ZST事務局
「ZST.20」 2009年5月24日(日)東京・ディファ有明 開場15:00 開始18:00 ※ジェネシスバウトは15:10〜
※SWAT!バウトはジェネシスバウト終了後から開始▼メインイベント 初代ZSTバンタム級王者決定戦 5分無制限ラウンド
○藤原敬典(秋本道場Revo龍tion) TKO 2R4分37秒 ※レフェリーストップ
●裕希斗(U-FILE CAMP.com) ※藤原が初代バンタム級王座に就く。
ZSTにとってはウェルター級に続くタイトル制定となったバンタム級。その初代王座決定戦はZSTバンタム級のエースである藤原VSパンクラスで活躍するU-FILEの裕希斗という組み合わせになった。 1R、ジャブを顔面とボディに打ち分ける藤原。細かく構えをオーソドックスとサウスポーにスイッチし、バックキックや左ミドルを放つ。裕希斗も左フックを返し、組みの攻防になると鋭いヒザ蹴りを突き上げる。試合がスタンドに戻ると、裕希斗のローに合わせて藤原がジャブ。裕希斗は藤原の前蹴りをキャッチして右ストレートを返す。 互いにパンチを交換し合う展開が続く中、藤原の左のパンチが立て続けにヒットし、裕希斗の顔が跳ね上がる。さらに藤原はそこからかぶせるような右フック! これが裕希斗の顔面を打ち抜き、裕希斗は藤原に組み付く。 ブレイク後、藤原は構えをサウスポーにスイッチして左ストレートから右フック、さらにオーソドックスからの右フックなど、オーソドックスとサウスポーの二刀流で裕希斗を攻め込む。しかし裕希斗も終了間際、自らガードポジションに引き込んですぐに腕十字! 藤原の右腕がやや伸びかけるが、藤原は何とかラウンド終了までそれを凌ぐ。 2R、ジャブと前蹴りで距離を測る藤原は前蹴りをフェイントにしての右ストレート! さらに左フックから一気に距離を詰めて左右の連打をまとめる。裕希斗も左ミドル、右ストレートを返して藤原に組み付くがテイクダウンは出来ない。 ここから互いに組み付いてヒザ蹴り→ブレイクという展開が続くが、終了間際、藤原が右フックで裕希斗を後退させて左右のパンチを連打!
裕希斗をロープ際で釘付けにしてパンチを打ち込む。裕希斗も何とか腕を上げてパンチを打ち返そうとするのだが、レフェリーは2人の間に入って試合をストップ。“ZSTの豪腕”藤原がTKO勝利でベルトを腰に巻いた。 試合後、藤原は「ここで勝ったからと言って自分はトップだとは思っていません。自分の活躍次第でこのベルトの価値が変わると思いますので、これからもどんどん試合で勝ってベルトの価値を上げたいと思います」と王者としての意気込みをマイクアピール。 大会後には師匠でもある秋本じんから「藤原はうちのジムの所属選手ですけど、ZSTの軽量級を引っ張る選手になりつつあると思います。本人もそういう自覚を持って、日々稽古を続けて、チャレンジャーとしての気持ちを持ってやっていけば、もっと強くなると思います」と、秋本道場初となるチャンピオンとなった藤原を激励した。
▼セミファイナル ウェルター級シングルマッチ 5分2R
○弘中邦佳(アカデミアAz) 一本 2R2分43秒 ※変型ネックロック ●小谷直之(ロデオスタイル)
かつては共にUFCで闘ってきた小谷と弘中。試合前の煽りVTRでは小谷が前回のタッグマッチで内村洋次郎からの挑戦を無視し、その後のDEEPでの試合をキャンセルしたことが暴露され、この試合はZSTからの制裁マッチと紹介されてしまう。 1R、サウスポーの小谷は左ミドルを蹴って距離を取る。弘中はじりじりと圧力をかけて小谷を下がらせると右ストレートで飛び込む。ここで小谷は自らガードポジションに引き込む。
立ち上がってパスガードを仕掛ける弘中。小谷は弘中の足を二重絡みにしてスイープを狙うが、弘中のバランスは崩れない。逆に弘中が小谷の足を取って膝十字! これは極まらなかったものの、弘中がバック、サイド、マウントとポジショニングで小谷を圧倒する。 ブレイクとなり試合がスタンドに戻ると小谷は左ミドル、左ミドルをフェイントにしての左ストレート! 打撃で攻め込んでいくが、弘中が右ストレートからの左フックを2発! これが小谷の顔面を捉えて。小谷がダウン気味に倒れてガードポジションを取る。弘中は亀になる小谷のボディにパンチを落とす。 2R、左の前蹴りで距離を測る小谷。弘中は距離が詰まると左フックを打つ。そこに右フックを合わせる小谷。弘中をコーナーまで下がらせると片足タックルでテイクダウンを狙う。ここで弘中は小谷の右脇を下から差し上げて、ハーフネルソンの状態でガードポジションに引き込む。 ここから弘中は小谷の体を引っくり返してマウントポジションを取ると、そのまま両腕をクラッチ。プロレスで言う羽根折り固めの態勢を作ると、ロープ際で身動きが取れない小谷の首をグイグイと締め上げる。
何とか必死に耐え続けた小谷だったが、首がえげつない角度で“く”の字に折れ曲がると、遂に小谷がタップ。弘中が地力の差を見せ付けて一本勝ちを収めた。
▼第4試合 ライト級シングルマッチ 15分3本勝負
△奥出雅之(ゴールドジムサウス東京)&山田哲也(しんわトータルコンバット)
時間切れドロー △永田克彦(NEW JAPAN FACTORY/シドニー五輪銀メダリスト)&宮田和幸(Brave/シドニー五輪日本代表)
レスリングでオリンピックに出場した経験を持つ永田と宮田がタッグを組むというZSTらしいマッチメーク。過去にタッグを組んだ経験がある奥出&山田のチームZSTは、MMAの五輪コンビ(※プロレスの五輪コンビはジャンボ鶴田&谷津嘉章)にどう立ち向かうのか? 先発は宮田と山田。サウスポーに構える山田は両手をぐるぐると回しながら左ミドル、ブラジリアンキックを放つ。宮田はそれをディフェンスしながらタックル! 山田はそれを切ることなくガードポジションを取る。そして自陣コーナーが近づいたところで奥出とタッチ。 山田と同じくサウスポーの奥出は右フック、左ストレート。宮田はそこに右ミドルを蹴る。奥出は右ミドルをブロックして、そのまま組み付くと宮田を持ち上げるようにしてテイクダウン! オリンピックレスラーの宮田から奥出がテイクダウンを奪うという展開に場内が沸く。 しかしテイクダウンを奪われた宮田もすぐに奥出を蹴り放して立ち上がり、奥出の頭をがぶると奥出の体を持ち上げるようにする!
ここで奥出はたまらずタッチ、山田がリングに上がった。リング内は永田と山田のマッチアップとなり、山田が変則的な蹴りでサウスポーの永田に距離を詰めさせず、すぐに奥出とタッチする。永田は一気にパンチで前に出てタックルで奥出をテイクダウン。 ここで永田は宮田とタッチ。奥出も宮田に組み付かれると山田とタッチする。
宮田VS山田になると、宮田がパンチから山田に組み付いて、山田の後方に回ると豪快なジャーマンスープレックス! 何とか立ち上がった山田はすぐに奥出とタッチして、このピンチを回避する。 右フックと左ストレートで前に出る奥出。宮田も左フックを返して奥出を下がらせてテイクダウン。奥出はガードポジションから腕十字やアームロックを狙い、宮田は立ち上がってパスガードを狙う。ここで両者はタッチ。 山田は序盤と同じように左の蹴りで永田を攻め込む。しかし永田はそれをキャッチして豪快なテイクダウン!
すぐに立ち上がった山田だが、やや下がりながらの蹴りのため、永田にはダメージがない。タッチを受けた奥出は左ストレートで前進! しかし永田も右ジャブ、右フックを奥出の顔面に当てる。 奥出は半身になる変則的な構えで永田を挑発。しかし永田はそこにローを蹴って、奥出の構えには付き合わない。永田からタッチを受けた宮田に対し、右フック、左ストレート。宮田もワンツーで奥出を下がらせてロープに詰まったところでタックル。背中を見せる奥出を再び後方に投げ捨てる! 必死に立ち上がってアームロックを狙う奥出だったが、宮田は両腕を奥出の股の下でクラッチし、トップロープまで奥出の体を持ち上げる! 宮田の桁外れたパワーに場内はどよめく。ここで両者はタッチ。 山田は永田に対して蹴り技を連発。しかし永田はそれを弾き飛ばすように細かいパンチで前に出る。山田の圧力を受けて後ろに下がってしまう。
セコンドの小谷ヒロキから「下がるな!」という檄が飛ぶが、山田はなかなか前に出られない。永田が宮田とタッチしてからもそれは変わらず。山田は自ら引き込んでガードポジションから攻めるが、奥出とタッチする。 残り時間を考えても最後のマッチアップは奥出と永田。奥出は手招きして永田を挑発してパンチで打ち合う! 奥出の左ストレートが永田の顔面を捉えるが、永田もパワフルな右フックと左ストレート!
永田も突進に奥出がロープまで下がる。そして永田が奥出のバックについて奥出を持ち上げようとするのだが、奥出もアームロックを狙いながら自ら亀になって、それを阻止。この態勢のまま、試合終了となった。 結果は両チームとも一本・KOを奪うことが出来ずにドロー。しかし宮田の豪快なスープレックスが次々と飛び出すなど、五輪タッグが強さの片鱗を見せた試合となった。
▼第3試合 勝村周一朗デビュー10周年特別試合 フェザー級シングルマッチ 5分2R
○勝村周一朗(リバーサルジム横浜グランドスラム) 一本 1R2分56秒 ※ツイスター
●山城裕之(しんわトータルコンバット)
勝村周一朗デビュー10周年記念試合として組まれた一戦。勝村は2007年HERO’Sでのアレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ戦以来の総合ルールでの試合となる。対する山城は極真空手をベースに持つストライカーでシュートボクシングのリングにも上がっている。 1R、山城の右ストレートに勝村がカウンターのタックル。そのままテイクダウンを狙うが、逆に山城が首投げで勝村を投げ捨てる。ガードポジションで下になる勝村。
山城は立ち上がってスタンドに戻ろうとするが、勝村はしつこいタックルで山城を追いかける。そして山城をコーナーまで詰めると、勝村は自分が飛び掛るようにしてギロチン狙い。 これは凌がれる勝村だったが、山城の足を払うようにしてタックルでテイクダウンを奪う。ハーフガードで上になる勝村は自ら前転するようにしてシングルバックの態勢へ。ここから山城の腕をくぐるようにして頭を抱えてツイスター(※グラウンド状態でのコブラツイスト)! これがガッチリと極まり、山城がタップ! 勝村が見事な一本勝ちでメモリアルマッチに自らの手で華を添えた。
そして試合後、記念のセレモニーが行われ、所英男、BJ、前田日明が勝村に花束を贈呈。 勝村は「今日は入場から泣きそうでした。色々言おうと思ってきたんですけど…まずはこういう記念的な試合の対戦相手は嫌だったと思うんですが、それを引き受けてくれた山城選手に感謝したいと思います。 自分が10年格闘技を続けられたのは、自分の実力じゃなく、周りの人たちに支えられたおかげです。家族、友達、仲間、生徒、関係者・スタッフ、マスコミの皆さん、いつも応援してくれるファンの皆さん、そして僕のことを嫌いで応援してくれない人たち。それも全て含めて僕の力になっています。ありがとうございます。 僕の好きなZSTで記念試合が出来たことをうれしく思います。本当に感謝しても感謝しきれないので、もうちょっとだけ頑張りたいと思います。 その中で僕は自分がデビューした地(=修斗)で恩返しをしたいし、借りを返さなきゃいけないと思ってます。そしてそれが終わったら、こっち(=ZST)にも借りを返さなきゃいけない相手がいるんで、これからもよろしくお願いします」と感謝の言葉を述べると共に、これからの目標を語った。
▼第2試合 ライト級シングルマッチ 5分2R
○伊藤健一(ALLIANCE) 反則勝ち 2R1分42秒 ※イエローカード3枚 ●矢野卓見(骨法烏合会矢野卓見道場)
所英男との対戦を熱望する伊藤がZST4兄弟の長男・矢野と対戦。伊藤にとっては勝てばロード・トゥ・所の第一歩となる試合だ。 1R、じりじりと前に出る伊藤はフルスイングの右ボディ! 左ボディから返しの右フックを打って矢野を下がらせる。矢野も左フックを返して組み付こうとするのだが、伊藤をテイクダウンすることが出来ない。
逆に伊藤は右フックを強振して前進! 矢野はパンチを受けてタックル→引き込むという行為を繰り返すため、インターバル中にイエローカードが提示される。さらに矢野は伊藤の攻撃でスタミナをロスし、立ち上がるのに時間がかかるようになる。 2Rに入ってもその展開は変わらず。伊藤の右フックを受けて引き込んだ矢野に2枚目のイエローカードが提示され、矢野はもう1枚のイエローカードで反則負けという状況に追い込まれる。ここで矢野が渾身のタックルで伊藤をテイクダウンしようと試みるが失敗。この後、伊藤のパンチを受けて引き込もうとしたところで、遂にレフェリーが3枚目のイエローカード! 裁定は反則負けとなったが、レフェリーストップのような形での決着となった。
▼第1試合 ミドル級シングルマッチ 5分2R
○渋谷修身(フリー) 一本 1R2分37秒 ※腕ひしぎ十字固め ●小島一朗(ZFC)
前回の大会で奥出を破り、第2代ウェルター級王者となった渋谷。今回はSWAT!からキャリアを重ねてきた小島の挑戦を受ける形となった。 1R、互いにサウスポーの両者。渋谷はミドルを蹴って前に出て、右フックから左ストレートを打つ。そして小島のタックルを切ってテイクダウンを奪うと、ハーフガードから得意の肩固めを狙う。
これは凌いだ小島だったが、渋谷はすぐにV1アームロック。さらにじっくりと小島の体を押さえ込み、最後は腕十字! 何とか耐える小島だったが、レフェリーが試合を止めた。
|