GCMコミュニケーション
「VALKYRIE 02」
2009年4月25日(土)東京・ディファ有明
開場13:30 開始14:00
▼メインイベント(第6試合) トリノコ・プレゼンツ ヴァルキリー初代女子フェザー級チャンピオン決定戦 5分3R パウンドあり
○辻 結花(総合格闘技闇愚羅)
一本 1R4分20秒 ※腕ひしぎ十字固め
●ケイト・マルティネス(Infinite
MMA (Royce Gracie Jiu Jitsu of Colorado)
※辻が初代チャンピオンの座に就く。
第2回大会にして初のタイトルマッチを迎えた。赤コーナーから登場したのは元スマックガール・ライト級女王、そして日本の女子総合格闘技界の女王に君臨する辻。勝てば2本目のベルトを手にすることになる。
その辻と初代王座を争うのは、あのホイス・グレイシーの弟子であり、柔術紫帯を締めるケイト。MMA戦績は1戦1勝で辻の23戦22勝1敗と大きな差があるが、プロキックボクシングでは4戦4勝、IKFという団体の世界チャンピオンでもある。
1R、ケイトの長足から繰り出されるローキックを軽くかわした辻は間合いを保つ。辻のローにケイトがパンチを合わせ、バランスを崩された辻は後ろに仰け反るがすぐに片足タックル。ガブるケイトを仰向けにテイクダウンした。
すぐにサイドポジションを奪う辻、続いてマウントへ移行する。パウンドを叩き込み、嫌がってうつ伏せになったケイトの背後からもパンチの集中豪雨。身体を捻らせながら逃げたケイトは下からの腕十字、一瞬、旗揚げ戦のV一戦を髣髴させるシーンだったが、辻は上をキープして立ち上がる。
下から足を跳ね上げて蹴ろうとするケイトに、辻は身体ごと浴びせるようなパウンド。ケイトはすぐにラバーガードから三角絞めの体勢を作るが、辻は構わず殴り続ける。一旦ブレイク。
スタンドに戻ると、パンチを潜り抜けた辻が両足タックル、押し込んで豪快なテイクダウンを奪う。サイドからニーオンザベリーへと移行し、ケイトの顔面に鉄槌を打ち込む。下から十字を狙おうと足を絡めてきたケイトだが、辻はしっかりと上をキープして腕を取り、一気に腕十字! 辻の頭を足で挟んで耐えようとしたケイトの腕をさらに締め上げ、辻が鮮やかな一本勝ちを飾った。
ヴァルキリー初代チャンピオンのベルトとスマックのベルト、二本を巻いた辻は「知ってる人は知ってると思いますが、また雨を降らせてしまってすいません(辻の試合の時は9割が雨だという)。
ベルトを勝って巻けましたけれど、ベルトの事は置いておいて、外国人選手と試合が出来ると思っていなかったのでスポンサーさんのトリノコさんに感謝しています。どうもありがとうございました」と、控えめに挨拶した。
試合後、「これを最後にしようと思ったけれど、入場した時とか勝った時に良かったと思ったからまた試合がしたくなるって感じです」と、引退を考えていたことを明かした辻。その理由は「なんかみんな殺伐としているし、天気が悪いし、何回やっても慣れない雰囲気だから」だという。
「でも、楽しかった。何発殴られたか、2〜3指示通りに動けなかったのも覚えているので冷静に闘えていたと思う。パウンドで決めたかったけれど、十字にいっちゃえと思っていっちゃいました。ベルトはもらえるものはもらっとかんと。スマックのベルトを3回防衛したので、同じかそれ以上防衛したい。まだ価値がないと思うので、これから価値を高めたいですね」
試合の感想は「ホイスと写ってる写真をネットで見て、どんな選手やろうと思ってドキドキしました。皆さんに喜んでもらえる試合で恩返ししたいです。闇愚羅に長谷川秀彦選手のお兄さんがいて、似たような体型なのでスパーをさせてもらっていました。普段から60Kg以上の男子と練習しているので、男子よりは強くないと思っていました」というもの。
すでに今回の大会から挑戦者決定戦がスタートしていることについては、「それも嫌やなと思って。何か感じ悪い(笑)。追い詰められる感じがして。(初防衛戦は)やったことない選手の方が面白いので高林さんがいいと思うけれど、V選手が見てて前回と感じが違ったのでどっちになっても苦しいと思います」と語る。
また、年内に女子格闘技イベントの旗揚げを発表したK-1への参戦はあるかと聞かれると、「その話はよく分かりませんが、みんなが納得する形でなければ…。女子MMAをこっちで頑張ろうとしているのに、自分だけそっちに出るような形にはしたくない」と答えた。
▼セミファイナル(第5試合) 女子ウェルター級(−61.2kg) 3分3R パウンドあり
○端 貴代(和術慧舟會東京本部)
一本 2R1分43秒 ※チョークスリーパー
●米沢知佐(総合格闘技道場コブラ会)
スマックガールの第3代ミドル級女王であり、最近は世界に活躍の場を広げている端が初参戦。国内では久しぶりの総合ルールでの試合となる。
米沢は新極真会の『第2回カラテ・ワールドカップ』3位、旗揚げ戦でロクサン・モダフェリを相手にデビュー戦を行い、2戦目となる今回も強豪との対戦となった。
1R、ローキックの蹴り合いから端が組み付き、米沢が首投げでテイクダウン。しかし、上になったのは端でマウントを奪う。
米沢がローリングで上になるも端が下から腕十字。これを米沢が堪えるとすぐに端が上になり、足関節の取り合いから上になった端がパウンドを落とす。
2R、端がパンチからハイキック、米沢もハイを返してパンチの打ち合いに持っていくが、端が組み付いて胴タックルでのテイクダウン。またもマウントを奪ってのパウンドから、背中を向けた米沢のバックからスリーパーをガッチリと決めた。
▼第4試合 ヴァルキリー女子フェザー級次期挑戦者決定トーナメント 3分3R パウンドあり
○高林恭子(ALIVE)
一本 1R1分41秒 ※スリーパーホールド
●WINDY智美(パンクラスism)
※高林が決勝戦に進出。
レスリングの名門・中京女子大出身の高林と、キックボクサーとしても活躍するWINDYの対戦。打撃VS寝技の典型的な試合となりそうだ。WINDYは3度目となる辻戦を狙う。
1R、パンチで出て行ったWINDYに高林がタックル、立ち上がって足を引き抜いたWINDYだがバランスを崩し、すぐに高林がタックルで金網に押し付ける。そこからテイクダウンに成功した高林はバックから鉄槌でWINDYの側頭部へ連打し続け、完全にバックを奪ったところでスリーパーホールド。しばらくその体勢で耐えたWINDYだが、レフェリーからストップがかかった。
▼第3試合 ヴァルキリー女子フェザー級次期挑戦者決定トーナメント 3分3R パウンドあり
○V一[ヴィー・はじめ](Max柔術アカデミー
&Yogaスタジオ)
判定3−0
●藤野恵実(和術慧舟會GODS)
2007年12月に対戦し、藤野が判定勝利している試合の再戦。旗揚げ戦ではV一が辻結花、藤野がWINDYを相手に善戦している。リベンジか、返り討ちか?
1R、開始のホーンが鳴るといきなりスライディングするV一。その後もスライディングを仕掛け、それをフェイントにして殴りに行ったりと2種類を使い分ける。藤野はスライディングしたところへパンチ、蹴り。覆いかぶさってパウンドを落とす藤野をV一が蹴り上げ、顔面にも一発!
2R、スライディングとスライディングをフェイントしてのパンチを使い分けるV一。藤野がパンチで前に出ようとすると、V一が身体を沈めて抜群のタイミングでタックルを決め、テイクダウン。しかし、藤野がフロントチョークの体勢になり、やや苦しい表情を浮かべるV一。首を抜くと今度は藤野が下からの蹴りを繰り出して立ち上がる。スタンドの打撃とスライディングの攻防があり、ラウンド終了。
3R、いきなり殴りかかった藤野にV一が片足タックル。ガブった藤野だがV一はさらに押し込んで金網際へ運んでいく。藤野は金網を背に立ち上がるが、V一は持ち上げてテイクダウンに成功! 藤野はしがみついてパウンドを許さなかったが、V一はしっかりと抑え込んでリバーサルを許さず、判定勝ちでリベンジに成功した。
▼第2試合 46.8kg契約 3分3R パウンドあり
○大室奈緒子(和術慧舟會東京本部)
TKO 1R2分48秒 ※スタンドパンチ
●SACHI(空手道禅道会豊橋支部)
もうひとつの女子総合格闘技イベント『ジュエルス』の旗揚げ戦に参戦したSACHIが、今回はヴァルキリーで金網初参戦。対する大室は早くからパウンドありルールを経験して金網にも取り組んでいる。本来、大室はフライ級、SACHIはバンタム級のため契約体重で行われる。
1R、大室がワンツーで攻めるとSACHIは打ち終わりにパンチを返すという展開が続く。大室は得意の左ミドルをフェイントにしてパンチ、SACHIは連打ではなく強い一発を返していく。
セコンドからの「そろそろタックルに行ってもいいぞ」との指示を受け、組み付いていったSACHIだが、中途半端な隙間が開いたため大室がヒザ蹴りを突き刺す! この一発で動きが止まったSACHIに大室は追撃の首相撲からのヒザ蹴り、さらにパンチ連打からヒザ蹴り! SACHIが防戦一方となり、レフェリーが試合をストップした。
勝った大室はマイクを握り、「先週、最愛の祖母を失くし、凄く辛い中、調整して金網の中に入りました。今日の勝利を祖母に捧げたいと思います」と涙を浮かべた。
▼第1試合 女子ウェルター級(−61.2kg) 3分2R ノーヴィスルール(パウンドなし)
○佐藤瑞穂(和術慧舟會東京本部)
一本 1R2分28秒 ※腕ひしぎ十字固め
●森 雅絵(総合格闘技闇愚羅)
|