9月4日(金)東京・後楽園ホールで開催されるシュートボクシング(以下、SB)『武志道-bushido-其の四』が間近に迫ってきた。現役時代“闘う広報”と呼ばれた森谷氏にその見どころを聞くと共に、初の開催となった『Girls S-cup』の総括、そして来年の『S-cup2010』へ向けた今後の展開などを聞いた。
森谷吉博(もりや・よしひろ)
1972年5月25日、宮城県出身
野球、少林寺拳法、柔道(初段)を経て、
20歳の時に前田日明に憧れて上京、シーザージムの門を叩く
1994年、アマチュアSBで3位入賞と2度の優勝という実績を挙げ、1996年にプロデビュー
2001年4月15日、宮地敦を3RにTKOで破りSB日本スーパーバンタム級王座に就く
他団体のリングにも乗り込みラビット関などと対戦
“闘う広報”として広報を担当しながら試合を続けたが、
2006年9月23日、マイク・ボードウィン戦を最後に現役引退
現在は広報に専念してSBの屋台骨を支える
生涯戦績:15勝(3KO)8敗1分 |
■Girls S-cupはSBという競技が男子より活かされていたような
ーー初の試みである『Girls S-cup』が終了しましたが、総評をお願いします。
「終わってみてから"あ、やってみるもんだな"と思いました。最初は正直色々な面から考えて厳しいと思っていましたし、女子トーナメントはKOの期待があまり出来ないじゃないですか。そうなるとワンデイだし見る人の緊張感や面白さという部分でどうなるんだろうと不安もあったんですが、蓋を開けたら女子は女子で発揮するんですね、フルパワーを。KOも多かったし、S-cupでSBという競技が男子より活かされていたような(笑)2002年のS-cupを思い出しました。
それを見るファンの人たちも、男子の試合の中に1〜2つ組まれる女子の試合というわけではなく、純粋に女子格闘家達の技と気持ちのぶつかり合いを楽しめる内容だったので画期的だったと思います」
ーー興行的にも成功と言っていいですか?
「そうですね。お客さんもたくさん集まりましたし、男子の大会よりマスコミの方々の反応が全然良くて(笑)この大会を開催することになったのも、RENAとイム・スジョンのK-1韓国大会での試合が話題になったり、ジュエルスさんと提携してSBの試合が何試合か組まれたりという流れを見ていて、"それだったらどこか新しい会場でトーナメントをやったらどうだ?"という最初はシーザー会長の発想からだったんです。
そこで、ジュエルスの石岡選手や藤井選手といった注目の女子格闘家とともに"女子校生ファイター"としてRENAがいい形でマスコミさんに取り上げて頂けたのも成功の理由かなと思います。
でも最初は正直、女子の大会は400〜500人規模の会場が精一杯だと思っていたので、どうなるんだろうという不安の方が大きかったですね。ただ実際にやってみれば先ほども言いましたがマスコミの食いつきもニュースの載り方も、男子のちょっとしたのをやるよりもはるかに多いので、これはやりがいがあるぞと感じるようになりました。
演出的な面などは計画していながら出来なかったことが色々あったのですが、1回目のイベントとしては充分な成果を挙げたと思います」
ーーRENA選手が一般マスコミも巻き込んで大変な話題になっていますね。取材もたくさんあったんじゃないですか?
「7月末に東京合宿に来ている10日の間にテレビ・雑誌・新聞など10本くらいはありました。彼女は大阪在住なので、東京に来た時でないと全国的なメディアの対応はできないんですよ。それでも10本くらいあったので、注目はしていただけたと思います」
ーー今までのレディースではかつてない現象ですか?
「そうですね。ウチではちょっと考えられないような現象でした。女子大会は、これも会長の発案で96年にクラブチッタ川崎でやっているんですが、あの時は女子だけの大会だからといって話題性はそんなになかったと思います。あの大会はどちらかというと男子の試合を見に来る層と同じところにしかアピール出来ていなかった大会だったと思うんですが、今の女子格を見ているファンの人たちって男子の試合には興味がない人も多いと思うんですよ。
逆に男子の試合を見る人は女子の試合を見なかったり、ファン層が全然違うんじゃないですかね。まず人目を惹き付けて、一般の人を取り組みやすいのは格闘技格闘技していない女子の大会なのかもしれないなと思います。しかも最近本当にビジュアルがいい子が多い」
ーーRENA効果で女子の入門者が増えているということはないですか?
「及川道場を始めとして大阪の方では、女子の空手をやっている子でシュートボクサーになりたいという子が増えているようです。女子の試合を見て憧れて始めてくれるようになったのは狙い通りですね。今回の大会の目的も、女子選手を"格闘家"というのではなく、女子アスリートとして世の中の人に見てもらえるようにしようという狙いがありました。
選手たちはそれこそビーチバレーやらゴルフの選手と同等の努力もしているし、別にアイドルアイドルしてなくてもビジュアル的にスポーツマンとして目を惹く子なんかも多いと思うんですよ。強さはもちろん大事なんですが、実力第一主義の男子のそれとは違う『闘う女=カッコイイ』というようなイメージを定着させたい。そういう彼女たちに憧れて格闘技を初める子供たちが増えたら面白いですよね。というか実際増えてきてますから楽しみです」
森谷吉博インタビュー内容
■Girls S-cupはSBという競技が男子より活かされていたような
※以下GBR会員の方のみご覧になれます。
■昔、吉鷹さんがやっていたような熱い試合を宍戸に期待
■来年は王座が空位になっているタイトルやランキングも充実してくる
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