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1996年10月にプロデビュー、今年で12年目のベテラン選手となったマッハ。昨年はアメリカで勝利、シュートボクシングにも挑戦して勝ち、大晦日『やれんのか!』でも勝利を奪った。常に走り続ける男は今年、地元・茨城で初めての大会『WILD&WORLD-1』を開催する。マッハの2008年の活動展望を聞いてみた。

■去年は“最大努力”がなければ乗り切れなかった

――まずは去年を振り返って、どんな1年でしたか?

「去年は“最大努力”をテーマに一年間頑張ってきたつもりだったんですけれど、試合が無くなってしまったり、途中いろんなことがありましたからね。自分の中では、出来るだけの努力をするという目標はとりあえず達成できたかな、と思っています」

――いま振り返ると、PRIDEがUFCに買収されてなくなる・なくならないという騒動があった時期については?

「そうですね……複雑な気持ちですけれどね。何よりも一番は悲しかったですよ。悲しかったし、やるせなかったし、虚しかった。ファイトマネーを当てにして買った物の請求書だけが飛んできてね(笑)。本当にもう、たんまりと残ったのは請求書と税金だけですよ。巣鴨に新しい道場も作ったし、去年という1年は本当に大変な1年でした」

――UFCに出る、出ないという噂も流れましたよね。実際のところどうだったんですか?

「UFCに出ようかなという考えはあったし、今でも少しはあります。UFCからの誘いはありましたよ。ダナ・ホワイトも言ってくれてましたし、アメリカにも呼んでもらって記者会見の壇上にも上がりましたからね。でも当時は、PRIDEがやれるかやれないかのハッキリした結論が出ていなかったじゃないですか。だからその中でUFCに行く人もいればHERO’Sに行く人もいたけれど、俺はとりあえず待ってみようと。そこでUFCに行ってしまったら、PRIDEというものを信じてやってる自分を裏切ってしまうことになるので、ギリギリのところまで待ってみたという感じですね」

――もし大晦日に『やれんのか!』の開催がなかったら、UFCに行っていたかもしれない?

「そうですね。その可能性はあったと思います」

――去年は古巣シュートボクシングの試合にも初めて出ました。

「楽しかったですよ。また出たいという気持ちはあります」

――でも、マッハ選手ならではのSBの試合は出来なかったような気がしますね。

「そうかもしれないなぁ。ロングスパッツを履いてなかったからですかね(笑)。次はロングスパッツで出ますよ。真面目な話をすれば、準備が整っていなかったと思う。去年という1年間は“最大努力”がなければ乗り切れない1年でしたね。本当に大変でした。こんな1年はもう2度と過ごしたくないですよ。巣鴨の道場を作ったばかりなのにいきなり2試合も決まったりね。

 普通だったらこんなに忙しい時に試合なんかやらないですよ。キャンセルしますよ、普通。でも、なかなかそうもいかなくて。落ち着かないまま出てしまったのがひとつの原因でしょうね。大晦日の『やれんのか!』でもそういう部分は出ていたのかもしれない。自分の動きが出来なかったと自分でも思っていますから」

――確かに大晦日の長谷川秀彦戦は煮え切らない内容でしたね。

「やっぱりまだ馴染んでないんですよね、この新しい環境に。初めて茨城にマッハ道場を作った時もそうだったと思うんですけれど、初めは馴染んでなかった。新しく道場を作ってそこで練習するのも、馴染まない内は大変なんですよ。そういうことを感じました。あと、試合感覚が空いて勘が鈍っていたところもありますね。長谷川君は頻繁に試合をしていたし、去年は何回も試練を乗り越えてきてたでしょう? だから彼は最高潮でしたよ」

――試合前は「サンボでも柔道でも勝つ」とか、けっこう挑発的な発言が多かったですよね。でも、闘ってみて伝わるものがあったと?

「彼はやっぱりDEEPのチャンピオンですよね。チャンピオンとしての意地が凄く伝わってきましたよ。あれだけ殴っても全然倒れなかったし、気力だけでどんどん前へ出てきましたから。彼の試合後の顔を見てもらえれば分かる通り、相当殴ったんですけれど、それでも前に来るからね。あれ、普通だったら倒れていますよ。そこで自分のトドメのもう一歩が出なかったというのは、自分の落ち度でしたけれどね」



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桜井"マッハ"速人インタビュー 内容
■去年は“最大努力”がなければ乗り切れなかった
※以下GBR会員の方のみご覧になれます。
■もっと格闘技と向き合う苦労をしたい
■茨城から世界へ、4月にアマチュア大会を開催
■武道としての総合格闘技を広めていきたい
■ベルトを巻くようなチャンスはまた出てくる

      
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