シュートボクシング
「武志道-bushido-其の四」
2009年9月4日(金)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始18:00
※スターティングファイト17:15
▼メインイベント(第9試合) 67kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分5R無制限延長R
○ボーウィー・ソーウドムソン(タイ/ワンソンチャイ・ボクシング・プロモーション/WPKL世界ウェルター級&元ラジャダムナンスタジアム認定フライ級&元WMC世界スーパーバンタム級王者)
KO 5R36秒 ※右ストレート
●宍戸大樹(シーザー/SB東洋太平洋ウェルター級王者)
2006年9月4日の『K-1
WORLD MAX』で対戦したブアカーオ・ポー.プラムックの左フックにより僅か1R15秒でのKO負けを喫した宍戸がムエタイに“仇討”(あだうち=リベンジ)すべく、ムエタイ最強の“破壊王”ボーウィーと対戦。
ボーウィーはパンチを中心としたKO狙いのファイトスタイルで、獲得タイトルはWPKL世界ウェルター級王者、元ラジャダムナンスタジアム認定フライ級王者、元WMC世界スーパーバンタム級王者など。
現在もライト級〜ウェルター級のトップ戦線で活躍しており、シュートボクシングは今回が初参戦となる。
1R、ボーウィーが前に出ると、宍戸はぐるぐると回りながらロー、ミドル。ボーウィーはパンチを振るうも、宍戸が前蹴りで突き放しその強打をもらわない。宍戸はガードの上からでもミドルを叩きつけるが、ボーウィーは涼しい顔をしたままで圧力をかけていく。
2Rも変わらずボーウィーが前に出続けて、宍戸が下がりながらも攻撃を仕掛ける展開となる。宍戸はフロントチョークを狙うもこれは逃げられる。
ボーウィーが距離を詰めて強烈なボディ! 宍戸は苦痛に顔をゆがませながらガードが下がる。そのダメージを見逃すことなくボーウィーはパンチのラッシュ! 宍戸は距離を取りながら攻撃を出し、ダメージを回復させていく。ボーウィーのヒザ蹴りがローブローとなり、試合は一時中断となった。再開後、宍戸はバックブロー。
3R、ここでもボーウィーの強烈なボディを効かされ、宍戸はたまらず後退。ボーウィーの腕をキャッチし、アームロックを見せるも力づくで返されてしまう。
ボーウィーの左フックを食らい必死に耐える宍戸は突然カニバサミを仕掛け、ボーウィーを転ばせ流れを変えたいようだ。
4R、ボーウィーのパンチの前に下がりっぱなしの宍戸。打ち合いに応じ、宍戸のパンチがヒットするもボーウィーはひるまない。後ろ回し、横蹴りと変則的な蹴り技で宍戸は翻弄するものの、ボーウィーは構うことなく前に出続ける。ロープ際に詰めたボーウィーはボディからテンカオ! 宍戸はローブローを訴えかけるようにうずくまり回復を待つような状況となる。
しかし、有効的な攻撃としてダウンカウントが入る。立ち上がった宍戸は先ほどのはボディでのダウンじゃないことをアピールするように、ボディにもっとパンチを打ってこいと挑発を見せる。
前に出るボーウィーが宍戸の両足を救うように持ち上げると、「よくジムで子供相手にやっていて、自然の流れで出てしまった」という見事な投げを披露し、まさかのシュートポイントを奪取した。
5R、劣勢な状態を巻き返そうと宍戸は前蹴りとジャブ。ボーウィーはパンチで応戦。最後にロープに詰めたところで右ストレートをクリーンヒット! バッタリと倒れた宍戸はダウンカウントの中、必死に立ち上がろうとしたがKO負けとなった。
試合を振り返ったボーウィーは「宍戸は動きが早くて危険を感じた。4、5RでのKOを狙っていて、もし宍戸の体力が落ちていなかったらどうなっていたかわからない展開だった。
SBルールは投げとかあっても問題ないね。S-cupという大きな舞台に出るんだったら、たくさんこのルール用に練習してこないとだめだね。宍戸の持っているベルトにも興味がある」とSBの継続参戦に興味を示していた。
シーザー武志会長はボーウィーが宍戸を倒したことで「次のS-cupに出たら面白いだろうね。(アンディ・)サワーとやらせても面白いと思う。まずは1つの枠はキープだね」とした。
▼セミファイナル(第8試合) 71kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分5R無制限延長R
○梅野孝明(シーザー/SB日本スーパーウェルター級王者)
KO 1R54秒
●フローレン・スクープ(ドイツ/HANSE GYM/GKBFミドル級王者)
当初は、前回大会で緒形健一をKOしたテイラー・トナーと梅野が対戦予定だったが、トナーが練習中に右手親指の付け根を骨折したために欠場。トナーの代役としてS-cup2008に出場したデニス・シュナイドミラーと同門でドイツのキックボクシング王者フローレン・スクープとの対戦となった。
1R、スクープは大振りのパンチからローとバタバタするようなうるさい攻撃で前に出る。その一発をもらい、「目が覚めた」という梅野はスクープのパンチに合わせるように、カウンターで右フックをクリーンヒット!
これでばったりと倒れたスクープは立ち上がろうとするも足にきており苦笑い。豪快なKO勝利を収めた梅野は「今日はテイラー選手との仇討ちが出来なく、すいませんでした。僕はこれからまだまだ強くなりますので、応援よろしくお願いします」とマイクアピール。
年内残すところ、SBの興行は11月大会のみ。シーザー会長は「梅野にムエタイとの対戦を経験させたいね。負けてもいいから強い選手とやらせたい。ボーウィー? 体重が合わないのでもっと大きいクラスの選手とやらせたい」と梅野に強豪ムエタイ戦士をぶつけたいとした。
▼第7試合 SB日本スーパーフェザー級タイトルマッチ 60kg契約 3分5R無制限延長R
○及川知浩(及川道場/同級王者)
判定3−0 ※50−48、50−49、50−48
●鈴木博昭(ストライキングジムAres/同級4位)
※及川が2度目の防衛に成功
前回のチャンピオンカーニバルでタイトルマッチとして組まれていた両者の試合。しかし鈴木が前日の公開計量で規定の体重をオーバーし、試合は急遽ノンタイトル戦へと変更された。
鈴木にはタイトル挑戦権剥奪とファイトマネーの全没収。そして試合開始時レッドカード提示(減点1)のペナルティーが与えられたが、試合は鈴木が3Rに及川をKOするという結果に終わった。
重大な規則違反の鈴木には、上記のペナルティーに加えランキングの降格を言い渡し、出場停止期間を調整していた。
しかし、及川本人が「このままでは自分自身が前にも後にも進めない。鈴木をタイトル挑戦者に指名させて欲しい」と直訴すたことで今大会で因縁のSB日本スーパーフェザー級タイトルマッチが実現する形となった。
1R、慎重な攻めを見せる両者。及川はジャブから左ローキックと淡々とした攻撃を見せるのに対し、鈴木もジャブで対抗。及川に一発を当てると、鈴木は連打を見せるが深追いはしない。
2R、及川は鈴木のパンチに対し、前蹴りとローで突き放す。そして右ミドルで鈴木のボディをえぐる。鈴木は持ち味の右フックを振るっていくものの、及川は巧みにガード。パンチにヒジを交ぜ、及川はカット狙いのようだ。
3R、鈴木は上下に散らすパンチで前に出る。及川は強烈な右ミドル。鈴木の前蹴りにはヒジを合わせていく。鈴木のプレッシャーに負けじと、それを止めるように及川はヒジで斬りに行くと、鈴木は大きくカットし出血。ドクターチェックとなった。
4Rからは完全に及川ペース。「1カ月で合計13kg、10日間で9kg落とす」という無茶な減量が響いたか、手数の減った鈴木に対し、及川はジャブと前蹴りを主体とした攻め。鈴木はこれ以上ダメージを負わないようにガードを固めた慎重な攻めを見せる。
5R、及川は先手先手で攻撃を出し、鈴木を下がらせる。焦りの表情の鈴木はパンチを強振するも、及川は冷静に前蹴り。残り時間僅かとなったところで鈴木はラッシュを仕掛けるようにパンチ。そして右ハイも当てたが、及川は倒れない。判定決着となり、勝利が告げられた及川はその場に泣き崩れた。
▼第6試合 SB日本スーパーバンタム級王座統一戦 3分5R無制限延長R
○ファントム進也(龍生塾/同級王者)
TKO 2R2分41秒 ※ドクターストップ
●えなりのりゆき(シーザー/同級暫定王者)
昨年5月に両者はタイトルマッチで対戦を予定していたが、王者ファントムが練習中に顎骨を骨折す長期欠場へ。
結果的に防衛戦の期日を超過してしまうことから、急遽、えなりと同級1位の崎村暁東の間で暫定王者決定戦が行われ、勝利を収めたえなりが暫定王者となり、スーパーバンタム級に2人のチャンピオンがいる状況が続いていた。ファントムとえなりの過去の対戦成績は1勝1敗の5分。決着戦を制し、真の王者となるのは!?
1R開始早々、まず仕掛けたのはえなり。ローからフックで前に出る。ファントムは前蹴りで突き放しヒジ。さらに左右のフックでえなりを下がらせる。
2Rは組みにいくえなりに対し、ファントムが強いボディへのフックで後退させた。強打を浴びせたところでパンチのラッシュにつなぎ、ヒジを出す。これがえなりの額をとらえ、大きくカット! ドクターチェックが入り、えなりは「まだやれる!」と試合続行を訴えたが、ファントムが勝利し真の王者となった。
▼第5試合 60kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R無制限延長R
○ガイ・ストラッグルジム(タイ/ストラッグル)
反則勝ち 2R1分58秒 ※石川がサッカボールキックの反則
●石川剛司(シーザー/SB日本スーパーフェザー級1位)
ガイはその名前のとおり、鈴木秀明氏が代表を務めるストラッグルジムに所属するタイ人トレーナー。まだ現役選手としての意欲も十分。戦績はパンフレットによると「160戦ぐらい」あるという。
1R、プレッシャーをかける石川に対し、ガイは下がりながら強烈な左フックを合わせるななどテクニシャンぶりを発揮。前に出る石川は見事な腰投げを見舞でシュートポイントを奪う。さらに2度目の投げも成功させ、一気に石川が優位に立った。
2R、石川のパンチに対し、ガイはカウンターを合わせる。両者がもつれ、石川がヒザをついたところでガイが反則のヒザ蹴り! この攻撃でレフェリーからガイにレッドカード。
インターバル後に試合は再開。石川は足をかけてガイを倒す。ここで石川はまさかのサッカーボールキックを見舞ってしまい、ガイは半失神状態に……。石川の反則負けとなり、まさかの結末に場内は騒然となった。
▼第4試合 55kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R無制限延長R
○マモル(シューティングジム横浜/SB日本スーパーバンタム級2位&元修斗世界2冠王)
判定3−0 ※29−28、30−28、29−28
●藤本昌大(龍生塾/SB日本スーパーバンタム級3位)
1Rからマモルが掴んでのヒジ、パンチに加え、右ミドルと手数で主導権を握る。2Rには華麗な一本背負いでシュートポイントを奪取し、マモルがこのまま勝利を収めるかに思えたのだが……。
3R前に、セコンドについた吉鷹弘コーチの「(マモルは)息が上がっているので打ち合え」という指示通り、一気に藤本がパンチのラッシュを仕掛ける。
防戦一方となるマモルだったが、組み付いて巻き投げで再びポイントを重ねる。
そのまま引き離したマモルが判定勝利。SBで残る敵は、崎村暁東か。それとも、この日真チャンピオンとなったファントム進也か。
▼第3試合 61.5kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R無制限延長R
○NIIZUMAX!(クロスポイント吉祥寺)
KO 3R1分3秒
●島田洸也(シーザー力道場/SB日本スーパーフェザー級3位)
両腕をダラリと下げた構えからハイキック、かかと落としとトリッキーな足技を見せるNIIZUMAX!。組んでのヒザを見せる島田に対し、何度もこかししていきスタミナを削る。
余裕の表情のNIIZUMAX!は、3Rに島田の蹴り足をキャッチしそのまま前方に突き飛ばす荒技を見せ、そのままKO勝ちした。
▼第2試合 56kg契約 フレッシュマンクラスルール 3分3R延長2R
○尹戸雅教(立志会館)
判定2−1 ※30−29、29−30、30−29
●高嶋龍弘(シーザー力道場)
2Rに、投げを見舞いシュートポイントでリードする尹戸。差を取り返そうと、高嶋は猛攻撃を仕掛けるも決定的な場面を作れない。
判定決着となり、尹戸の放った投げは審判団から異議申し立てがあり無効となったものの、尹戸が2−1で勝利した。
▼第1試合 60kg契約 フレッシュマンクラスルール 3分3R延長2R
○大久保謙吾(総合格闘技護身道/チームZST)
TKO 1R1分6秒 ※セコンドからのタオル投入
●菅原悠次(シーザー力道場)
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