級) 準決勝 ○クリスチアーノ上西(AXIS柔術アカデミー/アメリカントップチーム) 延長判定3−0 ●イ・サンス(CMA
KOREA-恨 AJC) 1R、上西の左ローで始まったが、イはジワジワとプレッシャーをかけ上西を下がらせる。イは飛び込んで首相撲からの膝を打っていく。イはさらに左ジャブを上西の顔面に入れていく。どちらもタックルに行く気配はなく、金網に押し込んでも深追いしない。完全にスタンド勝負の様相を呈す。上西が右ハイキックを放つがイがかわしたところで1R終了。 2R、イは引き続きスタンドでパンチを放っていく。上西も返し、重量級とは思えないスピーディな打撃戦が続く。上西はボディから顔面への左フックでイを金網に押し込んだがイは脱出。上西は右ローでイの左モモの外側を執拗に蹴り、徐々にイのフットワークが鈍っていく。上西のミドルキックをキャッチしたイはテイクダウンを奪うが、グラウンドに付き合わず。スタンドで再開となる。イの右フックに上西が少し怯むが、追撃には至らず2R終了。判定はイ、上西、ドローと三者分かれ、延長ラウンド突入となった。 延長R、イは組み合いを嫌い完全に打撃勝負。上西のワンツーがヒットし、怯んだイはタックルからテイクダウンを奪う。しかし上西はこれをスイープしてバックを奪うと、前に移動して鉄槌を落としていく。しばらく耐えたイだったが、逆にスイープしてパウンドを落としていく。ここから両者の壮絶なスイープ合戦が始まり、ポジションが何度も入れ替わる。 隙をついて上西がマウントを奪うもガードポジションに戻され、サイドにまわって腕を狙うも極めるには至らず。その後も両者がポジションを奪い合っての激しいグラウンド勝負となり、時間切れとなった瞬間に両者はグッタリと倒れ天を仰いだ。 延長ラウンド判定は3-0で上西が勝利を収めた。 ▼第4試合 TOSHIN
presents HEATキックルールヘビー級トーナメント(100kg以下)準決勝 ○天田ヒロミ(フリー) 判定2−0 ●ムーン・ボーラム(Cheon
Moo Gym) 1R、天田は様子を見ながら小さなパンチを出していく。しかしボーラムは身体ごと前に出ながらパンチを放っていく。天田はカウンターを合わせるが、ボーラムは構わず突進して距離を潰してくる。天田のパンチはヒットしているが、ボーラムは怯まない。 2R、突っ込んでくるボーラムに天田は的確にパンチを合わせていく。ボーラムは天田の左ジャブを払いのけると、右ローとフックを放つが、天田は冷静にブロック。クリーンヒットは許さない。ボーラムは突進から組み付く場面が増えてくるが、突進の際に頭が当たり、バッティングで注意を受ける。2分過ぎ、ボーラムは前に出てラッシュをかける。天田は反撃するがボーラムの手数が上回り、大振りになった天田を押し込んだところで2R終了。 3R、ボーラムが前に出るシーンが続く。ボーラムの再三にわたる組み付きでクリンチの場面が多くなり、両者にホールディングの注意が与えられる。天田は少し消耗が見えるが、足を止めて打ち合いになり、天田の大きな左フックがヒット! 嫌がったボーラムはクリンチを繰り返し再び注意を受ける。その後も同じ展開が続き、時間切れとなった。判定は一者はドローをつけたが、二者が天田を支持。2-0で天田が決勝進出を決めた。 ▼第3試合 HEATキックルール ミドル級 ヒジなし ○松本勇三(勇三道場) 判定3−0 ●百武雅敏(誠空会) 1R、松本の強烈なローとミドルのコンビネーションに百武は中に入ることができない。百武構えがサウスポーなのを見て松本は右のキックを中心に攻めていく。松本はローで前に出るとラッシュをかけ、さらに打ち終わりにハイキックで突き放す理想的な攻撃をみせた。しかし松本のローが下腹部に入り試合が中断。松本には口頭注意が与えられた。 2R、序盤と同じく右のミドル、ハイで攻める松本。キックの打ち終わりにはパンチを打ち、百武を追い込んでいく。クリンチで膝を放った百武だが、離れ際に再びキックが下腹部に入り中段。松本にはイエローカードが提示される。再開後、松本はかかとおとし、後ろ回し蹴りなど派手な技を披露。さらに軸足をローで打たれた百武は徐々に足が動かなくなる。松本が回し蹴りを顔面にヒットさせたところで2R終了。 3R、両者足を止めて打ち合うも、松本のパンチがヒットする場面が多く見られる。しかし松本のキックが三度ローブローとなり中段。組み合った流れの中だったため、減点は課されなかった。その後も松本の攻めが目立ち、ラッシュを浴びて百武は流血。ラッシュをクリンチでどうにか凌ぎきったが、松本がハイキックを連発して突き放したところで試合終了。判定は3-0、終始キックで圧倒した松本が勝利した。 ▼第2試合 HEAT総合ルール ウェルター級 ヒジなし ワンマッチ 5分×2R ○ジョナサン・ビスタンテ(SIT
YOU DUWN) 延長判定2−1 ●高嶋俊成(格闘集団BRAVE) 1R、高嶋は威力あるパンチと左ローを中心に押し込めていく。ジョナバンは腕を後ろに組みノーガードで打ってこいとアピール。高嶋が大振りのフックを放ったところをタックルしてテイクダウンを奪う。スタンドに戻り、組合から投げを狙う高嶋だが、ジョナバンはこれを耐える。高嶋の左ストレートからミドルのコンビネーションにジョナバンが顔をゆがめるシーンも見られた。 2R、互いがキックで距離を取り様子見するが、ミドルキックをキャッチした高嶋がテイクダウンを奪う。しかし倒れ際にジョナバンは首をキャッチする。高嶋はこれを外すとスタンドに戻り際に左フックを放ちグラつかせる。消耗が大きくなり、前に出られなくなった両者に注意が与えられる。 動きの鈍る高嶋にジョナバンはスピードあるパンチとミドルをヒットさせていく。ジョナバンは組み付きグラウンドに引き込んだが、高嶋は上からアームロックを狙う。しかし足を外せず決まりきらず、マウントでパンチを落としたところでタイムアップ。判定はジョナバンに一票、二者はドローを付け延長ラウンドに入った。 3R、ローを放つジョナバンを金網に押し付けた高嶋だが、クリンチから膝を貰ってしまう。離れたところでジョナバンの右ローが高嶋の下腹部に入り、試合が一時中断する。苦悶の表情を浮かべる高嶋は再開後もキックを出せず辛そうな素振りを見せるが、ジョナバンの左ハイを捉えてテイクダウンを奪う。金網に押し付けパウンドを落とす高嶋。 ジョナバンは逃げようとするが固められて逃げられず。しかし高嶋が立ち上がろうとしたところにジョナバンが足を絡め、三角で首を締める。どうにか外した高嶋だが、下からのジョナバンの強烈な蹴り上げに飛び込むことができず。両者決め手がないまま延長ラウンドも終了となった。両者は終了と同時にへたりこみ、消耗の多さを物語った。判定は2-1とスプリットでジョナバンが勝利を収めた。
▼第1試合 HEATキックルール ミドル級 ヒジなし ○ダニロ・ザノリニ(志村道場/ブラジリアン・タイ) KO 2R1分45秒 ※右フック ●山田英登(ナゴヤファイトクラブ) 1R、ダニロの強烈な左ハイから始まり、ダニロが押して山田が下がる展開。ダニロは左右のろー、ミドルとキックがきれており、山田が顔をゆがめるシーンが見られる。身体ごと前に出るパンチで反撃していく山田だが、クリンチしたところにダニロの膝をもらってしまう。ダニロはバックハンドブローを見せるなど余裕も感じられた。 2R、ダニロのローに合わせてパンチを返す山田。クリンチでの膝蹴りがダニロの顔面に入り一瞬怯むが、そのまま組んだ状態でダニロが放った右フックで山田が崩れ落ちてダウン!立ち上がった山田はラッシュして反撃を試みるが、ダニロのステップインからの右ストレートで再びダウン!どうにか立ち上がったが、ダニロの猛攻は止まらず、最後は右フックを浴びて崩れ落ち、ダニロが復帰戦をKO勝利で飾った。 ▼HEAT
NEW AGE総合ルール 70kg契約 ○神野将臣(志村道場) TKO 2R3分57秒 ※パウンド ●村松幸三郎(格闘集団BRAVE) 1R、初の大きな舞台の緊張からか様子見の牽制が続く両者。神野は姿勢を低くし左ジャブで飛び込むと、タックルに来た村松を潰して上を奪う。しかし神野も飛び込めずスタンド再開となる。神野の右フックが入ると、怯んだ村松にそのまま連打を浴びせて再びグラウンドに。神野は立ち上がり、村松の腿にローキックを浴びせる。スタンドに戻ると少し下がり気味になる村松に大振りのフックを放つ神野だが、クリーンヒットには至らず。 2R、ジワジワと前に出てプレッシャーをかける神野。村松は前蹴りで距離を取ろうとするが前に出る神野に距離を潰される。タックルに行った村松だが逆に首を取られ、ポジションを奪われる。神野はコツコツとパウンドを落とし、ダメージを与えていく。ブレイクがかかり、スタンドに戻ると、神野の右ストレートがヒット! タックルに行った村松だが、神野がスイープしてマウントを奪うと、そのままバックにまわり首を狙う。しかし入りきらず、打撃に切り替えた神野は後ろから前からパンチを浴びせ続け、防戦一方となったところでレフェリーがストップを宣告し、残り3秒でのTKO劇となった。
|