4月9日に開催された『K-1 WORLD MAX 2008
World Championship Tournament FINAL16』の試合後、GBRは吉鷹弘氏にインタビュー。試合の分析と今後の展望を、大いに語ってもらった。
吉鷹 弘
1968年1月9日、兵庫県出身、身長172cm
柔道三段(4年)、極真空手(1年)、心道流空手初段(7年)、シュートボクシング(19年)
元日本シュートボクシング協会ホーク級チャンピオン、初代S-cupチャンピオン
現在は、SB「チーム吉鷹」代表として、関西のSB他格闘技界の底上げに貢献するべく、団体間の垣根にとらわれずに指導を続けている。
■魔裟斗vsカラコダ
――カラコダを3Rノックアウトに降した魔裟斗の試合から聞きたいのですが、いかがでしたか?
「魔裟斗が右フックで倒した試合は初めて見ました。今まで倒す武器といえば左のフックだったので、逆の側面を狙う右フックが出たのは大きいんじゃないかと。これまでは左フックに気をつけておけばよかったのが右フックもとなると両方になるので、いわば相乗効果になります。それに加えローもミドルも蹴れますし、より攻撃が見えにくくなるんじゃないかと思います。右も左も両方の側面を警戒するとなると、より真ん中が空いてくる。そうすると得意のジャブがもっとよく当たるかなと」
――右フックを武器として身につけたことで、他の攻撃の効果も上昇してくると。
「通常の右フックというより、右ストレートと右フックの中間ぐらいで入ってくる右スイング、といった感じですね。それでうまくカラコダを倒しました。ジャブ、ワンツー、左アッパーで、カラコダの手を真ん中に集めて、それから3ラウンド目の右フック。しっかり“散らし”をやっています。元から魔裟斗は散らしをやりますが、最後は左フックという感じでした。右フックはこれまでも練習では出ていたんでしょうけど、試合のそれも大事な一戦で決めるんですから、相当いい攻撃で今後の試合にも活きてくるんじゃないかと思います」
――これまでなかったパンチが、フィニッシュブローとして出てきたというのはどういうことによるのでしょうか。
「練習の積み重ねでしょうし、やっぱりいろんな厳しい試合を勝ち抜いてきたという経験じゃないですかね。その両方があると思います。魔裟斗のフィニッシュブローは左フックが多かったと思うのでそういう意味では新鮮に映ったし、あの右フックをうまく使えればより面白いんじゃないかと思います」
――今年の魔裟斗は王座奪還に期待が持てそうですね。
「トーナメント表を見ると、また決勝でサワーと当たるのかなという感じがします。ただ右のフックはブアカーオには当たりにくいので、ブアカーオの時にはまたジャブと右アッパーで行くんじゃないかと思います。ブアカーオに右フックが当たりにくいのは、あのディフェンスの型のせいです。でも、サワーみたいに両手を閉じてブロックするタイプには右フックが有効じゃないですかね。次のドラゴ戦で右フックがうまく活きてくるようであれば、決勝でサワー戦が実現した場合もより面白い展開になると思います」
――カラコダ戦ではパンチのバリエーションはもちろん、テンカオ、左ミドル、左ローと、改めて魔裟斗は攻撃が多彩だなと思わされました。
「あれだけ技術的にいろんな武器があると、よりパンチは活きますよね。だから、“散らす”という意味では今大会で一番すごかったんじゃないかと思います」
――先ほどお話にありましたが、正面を狙う攻撃で意識とガードを真ん中に集めて側面を打ちフィニッシュしたと。
「それを狙ってやったか本能的にやったのかは分かりませんが、結果的にはそうなりました。もし狙ってやってたら…
吉鷹弘 内容
■魔裟斗が右フックで倒した試合は初めて見た。それによる強み
※以下GBR会員の方のみご覧になれます。
■ブアカーオの勝因は、クラウスの“溜め”の動作!?
■K-1MAXで佐藤だけが効かせられる貴重なこの技
■サワーはオーバーハンドライトを打ってくるタイプは苦手
■魔裟斗とサワーは散らしがすごい
■城戸選手止まっててステップを使わない選手、あと手が開いている選手には滅法強いが…
■K-1MAX準々決勝について勝敗予想
※HIROYAvs藤は吉鷹弘の打撃研究室にて公開中!
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