全日本キックボクシング連盟 「CROSSOVER−2」 2009年4月18日(土)東京・新宿FACE 開場17:00 開始18:00
▼メインイベント(第9試合) スイスVSタイ 70kg契約 3分5R ○クリストフ・プルボー(スイス/スクランブル渋谷/全日本ウェルター級王者) 判定3−0 ※49−48、50−49、50−49 ●クンタップ・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックス/M-1スーパーウェルター級王者)
2006年にプロのキックボクサーになることを目指して日本へやってきたキック留学生プルボー。昨年12月に山本優弥(青春塾)を破り、全日本ウェルター級王者になってから初の試合。そして初のムエタイ戦士と激突する。プルボーはヒジ・ヒザを得意とし、兼ねてから「タイ人と戦ってみたい」とVSムエタイを希望していただけに、どういった試合を展開するのか。
「クンタップがワイクーをやると聞いたので、踊っている間ずっとコーナーで待っているのが嫌だった」プルボーは1週間練習を積み、試合前にワイクーを初披露。
踊り終えコーナーに控えるクンタップに対し、プルボーが弓を構え矢を放つ動作を見せる。するとクンタップはそれをキャッチし膝で折る仕草。これが3度繰り返され、場内は大いに盛り上がった。
1R、お互いに様子を探るように打撃を出し合う展開。クンタップがプレッシャーをかけながらフェイントの蹴りを見せると、プルボーは前蹴り。クンタップが時折右ミドルを思いっきり蹴るのみで、このラウンドは目立った展開はなし。
2R、クンタップの蹴り足をキャッチし、プルボーがストレートを合わせる。クンタップは積極的に前に出ては首相撲を仕掛けヒザ蹴りへ。プルボーが軸足を払うようにクンタップをリング上にこかすと、クンタップはやり返すようにプルボーを即座にこかしにいく。
3R、「唯一自分が勝っているのはスタミナ。パワー、スピード、タイミング、どれもクンタップが上なので、相手のスタミナを消耗させるつもりだった」というプルボーはこのラウンドから手数を出していく。しかしクンタップは距離を取っては右ミドル。プルボーがパンチで攻めると首相撲を仕掛けペースを握らせない。
4Rも右ミドルでペースを握るクンタップ。接近戦では首相撲を仕掛け攻め込ませない。プルボーもヒザ蹴りを入れお互いに譲らない攻防を見せる。
5R、プルボーの読みどおり、足の止まったクンタップに対し、プルボーはパンチで詰めるとクンタップはクリンチを多用。プルボーのパンチ、ヒジ狙いには、クンタップがヒザを突き出し決定打を与えさせない。しかし終盤にプルボーの思い切った右ストレートがクンタップの顔面をとらえ一気にパンチラッシュ。そのまま攻め込んだところで試合終了のゴング。
僅差ながらプルボーが判定勝利を収めた。試合を振り返ったプルボーは「厳しい試合で自分もダメージを受けていたので僅差だったと思います。結果が出るまでどっちが勝ったか分かりませんでした」とコメント。
「(2007年11月の)白虎戦以来、久しぶりの70kg契約でした。ベストはウェルター級だけど今後もやっていきたいですね。ロス、ラスベガス、タイとか、今年は海外で試合をして世界タイトルを狙っていきたいです。チャンスがあれば、K-1に出たいですし、ヒジ、ヒザなしでもK-1ルールに適応する自信があります」と今後の目標を語っている。
▼セミファイナル(第8試合) 全日本バンタム級ランキング戦 サドンデスマッチ 3分3R延長1R ○瀧谷渉太(WSK/桜塾/同級1位) 延長判定3−0 ※三者とも10−9 ●一戸総太(WSRフェアテックス/同級6位)
※本戦は1−0(30−30、30−29、30−30)
現在19歳の瀧谷。昨年1月の全日本バンタム級王座決定戦で寺戸伸近(青春塾)敗れてからの復帰戦を迎える。対する一戸はWSRフェアテックスの和製ムエタイ戦士。3月の「M-1フレッシュマンズ」ではメインを務めている。
序盤は完全に一戸ペース。前蹴りを放つ瀧谷に対し、一気に組み付いた一戸が首相撲を仕掛け瀧谷を何度もこかす。瀧谷は組み負けてしまい印象が悪い。瀧谷は前蹴りからパンチにつなげるも、すぐに組み付かれるためにペースを掴めないまま。一戸が主導権を握ったかに見えたが……。
3R、一戸の顔面に前蹴りをクリーンヒットさせた瀧谷がラッシュ。左ミドルからパンチと攻め込み追い込んでいく。これで瀧谷がポイントで追いつき判定はドロー。
延長戦に突入すると、スタミナ十分の瀧谷がパンチで攻め込む。一戸は組み付いてはヒザ蹴りに終始するのみで決定打は奪えず。瀧谷が勝利し、王座再挑戦に向け大きな一歩を踏み出した。
▼第7試合 全日本ライト級ランキング戦 サドンデスマッチ 3分3R延長1R ○細野岳範(チームドラゴン/同級3位/前J-NETWORKライト級王者)
TKO 3R17秒 ※レフェリーストップ ●藤牧孝仁(はまっこムエタイ/同級1位)
1R、こつこつと前蹴りを当てていき様子を見る細野。藤牧はフックを出しながら組み付いてはヒザ。力任せに細野のこかしていく。
2R、細野はオーソドックスに構える藤牧の奥足目掛けてローを連打で当てていく。これで試合のペースを掴んでいたが、接近戦になり藤牧が右フックでダウンを奪った。立ち上がった細野はヒジを放ち逆転狙い。これが功を奏し藤牧は額を大きくカットしてしまう。大量の出血が見られたが、ドクターチェックの後に再開。
インターバル中にもドクターがチェックし、なかなか試合がスタートしない。ようやく3Rへ。
3R、いつ試合が止められてもおなしくない状況の中、藤牧は一気にラッシュを仕掛ける。右ミドル連打からパンチにつなぐが、細野もパンチで応戦。ここで再度、藤牧が大量に血を流したためにレフェリーが試合を止めた。
▼第6試合 全日本ウェルター級ランキング戦 サドンデスマッチ 3分3R延長1R ○板倉直人(スクランブル渋谷/同級6位)
KO 1R1分25秒 ●吉川英明(チームドラゴン/同級3位)
“炎のファイター”をイントロで使用した曲が流れる中、赤いタオルを首に巻いてアントニオ猪木風に登場した板倉。
1R、ジャブを出しながら板倉は距離をとる。吉川はこつこつとローを出していくが、板倉が前に出ながら右ストレート! これがクリーンヒットし吉川がダウンを喫す。
チャンスとみた板倉がラッシュを仕掛け、左フックがまたもやクリーンヒット!
吉川が大の字に伸びたところでレフェリーが即座に試合をストップ。
勝利した板倉は赤の闘魂タオルを巻きなおし、「元気ですか! 闘魂パワーで勝ち続けます!」と猪木の物まねでマイクアピールし、こちらでも観客をノックアウトした。
▼第5試合 60kg契約 3分3R △中向居尚輝(S.V.G.) ドロー 判定0−0 ※29−29、30−30、30−30 △卜部弘嵩(西山道場)
6cmも上背の中向居が首相撲にこだわり、ひたすらヒザ蹴り。卜部は距離をとりたいがすぐに組み付かれペースを握られない。
時折、卜部がアッパー、フックで回避しようとするも、中向居の首相撲地獄から脱出できず。お互いに決め手がなく、ドローに終わった。
▼第4試合 ライト級 3分3R ○遠藤信玄(スクランブル渋谷) 判定3−0 ※30−27、30−27、30−28 ●倉持 厳(超越塾)
▼第3試合 フェザー級 3分3R ○伊藤将彦(STRUGGLE) 判定3−0 ※29−28、30−28、29−28 ●上杉隼土(超越塾)
▼第2試合 バンタム級 3分3R △原岡武志(STRUGGLE) ドロー 判定1−0 ※29−28、29−29、29−29 △若山龍嗣(DRAGON)
▼第1試合 85kg契約 3分3R ○菊池圭治(はまっこムエタイ)※デビュー戦 判定3−0 ※30−28、30−27、30−27 ●木村秀和(AJ)
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