J-NETWORK
「GET REAL in J-WORLD 2nd」 2009年5月6日(日)東京・後楽園ホール 開場17:30 開始18:00
▼メインイベン(第9試合) J-NETWORKライト級タイトルマッチ 3分5R
△黒田アキヒロ(フォルティス渋谷/同級王者、TOUITSU準優勝) 判定0−1 ※50−50、48−49、49−49
△青津潤平(NPO JEFA/同級1位/挑戦者) ※黒田が初防衛に成功
デビュー以来10勝(1KO)1分と無敗のままタイトルマッチまで上り詰めてきた青津の挑戦を受け、黒田が初防衛戦を迎えた。
24戦目にしてようやくベルトを巻いた苦労人のチャンピオン黒田を“おじさん”呼ばわりする青津。
試合前の舌戦もさることながら、両陣営の応援団も南と北に分かれて大応援合戦を繰り広げ、異様な雰囲気の中、試合は行われた。
1R、黒田がローを蹴ると青津は思い切った左右のフックを振り回してカウンターを取ろうとする。黒田は早くもヒジを狙う。2Rになると両者が飛び込んでのヒジを繰り出し、早期決着を望んでいるようだ。黒田はパンチを上に振ってのローキック、青津はその蹴り足を掴んでコカしにくる。 3Rは黒田が逆に蹴り足を掴んだり、胴に両手を回して青津をマットに叩き付ける。その度に青津の応援団がエキサイトし、リングサイドは騒然。
これでスタミナが奪われたか、青津は突進が減り、黒田が距離感を掴んでローとミドルが入り始める。青津はワンツーとヒザ。 4R、ミドルでボディが効いたのか、前に出てこなくなった青津に距離を保ち始めた黒田が右ロー、左ミドル、右ストレートを的確に一発一発ヒットさせていく。
青津は飛び込んでのヒジを繰り出し、黒田のローに左右フックを返すが、狙いすぎで手数が足りない。黒田は攻撃を上下に振って攻めて行く。 5R、両者が飛びヒザ蹴りを繰り出し、組むと黒田がマットに叩き付ける。青津側の応援団がエキサイトしてリングサイドは大混乱に。
リング上では黒田の右ローが効き始め、足を上げて耐える青津。完全に劣勢の中、なんと残り14秒で青津の左ヒジが炸裂! バックリと割れる黒田の頭部。大流血となる! 大逆転の予感に大騒ぎとなる場内だが、試合は再開された。黒田は出血が酷くならないように右手で傷口を抑えて守りの体勢、青津は飛んでの前蹴りとヒジを見舞うがすぐに終了のゴング。 判定はジャッジ1名が青津を支持したが、2名がドロー。黒田がドローで王座防衛に成功した。
「今日は全然ダメでした。もっと圧倒して勝つのがチャンピオン。逆の立場で考えると相手は気持ちが強かったと思う。自分はもっと上を目指さないと。今日は格闘技の神様が少しだけ僕に付いてくれたと思う」と、黒田は真っ赤に染まったタオルで傷口を抑えながら反省の弁を述べた。
▼セミファイナル(第8試合) J-NETWORKヘビー級タイトルマッチ 3分5R ○シング・心・ジャディブ(パワーオブドリーム/王者)
判定3−0 ※47−46、48−45、48−46 ●KOICHI(team warriors
バンゲリングベイ/挑戦者・同級3位、M-1同級王者) ※シングが初防衛に成功 身長194cmの王者シング、186cmのKOICHI。まさにヘビー級というタイトルマッチが組まれた。シングはJ-NETWORKのチャンピオン、KOICHIはM-1のチャンピオンという王者対決だ。 1R、シングはヘビー級とは思えないほど軽やかなステップを使って回り込み、ハイキックとジャブ。KOICHIはしっかりと攻めをかわして右ローを狙い撃ちしていく。シングはパンチからハイキック、ヒザを繋ぐが、ローを蹴られる場面が目立つ。 2R、シングは長いリーチからのジャブ、KOICHIはそれに右ローを合わせ、ワンツーからも右ロー。シングがハイキックを蹴ると軸足蹴りも合わせていく。シングは組んで2階から振り下ろすようなヒジ。終了間際には、右ローを蹴ってきたKOICHIにシングが回すような右フックを合わせてダウンを奪う! 3R、パンチから右ローへ確実に繋ぐKOICHIが、シングが右フックを出したところへ右から左フックを返してダウンを奪い返す! 盛り上がる場内。
KOICHIは一気にラッシュを掛けて仕留めに行くが、シングは長いリーチと長身を活かして首相撲で抑え込み難を逃れる。前に出るKOICHIに蹴りを使って中に入れさせなかったシング。 4R、チャンスと見たKOICHIが打ち合いに行ったところ、シングの右フックがテンプルに決まりグラつくKOICHI! すかさずシングがパンチと組みヒザでラッシュをかけ、今度はシングがダウンを奪い返した。KOICHIは立ち上がるも左目が腫れてドクターチェック。
再開後、前へ出てローを蹴るKOICHIにシングは組みヒザとヒジ、ハイキック。徐々に削られていくKOICHIは疲労の色を隠せない。
それでも前へ出て行ってローを蹴る。ラウンド終了直前にはシングがワンツーからのヒザでさらにダウンを追加。 5R開始と同時にKOICHIがドクターチェック。再開後、パンチで前へ出るKOICHIにシングは組んでヒザとヒジ。
前へ出続けたKOICHIだが、シングも踏みとどまり、3度のダウンを奪ったシングが初防衛に成功した。倒し倒されの熱闘を制したシングは「最後にバテたので全然ダメです。ヤバイと思いました。まだまだです」と、反省しきりだった。
▼第7試合 J-NETWORKウエルター級王座決定戦 3分5R延長1R ○宏二(スクランブル渋谷/同級2位)
延長判定3−0 ※10−9、10−9、10−9 ●堤 大輔(チームドラゴン/同級1位)
※宏二が新王者に就く 北山高与志の王座返上を受けて、1位の堤と2位の宏二によって王座決定戦が争われる。
両者は昨年11月にサバイバルマッチ(3分3R延長1R)で初対戦し、判定2−0で堤が勝利している。 “常勝軍団”と呼ばれ前田慶次郎が日本人初のヘビー級王者となった、前田憲作率いるチームドラゴン。
一方、現在4名のチャンピオンを擁する内田康弘率いるスクランブル渋谷。前田代表、内田会長共にS.V.G.の出身で、全日本キックボクシング連盟のベルトを巻いた者同士。ジム対抗戦としても注目される一戦だ。 1Rはサウスポーの堤がジャブを出して左ミドル、宏二もジャブを出して右ローと様子見といったところ。後半、宏二が右ミドルも出してやや攻めていったが、静かな立ち上がりとなった。 2R、堤は右ジャブから左ミドル、宏二は左ジャブと右ミドルで技を交換していたが、堤が徐々に手数を出し始めてパンチの圧力を掛け、ロープ際でワンツーをヒットさせる。 3R、堤がストレート、フック、アッパーを使い分けて面白いようにパンチを当てて行き、左ミドルと左インロー。宏二はパンチをもらう場面が目立つが、後半は右手でブロックしながら右ミドルを中心に蹴っていく。 4R、宏二が捨てパンチから右ミドルを的確にヒットさせ、堤がパンチで来たところへ右ヒジ! これで左目上のカットに成功。
ドクターチェックの後、宏二のパンチも当たり始めるが、堤は左ミドルを蹴り返してパンチを決めて応戦する。宏二の右ストレート、堤の連打が交互に入る。 5R開始早々、宏二の右ミドルに堤が返しの左ストレートをヒットさせて尻餅をつかせる。これを機に堤は連打をまとめていき、宏二は右のパンチで打ち合い、お互いにパンチをヒットさせて判定は48−48、49−49、49−49でドロー。延長戦に突入する。 蹴ってくる堤に宏二のパンチが立て続けにヒット! 堤はロー、左ミドルからパンチに繋いでいくが、本戦ほどの手数が出ない。宏二はパンチに左ヒジを合わせつつ、右のパンチを狙っていく。
全ラウンドを通じて一定のペースで闘い続けた宏二に対し、堤は延長戦になると手数が減り、判定3−0で宏二が接戦を制した。判定が告げられると宏二は嬉しさから、堤は悔しさから二人同時にマットにうずくまった。 スクランブル渋谷に5本目のベルト(板橋寛がR.I.S.E.60kg級、ウエンツ☆修一がJ-NETWORKスーパーフライ級、クリストフ・プルボーが全日本ウェルター級、増田博正WPMF世界ライト級=全員が現役チャンピオン)をもたらした宏二は会長や仲間にお礼を言い、「もっと練習していろんなチャンピオンと闘っていきたい」と希望した。
▼第6試合 J-NET&全日本キック 王者交流戦 60.5kg契約 サバイバルマッチ1 ○遠藤智史(全日本・AJ/全日本ライト級王者)
判定3−0 ※30−29、30−29、30−28 ●木村天鮮(レグルス池袋/J-NETWORKスーパーフェザー級王者)
J-NETWORK王者の木村と全日本キック王者の遠藤が激突。木村は自ら“斬鉄剣”と命名したヒジでの流血TKOを宣言している。サウスポー同士の一戦だ。 1R、左ローの蹴り合いが展開され、さらに左のパンチも交換。木村の左ローに遠藤が早くもグラつく場面も。 2R、左ローの蹴り合いが続く中、木村は左ハイキック、遠藤は左のパンチを織り交ぜていく。遠藤のパンチに下がっていた木村は左フックでグラつかされるも、ヒジを繰り出し脅かす。その直後、遠藤の左フックがヒット! 前へ出る遠藤、下がる木村。 3R、遠藤のワンツー、左ローに下がる木村はパンチで仰け反る場面も。パンチで詰めてきた遠藤に木村の左ハイキックがヒットするが、遠藤はすぐにパンチでラッシュをかけて印象を相殺。木村が押し切って王者対決を制した。遠藤は「相手が強くて、全然勝った気がしない」と、内容には不満そうだった。
▼第5試合 スーパーファイト ミドル級国際戦 サバイバルマッチ1 ○貴之ウィラサクレック (WSRフェアテックス/J-NETWORK同級4位、全日本スーパーウェルター級3位)
判定3−0 ※30−27、30−27、30−27 ●ジャンパー(イタリア/WFC世界ミドル級王者)
今年に入ってから後藤龍治、CRAZY884と名前のある選手を連破して勢いにのる貴之。
以前からファンだと公言してはばからない、田嶋はるのホームリングということで今回はよりハッスルしているという。
対するはジョルジオ・ペトロシアンを輩出したイタリア・キック界からの刺客ジャンパー。123戦88勝(31KO)30敗5分ものキャリアを誇る37歳のベテランだ。 1R、サウスポー同士、ジャンパーは力のこもった左右フックと組み付いてのヒザを多用。貴之は一発出しては組み付かれるためあまり手が出ない。2Rになるとジャンパーの前進が止まったため、貴之の右ミドル、右のヒジが入り始め、左右ロングのパンチで攻めて行くが、やはり組まれてしまう。 3R、貴之が左ミドルから左ストレート、左ヒジ、左ストレートからの右フックと攻めて、ジャンパーの右フックに返しの左ストレートを決めてダウンを奪う。その後も組むジャンパーをジャブで突き放して、蹴りからパンチをまとめて貴之が判定で勝利した。
▼第4試合 スーパーフェザー級 サバイバルマッチ1
○リョウ・ペガサス(ROOFTOP ACADEMY/同級3位)
KO 1R2分26秒
●安田慶二郎(Axis-J名古屋/ライト級7位)
▼第3試合 70kg契約 3分3R
○竹本壽晴(龍生塾)
KO 2R1分13秒
●岡田憲幸(チームドラゴン)
▼第2試合 2009年J-NETWORK新人王決定トーナメント ライト級 3分3R(延長1R)
○本間大介(湘南格闘クラブ)
KO 1R58秒
●JUNIOR(新宿レフティ)
▼第1試合 ヘビー級 3分3R
△市川公貴(WK TEAMC3 Braze/同級8位)
判定1−1 ※30−29、29−30、30−30
△Edo Ryoma(チーム・スピリット)
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