“400戦無敗の男”として人気を博し、日本では『PRIDE』で高田延彦や『コロシアム2000』で船木誠勝など著名なプロレスラーを破ったヒクソン・グレイシー。日本における総合格闘技ブームの火付け役である。当時の格闘技界は「誰がヒクソンを倒すか?」がメインテーマであった。
そのヒクソンが現在発売中の格闘技雑誌『ゴング格闘技』11月号にて、日本のメディアでは久しぶりとなるインタビューに答えた。誌面にはブラジルで行われたサーフィン大会に出場した、現在も元気なヒクソンの姿が掲載されている。
インタビューの中でヒクソンは「(総合格闘技の選手を育てることに)あまり興味はない」とし、「柔術が持つマーシャルアーツ(格闘技)の真実、本当の意味での哲学を人々に広めることが、私の使命だ」と答えている。
「競技生活から身を引いた私が、一番モチベーションを感じているのは、本来の柔術の持つフィロソフィー(哲学)、セルフディフェンス(護身術)としての柔術、勝利を目指すよりも負けないための戦い、そういうものを世界に広めることなんだ。マーシャルアーツとは、誰にでも指導できるもの。決して、特別な環境を築いたタフな連中に指導するだけのものじゃない。マーシャルアーツは、MMAで勝とうという人間よりも、人と話すことが苦手だったり、自分に自信のない人たちに指導することのほうが、本分ではないかと思うんだ」
インタビューではヒクソンが見たUFC(世界的ブームを巻き起こしているアメリカの総合格闘技大会)、格闘技哲学、そして日本へのメッセージなどが語られている。同誌にはほかにも、ホイス・グレイシー、ヘンゾ・グレイシー、シーザー・グレイシーのインタビューも掲載されている。 |