Krush実行委員会/全日本キックボクシング連盟
「Krush.3」
2009年5月17日(日)東京・後楽園ホール
開場17:00 本戦開始18:00
※オープニングファイト開始17:15
観衆=2,080人(超満員札止め)
▼メインイベント 60kgFIGHT K-1ルール 3分3R延長1R
○“狂拳”竹内裕二(菅原道場/WMAF&MA日本スーパーフェザー級王者)
KO 2R1分38秒 ※左フック
●山本真弘(藤原/全日本フェザー級王者)
“60kg級日本最強”の呼び声高い真弘が3度目のKrushでメインイベントに登場。前日計量でもミスター・クラッシュを襲名し、「竹内選手をクラッシュします」と宣言している。
一方、Krush初参戦となる竹内は狂拳の名の通り、ハードパンチを武器とするMA日本キックのバッドボーイ。「真弘が日本最強? 別に分からない。俺が1番強えだろ」と言ってのけている。
1R、サウスポーの真弘はアウトローと左ミドル。竹内は右ミドルを蹴り返す距離が詰まると左フックを振る竹内。
これが顔をかすめる真弘だったが、すぐに態勢を立て直して苦笑い。右ミドルを蹴る竹内に真弘は左ミドル。真弘のジャブに竹内は左フックを合わせる。
真弘の左ミドルに竹内は右の軸足蹴り。真弘はそのローに右フックから左ストレートで飛び込む。竹内は左フックから左アッパー。真弘は近い距離では左フックから右、左ストレートからインローを蹴る。コツコツと竹内の前足にインとアウトからローを蹴る真弘。
竹内のインローに右フックで飛び込む。
2R、前蹴りで距離を取る竹内に真弘は左ハイキック。竹内の体を押してインローを蹴る。確実にインローを当てていく真弘。竹内もそこに右ストレートを狙うが真弘のブロックは固い。真弘は右フックから左ミドル、真弘のインローで竹内の内股は真っ赤に腫れ上がる。
そして真弘が竹内の右ストレートをかわして左フック! これで竹内の顔が跳ね上がる!
真弘は一気に連打をまとめて、右フックから左フックを打つのだが…ここで竹内がカウンターの左フック! これが真弘の顔面を打ち抜き真弘がダウン! 何とか立ち上がろうとした真弘だったが、足元がふらつき立ち上がれず、レフェリーが試合をストップ! 竹内の狂拳が炸裂し“60kg最強”真弘を破る番狂わせを起こした。
▼セミファイナル 60kgFIGHT K-1ルール 3分3R延長1R
○石川直生(青春塾/全日本スーパーフェザー級王者)
延長R 判定3−0 ※三者とも10−9
●上松大輔(チームドラゴン/ISKA世界ライト級王者)
※本戦は30−30、29−29、29−29
キックボクシングでの大晦日参戦を今年のテーマに掲げた石川がK-1ルールのKrushに連続参戦。前回はK-1での試合経験もある大月晴明に壮絶なKO負けを喫した。対戦相手の上松はK-160kgのエースと目されている存在で、Krushには今回が初参戦。どちらの選手にとってもテーマ性のあるマッチメークとなった。
上松は応援団に笑顔を見せながら、リラックスした様子のリングイン。対する石川は般若のお面、そして刀を手に持っての入場。コスチュームは七番勝負を共に戦い抜いたタータンチェックのキックパンツだ。
1R、プレッシャーをかけて前に出る石川。上松がインローを蹴ると、石川も右ローを蹴り返す。石川はこの右ローを中心に攻撃を組み立てる。上松はインローを返しつつ、左のテンカオから右ミドル。
石川は前蹴りで距離を取りつつ、パンチを上に振って右ローを蹴る。上松をロープに詰めて右ローを連打する石川。上松は石川のインローに左フック! 石川の前蹴りをキャッチすると左フックで飛び込む。
さらに上松は右ストレートから前進! 石川は組み付いてそれを阻止する。距離が開くと上松の左ミドルに石川も左ミドル。上松は石川のインローにワンツーで飛び込む。
左ミドルで距離を測る石川は飛びヒザ蹴り! 上松も右ストレートから連打をまとめて、石川がクリンチでこれを凌ぐ。ややクリンチの多い石川に上松陣営は抗議、レフェリーも石川に注意を促す。
2R、じりじりと距離を詰めて石川が左ミドルを蹴る。上松はそこに左フックで飛び込んで右ストレートを打つ。石川は距離を取って右ローと左ミドル。上松は右ストレートで大きく踏み込んで左フック! これで尻餅をつく石川! しかしこれはダウンではなくスリップと見なされる。
再開後、一気にパンチをまとめる上松。石川は何とか組み付いてそれを阻止。コーナー際では思わずヒジ打ちを打とうとしてしまい、レフェリーはそれを注意する。
その後も石川は上松がパンチで前に出ればクリンチ、距離が開けて右ロー、インロー、左ミドルを蹴る。上松は石川の左ミドルに左フックを合わせ、下がる石川に右ストレートから左フックで追いかける。しかし石川も上松のパンチの間合いから外れると左ミドル、左右のローを上松の前足に集める。
石川のインローに右ストレートで詰める上松。石川の左ミドルをキャッチして石川をマットにこかすと、左フックから右ストレート、そして左フックからの右アッパー! これで石川の顔が跳ね上がる!
このままロープに後退する石川だったが、上松が突っ込んできたところに右ハイキック! 今度はこれが上松の即頭部を捉える! ここから石川は左ミドルとインロー。上松はワンツー、ヒザ蹴りで前に出る。石川の右ローを受けて左フックから右ストレートを打つ上松。石川は終了間際、飛びヒザ蹴りを放った。
3R、右ローを蹴っていく石川。上松はワンツー、左フックで前に出る。石川は上松のパンチをもらうとたまらずクリンチ。さらにそこからヒザ蹴りを連打し、レフェリーに注意を受ける。
ブレイク後、石川は前蹴りからヒザ蹴り、そして右のハイキック! しかし上松はそれをブロックして左フックを返す。石川は上松との距離を詰めて飛びヒザ蹴り。ここから上松に密着してヒザ蹴りを出す。右ローを連打する石川に上松は左フックから突っ込む。
石川はそれを突き放してインロー、そして左ミドル。上松はワンツーで前に出て、石川のローに右ストレートを合わせる。ここで再び石川はクリンチを使ってしまい、注意される。しかし再開後は石川が右ロー、右ハイキック! さらに右ストレートを上松の顔面に叩き込む。
石川は左ミドルと前蹴り。そして上松がパンチで前に出てくるとバックブローを放つ。石川は上松のパンチを組んでからのヒザ蹴りで遮断し、ブレイクになると右ハイキック、左ミドル、そしてヒザ蹴りを見せる。ここで試合は終了。
判定は30−30、29−29、29−29でドロー! 試合は延長戦へともつれ込む。
延長R、右ストレートで一気に前に出る上松! 石川はそれを組み付いて阻止する。そして距離が離れると飛びヒザ蹴り! そして右ストレート、右ハイキック! 上松をロープまで押し込むと顔面にヒザ蹴りを突き上げる。ブレイクになると上松も右フックを強震して連打! 石川は再びクリンチで阻止するが、レフェリーはそれを注意する。
再開後、石川の右ストレート! 上松も左フックから右ストレートで飛び込む。しかし石川も上松が突っ込むところに顔面前蹴り! そして距離が詰まると組みヒザを連打する。石川の右ローに右ストレートを合わせる上松。上松がパンチで距離を詰めると、石川も飛びヒザ蹴りを見せる。
両応援団から直生コールと大輔コールが巻き起こる中、石川は前蹴りと左ミドル。上松は左フックから右ストレート、そして左フック! しかし石川もそこに左フックを合わせて右ロー、右ストレート! これを当てると、飛びヒザ蹴りで前に出る。
さらに石川は左フックからヒザ蹴り、そして上松の顔面に右の前蹴り! これで上松が顔をしかめてロープまで下がる! そこに石川は飛びヒザ蹴り、右ハイキック、右ストレートとラッシュ! 上松も左フックを返して反撃を試みるが、試合終了のゴングが鳴らされた。
判定は3者とも10−9で石川! 石川が上松との接戦を制し、全日本キックの牙城を守った。
試合後、石川は「まだちょっと未完成なK-1、キックを見せちゃいました。でも俺にも守りたいものがあるんです。それがキックボクシングです」とキック愛を込めた言葉でマイクアピール。「俺はどこで、誰と戦っても、キックボクサーです。あと、俺は大晦日しか見てないから、みなさん俺と付き合ってください!」と、前回の大月戦で消えかけた大晦日Dynamite!!参戦の野望を再び宣言した。
▼第8試合 70kgFIGHT K-1ルール 3分3R延長1R
○スコット・シャファー(チーム モーリス・スミス/Hybrid Fighter) 判定2−1 ※29−28、27−28、29−28
●廣野 祐(NPO JEFA/J-NETWORKスーパーウェルター&ミドル級王者)
モーリス・スミスの愛弟子と来日したシャファーはモーリス、そしてボブ・サップを引き連れての入場。前回のKrushでは山内裕太郎を下している廣野はこの未知の外国人を相手にきっちりと勝利を収められるか。
1R、サウスポーの廣野に対してシャファーはインロー。そして左フックから怒涛の連打! 必死にガードを固める廣野だったがシャファーの右フックでダウンを喫してしまう。再開後、廣野はガードを固めて左のテンカオ。シャファーは左からインロー、左ボディを効かせて右フック!
先ほどのダウンシーンと同じような猛攻を見せる。廣野はこの猛攻を凌いで左ミドルを返し、右フックから左ストレート。シャファーは廣野のガードの間を縫うように左右のフックを落ち込む。しかしシャファーのボディに廣野のテンカオがヒット! 廣野がヒザ蹴りを連打すると、シャファーがこれを嫌がる。
2R、廣野は左のインローとミドル。そして左のテンカオ! シャファーのパンチをしっかりとブロックして左ストレートを返す。
シャファーをロープまで詰めて、左アッパーから右フック、そして左のヒザを蹴る廣野。
シャファーも右アッパーやローを返すが廣野は下がらない。ガードをしっかりと上げて左ミドルとテンカオで前に出る廣野。シャファーをロープに詰めるとパンチをまとめて必ずボディへのヒザ蹴りにつなげる。
3R、左ミドルを蹴りながら圧力をかけて前に出る廣野。シャファーは軸足蹴りで廣野をマットにこかす。廣野は右フックからヒザ蹴り!
シャファーは下がりながらも必ずパンチを返す。廣野は右アッパーからインローと奥足ロー。そしてシャファーがコーナーを背負うと飛びヒザ蹴り!
そして残り30秒、廣野が左ミドルからシャファーのボディにヒザ蹴りを連打! 明らかにこれが効いて動きが止まるシャファー。最後は時計を見ながら廣野の攻撃を凌ぎきり、何とか試合終了のゴングを聞いた。
ダウンを喫するものの、2R以降に怒涛の反撃を見せた廣野。しかし1Rのダウンのポイントを奪い返すまでには至らず、シャファーに振り切られた。
▼第7試合 70kgFIGHT K-1ルール 3分3R延長1R
○中島弘貴(バンゲリングベイ)
TKO 3R2分33秒 ※セコンドからのタオル投入
●喜入 衆(フォルティス渋谷/J-NETWORKスーパーウェルター級1位)
ここまで7戦7勝6KOと無敗の快進撃を続ける中島。シュートボクセ・ジャパン出身の選手らしく(※現在はバンゲリングベイに所属)、ヴァンダレイ・シウバと新田明臣の入場曲をリミックスした曲で登場。シュートボクセ、バンゲリングベイのロゴが入ったショートスパッツでリングに上がる。35戦のキャリアを誇る喜入を相手にどんな闘いを見せるか?
1R、インローと右ストレートで前に出て行く中島。左ボディから首相撲に持ち込む。喜入は鋭いステップインから左ボディ、右ストレート。
中島はインローを蹴りつつ、右アッパーから右フックで飛び込む。喜入は中島のパンチをブロックしつつ左フック。中島は飛びヒザ蹴りで前に出て行く。
離れた間合いから右ローを蹴る喜入。中島は喜入のガードごと弾き飛ばさんばかりの左右のフック! そして飛びヒザ蹴りで距離を詰めると、喜入の左フックにカウンターの左フック! これで中島が喜入からダウンを奪う。再開後、左フックを連打して前に出る中島。ここは残り時間が少なく、ラウンド終了となった。
2R、喜入の右ローに右ストレートを合わせる中島。そして強烈な左フックを叩き込むと、喜入をロープに釘付けにして怒涛の連打! これで中島がダウンを奪う。再開後、中島は飛びヒザ、そして右ストレートから左フック! 喜入を滅多打ちにするが、喜入の左フックがカウンターでヒット! これで中島の腰が落ちる!
ここから両者の左フックが顔面を捕らえ、互いにバランスを崩すスリリングが打ち合い! ここで喜入は右ハイキック、バックブロー!
中島は組み付いてそれを阻止する。しかし喜入のローに中島が右ストレートを合わせ、喜入をロープに詰めると左フック、ボディにヒザ蹴り! ここで偶然のバッティングがあり、喜入が頭部をザックリとカット。ドクターチェックが入る。
3R、左フックからヒザ蹴りを突き上げる中島。中島は体を振りながら前に出て左フック、右アッパーを突き上げる。しかし喜入もそれを押し返してローを蹴る。中島は顔面のガードが固い喜入に左ボディ! 喜入はそこに左フックを狙う。しかしここで喜入の出血がひどくなり、ドクターチェックが入る。
再開後、中島が飛びヒザ蹴りから右ストレート。喜入がジャブを突いて右ハイキック。しかし中島は喜入をロープに詰めて飛びヒザ蹴り! そして右フックを連打! これで喜入をなぎ倒すようにしてダウンを奪う。出血のチェック後、試合が再開になると中島が右フックから連打! 防戦一方となった喜入を見て、セコンドがタオルを投げ入れた。
喜入の左フックであわやの場面を迎えた中島だったが、終わってみれば回転の速いパンチとヒザ蹴りで喜入を圧倒。デビュー以来の連勝記録を8まで伸ばし、キックの70kg級で台風の目になったと言えるだろう。
▼第6試合 60kgFIGHT K-1ルール 3分3R延長1R
○TSUYOSHI(チームドラゴン/全日本フェザー級3位) TKO 3R2分38秒 ※ドクターストップ
●白濱卓哉 (建武館/Krush Rookies Cupトーナメント王者)
2009
Krush Rookies Cupを制し、K-1ルールへの適応力の高さを見せている白濱。今回はJ-NETWORKスーパーフェザー級1位のTSUYOSHIを迎え撃った。TSUYOSHIは長渕剛の「情熱」を入場曲にし、長渕のタオルを肩にかけて入場。白濱はお馴染みとなったキン肉マンのオープニングテーマでリングに上がる。
1R、いつものようにガードを低く構える白濱。TSUYOSHIはガードを高く上げてジャブと右ローを蹴る。白濱もジャブとローを返しつつ、TSUYOSHIのジャブに左フックを返す。
静かな展開が続いたが、TSUYOSHIが右フックを強振! 場内がどよめく。TSUYOSHIは右ミドル、ワンツー。互いにカウンターを狙うような攻防が続き、終了間際に白濱が左フックを当てる。
2R、右ストレートで飛び込むTSUYOSHIに白濱は左フックを合わせる。距離が開けば右ローを蹴るTSUYOSHI。これで距離を測りながら右ストレートで前に出るTSUYOSHIだったが、そこに白濱は左フックを確実に狙う。右ローと右ミドルを蹴るTSUYOSHI。
しかしTSUYOSHIの右ストレートに白濱の左フック! さらに白濱は強烈な右フックで一気に前に出る。
3R、右ローをコツコツと蹴るTSUYOSHI。白濱はそれをしっかりとカットし、インローと前蹴りから右フックを狙う。そして白濱が狙い済ました左フック! TSUYOSHIも左フックを返して前に出る。しかし白濱もバックステップを使いながら右フック。
TSUYOSHIは左ボディから右フックを返す。そして残り30秒、TSUYOSHIの飛び込んでの右フックがクリーンヒット! これで白濱の体が泳ぐ!
白濱をロープに詰めて左ボディ、右フックを連打するTSUYOSHI! 白濱は何とか足を使って距離を取ろうとするが、バランスを崩してしまう。
ここで口を大きくカットして白濱にドクターチェックが入り、ドクターは試合ストップを宣告。TSUYOSHIが豪腕・白濱から勝利をもぎとった。
▼第5試合 60kgFIGHT K-1ルール 3分3R延長1R
○AKIRA(チームドラゴン/前J-NETWORKフェザー級王者)
判定3−0 ※30−27、30−28、30−28
●大高一郎(STRUGGLE/全日本スーパー・フェザー級2位)
激闘派として常に会場を沸かせる試合をする“ボヘミアン”大高。しかしここ3戦は勝ち星に見放され、今年に入ってからは2戦2敗と未勝利のままだ。対するAKIRAは元J-NETWORKフェザー級王者ながら、山本真弘、岩切博史に連敗中でこちらも元気がない。
1R、サウスポーのAKIRAは右の前蹴り。大高は右のハイキックを蹴る。右ストレートで前に出る大高。AKIRAは右フックを合わせるが、その打ち終わりに大高が右ストレートを当てる。
左のローを蹴るAKIRAに大高は左フックから右ミドル。AKIRAは右フックを当てて、そこから左ストレート! 大高がバランスを崩す。しかし大高も左フックを打って、そこから右ストレートにつなげる。終了間際、AKIRAが右ストレートから左フック! 大高をコーナーにつめてパンチをまとめる。
2R、前蹴りとインローを蹴るAKIRAに大高は右ミドル。右ストレートから前に出る大高だが、AKIRAは右フックのカウンターを狙う。さらにAKIRAはインローと奥足へのロー。
ここで大高が飛びヒザ蹴りを見せるのだが、AKIRAはそれを空振りさせて右フック! これでダウンを奪う。しかし再開後、すぐに前に出てパンチで打ち合い大高。AKIRAもそれに応じて、左のヒザ蹴りを突き上げる。距離が開くと右ミドルを蹴る大高。AKIRAはそこに右フック、さらに左ストレート! これで足元がふらつく大高は前に出てAKIRAに組む。
3R、ここまでのポイントを挽回しようと前に出る大高。しかしAKIRAはそこに左ストレート、右フックを合わせる。
大高が左フックから右ミドル、一気に距離を詰めて左右のフックを振り回し、得意の乱打戦に持ち込む。ここまでコンパクトにパンチを当てていたAKIRAだが、乱打戦に持ち込れると大高のパンチを受けてしまう。しかしAKIRAも最後まで大高の激しく打ち合う。パンチの的確さで上回ったAKIRAが判定勝利となった。
▼第4試合 60kgFIGHT K-1ルール 3分3R延長1R
○ファイヤー原田(ファイヤー高田馬場/J-NETWORKライト級4位)
KO 1R1分15秒
●正 巳(勇心館/全日本フェザー級9位)
この日も異常な会場人気を見せたファイヤー。しかし前回の岩切博史戦ではTKO負けを喫しており、人気だけでなく勝利が欲しいところ。正巳は今日が約8カ月ぶりの試合。2006年の石川直生戦から5連敗しており、復帰戦で勝利を掴みたい。
1R、いきなり互いにフルパワーでローキックを連打! ガード度外視で激しくローとパンチで打ち合う。ここでファイヤーの右フックがクリーンヒット! これで正巳がダウン! 一気に場内がヒートアップする。
再開後、ファイヤーは左ボディからパンチを連打! 正巳がロープを背にしてディフェンス一辺倒になったところでレフェリーが2度目のダウンを宣告する。
ファイヤーコールが起こる中、ガードを固めて亀になる正巳にファイヤーは左ボディを連打! 正巳の体をくの字に折り曲げると、正巳のアッパーに右フックのカウンター! これで正巳がダウン! ファイヤーが3ノックダウンで大熱狂のKO勝利を収めた!
勝利を宣告されたファイヤーは久々のファイヤーダンスを披露。四方に向かって拳を突き上げて「オッー!」と叫ぶファイヤー。
第4試合にも関わらず、メインイベント並みに会場を大爆発させてリングを降りた。
▼第3試合 60kgFIGHT K-1ルール 3分3R延長1R
○卜部功也(西山道場/K-1甲子園2008準優勝) 判定3−0 ※30−29、30−29、30−29
●瀧谷渉太(桜塾/全日本バンタム級1位)
今年1月には全日本バンタム級のタイトルにも挑戦した瀧谷がKrushに初参戦。対するは昨年のK-1甲子園準優勝の卜部。契約体重は60kg級ながら、前日の計量では瀧谷が55.1kgで卜部が59.8kg。体格面ではバンタム級の瀧谷に対し60kgの卜部の方がやや有利か。試合前に両者が並ぶと、卜部が一回り大きい。
1R、互いにサウスポーの両者は軽くジャブを出してパンチをまとめる。ジャブから左ローを蹴る瀧谷。卜部は瀧谷の蹴りをブロックして左ストレート、距離が詰まると左アッパー、右フックを打つ。
右の前蹴りや左ミドルを蹴る瀧谷だが、そこにパンチのカウンターを合わせる卜部。卜部はしっかりと瀧谷のパンチをブロックして左ストレート、右フックを返す。そして卜部は瀧谷の前蹴りを横に流して右フックで前に出る。
2R、ワンツーから左ミドルを蹴る瀧谷。卜部は瀧谷のパンチをブロックしてワンツー、右のテンカオを瀧谷の腹に突き刺す。これで動きが止まる瀧谷! 卜部は瀧谷をロープに詰めてヒザ蹴りを連打し、右フックから左ストレート! 瀧谷がロープ伝いに後退する。卜部はそこに追撃のヒザ蹴り!
これで瀧谷はバランスを崩すが、必死に立ち続けダウンは免れる。卜部は攻撃の的をヒザ蹴りに絞り、瀧谷のパンチをブロックしてはすぐに左のヒザ蹴りを突き上げる。瀧谷も右アッパー、左ストレートを返すが、卜部を下げさせるまでには至らない。
3R、ワンツー、右フックで前に出て行く瀧谷。卜部もそこに右フックや左ストレートを返す。瀧谷はパンチをまとめて左ロー! これで卜部の動きを止める。卜部は瀧谷の前進に合わせて左のテンカオ!
しかしここまでのラウンドに比べて手数が減り、瀧谷の右フックや左ストレートが当たる。卜部は瀧谷を押して左右のヒザ蹴り。
互いに額をつけてパンチを打ち合ったが、共にクリーンヒットはなかった。2Rにヒザ蹴りで瀧谷をふらつかせた卜部が判定をものにした。
▼第2試合 60kgFIGHT K-1ルール 3分3R延長1R
○嶋田翔太(島田塾/2008全日本新空手K-2軽量級王者)
判定3−0 ※三者とも30−27
●岩下文耶(朝久道場)※デビュー戦
昨年のK-1甲子園3位で17歳の嶋田と18歳の岩下というフレッシュな対戦となった60kgFIGHT。そんなフレッシュな2人の対戦だったが、入場曲は嶋田が映画『トップガン』のメインテーマ、岩下が矢沢永吉の『アリよ、さらば』という非常に渋い選曲だ。
1R、嶋田は左ローと左ミドル。岩下は距離を詰めようと前に出て行くが、嶋田は前蹴りやミドルで距離を取る。嶋田のステップ&左ミドルで行く手を阻まれる岩下。
嶋田はこの左ミドルを効かせると、左ミドルを連打してそこから右ロー。岩下がローを打ち返すと右ストレートをカウンターで合わせる。徐々に蹴りで前に出る嶋田は右ローから左ミドル。
岩下の顔面に左右のフックを合わせる。さらに嶋田は飛びヒザ蹴り! ダウンこそ奪えなかったものの、軽やかなステップとタイミングの良い左ミドルで嶋田ペースを掴んだ。
2R、いきなり嶋田が強烈な左ミドル! 岩下のボディに左のヒザ蹴りを突き刺すと岩下は嶋田に組み付く。嶋田は前蹴りからワンツー、距離が開くと左ミドルを連打する。
突っ込んでくる岩下に嶋田は左フックから右ストレート、ヒザ蹴り。しかし前に出る岩下と組み合う場面が多く、両者に口頭注意が与えられる。再開後、嶋田が岩下を後退させて右アッパーから左フック、右のバックブローを繰り出す。
何とか前に出て距離を潰す岩下だったが、嶋田はスペースを作ってヒザ蹴り。バックキックから左ミドル! 岩下も右フックで前に出る。
3R、ここは岩下が右フック、右アッパーで前進。嶋田はジャブと右ロー、ワンツーを返す。嶋田はパンチで岩下のガードを上げさせて、左ミドルとヒザ蹴りでボディを攻める。
しかし前に出続ける岩下に距離感が合わず、なかなか蹴りのクリーンヒットがない。そして組み付く攻防が増え、両者に口頭注意が与えられる。やや両者の手が止まるが、嶋田が右ストレートをブロックして左ハイキック! さらに左右のミドルを蹴る! しかし一歩も下がらない岩下。残り20秒、嶋田の右ハイキックが立て続けにヒットするものの、岩下は最後まで立ち続けた。
試合終了のゴングまで前に出続ける気持ちを見せた岩下だったが、的確に攻撃を当てた嶋田が判定3−0で勝利した。
▼第1試合 60kgFIGHT K-1ルール 3分3R延長1R
○日下部竜也(OISHI/K-1甲子園2008第3位)
判定3−0 ※三者とも30−27
●小澤量哉(士心館)※デビュー戦
昨年のK-1甲子園では3位になった日下部がKrushに初参戦。対する小澤は新空手西日本交流大会優勝の実績を誇る28歳で今回がデビュー戦となる。
1R、軽くステップを踏んで距離を取る日下部は前蹴りとバックキック。そこからパンチにつなげ、強烈な右ローで小澤のバランスを崩す。巧みに距離を取る日下部に対しパンチで飛び込む小澤だったが、そこに日下部がカウンターの左フック! これが小澤の顔面を捕らえ、日下部が先制のダウンを奪う。
再開後、日下部は左フックから右ハイキック、右ストレートから右ハイキックと攻撃をハイキックにつなげる。一度、ローブローで口頭注意を受けた日下部だったが、ジャブで距離を測りながら右ロー。
小澤をロープに詰めると右フック。小澤の右ストレートを空振りさせて左フックからパンチをまとめる。日下部はパンチで小澤のガードを上げさせて右ロー、小澤をロープに詰めると細かいパンチから強烈な左ボディを打つ。
2R、小澤は日下部の右ローに右ストレートを強振。日下部は右のクロスから左ボディ、右ストレートで小澤のガードを上げさせて右ハイキックを蹴る。さらに小澤は右ローを蹴って、そこからハイキック。日下部は左フックから右ハイキック、ジャブから右アッパー、左フックから右ローと多彩なコンビネーションで攻める。
小澤はそれをもらいながらも左フックのカウンターを狙う。日下部が左ボディから右ストレート。左を突いて右ローにつなげる。さらに今度は小澤の奥足を狙って左ローを蹴る。
3R、左フックから攻撃を組み立てる小澤。日下部も左フックを返してパンチをまとめる。ワンツーで前に出る日下部。さらに細かいパンチからローにつなげるが、小澤も左フックを返す。
日下部は距離を取ると確実に右ローを当てて、小澤をロープに下げさせると右ストレート、左フック! しかし小澤のガードは固い。逆に小澤は後半、日下部を下がらせて左フック、右ストレート! 日下部も右ストレートを合わせてもぐりこむような左アッパー、左ボディを打つ。
やや日下部が盛り返すが、小澤が左ボディを打とうとした日下部に飛びヒザ蹴り! ダウンにはならなかったものの、日下部はこれで尻餅をつく。
しかしすぐに立ち上がると日下部も飛びヒザ蹴りを返す。さらに右ローで小澤のバランスを崩して左ハイキック! 小澤もそれをしっかりとブロックすると右ストレートから左フック! 日下部もそれに対して激しく打ち合ったところで試合終了となった。
判定は1Rにダウンを奪い、明確なポイントを奪った日下部が3−0で勝利した。
▼オープニングファイト第3試合 70kgFight K-1ルール 3分3R延長1R
○渡辺理想(極真会館/2007極真会館全日本ウェイト制中量級準優勝)
判定3−0 ※30−29、30−29、30−28
●牧平圭太(AJ)
▼オープニングファイト第2試合 60kgFight K-1ルール 3分3R延長1R
○村越 凌(湘南格闘クラブ)
KO 2R1分18秒
●河西和浩(峯心会)※デビュー戦
▼オープニングファイト第1試合 60kgFight K-1ルール 3分3R延長1R
○佐々木大蔵(チームドラゴン)
KO 2R2分31秒
●早野勇輝(極真会館)※デビュー戦
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