新日本キックボクシング協会/治政館ジム 「BRAVE
HEARTS 11」 2009年5月31日(日)東京・後楽園ホール 開場16:45 開始17:00
▼メインイベント(第13試合) 71kg契約国際戦 3分3R ○武田幸三(治政館/元ラジャダムナンスタジアムウェルター級王者) 判定3−0 ※30−28、30−28、30−29 ●ライタイ・ムエタイプラザ(タイ)
昨年大晦日に川尻達也にKO負けを喫したものの、今年1月の後楽園大会ではリッティデート・ウォー.スラポンにKO勝利している武田。 当初はスウェーデン出身のファンナム・マイサイとの対戦を予定していたが、マイサイが大会直前の負傷により欠場。タイのライタイと対戦することとなった。ライタイは50戦35勝14敗1分という成績以外はデータのない未知のムエタイ戦士だ。 1R、サウスポーのライタイに対して武田は強烈なインロー。左のジャブ、フックを突きながら右のパンチにつなげる。
手足の長い体型のライタイは左ミドル、そこから左ストレート。射程の長い攻撃を使って武田に距離を詰めさせない。武田はじりじりとプレッシャーはかけてライタイの右足を内と外からローキックで蹴る。そして武田がインローから左フック! ライタイを後退させる。 2R、武田はローを細かく蹴りながら前に出て、インローからの左フック! この一撃でバランスを崩すライタイ。武田はパンチをライタイの顔にまとめてライタイの右足にローキックを連打!
明らかにこれを嫌がる素振りを見せるライタイだったが、距離を取って必死に左ミドルを返す。武田はライタイをロープまで詰めて強烈な右フック! 完全に試合のペースを掴む。 3R、左ストレートと左ミドルで距離を取るライタイ。武田はインローから前に出て左フック、そして左フックから右ストレート! これを顔面にもらったライタイはたまらず武田に組み付く。
その後もミドルを蹴っては武田に組み付くライタイ。武田はそれを突き放して左フック、右ストレートを打っていくが、ライタイを仕留め切れない。
試合はKO決着とはならなかったものの、武田が判定で圧勝した。 前回の試合後に「今年は最後のラストスパートにしたいです」と話していた武田は、この日の試合後も「リングに上がる時は死んでもいいという思いでやっていますけど、それがあと何回できるのか。先生と話してそろそろ決めないといけない気がします」と、本格的な現役生活のカウントダウンを示唆。 残された現役生活で闘うことになる対戦相手について武田は「でもそこで緩い相手でいいかと言われたらそれは違います。そんなカッコ悪いことは出来ません」と自らのこだわりを口にした。
▼セミファイナル(第12試合) 日本ウェルター級タイトルマッチ 3分5R ○緑川 創(藤本/同級2位/挑戦者) TKO 5R2分17秒 ※レフェリーストップ ●荻野兼嗣(ビクトリー/王者) ※緑川が新王者に就く。
昨年7月に正木和也を下して王者となった荻野の初防衛戦の相手は、その正木と同門にあたる緑川。挑戦者・緑川には王者・荻野以上に集まった大応援団から声援が送られた。 1R、サウスポーの荻野は左ミドル。緑川はそれをブロックしてインローを返す。緑川は荻野の左ミドル、インローには左フックを返し、ボディへ右ストレート。自らもインローを蹴り返し、そこから左フックを返す。終盤には緑川がボディをフェイントにした右フックで前に出る。 2R、ここも1Rと同じように荻野は徹底して左ミドルとインロー。緑川も同じようにそれをブロックして左フック、右ボディストレートを返す。右のボディストレートから顔面へのパンチにつなげたい緑川だが、荻野のガードは固い。ならばと緑川は右だけでなく左のボディブロー。荻野をロープに詰めてパンチの連打をまとめて、右のヒジを打つ。 3R、荻野は左ミドルで緑川に距離を詰めさせず、強引に緑川が前に出てくるところに左ストレート、右フックを合わせる。緑川も右ストレートで前に出て行こうとするのだが、荻野の左ミドルで前進を邪魔されてしまう。ここまでのラウンドに比べると緑川の手数が減り、荻野の左ミドルが当たるという展開になる。 しかし4R、緑川は左フックから強烈な右ストレート! この右ストレートでグイグイ前に出ていく。さらに緑川は前蹴りで何度も荻野を後退させて、荻野の左ミドルには左フックを合わせる。それでも荻野はしつこく左ミドルを蹴り続け、緑川が前に出てくるところに左ヒジ! これが緑川の即頭部を捉える。 5Rが始まると荻野は左ヒジを強振して前進! 緑川はこれをもらいながらもパンチを打ち返し、場内が大きく盛り上がる。そしてヒジ打ちで前に出続ける荻野だったが、そこに緑川の縦ヒジがクリーンヒット! この一撃で荻野は左の眉間あたりをザックリとカットする! 出血量が多く、ドクターストップかと思われたが、試合は再開。荻野はそれまで以上にヒジ打ちを振り回して前に出るが、緑川も右ストレートを返して一歩も引かない。すると荻野の顔面が血で真っ赤になったところで、レフェリーが試合をストップ! 緑川がTKO勝利で新王者となった。 試合後、緑川は言葉を詰まらせながら「初めてのタイトルマッチでベルトを取ることが出来てうれしいです。これも皆さんのおかげです」と挨拶。「ジムの先輩たちに少しでも近づけるよう、新日本キックを引っ張っていく選手になれるように頑張っていきます!」とチャンピオンとしての抱負を語った。
▼第11試合
日泰国際戦 3分3R ○ルンラウィー・サシプラパー(タイ/元ルンピニースタジアムバンタム級王者)
判定3−0 ※30−29、30−27、30−29 ●蘇我英樹(市原/日本フェザー級王者・元日本バンタム級王者)
4月の市原大会で風神和昌に勝利し、新王者となった蘇我。その最初の試合で迎えた対戦相手は元ルンピニースタジアムバンタム級6位の肩書きを持つルンラウィー。今年1月のサクナロン戦に引き続き、VSムエタイ2連勝を飾ることは出来るか? 1R、サウスポーのルンラウィーは右の前蹴りで蘇我を突き放し、強烈な左ミドルと奥足へのロー! 蘇我はそれを受けながらも右ストレートで前に出ていく。
距離が詰まったところで左ボディを打つ蘇我だったが、そこにルンラウィーが左右のフックを連打! さらに蘇我のボディにヒザ蹴りを突き上げ、右フックから左ストレート! ルンラウィーは組みの攻防になると蘇我をマットに転がし、右の前蹴り&奥足ローで攻める。 2R、右ストレートで前に出て行く蘇我。ルンラウィーも左ストレート、右フックを返す。ルンラウィーは蘇我の蹴り足をキャッチして左ハイキック、左ミドルと左ローで蘇我の足を止める。
蘇我もルンラウィーの攻撃をもらいながらも前に出続け、ボディへの右ストレートから顔面への左フック! これがルンラウィーの顔面を捉える。ここからルンラウィーは組みを多用して蘇我の攻撃を阻止する。 3R、左ミドルを蹴り続けるルンラウィー。蘇我はそれをブロックして右ストレートで前に出て行く。この右ストレートを突破口にして逆転を測りたい蘇我だったが、距離が近くなるとルンラウィーに組み付かれてしまい、パンチを打てない。
その後もルンラウィーはポイントで勝っていると判断してか、前蹴り・ミドル→組み付きを繰り返し、そのまま試合が終了。ルンラウィーの老獪な戦い方に蘇我が敗れた。
▼第10試合 日本ヘビー級王座決定トーナメント決勝戦 3分5R ○松本哉朗(藤本/同級1位・元日本ミドル級王者) KO 3R3分3秒 ※右フック ●柴田春樹(ビクトリー/同級2位) ※松本が新王者に就く。
ミドル級(72.57kg以下)からヘビー級(86kg以上)に階級を上げて2階級制覇を目論む松本。
トーナメント準決勝では当時ヘビー級1位だった國吉を左フック一発でKOし、ヘビー級でも攻撃力・テクニックが通用するところを十分に見せ付けた。 この日も松本は1R開始直後から、鋭い左ミドルと奥足へのローキックで柴田を下がらせる。
そして柴田のローキックをカットしつつ、ジャブを突きながら強烈な右フック! これを立て続けにヒットさせ、柴田がたまらず松本に組み付く。松本は距離が開くと今度は右のハイキック! 松本ペースで試合が進む。 2R、松本はインローを蹴って、そこから右ストレート! 距離が開けば左ミドルと奥足へのローキックで柴田の動きを止める。
柴田も下がりながらではあるものの左右のローを蹴って反撃を試みるのだが、そこに松本の左フックがヒット!
松本は右フックから柴田をロープに詰めると左右の連打! 足を使って逃げる柴田を左フックで追いかけて、柴田のガードの間から右ヒジを振り下ろす。 3R、今度はパンチではなく左ミドルをバチバチと当てていく松本。左手を下げた構えからジャブを突いて、柴田のローのタイミングに合わせてパンチで飛び込んでいく。
そしてラウンド終了間際に左フックを効かせると、最後は強烈な右フック! これで柴田がダウン! 何とか立ち上がろうとする柴田だったが、足元がフラフラで立ち上がることが出来ず。 松本が王座決定トーナメントを全試合KO勝利で優勝し、ミドル級&ヘビー級の2階級制覇を達成した!
▼第9試合
日本ミドル級 3分3R ○喜多村誠(伊原/同級1位) TKO 2R1分50秒 ※ドクターストップ
●宮本武蔵(治政館/同級4位)
▼第8試合 日本ライト級 3分3R
○石井達也(藤本/同級1位)
判定2−0 ※30−29、29−28、29−29
●松本芳道(八景/同級2位)
▼第7試合 ウェルター級国際戦 3分3R
○ガンスワン・Be Well(タイ/元ラジャダムナンスタジアムスーパーライト級王者)
KO 2R1分47秒 ※左ストレート
●斗吾(伊原/日本ウェルター級7位)
▼第6試合 58kg契約国際戦 3分3R
○雄大(治政館/K-1甲子園初代王者)
判定2−0 ※30−29、30−29、30−30
●ペッパカム・アントーン(タイ)
▼第4試合 70kg契約 3分2R
○今野 明(市原/日本ウェルター級)
判定3−0 ※19−18、20−17、19−18
●神護(大分/日本ライト級)
▼第3試合 日本ウェルター級 3分2R
○篠原永姿朗(トーエル)
判定
●ロッキー壮大(治政館)
▼第2試合 日本フェザー級 3分2R
○平井 順(トーエル)
判定3−0 ※3者とも20−19
●森本竜太(治政館)
▼第1試合 日本ライト級 3分2R
○TATSURO(ビクトリー)
KO 2R54秒 ※3ノックダウン
●片岡 聡(揚心)
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