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GBRでは6・21全日本キック・小林聡プロデュース興行「野良犬電撃作戦」を特集中
石川直生×山本優弥、前田尚紀のスパーリング映像、出場選手のインタビュー&動画など

【全日本キック】石川が前田の追撃を振り切りドロー防衛、日タイ戦も痛み分け

2009/06/21


勢天株式会社PRESENTS
全日本キックボクシング連盟
小林聡プロデュース「野良犬電撃作戦2009」

2009年6月21日(日)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始18:00
※本戦開始前にオープニングファイトは17:10〜
観衆=2,080人(超満員札止め=主催者発表)

▼メインイベント(第9試合) 全日本スーパーフェザー級タイトルマッチ 3分5R
△石川直生(青春塾/同級王者)
判定1−0 ※49−49、49−49、49−48
△前田尚紀(藤原/全日本フェザー級1位/挑戦者)
※石川が2度目の防衛に成功。

 1勝1敗で迎えた決着戦。いまや全日本キックの“顔”となっている石川と、後楽園ホールで数々の伝説的な試合を残してきた“お前こそが全日本キック”前田によるタイトルマッチである。

 石川にとっては5ヵ月ぶりとなる、本領を発揮できるヒジ・ヒザありのルール。「I am KICKBOXER」を名乗る石川が、名勝負製造機を相手にキックボクシングの真髄を見せることが出来るか?

 第1試合開始前に行われた入場式から前田を睨み続けていた石川は、リングインして国歌吹奏が終わると、またも振り向いて前田を鋭く睨む。

 1R、ジャブを出して低く構える前田に石川が前蹴り、右ロー。前田も右ローを返す。石川もジャブを出し、前蹴りとの併用で前田に入らせない。前田は右ロー、左インロー。

 石川は組むとヒザ蹴り、首相撲で振って体勢を入れ替えるとヒジのモーションを見せる。石川が左手を引っ掛けての飛びヒザ蹴りから顔面へのヒザ蹴り2連打、そしてハイキック。再び組み付くと石川がヒザ蹴り、前田は足払いでコカす。

 2R、右ローから前へ出る前田、石川が右ハイキックから片手を引っ掛けてのヒザ。前田のローに石川が右ストレート、組んでのヒザから右ヒジ。前田は左腕を上げて必死のブロックだ。

 石川は前田をコーナーに追い込んでヒザ蹴り、飛びヒザ蹴り、組んでのヒザ蹴りからヒジ。脱出すると前田がワンツー、石川もヒザで応戦。組みの力で完全に石川が優っている。

 3R、前田が前に出ると石川が顔面への前蹴り。前田の右フックに石川も右フックを返すと、前田の右フックがヒット! パンチで前へ出る前田、石川は組み付くとヒザ、ヒジ。

 アッパーから右ヒザを突き上げる。サウスポーになった前田が右ストレート、オーソドックスに戻って左フック。石川の蹴り足を抱えると、マットに叩きつける。

 石川は打点の高い飛びヒザ蹴り! すぐに組んでヒザを連打する石川のヒジ、ヒザの乱れ打ちに前田は必死のブロック。石川がやや攻めたまま終わった。

 4R、ローからパンチで前へ出て行く前田に、石川の右ハイキック! 接近していく前田だが、石川の組みに捕まってヒザをもらう。ワンツーを出して前へ出る前田、石川は顔面への前蹴り、ヒジ。

 右ストレートで飛び込む前田が左フックにつなげるが、石川は前蹴りで突き放す。左フックで前田の突進を迎え撃つ石川。

 前田もボディから左右のフックで石川をコーナーへ追い詰めたが、すぐに石川が左ミドル連打から顔面前蹴りで前田をコーナーへ釘付けにして逆襲する。やはり石川の組みの強さが目立つ。

 5R、左右フックで前へ出る前田、石川は前蹴りで突き放す。右ロー、左ハイキックと攻める石川も必死の形相だ。

 石川の左フック、ハイキックを空振りさせると前田がすかさず左右のフックで突っ込む。前田がボディからの右フックをクリーンヒットさせ、石川は組んでのヒザ、ヒジから左ミドル。

 前田が右ストレートで突っ込めば、石川も右ストレートを返す。前に出る前田だが、すぐに石川の長い両手に捕まってしまう。しかし、そこで前田の右ロングフックがヒット!

 一気に連打で前へ出て石川が棒立ちに! 大歓声に包まれる場内! 体ごと突っ込むような前田の右フックがクリーンヒット!

 さらに連打で石川の頭が左右に揺れる! 石川も抱きついてダウンしまいとし、ゴングが聞き取れないほどの大歓声の中、試合終了。

 判定はジャッジ1名が石川を支持したが、ドロー。決着はつかなかった。

 前田はさっさとリングを降り、石川はマイクを握って「今回もごめん。俺はキックボクシングが大好きで、キックボクサーである自分が光栄です。人生に辛いことはたくさんあるけれど、必ず前を向いて歩いていけば明るい道が待っている。これからも、俺はキックボクサーとして前へ歩いて行く。もう一度言います。俺はキックボクシングが大好きです!」と、ファンにメッセージを送った。


▼セミファイナル(第8試合) 日本VSタイ スーパー・バンタム級契約 3分5R
○ピンサヤーム・ソー.アムヌアイシリチョーク(タイ/元ルンピニースタジアム認定スーパーバンタム&バンタム級王者、現同スタジアム認定スーパーバンタム級7位)
KO 3R1分30秒 ※右ストレート
●藤原あらし(S.V.G./WPMF世界バンタム級2位)

 対戦相手がプロムエタイ協会バンタム級チャンピオンのガンワンレックから、元ルンピニースタジアム認定スーパーバンタム&バンタム級王者、元オムノーイスタジアム認定バンタム&スーパーフライ級王者、現ルンピニースタジアム認定スーパーバンタム級7位、現プロムエタイ協会同級8位、2004年度ルンピニースタジアム年間MVPという輝かしい戦歴を誇るムエタイ界のスーパースター、ピンサヤームに変更となったあらし。

 29歳というベテランの年齢ながら、今年行った3試合はいずれもメインイベントというこのトップ選手を、あらしは「ムエタイを始めた頃から知っていて、こういう選手になりたいと思っていた」と憧れの存在であったという。その憧れの存在を超えることが出来るか?

 1R、サウスポーのあらしに右ミドルを蹴ってくるピンサヤーム、あらしは左ミドルと左ロー。ピンサヤームはさっそくあらしの弱点である右ハイキックを飛ばしてくる。ピンサヤームは前蹴りでとる距離感が絶妙だ。右ハイも狙ってくる。

 ピンサヤームの右ミドルに右のボディストレートを返すあらし。静かなる立ち上がりだったが、ピンサヤームの距離の取り方の上手さ、ローとミドルのカットの巧みさが目立った。

 2R、あらしが左ロー、右へ回り込みながらジャブ、軸足を狙ったロー。ピンサヤームはジャブを出して右ハイ、右ミドルではあらしが転倒する。ピンサヤームはジャブを伸ばしながら、相手の反応をじっくりと観察しているような不気味な眼光。

 右ミドルであらしを下がらせ、あらしが回り込もうとしたところで矢のような右ストレート! これでダウンを奪う。

 続いてテンカオから右ミドル、右ストレートからの左フックで2度目のダウンを追加。あらしが立ち上がったところでゴングが鳴った。

 3R、ピンサヤームがこのラウンドで仕留めようと一気に詰めてくる。右フック、右ハイキック、右ミドル、右の攻撃の連続であらしをどんどん下がらせる。蹴りを受け続けてあらしの右肩は真っ赤だ。そしてショートレンジでの右フックであらしがこの試合3度目のダウン!

 立ち上がったところでもピンサヤームの猛攻は続き、右ヒジ、左右のフック、どんどん前へ出て行くピンサヤーム。

 豪腕を振るってあらしを圧倒し、最後は右ストレート! あらしはもんどりうって倒れ、ピンサヤームが伝説の圧倒的な強さをまさまざと見せ付けた。


▼第7試合 日本VSタイ 59kg契約 3分5R
○山本元気(DTS/全日本スーパー・フェザー級1位)
判定3−0 ※50−45、50−45、50−46
●ジャウメーオ・プンパンムアン(タイ/ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフェザー級8位)

 桜井洋平、梶原龍児を圧倒してK-1ルールでの強さを見せ付けた元気だが、VSムエタイでは2006年3月のカノンスック戦以来3年間も白星がない。久しぶりとなるヒジありルールでも強さを見せつけることが出来るか!?

 対戦相手のジャウメーオはサウスポーで同じくパンチャーであるという。元気はリングに上がると、ジャウメーオを一直線に睨みつける。ジャウメーオは午前9時の再々計量をパスすることが出来ず、元気6オンス、ジャウメーオ8オンスのグローブハンディ戦となり、1Rは1点減点からのスタート。

 1R、事前情報のサウスポーではなくオーソドックスに構えたジャウメーオにジャブを突き刺す元気、ジャウメーオはさっそくヒジを繰り出してくる。元気が右ロー、そしてボディストレート。鋭いジャブを突き刺し、ヒジに右ストレートを合わせ、続いてボディからのパンチコンビネーションを連続で被弾させ、強烈な左ミドル。

 元気の鋭く走るジャブが何度も突き刺さり、続いて右ミドル、ボディからのコンビネーションパンチ。ジャウメーオはヒジを振るうが元気はサッと下がる。相手の右をかわしながら、ボディからの連打、ジャウメーオが右ヒジでヒヤッとさせるが、元気はジャブで突き放して連打。あっという間に1Rが終了した。

 2R、元気の右ミドル、ジャウメーオもジャブを放って左ミドル。左フックはかわしてすぐに元気が右フック! 連打からのローでロープに詰め、鋭いジャブ。

 元気の右ボディストレートで苦痛に顔を歪めるジャウメーオ。左フックから右ボディアッパーのコンビネーションを連発、面白いように左ボディが決まる。ジャウメーオは蹴り足を掴んで転倒させる。元気がコンビネーションパンチで押し込んで行き、優勢のままラウンド終了。

 3R、元気のパンチにジャウメーオもパンチとヒジ、左ミドルで応戦。ジャブで前へ出て行く元気、ジャウメーオの左ミドルを受けて“ヒョーッ♪”と歓喜の奇声を挙げる。

 ジャウメーオも左ジャブからミドル、ヒジ。至近距離でのパンチの打ち合いとなるが、確実にヒットさせるのは元気の方だ。ジャウメーオのヒジはしっかりと上腕でブロックし、左ボディを叩いていく。しかし終盤、ジャウメーオのヒジがついに当たり、元気の眉間あたりから鮮血が流れ落ちる。

 4R、左の縦ヒジで前へ出て行くジャウメーオ、元気はワンツーで突き放し、左ボディと左ミドル。両者、頭をつけるようなスリリングな接近戦でパンチとヒジを交錯させ、元気は左ボディを叩き続ける。

 元気の顔もヒジでパンパンに腫れ上がっている状態だ。左右のショートから左ボディ、ヒジをかわしての右ストレート。ジャウメーオは組み付いて体を浴びせ倒す。

 前蹴りとジャブ、そして右ストレート、右ロー。元気の攻撃が当たるたびに歓声が挙がるが、ジャウメーオもタフだ。

 攻め続ける元気にはやや疲れが見えるが、それでも元気はパンチでの攻撃を止めない。ラウンドが終わると、元気はロープにもたれかかる。かなり消耗しているようだ。

 5R、左ミドルと右ロー、そしてジャブを出す元気。ジャウメーオは縦ヒジから前へ出てくる。元気はサイドステップでそれを外し、前へ出てくるところへ右フック。

 ジャウメーオはテンカオ、元気もテンカオを返す。元気のジャブに対し、しがみついてくるジャウメーオ。元気の右ストレート、左ボディが何度もヒットするが、タフなタイ人はそれでも前に出てきてヒジを狙う。

 そして、逆に元気が右のヒジ! ジャウメーオは左の眉上がザックリと切れ、流血。ドクターチェックが入り、元気はヒジをリングサイドや小林GMにアピールだ。再開後も元気は左ミドル、パンチのコンビネーションをヒットさせ、優勢を保ったまま終了のゴングを聞いた。判定はもちろん、大差で元気! 約3年ぶりのVSムエタイで勝利を挙げた。同時に、同階級の現役ランカーを破る快挙も達成!




▼第6試合 日本VSタイ 55kg契約 3分5R
○ノラシン・ルークバンヤイ(タイ/ルンピニースタジアム認定フライ級王者)
KO 2R1分12秒 ※3ノックダウン
●寺戸伸近(青春塾/全日本バンタム級王者)

 今月5日に秒殺KOでルンピニースタジアム認定フライ級チャンピオンになったばかりのノラシンを迎撃するのは、今年1月に悲願の全日本キックバンタム級王座を獲得した寺戸。

 3月のM-1同級王座決定戦では、NJKFの同級チャンピオンでエースの前田浩喜をKOで破り、二冠王となった。

 日本の二冠王か、ムエタイの現役チャンピオンか? ノラシンが現役チャンピオンであることがコールされると、大きな拍手が沸き起こる。レフェリーチェックの際、ノラシンは“首を掻っ切ってやる”というポーズを見せる。

 1R、ノラシンが右ハイキックを放つと、あまりのスピードの速さに場内からどよめきが起こる。続いてパンチ、前蹴り、右フックで寺戸をスピードで圧倒していくノラシン! どよめきが鳴り止まない!

 薄ら笑いを浮かべ、ローからパンチで攻めるノラシンに、寺戸は左ロー。ノラシンが右クロスを合わせた直後、寺戸も右のパンチをヒットさせたかに見えたが、ノラシンは両手を広げて笑顔。右ローを連発していく寺戸が組み付くとノラシンは左のヒジ、そしてすぐに蹴ってニッコリ。

 2R、寺戸は徹底した右ロー、ノラシンも左ローを徹底して蹴っていく。しかし、寺戸が右ローを蹴ろうとしたところでノラシンが打ち下ろしの右フック! 前のめりに倒れる寺戸!

 ダウンから立ち上がった寺戸も逆転を狙ってパンチを打ち返し、真正面からの打ち合いが展開されたが、ノラシンの狙い済ました右フックで寺戸2度目のダウン!

 左右フックで仕留めにかかるノラシン、寺戸も打ち返すが右ストレートがコンパクトに突き刺さり、ノラシンがインパクト大の衝撃KO劇で現役ムエタイ王者の実力を見せ付けた。


▼第5試合 スイスVSタイ 68kg契約 3分5R
○クリストフ・プルボー(スイス/スクランブル渋谷/全日本ウェルター級王者)
判定2−0 ※50−49、50−49、49−49
●ジャオチャラーム・シッカノックジム(タイ/WAKO-PRO世界ミドル級王者)

 チームJAPANの“最強助っ人外国人”プルボーが、ヨーロッパで活躍するムエタイ戦士ジャオチャラームを迎え撃つ。この試合が日本VSタイ4対4対抗戦のオープニングを飾る。

 前回の試合でムエタイと初対決、クンタップを破っているプルボーがムエタイ二連勝を収めることが出来るか?

「今年はロス、ラスベガス、タイとか海外で試合をして世界タイトルを狙っていきたい」としているプルボーにとって、世界タイトルを保持しているジャオチャラームは絶好の相手。

 前日計量で2.6Kgオーバーという前代未聞の減量失敗を犯したジャオチャラームは、朝9時からの再々計量でもリミットをクリアすることが出来ず、プルボー8オンス、ジャオチャラーム10オンスのグローブハンディに加え、1Rに1点減点、さらにファイトマネーが50%減額となったことが発表された。

 1R、右に左にと構えをスイッチするプルボー、ジャオチャラームはサウスポーに構える。序盤はかなり静かな立ち上がりで両者とも様子を見る。時折、ジャオチャラームがパンチを繰り出すが、プルボーは前蹴りを出すくらいで打ち合いには乗らない。ほとんど攻撃が出ることなく、このラウンドは終了した。

 2R、プルボーがジャブからの左フックで組み付き、ジャオチャラームを投げる。オーソドックスに構えたジャオチャラームは右ミドルから組み付いてのヒザ。

 ワンツーからヒザに繋げて来るジャオチャラームは組むとヒジ、プルボーもヒジを返す。ジャオチャラームが組んでくると、腕を制してヒザを入れるプルボー。

 3R、ジャオチャラームが右ローからヒザ、接近戦でヒジ。プルボーも縦ヒジを返し、回り込んでいこうとするが、ジャオチャラームがパンチとヒジをガードの上から叩きつけて前に出る。プルボーが首相撲からの縦ヒジ、ボディストレート。ジャオチャラームはヒジを狙い、プルボーはスーパーマンパンチからヒジ。

 4R、ジャオチャラームがいきなりのヒジで突っ込む、プルボーは左ミドル。プルボーのボディストレートにジャオチャラームもパンチを返す。

 ジャオチャラームが飛んでボディへのヒザ、プルボーは首相撲から回してのヒジ、そしてボディストレートでボディへのダメージを与えていく。

 組んでくるジャオチャラームにプルボーがヒジ、しかし、ジャオチャラームのヒジでプルボーの前髪が鮮血で真っ赤に染まる。ヒジで飛び込んでくるジャオチャラームとそれをヒジで迎え撃つプルボー。

 5R、ジャオチャラームは徹底したヒジ狙い、プルボーは組まれると腕相撲からヒジ、単発ながらパンチを飛ばしていく。お互いにヒジで切り合いをする中、プルボーが前に出るとジャオチャラームは足を使ってリングを大きく回り始めた。

 ポイントリードした時のタイ人の逃げ方だ。このラウンドは追って行くプルボーだったが、最後まで捕らえきることが出来なかった。

 判定は1Rの減点1の差でプルボーが2−0で勝利。プルボーは慎重になりすぎた感が否めず、もっと早いラウンドからの仕掛けが望まれるところだ。




▼第4試合 60kg契約 サドンデスマッチ 3分3R延長1R
○水落洋祐(はまっこムエタイ/全日本フェザー級3位)
判定3−0 ※30−29、29−28、30−29
●歌川暁文(U.W.F.スネークピットジャパン/SB日本スーパーフェザー級1位)

 シュートボクシングを主戦場とし、36戦のキャリアを誇る歌川が全日本キックに初参戦。ラジャダムナンスタジアムのリングでも2勝(2KO)1敗の戦績を残している。

 迎え撃つ水落は、火災現場から女性を救い出して“お手柄キックボクサー”として話題を集めたばかり。VSタイ人、K-1ルール、NJKFとの対抗戦と様々な闘いで3連勝を収めている強打者だ。

 1R、サウスポーの歌川は左ミドル、水落は得意のパンチで距離を詰めていく。歌川が左ミドルを蹴るとその何倍ものパンチをコンビネーションで打ち返していく水落。

 歌川は組んでのヒジ連打。しかし、離れると水落の回転の速いパンチに圧倒される。コーナーに押し込んで連打に行く水落、歌川は距離を詰められてヒジしか出ない。歌川は水落の強打で早くもダメージを感じさせる表情に。

 2R、歌川は組んでの投げ、後頭部へのヒジと荒っぽい攻撃。水落はローからパンチ、左フックをヒットさせて逆に投げ飛ばす。激しい揉み合いの中、歌川が右のヒジでカットに成功。

 ドクターチェックの後、水落が組んでくると左のヒジをショートレンジで繰り出していく歌川だが、今度は逆に水落がヒジでカット! 歌川にドクターチェックが入る。続いて水落に2度目のドクターチェック。

 ヒジでラッシュをかける水落、歌川がパンチを打ち返すと水落もパンチ。歌川の左ミドル三連打に水落もフックを返す。他流試合ならではの意地の張り合いだ。歌川がパンチの連打から顔面ヒザに行ったところでゴング。鮮血が乱れ飛ぶ。

 3R、ショートの距離からパンチ、ヒジを繰り出す両者だが、その後の組み合いでは歌川のヒザが上回る。互いにパンチを当てては組み付き、歌川がヒザに持っていく。

 前蹴りで突き放しながら右ストレートを連続ヒットさせていく水落、歌川もフックからヒザ連打。足を止めての真正面からの壮絶な打ち合いに場内は大熱狂!

 互いに一歩も退かず、パンチで打ち合う。激しい試合を制したのは、判定3−0で水落だった。


▼第3試合 全日本フェザー級ランキング戦 サドンデスマッチ 3分3R延長1R
○森井洋介(藤原/同級8位)
TKO 3R2分21秒 ※右ヒジによるカットでドクターストップ
●九島 亮(AJ/同級10位)

 昨年11月以来の試合となる久島と対するは、小林GMが「あいつにはロマンがある」と評価している藤原ジムの後輩・森井。

 今春行われたK-1ルールでの60Kgトーナメントでは決勝戦で敗れたが、本来のフェザー級に戻って上位ランキングを目指していく。

 1R、勢いよく前に出て行くのは森井、ステップを踏みつつパンチで上下と攻めていく。

 パンチから右ローへと繋げて行き、左フックからの右ローで久島を転倒させる。スピードのある右ローを中心に、森井が主導権を握る。久島にはジャブ以外目立った攻撃がない。

 2R、面白いように右ローをヒットさせていく森井、押しながら、抑えつけながら、パンチのコンビネーションからとその蹴り方も多彩だ。しかし、久島も右ローを蹴り返し続け、森井がバランスを崩す場面も。後半はやや森井の勢いが弱まり、久島はヒジでのカットを狙って行く。

 3R、両者ともアグレッシブに動き出す。足を止めてのパンチとローの打ち合い、激しく攻撃が交錯する中、右ヒジで森井がカットに成功! 右目上が縦にバックリと裂けた久島にドクターチェックが入り、そのままドクターストップとなった。




▼第2試合 全日本ライト級ランキング戦 サドンデスマッチ 3分3R延長1R
○野間一暢(DTS/同級元9位)
延長R 判定3−0 ※三者とも10−9
●翔太(S.V.G./同級6位)
※本戦は30−30、30−29、30−30

 ジムを移籍してこれが約1年半ぶりの復帰戦となる野間は、駅伝仕込みのスタミナが持ち味。

 対する翔太はホープとして期待されながらも現在3連敗中。この試合に敗れれば白星と黒星が7で並んでしまうため、連敗を脱出したいところだ。

 1R、翔太の左ミドルにいきなり左ハイキックを合わせた野間、序盤からヒジを狙って行く。翔太は下がりながら左ロー、野間は足を上げてのフェイントから思い切った右フックをヒットさせる。その後も野間は力強い右のパンチで翔太を追っていく。

 2R、距離を詰めていく翔太がヒジを連打、今度は野間が下がりながら右ローを蹴っていく。

 翔太が左ローから組み付いていくが、野間はガッチリとロックして翔太にヒジを打たせない。

 3R、前に出て右のパンチを狙おうとする野間に、下がりながら左ローを連打していく翔太。野間は縦ヒジで応戦、右の強打を振るって前に出るが、翔太に組まれてしまう。

 それでも、右のパンチは翔太のバランスを崩させるのには十分な威力。揉み合いとなる中、最終ラウンドのゴングが鳴り、ジャッジ1名が野間を支持するもドロー。延長戦へ突入する。

 野間が右の縦ヒジで何度も突っ込む。パンチの手数で野間が上回り始め、翔太は単発に終わって組む場面が多い。前へ出て左フックを振るっていく。

 野間はアッパー、翔太は右で前へ出る。本戦よりも差をつけるのが難しい展開となったが、判定3−0で野間が勝利を得た。


▼第1試合 スーパーライト級(63.5kg) サドンデスマッチ 3分3R延長1R
○大石駿介(OISHI GYM/J-NETWORKスーパーライト級2位)
KO 3R2分18秒 ※右ハイキック
●渡部太基(藤原/全日本ライト級10位)

 K-1甲子園で活躍した日下部竜也を擁するOISHI GYMに所属、19歳の大石は13戦を経験し、J-NETWORKの上位ランカーにも名を連ねている。

 渡部は小林聡の後輩にあたり、デビュー6戦目から3連敗を喫するも2連勝で巻き返してランキング入りを果たしたばかり。こちらも21歳と若い。

 1R、サウスポーの渡部は左に回り込みながら上中下と攻撃を散らし、大石は右ハイキックを狙いつつパンチを的確に当てていく。

 左フックを度々狙う大石、右ハイキックとの挟み撃ちのような攻撃。パワーに優る大石に押される渡部はヒジを繰り出し、パンチを叩きつけるが大石はしっかりブロックしてフックを返していく。

 2R、大石がしっかり組んでのヒザ蹴りでボディにダメージを与え、渡部はヒジで応戦。渡部のローが下腹部に入ってしまい、これが2度目のため口頭注意が与えられる。大石のパワフルな右ストレートと右ミドル、渡部は左ローを放つがパワーに押され気味。しかし、大石の右ハイをもらった直後に左ミドルを炸裂させ、フックで逆に追い込んでいく。

 3R、大石はいきなり組んでのヒザ、渡部は左右のフック。しかし、大石のテンカオで渡部は後退してしまう。下がりながらローを蹴り、ストレートを伸ばしていく渡部に大石はいいタイミングの前蹴りからテンカオ、パンチから組んでのヒザと渡部を押していく。

 終盤、パンチの打ち合いとなり、大石が右のクロスを決めた直後、狙い続けていた右ハイキックが鮮やかにヒット! 渡部は棒のように倒れ、大石が豪快なKO勝ちを飾った。




▼オープニングファイト第4試合 フェザー級 3分3R
○小山泰明(建武館)
TKO 1R2分53秒 ※セコンドからのタオル投入
●梅原ユウジ(REX JAPAN)

▼オープニングファイト第3試合 85kg契約 3分3R
○エド・リョーマ(ブラジル/バンゲリングベイ・スピリット)
判定2−0 ※29−28、29−29、30−28
●MANABU(TEAM松富士)

▼オープニングファイト第2試合 ウェルター級 3分3R
○泰斗(GET OVER)
判定3−0 ※30−29、30−29、29−28
●小山佑介(STRUGGLE)

▼オープニングファイト第1試合 バンタム級 3分3R
○TARO(月心会)
判定3−0 ※三者とも30−27
●榊 克樹(韓道場)

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