ALL JAPAN KICKBOXING 2008
「NEW Year Kick Festival 2008
〜70’s 全日本キック中量級最強決定トーナメント・決勝戦〜」
2008年1月4日(金)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始18:00
※オープニングファイト18:15〜

▼メインイベント(第8試合) 70’sトーナメント決勝戦 3分5R延長1R
○望月竜介(U.W.F.スネークピットジャパン/全日本スーパー・ウェルター級1位)
KO 2R1分47秒 ※右ロー
●白虎(和術慧舟會RANGER品川/元NKBウェルター級王者)
※望月が70’sトーナメント優勝。
全日本キック中量級最強決定トーナメントもいよいよ決勝戦。白虎の顔面は準決勝・山内戦での激闘でかなり変形している。一方の望月はすでに1戦やっているとは思えないほどの風貌だ。
1R、ジャブを出しながら望月の周りを回る白虎。望月はガッチリとガードを固めて右ロー、白虎がパンチを出してくると必ず右ローを合わせる。白虎のパンチをしっかりとアゴを引きながらおでこで受け、右ローを蹴る望月。右ローで白虎の体が早くも揺らぎ始める。
右ローの蹴り合いから望月の右ローの三連打で白虎ダウン! パンチを警戒してアゴを引きながら、右ローを確実に蹴っていく望月は右ローで再びダウンを奪う! 立ち上がった白虎に望月が右カウンターからの右フックでグラつかせたところでゴング。
2R、白虎が開始と同時に奇襲の飛びヒザ蹴り、続いてワンツーを放つが、望月は落ち着いて右ロー、左ミドルから右ローを徹底連打。左足を上げて必死に耐える白虎へ、望月が右ローから左フック、白虎はローに耐えつつもパンチを繰り出していくが、望月が右ローの二連打でダウンを追加する。
望月の右ロー二連打、白虎も片足を挙げながらパンチを繰り出すが、望月のロー狙いは止まらない。右ストレートを混ぜながら右ロー、右ローが快音を発して決まり、白虎またもダウン! ここでレフェリーが試合をストップした。両手を広げて笑顔で歓声に応える望月、見事、KOで70Kgトーナメントを締め括った。場内には「UWFのメインテーマ」が高らかに鳴り響く。望月には優勝賞金200万円と、準決勝に続いてKO賞10万円が贈られた。
「応援ありがとうございました。勝ち進めるか分からなかったんですけど、コーチと皆さんのおかげで勝てました」と、ファンにお礼を言う望月。
続けて「あと、準決勝で敗れてしまったんですけど、山内選手、自分は1年前にタイトルマッチで敗れて悔しい思いをしたので、もう一度挑戦させてください。よろしくお願いします」と、全日本スーパー・ウェルター級王座への再挑戦&山内へのリベンジマッチをぶち上げた。
●試合後の望月のコメント
「夢を諦めないで頑張って来て良かったと思います。この一年間は色々あって、精神的に辛いこともありました。自分に負けてキックから遠ざかったこともありますし。でも自分の先生や応援してくれる人たちのおかげで頑張ってくることが出来ました。自分の実力だけじゃ勝てなかったと思うし、そういう人たちのおかげで勝てたと思います。
試合としてはセコンドの指示通りに動くことがテーマだったんですね。完璧に出来たわけじゃないですが、それが勝因だったと思います。スターリン戦の闘い方も、練習の時から大江さんがスターリン選手を研究してくれた結果です。ただあんなに早い段階で(インローで)倒れるとは思ってなかったですね。何発かいいところに当たって手応えはあったんですが、その時に(スターリンが)膝を痛めたんじゃないですか。
決勝には山内選手に上がって来てもらって、そこでリベンジしたいという気持ちはありましたけど、どっちが来るか予想はしてませんでした。練習でもスターリン戦のことしか考えなくて、優勝よりもまずはスターリンに勝つこと。スターリン対策を徹底的にやってきました。だから決勝戦は試合(山内VS白虎戦)を見ていた大江さんに言われたことを試合でやっただけです。スターリン戦で左足を痛めたので、右を蹴っていこうと思いました。
今回は本当にセコンドの指示通りに動くことを大切にしていて、『右が当たれば倒れる』『ミドルで主導権を握ろう』とか自分の考えは出しませんでした。もし今までみたいにパンチで打ち合っていたらやられていたでしょう。試合中にチャンスだなと思った場面もありましたけど、外から冷静に試合を見ているセコンドの方が的確な指示をしてくれますからね。今日はそれを肝に命じて闘いました。
今後の目標はやはり全日本のタイトルです。全日本キックさんに出るようになってから2年。1年前にタイトルマッチで山内選手に負けてから、僕はずっと山内選手の下でした。やはりキックをやっているうちはチャンピオンになりたいです。(すぐにタイトルマッチをしたい?)どうでしょうね、それは僕の気持ちだけでは決められませんから(笑)。ただ僕は31歳で、他の若い選手のように時間はありません。ベストコンディションで闘えるうちにタイトルマッチをやりたいです。僕がキックをやってきた証としてベルトを獲りたいという一心です。
賞金の使い道は家族のために使いたいです。僕の父親は医療関係の仕事をしているんですが、今回の試合のために泊り込みで僕の体をケアしてくれましたから。家族のために何か出来たらいいなと思います。
小林GMのパンフレットのコメント(望月に対して「中量級をひっかきまわせ!」と発言)は読みました。小林さんには会場でもいつも声をかけてくれたり、期待をかけてもらっているんですよ。ちょっとプレッシャーだなとは思いつつも(笑)、そういう期待でやる気も倍増しました。本当にうれしいことなんで、また期待に応えられるような試合をしたいです」
●大江慎コーチ(UWFスネークピットジャパン)が語る
望月竜介が優勝できた秘密
「今日はスターリン戦のことしか考えていませんでした。スターリンは上手いし、突進力もある。全日本キックでやった試合は全部見て作戦を立てました。スターリンは両足のスタンスを広くして突進する癖があるので、突進力を殺す対策としてインローキックは1ヵ月間集中して練習してきたんです。
実は今回、スターリン対策としてローキック用のミットをタイで買ってきて、これは初めてだったんですが、やってみたのがよかったと思います。通常のミットを4〜5Rやった後、そこからインローだけのミットを2R。これを1ヵ月間続けてきました。だからあのインローは作戦のままです。
あのインローがあって、なおかつ望月が下がらないというのが今日の戦略。ちょっとでも下がっていたら、スターリンは目一杯突っ込んできますから、石毛(慎也君=1回戦でスターリンと対戦して判定負け)君と同じ結果になってしまう。ウチのスタイルは石毛君のスタイルと似ていますが、相手によって変えることで違う結果になるという確信を持てましたね。
準決勝が終わった後、すぐに白虎VS山内戦を観に行きました。激しい打ち合いでしたが、山内選手は白虎選手の出してくるパンチに拘っていた。山内選手が白虎選手に勝つための作戦は打ち合いだったように見えましたね。でも、それを見ていて僕はあれだと賭けになる、どっちか当たった方が勝つ試合になってしまうんです。
その後、時間は充分にあったので少し考えて、白虎選手は前に出てくるし、パンチを交錯できる距離が好きだしそれに乗ってくるタイプなので、遠い距離でパンチでは闘わずローと前蹴りだという作戦を立てました。だから途中まで、パンチの指示は出しませんでした。
スターリン戦に備えてローは磨いていたので、角度の良さや蹴る力は確実に強くなっていましたね。それが白虎戦でも出たから、ローが効くまでの時間が早かったと思います。右ローが効いてからは、望月が得意の右ストレートを出す指示を与えました。本当ならパンチの相手には左ミドルがセオリーなんですが、準決勝で望月は左足を痛めてしまっていたんです。それで右のローを蹴らせました。望月は僕と違って左右両方蹴れますから(笑)。ただ、結果的にはミドルよりもローの方がよかったですね。
グーの人にはグーを出しても勝てないし、チョキを出したら負ける。パーを出さない限り勝てないよ、と教え込んだのがよかったと思います。去年はムラがありましたが、今日の結果を出したことによって望月は2007年にやってきたことが実になってきた感じがします」

▼セミファイナル(第7試合) 全日本フェザー級タイトルマッチ 3分5R
○山本真弘(藤原/王者)
KO 4R2分50秒 ※3ノックダウン
●水落洋祐(はまっこムエタイ/挑戦者・同級3位)
※山本が初防衛に成功。
昨年、代々木で決勝戦が行われた60Kg級トーナメント『Kick
Return』を制し、名実共に全日本キック軽量級“最強”の座に就いた真弘。一方の水落は挑戦者決定戦で上松大輔(チームドラゴン)に敗れるも、この試合で目を負傷した上松の欠場によって転がり込んできたチャンスを活かしたいところだ。
1R、ジャブを出しながら回り込んで行こうとする真弘に放った、水落の右ローが開始早々ローブローに。真弘が左インローから左ハイ、水落が下がったところへパンチをまとめていく。真弘がブラジリアンハイキックから左ロー、ガードを突き破るようなパンチ。水落のローには必ず左ストレートを合わせる。ジャブで距離を測って左ミドル、水落はガードを固めつつ左インローを狙い撃ち。
2R、真弘は下がりながらの右フック、そこからすぐ前へ出て左ミドルで距離を詰める。一気にパンチで詰めていく真弘の左フックがヒット。水落のローに左ストレートを合わせて下がらせると、すぐにパンチをまとめて左フック。水落は左ミドルを返す。水落が離れようとすると、真弘は飛びヒザ蹴り!
水落がこれでダウンを喫する。組み付いてヒザを入れる真弘は右前蹴り、左ハイキック、飛びヒザ蹴りからパンチをまとめてアッパーを突き上げ、左右のフック、水落をロープに釘付けにしての連打と圧倒。緩急の付け方が素晴らしい。
3R、真弘の左ローに水落が左フックを合わせて真弘に尻餅をつかせる。真弘は最小限の動きのスウェーで水落の蹴りをかわし、水落が体勢を整える前に一気に左からのパンチで詰める。真弘の左ミドルが凄まじい音を出してヒットすると、追撃の左ミドルを連打。
左ミドルから組み付いてのヒザ、コーナーへ詰めて水落が前に出てくると前蹴りで付き返す。真弘の左ボディストレートから左ミドル、コーナーへ詰めての連打。劣勢の水落は下がりながら左ミドル、ヒジを繰り出すも空振り。
4R、右へ回り込みながらの右ローを面白いように決める真弘、そのローに水落が気を取られると真弘は左フック。真弘の左ミドル、前蹴りで下がる水落。真弘は右フックから左のボディを叩く。離れると左ミドルの連打、続く狙いすました左ミドルで水落ダウン! 真弘は立ち上がった水落へ左ミドルとパンチの連打、水落のフックはスウェーでかわして左ボディフック。
真弘はさらにコーナーへ詰めて左フックと右アッパー、さらに左ミドルと畳み掛ける。前蹴りで突き放し、左ミドルからの左ハイキックで2度目のダウンを追加。もう後がない水落が捨て身で打ち合うが、打ち合いの中で真弘の左ハイキックが豪快にヒット!
水落は崩れ落ち、真弘は“残身”(空手で片方の手を前に出しながらもう片方の拳を引きつける構え)のポーズを決める。圧倒的な差を見せ付け、真弘が初防衛に成功した。

休憩明けに2月2日(土)東京・日本武道館で開催される『K-1
WORLD MAX2008〜日本代表決定トーナメント』への出場が決定している、全日本ウェルター級チャンピオンの山本優弥(青春塾)がリングに上がって挨拶した。
「昨年は自分としても手応えのあると感じられる年だったので今年は自分の年にしたい。自分がK-1で頑張ることによって全日本キックも自分も有名になれればいいと思います。頑張ります」

▼第6試合 NAOKICK試練の七番勝負・第一戦 60kg契約 3分5R
○石川直生(青春塾/全日本スーパー・フェザー級王者)
KO 2R2分4秒 ※3ノックダウン
●ファイヤー原田(レグルス池袋/J-NETWORKライト級4位)
「NAOKICK試練の七番の勝負」として年間7試合という壁に挑む石川。その最初の敵は“キック界で最も熱い男”ファイヤー原田となった。ファイヤーはいつもの入場曲「HERO」(スクールウォーズの主題歌)に、スクールウォーズの名場面「お前ら、悔しくないのか!?」「悔しいです!!」をサンプリングして登場!
本来はアウェーとなるファイヤーだが、石川よりも大きな声援を受ける。一方の石川はキックトランクスにしてはタータンチェックのパンツで試合に挑む。
1R、いきなりリングに走り出す両者! ここで石川が奇襲の飛びヒザ蹴り! それをキャッチしたファイヤーが石川をマットに叩きつけると、一気に場内が沸きあがる。ブレイク後、左右のフックで前に出ていくファイヤー。石川はファイヤーに組み付いて首相撲からのヒザ蹴りを入れる。
ブレイク後、石川はファイヤーに距離を詰めさせないように左ミドルと左ハイ! それでも構わず前に出るファイヤーは石川に組み付くとロープに押し込んでいく。さらにファイヤーは首相撲に持ち込もうとする石川を突き放して右ヒジ、左ボディを打っていく。
ここまで、首相撲にまでは持ち込むものの有効打のなかった石川だが、左ミドルをファイヤーのボディに叩き込むと、頭が下がったファイヤーの顔面に強烈なヒザ蹴り! これでファイヤーの動きが止まる! ここから石川は左ミドルでファイヤーを下がらせて右ストレート。さらに石川は左ミドルから首相撲に持ち込むと左右のヒジ打ち! ゴツン!ゴツン!とファイヤーの頭にヒジが当たる音がリングサイドまで鳴り響く。
2R、完全に試合のペースを掴んだ石川は突っ込んでくるファイヤーに左のヒザ蹴り。ローを蹴りながら前に出てくるファイヤーに対し、石川は距離を取りながら的確に左ミドルを蹴る。
ファイヤーは石川のミドルをカットせず、ブロックしながら距離を詰めようとするため、徐々にミドルのダメージを蓄積させてしまう。逆に確実に左ミドルとヒザ蹴りを当て続ける石川。石川の首相撲を嫌って抱きついてディフェンスするファイヤーには注意が与えられる。
再開後、左ミドルと左ハイキックでファイヤーを後退させる石川。ここから右ストレートを顔面とボディに打ち分けていく。それでもしゃにむに前に出るファイヤー。しかし石川はそこを狙って左のヒザ蹴りと左の立てひじ、そしてパンチを空振りしたファイヤーのボディに左ミドル!
この一発で遂にファイヤーがダウンを喫してしまう。カウント内で立ち上がったファイヤーは、ファンの声援をバックに「オオッッッーー!!」と気合いを注入! すぐに石川に突っ込んでいくのだが、石川はそれを捕まえてヒザ蹴りを連打! これでファイヤーが2度目のダウン! それでも立ち上がってくるファイヤーだったが、石川が右ハイキック一閃! これでファイヤーが3度目のダウンとなり、石川がKO勝利を収めた。
「NAOKICK試練の七番勝負」第一戦をKO勝利で飾った石川は「あけましておめでとうございます。全日本キックは代々木大会が終わってから始まったと思います。今年はとことん突っ走りますんで、よろしくお願いします!」とマイクアピール。試合後、石川は予定されていた2・9新宿FACE大会への参戦も正式に決定し、一カ月という短いスパンで七番勝負
第二戦に挑むことになった。

▼第5試合 全日本バンタム級ランキング戦 3分3R延長1R
○瀧谷渉太(WSK/桜塾/2007年全日本新空手軽量級王者)
KO 2R1分46秒 ※3ノックダウン
●菊地 慧(藤原/同級4位)
1R、サウスポーの瀧谷に対して、いきなり右ミドルから距離を詰めてパンチとヒジを連打する菊地。ブレイク後も左フックから右ストレート、距離が開くとすぐに右ミドルを蹴る。
この菊地の攻撃にやや面食らった感のある瀧谷だったが、左ミドルでペースを取り戻すと、右前蹴りで菊地を突き放す。菊地は瀧谷に組み付いてロープまで押し込む。スイッチしない右ハイキックを蹴る瀧谷。菊地は瀧谷パンチに合わせて組み付く場面が目立つ。
まるで胴タックルのような形で突進する菊地だったが、瀧谷も負けじと菊地を豪快にマットに叩きつける。しかしここで菊地の組み付きに対して注意が宣告される。ブレイク後、組みの攻防から菊地の体を手で引っ掛けるようにしてヒジとヒザ蹴りを出す瀧谷。
すると菊地が左フックからタックル! さすがにこの菊地のタックルにはレフェリーからイエローカードが提示された。再開後、右ローを蹴る瀧谷は、菊地が突っ込んでくるところに鮮やかな右ハイキック! この一発で菊地がダウン! カウント内に立ち上がった菊地に瀧谷は顔面への前蹴り! しかしここでラウンド終了となった。
2R、パンチから前に出る菊地。しかし瀧谷が伸びる左ストレートを当てて、菊地がたまらず組み付く。距離が離れると瀧谷が左ハイキック! そして右の前蹴りを菊地の顔面に突き刺すと、菊地がダウンする。
再開後、すぐに右ハイキックを飛ばす瀧谷。菊地のパンチをしっかりガードして左ストレート! この一発で菊地を下がらせた瀧谷は、再び左ストレートを一閃! これでこのラウンド2度目のダウンを奪う。
ダメージを回復させようと、ひたすら組み付く菊地。しかし瀧谷はそれを突き放すと、菊地のガードの上から強烈な左ハイキック! このハイキックでコーナーにもたれかかる菊地。すると瀧谷はそこに右の顔面前蹴り! このトドメの一発で瀧谷が菊地をマットに沈めた。これで瀧谷はデビュー以来4戦4勝4KOの快進撃! 今年は全日本バンタム級トップ戦線に食い込んでくること間違いなしだ。
▼第4試合 70’s トーナメントAブロック準決勝 3分3R延長1R
○白虎(和術慧舟會RANGER品川/元NKBウェルター級王者)
延長判定2-1 ※10-9、9-10、10-9
●山内裕太郎(AJ/全日本スーパー・ウェルター級王者)
1回戦では今大会のダークホース的存在だったクリストフ・プルボーからKO勝利を収めた白虎。一方、山内は1回戦で試合直前に対戦相手のサムゴーが欠場するアクシデントがあったものの、サムゴーの代役となった喜入衆をTKOで下して勝ち上がっている。
一昨年の10月に対戦し、合計6度のダウンを奪い合う壮絶な試合を繰り広げている両者、この試合も前回を彷彿とさせる激闘となった。
1R、前後左右のステップを踏む白虎に山内は右ローを蹴る。セコンドから「先に!」という指示を受けて白虎がワンツー! これをもらった山内だったが、下がることなく足を止めてパンチを返していく。
距離が詰まると左フックから右ストレートを返す山内。白虎がガードを上げると、そこに右ボディストレートを連打し、さらに右アッパーから左ボディを打ち込む。
しかし白虎も負けじとすぐにパンチを返し、山内をロープに詰めると右ストレートから左フック! 距離が離れるとローを蹴りながら、山内が来るところに右のパンチを合わせる。山内を打つ右ボディストレート。そこを狙って右のパンチを返す白虎。
距離が開くと白虎は左フックから右ロー、山内はそのローに右ボディで飛び込んで連打をまとめる。そして二人の右アッパーが交錯。終了間際、白虎のローを受けながら山内が強烈な右ボディストレート! 「ドスン!」という衝撃音が会場に鳴り響いた。
2R、ジャブと左ミドルで前に出る山内。そのままじりじりと前に出て左フックを打ち込む。白虎は山内の前蹴りを捌いて右フック、そして右ヒジ! この一発で山内の動きが止まる。しかし山内もすぐに左ボディを返し、右ヒジを連打。
白虎の右ストレートを受けながらも、山内は距離を詰めてヒジを振リ回す。白虎はヒジ打ちの間合いから出て右ハイキック、ジャブを突きながら左フックを打っていく。
やや守勢に回っていた山内だが右ストレートから前に出ると、白虎をロープに詰めて左ミドルからパンチの連打! 白虎も山内のローを受けながらも、山内のガードの間を狙って右ストレート。山内もすかさずヒジを返す。ジャブを突いて下がりながら、山内のパンチをかわしていく白虎。山内も左フックを当てるが、白虎は追撃を許さない。
3R、ここまで互角の展開が続く両者。山内は一気に前に出て右ボディを打ち込む。白虎も山内の蹴り足をすくってパンチで前に出るが、山内の右ヒジがヒット! さらに山内は近距離からヒザ蹴りを入る。
ブレイク後、白虎の右ストレートが当たる。白虎は山内のジャブをかわして左フック。山内はここも右ボディから距離を詰めて、そこから右アッパー! さらに左フックを白虎の顔面に叩き込む。白虎が右ストレートを当てて、さらに左ボディから左フック!
しかし山内も下がらず右ストレートとヒジ打ちで前に出続ける。互いに足を止めて激しく打ち合う両者! ひたすらパンチを連打する白虎。山内はそれを受けながらも、確実に右のヒジを返す。何度もヒジが顔面を捉えるが、白虎にカットはない。
そして残り30秒、山内の左ミドルをブロックして白虎が右ストレート! しかしすぐに右ストレートを返す山内! 1日2試合ということを無視したような、激しい打ち合いのまま試合が終わった。判定は白虎に1票入ってのドロー、試合は延長戦に突入する。
延長R、白虎がジャブからロー。山内は右ミドルを蹴ってそこから前に出る。距離が詰まると左手で白虎の首をクリンチしてから右ヒジを連打する山内。白虎のガードが上がると今度は左ボディを連打する。それでも全く下がらない白虎は、右アッパーや左フックを山内の顔面に叩き込む。ジャブを突きながら前に出て右ストレート、右アッパーを打つ白虎! 山内の顔が跳ね上がるが、山内もすぐに右アッパーから左フックを返す!
白虎が右ストレートから左フックで飛び込めば、山内は白虎の首をキャッチしてヒジを連打。ヒジで倒れない白虎に山内は左ハイキックを飛ばす。白虎はそれをブロックして前に出ながら右ストレート! 残り30秒、山内の左ボディに右ストレートを合わせる白虎。山内は右ヒジを打ち返すが、白虎も右のパンチを当てる。このラウンドも両者、激しく殴りあったまま試合終了となった。
本戦に引き続き微妙な判定となったが、スプリットで勝利を手にしたのは白虎! 大熱戦の末、全日本王者の山内を撃破した! これで70’sの決勝は望月と白虎という全日本キック以外の二人によって争われることになった。

▼第3試合 70’s トーナメントBブロック準決勝 3分3R延長1R
○望月竜介(U.W.F.スネークピットジャパン/全日本スーパー・ウェルター級1位)
KO 2R1分30秒 ※左インロー
●レイ・スターリン(オランダ/KBアーネム/WFCA世界ミドル級王者)
1回戦では強打の川端健司をミドルキックで圧倒した望月。昨年9月のサムゴー戦でこそKO負けを喫したものの、日本で試合をするごとに実力を発揮している“ドラゴに勝った男”スターリンを迎え撃った。
1R、ガードを高く上げて構える望月は、左右のローを蹴っていく。そしてスターリンのパンチにはすかさずカウンターの右ストレートを狙う。望月のインローを受けて、パンチをまとめるスターリン。
望月はスターリンのパンチとヒジ打ちをブロックして、左ミドルと左インローを蹴る。そしてスターリンのジャブにはすぐに右のカウンターを狙う望月。セコンドの指示通りに、着実に左ミドルとインローを蹴っていく。
スターリンは足のスタンスを広く構えるため、望月のインローをほぼカット出来ない。望月のインローを受けながらもスターリンは上体を振ってパンチからローにつなげていくが、望月のインローで尻餅。ダウンにはならなかったものの、インローのダメージを感じさせる場面だ。そして終了間際、望月は一気に前に出てスターリンをコーナーに詰める。
2R、このラウンドもガードを高く上げてインローを蹴る望月。スターリンのジャブには右ストレートを合わせる。ジャブからバックヒジを出すスターリン。しかし望月は慌てることなく左ミドルと左インローを蹴っていく。スターリンは望月のガードの間を狙ってスターリンは右アッパーや左フック。
しかしここで望月のローを受けるとスターリンがマットに崩れ落ちてダウン! ここまで望月のローに耐え続けていたスターリンの左足が遂に悲鳴を上げた。
何とかカウント内に立ち上がるスターリンだったが右足のダメージはかなり大きい。逆転を狙ってパンチを振るって前に出るスターリンだったが、望月は落ち着いて左のインローを連打。するとスターリンが苦悶の表情を浮かべてマットに倒れこむ!
ここでレフェリーは試合をストップ! 望月が難敵スターリンをKOで下し、決勝へ駒を進めた。望月の勝利を祝福するのはU.W.Fのテーマ! 今夜はこのテーマが2度鳴り響くか!?
なおスターリンは2月17日にオランダで開催されるK-1 MAXオランダ大会に出場を予定している。
▼第2試合 70’sトーナメントリザーブファイト 3分3R延長1R
○廣野 佑(NPO JEFA/J-NETWORKミドル級1位)
判定3−0 ※30−28、30−28、30−28
●サトルヴァシコバ(勇心館/元全日本ライト王者)
応援団の声援を受けて入場する廣野。今回が約1年半ぶりの全日本キック凱旋となったヴァシコバは真っ金髪の髪型に豹柄のトランクスとド派手な出で立ちだ。
1R、互いにサウスポーの両者。いきなり突っ込むヴァシコバは、ジャブを突いてローを蹴っていく。それに応えるようにパンチで打ち合う廣野。ヴァシコバはジャブで距離を取りながら左ストレート。廣野はヴァシコバを首相撲に捕まえると、ボディと顔面に上手くヒザ蹴りを入れていく。ブレイク後、ヴァシコバは廣野のガードに構わず左ストレートを強打、廣野はヴァシコバをロープまで詰めて首相撲からのヒザ蹴りを入れる。そして残り5秒、廣野の左ストレートがヒットする。
2R、左ローを蹴るヴァシコバに対して、廣野が左ストレート。廣野はヴァシコバのパンチをブロックして首相撲からのヒザ蹴りで攻め込む。必死にブロックを固めるヴァシコバだったが、廣野はしっかりスペースを作ってからヴァシコバの顔とボディにヒザ蹴りを何発も突き刺す。
この首相撲を何とかブレイクで凌ぐものの、試合は完全に廣野ペースだ。再開後、細かく左ローを蹴るヴァシコバ。廣野も強烈なな左ローを返し、ヴァシコバの左ストレートをかわしながら右アッパーを突き上げる。ヴァシコバは右目尻から出血する。
3R、左ローからパンチのチャンスを伺うヴァシコバ。しかし廣野はしっかりとガードを高く保って、ヴァシコバのパンチの打ち終わりに右アッパーや左ストレート。さらに強烈な左ローでヴァシコバのバランスを崩させる。そしてヴァシコバを首相撲に捕まえる廣野はヒザ蹴り! ヴァシコバはロープにもたれかかり腕ブロックでしかディフェンスしないため、廣野のヒザ蹴りをもらい続ける。
ブレイク後、ヴァシコバのパンチに廣野が右のヒザ蹴り! そしてここでもヴァシコバを首相撲に捕まえてヒザ蹴りを出す。ブレイク後、必死に左ローや左ストレート、バックブローまで繰り出すヴァシコバだったが、パンチに切れがなく、廣野には当たらない。ヴァシコバを首相撲で完封した廣野が判定勝利でリザーバーの権利を得た。
▼第1試合 ライト級 3分3R
○青津潤平(NPO JEFA)
判定3−0 ※30−29、30−29、30−29
●渡部太基(藤原)

▼オープニングファイト第3試合 フェザー級 3分3R
△KOTARO(SOUL GARAGE)
判定0−1 ※29−30、29−29、30−30
△大前力也(WSK/KSS健生館)

▼オープニングファイト第2試合 スーパー・ウェルター級 3分3R
○ハイン・ディオ(チャモアペット)
判定3−0 ※30−26、30−26、30−25
●丸山弘通(SOUL GARAGE)
▼オープニングファイト第1試合 フェザー級 3分3R
○金谷隆洋(AJ)
TKO 3R0分49秒 ※セコンドからのタオル投入
●石井振一朗(チャモアペット)

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