FEG
「HEIWA DREAM.1 ライト級GP2008 開幕戦」
2008年3月15日(土)さいたまスーパーアリーナ
開場14:00 開始15:00
▼メインイベント(第10試合) ライト級GP 1回戦
−J.Z.カルバン(ブラジル/アメリカン・トップチーム)
ノーコンテスト 1R 3分46秒
−青木真也(日本/パラエストラ東京)
ライト級GP1回戦で実現した優勝候補同士の激突! 花道に現れた青木は殺気だった表情でリングイン。対するカルバンは大晦日やれんのか!欠場の原因となった左膝にテーピングを巻いている。
1R、サウスポーの青木に対して、カルバンは左へ回りながら軽くジャブを放つ。さらに自分の上体を揺らしながらパンチのフェイントを入れるカルバン。
青木は前に出てくるカルバンを前蹴りで突き放し、さらに左ミドルを蹴る。ここでバランスを崩した青木が寝技に引き込もうとするものの、カルバンはイノキ・アリ状態から軽く蹴りを出すだけで、青木の寝技には付き合わない。
ブレイク後、青木は自分の右手でカルバンの左手をはたきながら左ミドルを蹴る。カルバンは青木の左ミドルをキャッチしてテイクダウン、青木の寝技を警戒しつつ左のパウンドで飛び込む。しかし青木も足を利かせてそれを阻止。カルバンは再び立ち上がり、ブレイクとなる。
再開後、スタンドの展開に戻るとカルバンはオーソドックスからサウスポーにスイッチ。構えを変えながら右ストレートで前に出る。青木はそれをダッキングしながら組み付き、一気に引き込みを狙うが、カルバンはそれを突き放す。スタンドに戻ると、青木の左ミドルにカルバンが左フック。青木は再びカルバンの右ストレートをダッキングしながら組み付こうとするが、カルバンは組みつかせない。
ここでカルバンが右ストレートから右ハイキック! 青木はこれをしゃがみながらスウェーで空振りさせると、カルバンがコーナーを背にしたところで両足タックルを仕掛ける。この日初めて青木にテイクダウンのチャンスが訪れる。
コーナーを背にしながらそのタックルを切ろうとするカルバン。ここからカルバンは青木の背中にヒジ打ちを落としていくのだが…このヒジ打ちが青木の首元にグサリ! 青木はその場にうずくまり、レフェリーが試合を中断。カルバンに対してイエローカードが提示された。
青木にはダメージ回復のために3分間のインターバルが与えられるが、青木のダメージは予想以上に深刻で、インターバルが過ぎても、青木、ドクター、レフェリー、セコンド陣を交えた話し合いが続く。そして長時間に渡る協議の末、島田ルールディレクターから発表された試合結果はノーコンテスト。
まずは島田ルールディレクターがこの裁定について「カルバン選手のヒジ打ちが偶発的な事故で、青木選手の首に入ってしまいました。今、青木選手は腕に痺れが出ている状態です」と説明。続いて治療にあたっていた中山ドクターは青木の症状について「肩から上腕部分までが麻痺している状態で、回復の時間をとりました。しかし試合続行はできないと判断し、試合をストップすることにしました」と発表した。
腕を固定したままの青木はリング上から「すいません。僕も試合をやりたいです。でも腕が上がらないんです……PRIDEがなくなってから1年が経ちました。でも僕はこれからも世界最強を目指して頑張ります」と涙ながらのマイクアピール。
カルバンも「本当に申し訳ない。大晦日にも自分の怪我でファンのみなさんをがっかりさせてしまい、また今回もがっかりさせてしまって本当に申し訳ない」と謝罪の言葉を述べた。
なお大会終了後、大会の総括を行った笹原圭一イベントプロデューサー(以下、EP)は「リング上ではノーコンテストという言い方はしましたが、その結果の部分も含めて検討したいと思います。非常に微妙な部分に肘が当たっていますし(反則のヒジ打ち)故意かどうかということは競技陣として話をして決めたい」と試合結果が変更になる可能性も示唆。(※このままノーコンテストになった場合は試合続行可能なカルバンが2回戦進出となり、カルバンの反則負けとなった場合は青木が2回戦進出)
笹原EPはあくまで「個人的な意見」とした上で「トーナメントの1回戦として、もう一度、二人を戦わせたい」と再戦に対して前向きなコメントを残している。
▼セミファイナル(第9試合) ライト級GP 1回戦
○川尻達也(日本/T-BLOOD)
判定 3−0
●ブラックマンバ(インド/フリー)
マンバは超ハイテンションで観客に「アイム・ア・チャンピオン!」とアピールしながらの入場。一方、「(PRIDEを)背負う」とVTRで宣言した川尻達也は真正面を見つめながら花道に歩を進め、リング下でお祈りを捧げてリングイン。リング上を大きく一周する。
1R、リング中央に歩み出た両者。川尻がいきなり右ロングフックを放ち、マンバのローキックに合わせてタックル。マンバはロープを掴んで倒れるのを拒否したが、川尻はグラウンドに引きずり込む。
まずは片足をパス。ここで場内から「川尻コール」が沸き起こる。足を持ってパスしようとする川尻だが、マンバに下からの蹴りを狙われて立たれてしまう。が、川尻はすぐに片足へアタック、クラッチしてテイクダウンに行くがマンバはロープを背にしてなかなか倒れない。
コーナーへ移動。マンバはアームロックの形になりながらボディへパンチ、強引に倒しにきた川尻の顔面を殴るが、ようやく川尻がテイクダウンに成功する。しっかり抑え込む川尻はサイドへパス、ところがマンバは長い足を利して抑え込まれて寝かされたまま足を跳ね上げ、川尻の頭部へヒザ蹴り!
立ち上がった川尻はパウンドを一発、立ち上がろうとしたマンバのバックに飛び乗ってスリーバー! マンバは前へ落としてパウンドだ。下になった川尻はラバーガードから顔面へパンチ、マンバはボディを殴る。
マンバの右フックをかわして脇から起き上がった川尻がタックル、しかしマンバは片膝をついてテイクダウンを許さない。クラッチした川尻の片足を抱えて体を浮かせたマンバだったが、川尻はまたもテイクダウンに成功。
残り3分、抑え込みに入る。足を使ってのパスガードでサイドポジションへ、マンバが立ち上がるところを狙ってバックを奪う。残り1分半、スリーパーを極められるか?
スリーパーに失敗すると、川尻は肩固めへ移行。しかし、これも失敗に終わりマンバが立ち上がる。川尻は逃さずにテイクダウン。抑え込みからやはり足を使ってパスガード、サイドポジションを奪ったところで1Rが終了した。
2R、マンバの前蹴り、ローキックには川尻が左フックを合わせる。マンバの顔面を狙った前蹴りをかわし、川尻がタックルからテイクダウン。
下からヒジ打ちを肩に突き刺すマンバ、川尻が体を起こすとすぐに立ち上がろうとするが、川尻はタックルでコーナーへ押し込む。両足を掬ってグラウンドへ。
川尻がマウントからバックマウント、アームロックを狙うも失敗。すぐにマンバの足を取りに行くが、マンバは片膝をついてディフェンス。川尻が両足を掬ってテイクダウンに成功したところでドントムーブ。川尻は激しく肩で息をしている。
川尻はインサイドガードからパウンド、そしてサイドへ回る。ラスト1分! 川尻は上四方からチョークにいくがこれも失敗、攻めあぐねる川尻にマンバが三角絞めを仕掛けようとしたところでゴングが鳴った。
力を出し尽くした二人はガッチリと抱き合い、お互いに正座して頭を下げる。判定は3−0で川尻の勝利。思わず口元が「強い!」と動いた。これで日本人の生き残りは永田、石田に続いて3人目。旧PRIDE対HERO’SはマッハVS門馬も含めて旧PRIDE側の4勝0敗となった。
▼第8試合 ライト級GP 1回戦
○エディ・アルバレス(アメリカ/Fight
Factory)
TKO 1R 6分47秒 ※レフェリーストップ
●アンドレ・ジダ(ブラジル/Universidade
Da Luta(U.D.L))
ライト級GP一回戦で唯一の外国人対決となった一戦は、格闘技マニア注目の組み合わせとなった。
1R、開始直後、いきなり二人の右フックが交錯! ここからアルバレスが片足タックルでジダをテイクダウンする。しかしここはイノキ・アリ状態となりブレイク。再開後、再び激しい殴り合いを展開する両者。ジダの右フック、アルバレスの左ミドルが当たる。
じりじりと前に出てプレッシャーをかけるアルバレスだったが、ジダの右フックが立て続けにヒット! ダウン気味に尻餅をついたアルバレスだったが、何とかタックルでジダをテイクダウンする。
アルバレスの体を蹴って立ち上がるジダ。スタンドではパンチを振り回して前に出るジダに対し、アルバレスは右アッパーから飛び込んで組み付く。するとこのアルバレスの右アッパーがヒット。アルバレスはコーナーを背負ったジダにローを蹴り込む。
アルバレスは片足タックルでジダをテイクダウン。ここからアルバレスはパンチを落としながら、ハーフガードの態勢で上体を起こして強烈な右のパウンド! アルバレスのパンチをもらいながらも必死に足を利かせようとするジダだったが、アルバレスは押さえ込みでジダを上手くコントロールしながら強烈な鉄槌と4点ヒザ。
序盤こそ動きのあったジダだが、アルバレスのパンチが当たる度に、徐々に動きが鈍くなる。逆にアルバレスはジダからマウントを奪うとパウンドでボコボコに。
ジダの動きが止まったところで、レフェリーが試合を止めた。前評判通りの強さを見せ付けたアルバレスは試合後、トップロープからムーンサルト式の宙がえりを披露!「ワタシ ハ エディデス。ヨロシク、I’ll
be a champion!」と力強くマイクアピールした。
▼第7試合 ヘビー級
○ミルコ・クロコップ(クロアチア/チーム・クロコップ)
KO 1R0分56秒
●水野竜也(U-FILE CAMP)
いよいよミルコの日本再登場! 手拍子に迎えられて、ミルコは一瞬嬉しそうな笑顔を浮かべる。水野のセコンドには師匠である田村潔司の姿が。ミルコはスパッツではなく、ロングトランクスを着用。
1R、両者共にサウスポーの構え。水野は組み付きに行ったが、ミルコが離してローキック。右へ回る水野はパンチを放っていく。ミルコの左ロー、水野は何度もバックブローを狙っていく。
しかし、水野が組み付いた所でミルコは右手で水野の頭を下げつつ頭部へのヒザ蹴り、続いてクリンチしながらのアッパー連打! ミルコの右フックから左のパンチをもらって水野は前のめりに倒れた。
鮮やかなKO勝利で日本復帰戦を飾ったミルコは、「まず水野選手の勇気を称えたい。彼に拍手をお願いします。水野選手よりもっと有名な選手が私との試合を断ってきました。
しかし、水野選手は僅か1週間前のオファーでも試合を受けてくれた。その勇気に敬意を表したい。またさいたまに戻ってこれて嬉しいです。ふるさとに戻ってきた気分です。また次はもっと強い相手と試合をします!」とマイクアピール。
果たして次回、ミルコの前に立ちはだかるのは誰になるのか!?
▼第6試合 ライト級GP 1回戦
○石田光洋(日本/T-BLOOD)
判定 3−0
●チョン・ブギョン(韓国)
石田はいつものように日の丸の旗を持って入場。対戦相手のブギョンは大晦日やれんのか!で青木真也に敗れはしたものの、下からの腕十字であわやの場面を作っており、まだ底が見えない選手だ。
1R、サウスポーの石田はブギョンの左側に回りながらステップする。じりじりと圧力をかけるブギョンに対し、石田は左ストレート、そして右のアウトロー。この日は積極的に打撃を出していく。
そしてブギョンのパンチに合わせて石田がタックルでテイクダウンを奪う。クローズガードのブギョンをバスター気味に叩きつける石田。イノキ・アリ状態から鋭いローを飛ばしていく。
試合がスタンドに戻ると石田は右のアウトロー。ブギョンはそこに右ストレートを狙う。さらにブギョンは飛びヒザ蹴り! タックルに入った石田の体を飛び越えるような形でブギョンが下になる。インサイドからパンチを落としつつ、パスガードを狙う石田だったが、ここでブギョンが青木戦と同じように石田の腕をカンヌキに捕えて腕十字!
石田が間一髪のタイミングで腕を引っこ抜いて、それをディフェンスする。石田は距離を取ってイノキ・アリ状態からローを蹴る。
ブレイクによる再開後、石田は右のアウトロー。さらに前に出てくるブギョンに左ハイキックを合わせる。ここはバランスを崩した石田だったが両足タックルですかさずテイクダウン。
しかしブギョンもガードからネルソンで石田の上体を固める。ブギョンの固いガードワークに石田はやや攻めあぐねる。スタンドに戻ると石田の右アウトローと左ストレートがヒット!
ブギョンはガードになるとすかさず下から腕十字を狙う。この後もインサイドから石田がコツコツとパンチを打ち、ブギョンがガードから仕掛けるという展開が続いた。
2R、左ハイキックやカウンターの右フックを当てる石田。ブギョンからテイクダウンを奪うものの、ブギョンのガードポジションからの攻めを警戒して有効な攻撃はない。展開の少ない膠着気味の試合となり、両者にイエローカードが提示される。
しかしその後も試合展開は変わらず。石田がタックルでテイクダウンを奪い、ブギョンのガードポジションを崩せないという状態が続く。
判定は3−0で石田となったものの、石田はメダルをすぐに外し、そのままリングを走って後にするなど、試合内容に納得していない素振りを見せた。
▼第5試合 ライト級GP 1回戦
○永田克彦(日本/新日本プロレスNEW JAPAN
FACTORY)
判定 3−0
●アルトゥール・ウマハノフ(ロシア/SKアブソリュート・ロシア)
1R、サウスポーの永田は右へ回りこみつつ左ジャブ、タックルを狙って左へと動く。ウマハノフの右ロー、永田はタックルに入るがこれは距離が遠い。徐々に圧力で下がる永田、右のパンチを出す度に右アッパーを合わされそうになる。
3分経過、ローキックからパンチを狙うウマハノフに後退を繰り返す永田。オーソドックスに構えるとウマハノフの右ローに合わせてようやくタックルに成功、転がるようにテイクダウンする。フロントチョークの体勢で永田の動きを封じるウマハノフ、永田は首を抜くとパウンドに行くが、ウマハノフは頭を振って見事な動きでパウンドをかわしていく。
何度もかわされながら、パウンドを打ち込んでいく永田。徐々に鉄槌とパウンドが当たり始める。永田はウマハノフをコーナーに押し込み、パウンドを打ち込んでいくがドントムーブ。
中央に戻ると猪木×アリ状態になって永田が小さい動きでローキックを出すが、ウマハノフに足を掬われて倒れる。上になったウマハノフはあっという間にマウントポジションへ移行。
永田はガードに戻すことに成功し、ウマハノフが立ち上がったところで胴タックルからテイクダウン。ガムシャラにパウンドを叩き込んでいく。しかし、ウマハノフが足を利かしているため当たりは浅い。
2R、圧力をかけてくるウマハノフに永田もパンチ、すると今度はウマハノフが片足タックルでテイクダウンする。足の掬い合いで上になったのは永田。ウマハノフは足を伸ばして永田のパウンドを防ぐ。サイドポジションになった永田は上四方になって頭頂部へのヒザ蹴り! ウマハノフは立ち上がって脱出。
スタンドに戻るとウマハノフは右フックを当ててテイクダウン、永田は抱え込んでディフェンス。しかし、ウマハノフが中腰になったところで永田が片足を掬って上になり、単発ながらもパウンド。
ラスト1分、永田はワンツー、抑え込み、ワンツーとパウンドを繰り返す。ウマハノフは1Rにように頭を振って避けることなく、手で受けながらゴングを聞いた。
判定は3−0で永田。兄・裕志と共に敬礼のポーズで記念撮影に収まった。
▼第4試合 ライト級GP 1回戦
○ルイス・ブスカペ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
一本 1R7分37秒 ※チョークスリーパー
●宮田和幸(日本/フリー)
1R、ブスカペがパンチから組み付いてテイクダウンを狙うが、グラウンドで上になったのは宮田。豪快な首投げでブスカペを投げ飛ばす。イノキ・アリ状態からパンチを打つ宮田に対して、ブスカペは下から蹴り上げを織り交ぜながらそれを阻止。
宮田の体を蹴り離し、組み付いてテイクダウンを狙っていく。しかしレスリング力では五輪出場経験のある宮田の方が上。再び豪快な投げで宮田がブスカペからテイクダウンを奪う。
ブスカペはガードから宮田の両腕をキャッチして蹴り上げと三角絞めを狙う。このブスカペのガードワークをなかなか崩せない宮田。
逆にブスカペはイノキ・アリ状態で、下から宮田の体を足で後方に崩してスイープにも成功。一度、宮田に立ち上がられるものの、ここではブスカペがテイクダウンを奪う。こつこつとパンチを落としながらパスガードを狙うブスカペは、ハーフから宮田の首をキャッチしてヒザ蹴り! そして亀になって逃げる宮田からバックを奪うと、チョークスリーパーを極めた。
▼第3試合 ライト級GP 1回戦
○ヨアキム・ハンセン(ノルウェー/フロントラインアカデミー)
判定 3−0
●朴 光哲(日本/KRAZY BEE)
「KID軍団のナンバー2」「KRAZY
BEEの特攻隊長」と紹介された朴。ハンセンにはPRIDEファンからの大声援が浴びせられる。昨年、光岡映二にケージフォースで勝った朴と、修斗でその光岡に敗れたハンセン。勢いのある朴が金星を得ることが出来るか?
1R、朴はジャブを出しつつ左フック、ハンセンはサウスポースタイルから左ストレートを突き刺す!
二発目がモロにクリーンヒットし、倒れる朴。ハンセンは上に乗ってパスを狙いつつ、パンチを入れる。
一旦離れると見せて、朴の立ち上がり際にもう一度タックル、コーナーで顔面にヒザ蹴り。さらにクラッチしたまま持ち上げ、マットに叩きつける。
バックに回ったハンセンは足四の字フック、バックからパンチを入れていく。ハンセンが四の字を解いてオープンにしたところで朴が体を起こすとハンセンはスリーパー、それから逃れたと思った瞬間、すぐに腕十字、さらに三角絞めのコンビネーション!
が、朴は脱出に成功! スタンドに戻る。ハンセンの左ストレートに吹っ飛ぶ朴、さらに右フック。ハンセンの左ストレートが面白いようにヒットし、下がる朴は右ローキック。
朴のワンツーはとどかない、ハンセンの左ストレートが当たる距離。ハンセンは“カモン!”と自らの胸を叩く。胴タックルに入ったハンセンは、再び朴を持ち上げてテイクダウン。一旦離れて朴が立ち上がると、再びタックルに入ってテイクダウンを奪い、バックに回ってスリーパーの体勢へ。
足四の字フックからパンチ、フックを解くとパンチを入れつつ上をとる。両足で蹴ってグラウンドから脱出した朴だったが、パンチに合わせて入られた両足タックルでテイクダウンされる。上になるハンセン。朴が下からラバーガードを仕掛けたところで1R終了となった。
2R、朴はジャブを出しつつ左フック、ハンセンの左ストレートはオーバーアクションで避ける。ハンセンは朴のパンチをダッキングでかわしつつ右フック、左ストレート。
頭を振りながら朴のパンチをかわし、左のパンチを狙っていくハンセン。朴も左右のフックを繰り出していくが、ハンセンの首相撲からのヒザ蹴りに捕まる! 朴は体を沈めてタックルに行ったが、上になったのはハンセン。
パスを狙っていくハンセン、下から蹴り上げる朴。上に被さったハンセンはパウンドを落としていくが、朴は両足で蹴って立ち上がる。打って来いと挑発するハンセンに朴は下がってしまう。左ストレートで後方に倒れる朴! 上に乗ったハンセンは首を抱えながら抑え込む。
立ち上がると朴がパンチを出して行ったが、そこでゴング。判定は3−0でハンセンの勝利、ライト級GP勝ち上がり第一号はハンセンとなった。
▼第2試合 ウェルター級
○桜井“マッハ”速人(マッハ道場)
TKO 1R 1分12秒 ※レフェリーストップ
●門馬秀貴(和術慧舟會A-3)
DREAMウェルター級の今後を占う一戦。やや緊張した面持ちで入場する門馬のセコンドには秋山成勲がつく。マッハはファンの大声援に迎えられ「不死身のエレキマン」に乗って登場だ。
1R、まずは互いに距離を見合う静かな展開から始まる。門馬がローとジャブを放つ。それを捌くマッハは強烈な右ローを立て続けに蹴る。前蹴りで距離を取る門馬。マッハは門馬の蹴りに合わせてパンチで大きく飛び込み左右の連打! 門馬もそれを突き放すとすぐに右のパンチを返す。距離が開くと門馬はバックキック。
マッハは前に出て門馬をロープに詰めると、強烈な右ミドル! さらにマッハは門馬の首を掴むと、得意の首相撲からの膝蹴り! 門馬が自ら引き込むようにグラウンドで下になる。門馬はガードポジションからこつこつとパンチを打ち、マッハの体を蹴り離して立ちあがる。
スタンドに戻るとマッハが強烈な右ロー! この右ローでバランスを崩す門馬。しかしマッハはすぐにスタンドを要求し、右ローを蹴りこんでいく。さらにマッハは右ストレートから左フック。
そして今度は右のフェイントから左フックを打つ。門馬もプレッシャーをかけて前に出て行くが、マッハはすぐにインロー。門馬のジャブにボディで飛び込むマッハは再びインロー。門馬もマッハが前に出てくるところにワンツー。ガードを高くあげてジャブを突く。
しかしスタンドでの攻防が続く中、左フックが相打ちになると、先に当たったのはマッハの左フック! 当たりは浅かったものの、この一発で門馬がマットに崩れ落ちる。一気に門馬にパウンドの連打を集めるマッハ。
門馬の動きが止まったところでレフェリーが試合をストップした。
試合後、マッハは「どうもありがとうございました! 門馬選手もいい選手ですごいプレッシャーかけてきて焦りました。何かすごく元気になっちゃったんですけど、みなさんも元気にいきましょう! ありがとうございました!」とハイテンションのマイクアピールで試合を締めくくった。
▼第1試合 無差別級
○ミノワマン(日本/フリー)
一本 1R1分26秒 ※膝十字固め
●イ・グァンボム(韓国)
身長180cm、体重131Kgの巨体を揺らしてまずはイがリングイン。ミノワマンは新しい入場テーマ曲、黒のショートスパッツで登場。背景セットの「D」の文字を眺めると、ステージ上を左右に動いて観客席を眺める。
長い長い、とても長いタメを作って、ようやく花道を走り、トップロープを掴んで一回転してのリングイン。“英雄と誇りがダンスする”夢の扉を最初に開けるのはどっちだ!?
1R、ミノワマンはいきなりの前転! 構えなおすとイがローキック、ミノワマンはもう一度前転だ。パンチを打ちに行き、イが打ち返してくるとタックルでテイクダウンに成功。
イはハーフガード、ミノワマンは反転して足を取りに行き、膝十字固めを極めるとイはあっさりタップ! 入場時間よりも早いタイムで、ミノワマンがDREAMのリングで初の勝ち名乗りを受けた。
試合後にはもちろん、「オイ! オイ! オイ!」の掛け声と共に拳を振り上げる勝利の儀式、SRF(スタンディング・リアル・フィスト)8回が大爆発! 場内は大いに盛り上がり、ミノワマンが公約どおり第1試合の役割を果たした。
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