GCM 「CAGE FORCE」 2009年6月27日(土)東京・ディファ有明
開場16:00 開始17:00
▼メインイベント(第8試合) ライト級 5分3R
○弘中邦佳(アカデミアAz) TKO 1R3分41秒 ※パウンドでレフェリーストップ
●永田克彦(新日本プロレス) 「日本のお客さんにも僕の強さをしっかりと分かってもらいたい。金網の本場で経験を積んできた金網のテクニックを見せたい」という弘中。「何が何でも、どんな形でも勝ちたい。今回はさらに磨きをかけたテイクダウンで勝ちたい」と永田。弘中は前回のケージフォースで対戦相手が計量に失敗して試合中止となったため、今回が初のライト級戦となる。リングサイドには永田の兄、永田裕志の姿も。 1R、サウスポーの永田が細かく動きながらローキック、弘中もローとジャブ。弘中がワンツーで突っ込むが、永田は左ストレートを返す。弘中のワンツーに下がる永田、金網際を回り込もうとしたところで弘中がタックルに入る。これはテイクダウンできなかったが、すぐに右ストレート。 今度は永田が組み付き、弘中を金網に押し付けるが、弘中がテイクダウンを奪う。上になった弘中はヒジを落とし、上体を固めながらパスを狙うが、永田が立ち上がる。立ち上がり際に弘中がヒザ蹴り、立ち上がった永田は左目上から流血したためドクターチェックが入る。 再開後、弘中の右ストレートをかわした永田が踏み込みから左ミドルを放つと、これがモロに弘中の急所に。試合は一時中断となる。再開後、永田がワンツー、続いてタックル。弘中はガブってワンツー、離れて右ロー。金網まで追い込んだ弘中が右ストレートから左フック! この左フックが鮮やかに入り、永田がダウン! 一気にパウンドで追撃する弘中をレフェリーが止め、弘中が鮮やかなTKO勝利を収めた。 「練習したことがもうちょっと最初から出せればというところです。まだまだこれでは上では勝てない気がします。ライトに落として自分の身長とかリーチとか長所は活かせたと思うので、そこは良かったと思います。本当は寝技で倒したところでヒジ、関節技でしっかり倒したかったが、永田選手に逃げられた。さすがメダリストは違うと思いました。
KOしたことあまり今までなかったので、野木トレーナーにボクシングを習って上達したかなと思います。とりあえずライト級に落としまして、ベルトを持っている廣田選手からベルトをいただいて防衛を10年くらい続けて、安らかに死にたいと思います。機会があればアメリカに挑戦したいですし、男として生まれたからには最強を目指さないとカッコ悪いので、目指して行きたい。弘中の名前を覚えていただければと思います」と笑いを交えながらのマイクアピール、観客からの拍手を浴びた。
試合後のコメントでも廣田瑞人の保持するケージフォース・ライト級王座への挑戦を表明し、「ぜひベルトを、今まで巻いたことがないのでまずはひとつベルトを巻きたい。段階があると思うので、次は上に繋がる試合をしたいと思います」とベルト挑戦権獲得に意欲を燃やした。
▼セミファイナル(第7試合) ウェルター級 5分3R ○中村K太郎(和術慧舟會東京本部)
判定2-0 ●岩見谷智義(高田道場) 「殴ってボコボコにして、倒してチョークスリーパーで終わり。勝って気持ちいい××××するぞ!」と宣言したのは中村。DREAM初参戦では勝利を収めるも前回のケージフォースではKO負け、今回の日本人対決を制して再びDREAM参戦を目指す。岩見谷は今年4月にパンクラスのタイトルマッチも経験しているパンクラス上位ランカー。今まで一度しかタップしたことのない岩見谷から、中村は得意のスリーパーで一本を奪えるか? 1R、サウスポースタイルで軽快なステップを踏む中村に対し、アップライトでジャブを出しながらジリジリと前へ出る岩見谷。
中村は右フックで圧力をかけていき、岩見谷は右フックで何度かアタックを仕掛ける。中村が胴タックル、金網に押し付けるが岩見谷も耐える。中村はヒザ蹴り。ブレイクに。 中村は右フックからタックルに入ろうとし、仕切り直して片足タックル。耐える岩見谷を離さない中村はバックに回りつつ得意のスリーパーを狙って行く。逃げようとした岩見谷の足をとってグラウンドに。中村はバックをキープしたままスリーパーの体勢を作っていく。立ち上がろうとする岩見谷に中村がフェースロック、解いてバックをキープしながらパンチを叩き込む。 2R、低い構えからジャブを出す岩見谷に中村もジャブ。ステップを使って回りこんで行く中村に岩見谷がタックル、これは失敗。中村はパンチから組み付こうとするが離される。両者ともパンチで接近してタックルという展開が続く。 岩見谷が前へ出たところで中村が片足タックル、組み付くが岩見谷に逃げられる。中村の左ストレートに岩見谷がタックル、これも逃げられた。
ケージを大きく使って回り込む中村、左フックをかわして胴タックルに入るが、岩見谷が堪える。金網に押し込んでヒザを入れる中村だが、岩見谷は突き放してパンチ。 残り1分、ジャブの突き合い、中村の左ストレート二連発に岩見谷がタックルに入るが中村が切り、再びジャブの突き合いとなってラウンド終了。 3R、中村が右フックのフェイントから左の飛びヒザ蹴り、岩見谷も負けじと飛びヒザを繰り出す。お互いにパンチからタックルを狙い、岩見谷が中村の左フックをかわして胴タックル、釜網へ押し込んでいく。両腕をかんぬきにしてヒザを入れる中村。これもブレイクに。 岩見谷が右フックから右ハイキック、中村の片足タックルは切る。再び右フックからの右ハイを狙う岩見谷、パンチの打ち合いから岩見谷がタックルに入ろうとしたところで、中村の左ヒザ蹴りがカウンターで顔面にヒット! すかさず組みに行く中村だがテイクダウンは奪えず、スタンドでにらみ合う。 左右のフックを繰り出す岩見谷、中村はジャブ。中村が右フックから左の高いヒザ蹴り、左ストレート。岩見谷も打ち返す。岩見谷の左フックに中村が片足タックル、組み付いた岩見谷が金網に押し込んでブレイクに。
左右のフックで中村を金網へ追い込んでいく岩見谷、手数で劣る中村はジャブ。岩見谷が攻め、中村は手数が少なかったが有効打は多かったというラウンドに。 判定は2−0で中村が勝利。「凄い、お客さんが沸いているのが分かって」と自虐的なマイクで笑いを誘う中村は「すいません、しょっぱくて。もっと改善していきたいと思います。改善最高! ポジショニングに拘る練習をしていて極めの練習が足りなかったのがあります。最近、総合でチョーク極められていないのでもっと練習したいと思います。すいません、しょっぱかったんですけど、勝ったのでやらせてもらいます」と1、2、3、「K」と得意のKポーズを決めた。
また、試合後のコメントでは「三浦広光選手、長南(亮)選手、郷野(聡寛)選手とやりたい」と対戦したい相手の名前を挙げ、「まずは日本一になってみたい。そこから“世界のK”になりたい」と語った。
▼第6試合 ミドル級 5分3R ○高瀬大樹(フリー) 判定2-1 ●森川修次(チームクラウド)
慧舟会の家出息子が帰ってきた。“ブログキング”高瀬の登場だ。今回の試合には背水の陣で臨むという。セコンドにはチームアライアンス勢が就く。対するは柔道で九州学生選手権準優勝の実績を持つ森川。師匠・秋山成勲が韓国語で歌う曲で入場した。 1R、サウスポーの高瀬はジャブから左インロー、この左インローがバシバシと決まる。しかし森川の右フックがヒット、高瀬の立ち上がり際にも右フックが当たり、猪木×アリ状態に。グラウンドに誘う高瀬だが、森川は乗らずブレイクに。 再び高瀬が左インロー、タックルは失敗。高瀬は右手を下げた独特の構えからロー、森川も右ローを返す。
ジリジリと圧力をかけていく森川、高瀬は金網際を回りこんで行く。森川がボディを叩きに行ったところで高瀬のインローがローブローになってしまい、試合は一時中断。 再開後、高瀬が右フックから左ロー、これもローブローだとアピールする森川だが、レフェリーは認めず。森川が思い切った右フックをヒット。
右手を下げた構えから前へ出てインローを蹴る高瀬。森川も高瀬の左フックを警戒してあまり踏み込めず、後半は見合ったまま終了した。 2R、左右フックで打ち合いに行った高瀬に森川も右フックで応戦、右のパンチをもらった高瀬が胴タックルに行き組み付いて金網へ押し込む。森川はかんぬきに固めてブレイク。 高瀬のインローに右フックを合わせる森川、前へ出てパンチを打ち込んでいくと、高瀬は金網を背にハイキックと左フック、タックル。
再び高瀬が右手を下げながら圧力をかけて行くが、森川の左フックをもらって後退。高瀬はタックル失敗、前に出る森川だが警戒して手が出ず高瀬のインローをもらう。 森川が入ろうすると右フックを合わせに行く高瀬、左右のローは蹴り続ける。なかなか手が出ない森川に高瀬がなんと胴廻し回転蹴り。そのままグラウンドに誘おうとするが、森川はやはり誘いに乗らずブレイクになる。 3R、左フックとインローで圧力をかけていく高瀬、右ロー二連発から左インロー。そしてジャブ。森川はなかなか入り込むことが出来ず、入ろうとすると高瀬の左ストレートが飛んでくる。高瀬が左ハイキック、森川のローに左フック。右フック、右ローと高瀬が打撃で翻弄する展開に。 右手を下げて挑発する高瀬が再び胴廻し回転蹴り、やはり森川は立ったままブレイクを待つ。森川の左フックに左フックを合わせる高瀬、組み付く森川を高瀬が首相撲でコントロール、左右に振ってそのままコカす。ついにグラウンドで上になった高瀬は森川を金網へ押し付け、パスガードを狙うが動きがなくブレイクに。 高瀬が左インローから左フック、胴廻し回転蹴り。スタンドに戻り、高瀬が左右のフックを放ってタックルに行ったところで試合終了。打撃でペースを握り続けた高瀬だったが、判定は割れて2−1のスプリットデシジョンで高瀬が里帰りを勝利で飾った。 「久々の試合なので打撃でKO狙ってたんですけど、ハイキックで倒れなかった森川選手のタフさにビックリしました。さすが柔道家は強いな。
本当は前回の試合で引退しようと思っていたんですけど、恩師である久保社長がもうちょっと頑張ってみろというので闘うことにしました。次はもっと仕上げて一本取れるようにしたいと思います。 最後に、判定3−0かと思ったんだけど……まあ、いいや。僕のローキックは破壊力あるので、森川選手は足がぶっ壊れていると思います。
今日は一本勝ちできなかったんですけれど、近い将来、実力3割、マネージメント7割の日本人選手を全員ぶっ倒します。誰かは言わなくても分かるだろう。おかしいってことにはおかしいって言えよ! お前ら、誰か分かってるんだろう? 俺に言わせるな。誰かは本を買ってくれ! でもさ、俺、打撃強くなったでしょ。PRIDEの頃に比べたら打撃が強くなっている。まだスタイルが完成されてないけど、100%になって実力3割、マネージメント7割の日本人を全員ぶっ倒す。じゃあ、最後に寝技最高、人生最高潮! ブーイング上等、ありがとう!」と、話題のブログだけでなくマイクパフォーマンスも最高潮の高瀬であった。
▼第5試合 ミドル級 5分3R ○瓜田幸造(掣圏会館) TKO 2R1分11秒 ※出血でレフェリーストップ
●アバソフ・シャハリヤー(APG) アゼルバイジャン共和国の軍隊生活を経験し、特殊部隊に配属されていたというアバソフ。その際にサンボと柔術を学んだという。2008年にはワールドパンクラチオンチャンピオンシップで優勝の実績を誇る。対する瓜田は掣圏道で外国人選手との対戦経験も豊富。 1R、豪快にフックを振り回して組み付き、強引にテイクダウンを奪いに行くアバソフ。瓜田もすぐに立ち上がって逆にテイクダウンしに行くが、アバソフはヘッドロックで締め上げつつ捻り倒しに行く。グラウンドになってもヘッドロックで絞め上げる。瓜田が立ち上がってもヘッドロックは続き、ブレイク。 右フックを思い切り振りかぶって打って行くアバソフが、裏投げで軽々と瓜田をテイクダウン、バックにつく。腕十字に行くアバソフだが瓜田は回転して逃れてバックを奪い返し、猪木×アリ状態に。パウンドを打ち込んだところでアバソフも立ち上がる。 右のパンチをぶん回していくアバソフ、瓜田もパンチを返すが、アバソフの右ロー一発で身体がグラつき、場内にはどよめきが起こる。アバソフが組み付いたところで初回終了。アバソフの荒削りながら驚異的なパワーが目立った。 2R、左右フックをブンブン振り回すアバソフ、瓜田は蹴り足をとって転倒させ、立ち上がり際に右フック。これでアバソフが流血し、ドクターチェックが入る。再開後はいきなりタックルに行くアバソフ、またもヘッドロックでブレイク。するとアバソフの出血が酷くなったのを確認したレフェリーが試合終了を宣言。アバソフは納得いかないと手を振ったが、瓜田はその手を挙げて健闘を称えた。
▼第4試合 バンタム級 5分3R ○寺田 功(ALLIANCE) 一本 3R0分13秒 ※チョークスリーパー
●根津優太(和術慧舟會東京本部) 第3試合に続いて慧舟会×DEEP対抗戦の図式となる試合。DEEP常連のモヒカン寺田が金網に初殴り込みを果たし、迎え撃つのは成長著しい根津。
寺田はヒザ蹴りを主力とするストライカー、根津は“蹴人”と自ら名乗るハードキッカー。壮絶な打撃戦が期待される。 1R、寺田が左ハイキックで先制、根津も左ハイを蹴り返す。寺田の右ストレート、両者ともローとミドルを蹴り合っていく。寺田が入ってくるところに左フックを合わせようとする根津だが空を切り、逆に寺田の右ストレート、左ボディ、左フックをもらう。 寺田は左フックをフェイントに右ロー、根津は右ローから右ハイ。圧力をかけていくのは寺田、左フックを度々ヒットさせ、根津の下がり際には左ハイキックで仰け反らせる。根津もハイキックを返すが、ヒットは奪えず。逆に寺田の右ローをもらう。 しかし、寺田は蹴りを空振りして転倒、すかさず根津が上に覆いかぶさって中腰からパウンド。脱出して立ち上がる寺田に拍手が沸き起こる。
左フック、左ボディと攻めながら確実に右ローを効かしていく寺田。根津はスタンドでのヒジを繰り出すが、パンチは空振りが目立つ。距離を寺田が支配している。 2R、根津の左フックをしっかりアームブロックしながら左ボディ、左フックをヒットさせて行く寺田がボディ打ちからそのまま胴タックルでテイクダウン。根津はすぐに立ち上がる。
左フックの相打ちが続くが、前に出る寺田が優勢。下がる根津はローキック。根津から組み付いていくもテイクダウンを奪ったのは寺田の方。 再び根津がすぐ脱出、圧力をかけていく寺田がブロックしながらパンチを当てて行き、顔面へヒザ! 根津は蹴り足をとって左のヒジ。根津は圧力をかけられ続けて疲れが見える。左アッパーを連発してハイキックを繰り出していくが、寺戸が右のパンチを出しながら前へ出続ける。寺田の距離、ペースで試合は進む。 3R、前に出て行く寺田の右ストレートで吹っ飛ぶ根津、右ストレートを打ち返そうとしたが肩に異常を感じたようだ。腕をかばいながらタックルに行った根津だが、寺田がバックを奪ってチョークスリーパー! 一瞬にしてガッチリと決まり、このラウンドが開始して僅か13秒、寺田が一本勝ちを奪った。
▼第3試合 ウェルター級 5分3R ○久保輝彦(空手道禅道会) TKO 1R3分4秒 ※パウンドでレフェリーストップ
●圭太郎(和術慧舟會RJW) ケージフォース&デモリッションではもうお馴染みの圭太郎が登場、昨年12月にTKO負けを喫して以来の復帰戦となる。久保は現DEEPウェルター級チャンピオンの池本誠知をKOしたこともある、昨年のDEEPフューチャーキングトーナメント覇者だ。いわばDEEPからの刺客と、慧舟会の対決となった。 1R、右ローから左ミドルと攻める久保に圭太郎もローからパンチ。組み付くと圭太郎がフロントチョークの体勢のままヒザ蹴り、久保は首を引き抜くとパンチの打ち合いを挑んでいく。パンチの交錯から圭太郎が組み付き、金網へ押し込んでいく。 揺さぶりをかける圭太郎だがテイクダウンすることは出来ずブレイクに。すると今度は久保がタックルからバックへ回り、スリーパーの体勢に入る。これは逃れた圭太郎だったが、スタンドに戻ると両者が同時に右のロングフック、ヒットしたのは久保の方。倒れこんだ圭太郎に久保がパウンドで追い討ち、TKO勝利を飾った。
▼第2試合 ライトヘビー級 3分3R ○中村勇太(和術慧舟會若杉道場) TKO 1R0分16秒 ※パウンドでレフェリーストップ
●坂下裕介(チーム クラウド) 秋山成勲のチームクラウドに移籍した坂下と、福岡の慧舟会から送り込まれてきた中村の重量級対決。坂下は「火曜サスペンス劇場」の曲で入場。KOは必至か? 1R、サウスポー同士の両者、中村が左インローで先制するが、組もうと屈んだところで中村の左ストレートがクリーンヒット! 腰を落とした坂下に追撃のパウンドを加え、中村が第1試合に続いての秒殺劇を演出した。
▼第1試合 フェザー級 3分3R ○市川ランデルマン(フリー) TKO 1R0分14秒 ※パウンドでレフェリーストップ
●宮路智之(和術慧舟會TLIVE) プレミナリーファイトからデモリッションを経て本戦に上がってきた者同士の対戦が、本日のオープニングを飾る。宮路はこの階級では異例の長身、市川はライトからフェザー級に落としたため、フィジカル面の対決も注目される。 1R、サウスポーの市川にいきなり胴タックルで組み付いていく宮路だが、市川が振り払うようにして右フック! この一発で宮路はダウン、すかさずパウンドを叩き込むとレフェリーがストップ。市川が秒殺TKOで勝利を飾った。
▼プレリミナリーファイト第2試合 バンタム級 3分3R ○小林聖人(総合格闘技津田沼道場)
判定3-0 ●川名伸夫(和術慧舟會GODS) ▼プレリミナリーファイト第1試合 ウェルター級 3分3R
○井上雄策(REDIPS) TKO 2R終了時 ●堀本祐介(フリー)
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