FEG
「DREAM.2 ミドル級GP2008 開幕戦」
2008年4月29日(火・祝)さいたまスーパーアリーナ
開場15:00 開始16:00
観衆=21,397人
▼メインイベント(第8試合) ミドル級GP 一回戦
○桜庭和志(Laughter7)
一本 1R8分29秒 ※顔面絞め
●アンドリュース・ナカハラ(ブラジル/極真会館ブラジル支部)
※桜庭が2ndROUNDに進出
ナカハラは緊張した面持ちで登場、セコンドにはフランシスコ・フィリオがつく。対する桜庭は3人のマスクマンになって登場! あのホイス・グレイシー戦と同じ、マシン軍団に変身しての登場だ。
1R、サウスポーの桜庭は左ミドルを蹴る。ガードを高く上げてローを蹴る桜庭に対し、ワンツーで前に出るナカハラ。桜庭はナカハラの右ストレートに合わせてタックル。片足を持ち上げてテイクダウンを狙うが、ナカハラは足一本でバランスをとって桜庭の顔面にパンチを連打!
そこから足をひっこ抜いて逃げる。それでもしつこくタックルでテイクダウンを狙う桜庭だったがが、ナカハラはそれを突き放してテイクダウンを許さない。スタンドに戻ると桜庭が左ハイキック。そこにナカハラがインローを合わせるが、これがローブローになる。
インターバル後、スタンドで細かくタックルのフェイントを入れる桜庭。ナカハラがインローとハイキック。このハイキックをスウェーでかわす桜庭だったが、場内からはどよめきが起こる。ここからすぐにタックルに入る桜庭だったが、それを切るナカハラ。
スタンドで桜庭は右手でナカハラの手をはたく。ナカハラはジャブ&インロー。桜庭がタックルから組み付いてテイクダウンしようとするが、ナカハラは倒れない。逆にナカハラが桜庭をロープに詰めて、両脇を差す。
ブレイク後、インローを蹴るナカハラ。桜庭のローにナカハラが右ストレートを合わせる。これで尻餅をつく桜庭! しかし桜庭はそのまま片足タックルでナカハラをテイクダウンする。ロープを上手く使って立ち上がるとするナカハラだが、桜庭はナカハラの股の下で腕をクラッチして、ナカハラの体を横にこかしてテイクダウンする。
それでも桜庭の体を蹴って立ち上がるナカハラ。桜庭もしつこくタックルに入り続け、ようやくナカハラを完璧にテイクダウンする。足関節を狙いながら、パスガードする桜庭。ナカハラのボディにヒザ蹴りとパンチを入れながら関節技のチャンスをうかがう。
ここでナカハラは亀になって逃げようとするが、桜庭はナカハラの首に手を回してフェイスロック! そこから腕をナカハラの首に滑り込ませて、チョークスリーパー! ナカハラの打撃に苦しんだ桜庭だったが、最後は見事なチョークスリーパー(=公式発表は顔面絞め)でタップを奪った。
▼セミファイナル(第7試合) ミドル級GP 一回戦
○ゲガール・ムサシ(オランダ/レッドデビル・インターナショナル)
一本 1R3分10秒 ※三角絞め
●デニス・カーン(韓国/アメリカン・トップチーム)
※ムサシが2ndROUNDに進出
PRIDEウェルター級GP準優勝のカーンと、KO・一本勝ち率95%というムサシが1回戦で激突! “事実上の決勝戦”とも言われる優勝候補同士の潰し合いだ。カーンのセコンドには、第1試合に出場したカルバンが就く。
1R、ムサシのローに左右フックを合わせるカーン、積極的にパンチを放っていき、ムサシがスウェーしたところで胴タックルでテイクダウン! カーンはムサシの上体をしっかり押さえながらパス狙い、ムサシはハーフガード。カーンはアームロックの体勢に入り、ムサシがヒザで顔面を狙う。
するとカーンがアームロックに捕らえたままサイドへパス、あわやという場面だったが、ムサシが腕を抜く。
立ち上がったカーンはパンチを落とし、足を利かそうとするムサシに担ぎパスから鉄槌を連発したが、なんとムサシが下から三角絞め! これがガッチリと極まり、カーンがタップ!
ストライカーのムサシがサブミッションでカーンに一本勝ちするという意外な決着に終わり、ムサシは「ありがとうございます。日本に来ることが出来て嬉しく思う。GPに呼んでくれてありがとう」と、はにかみながら挨拶した。
▼第6試合 ミドル級GP 一回戦
○田村潔司(U-FILE CAMP.com)
TKO 1R0分57秒
●船木誠勝(ARMS)
※田村が2ndROUNDに進出
試合前にUWFの歴史を振り返り、前田日明、そして田村と船木がこの試合への思いを語ったVTRが流された。
1R、サウスポーの両者。田村が右フックから左ローを蹴る。船木も田村のローにパンチで飛び込み、ヒザ蹴りを打つ。
激しい殴り合いの中、船木が顔面前蹴り。さらに右フックを当てる。しかし田村がカウンターの右クロス!
この一発でふらつく船木! そのまま田村が押し倒すようにグラウンドで上になると、鉄槌を数発落とす。
動きが止まった船木を見て、田村がストップをアピールすると、レフェリーが試合をストップ! 田村が船木との試合を一発で制した。
▼第5試合 ミドル級GP 一回戦
○ホナウド・ジャカレイ(ブラジル/ブラザ柔術)
一本 1R3分37秒 ※裸絞め
●イアン・マーフィー(アメリカ/フリー)
※ジャカレイが2ndROUNDに進出
柔術か、レスリングか? ブラジリアン柔術の世界選手権を五連覇しているジャカレイと、全米学生レスリング王者で今回がプロデビュー戦となるマーフィー。ジャカレイのニックネームが“ワニ”であるのに対し、マーフィーは“ライオン”だという。この若者の実力は?
1R、ジャブを飛ばす両者、ジャカレイは飛びヒザ蹴りを繰り出し、そのまま引き込む。リバーサルを仕掛けたジャカレイにマーフィーは両足タックル。しかし、ジャカレイがヒザ蹴りを叩き込んであっという間の腕十字!
マーフィーの左腕をオモプラッタ風に両足で挟みつつ、アームロックの体勢になるジャカレイ。逃げようとするマーフィーのバックマウントを奪い、後ろからパンチを叩き込む。マーフィーが腰を上げたところでジャカレイがチョーク! マーフィーはたまらずタップする。
ジャカレイは勝利の恒例、ワニの歩き方を真似するパフォーマンス。衝撃の日本デビューを果たした。
「ありがとう!」日本語で観客にアピールするジャカレイ。「みんながいなければこんなに出来なかった。本当に嬉しいです。日本で試合をするのがずっと夢でした。皆さんのためにここまで出来ました、ありがとう!」とマイクでお礼を言い、拍手喝采を浴びた。
▼第4試合 ミドル級GP 一回戦
○ゼルグ弁慶ガレシック(クロアチア/チーム・トロージャン)
一本 1R1分40秒 ※腕ひしぎ十字固め
●マゴメド・スルタンアクメドフ(ロシア/クラブ・ヴォルク・ハン)
※ガレシックが2ndROUNDに進出
ミルコ・クロコップと同じクロアチアの出身で、現在はミルコのスパーリングパートナーも務めるガレシック。対するスルタンアクメドフはロシアン・ネオ・エンペラーと、あのエメリヤーエンコ・ヒョードルと同じニックネームを持つロシアンファイターだ。
1R、サウスポーのスルタンアクメドフに対し、一気にパンチで前に出て行くガレシック。一度はグラウンドで下になったガレシックだが、すぐにポジションを入れ替える。
ガードからギロチンチョークを狙うスルタンアクメドフ。ガレシックは足を振ってパスガードするが、スルタンアクメドフはブリッジを効かせて上を取り返す。
しかしその瞬間、ガレシックが電光石火の腕十字! ガレシックの体を持ち上げるスルタンアクメドフだったが、ガレシックはそのままスルタンアクメドフの右腕を伸ばし、タップを奪った。
▼第3試合 ミドル級GP 一回戦
○ユン・ドンシク(韓国/フリー)
判定 3−0
●大山峻護(フリー)
※ユンが2ndROUNDに進出
大山は柔道衣を着ての入場、試合前の煽りVTRでは“オーラの泉”でお馴染みの美輪明宏さんが登場し、場内は盛り上がる。ユンもまた、道衣を着ての入場。
1R、大山はサウスポー、ユンはオーソドックスに構える。両者ステップを踏みながらジャブを伸ばしていくが、間合いは遠い。パンチの交換からユンが大山の前足をキャッチしてグラウンドへ。ガードをとる大山にユンはパウンド、三角を狙った大山の足を払ってサイドへ回っていく。大山は下からのアームロックに行くが、これは失敗。
再びガードに戻す大山。ユンは足を利かす大山に体重を掛けつつ、足を担いでサイドポジションを奪う。ユンはハーフガードに戻させ、片足を引き抜いてマウントポジションへ移行。ドントムーブでリング中央へ。
ブリッジで返そうとする大山、ユンはバランスを保ちつつパンチを入れ、両膝で大山の脇を上げていく。大山がブリッジ、ユンが待ってましたとばかりに腕を取りに行ったが、ここは大山が上手く外してローリングに成功。上になり、立ち上がる。大山は寝ているユンへローキック。ブレイク。
両者スタンドに戻るとプレッシャーをかけていく大山、パンチとローを交差させる。ユンがタックル、大山は下からのアームロック。大山は腕を取ったまま回していくが、これは失敗する。
2R、パンチを交錯させる両者、ユンの右ストレートがヒットし、大山が後方へ一回転。すぐに立ち上がる大山。圧力を掛けつつパンチを狙っていくが、ユンにタックルを合わせられる。リフトアップしてテイクダウンするユン。ドントムーブでリング中央へ。
下から蹴り上げる大山、ユンはパンチを出しながらサイドへパス。動く大山のバックへ回るユン、バックマウントからマウントを奪う。
残り時間1分、ユンは大山の頭を抱え込んでのパンチ、さらに上体を起こしてパウンドのラッシュ! そこで大山が下からのシザースに成功! 足首を取りに行ったが、そこでゴングとなった。
ゴングが鳴ると、ユンは両手を大きく挙げる。判定はその通り、ユンが3-0で勝利。2回戦へ進出した。
▼第2試合 ミドル級GP 一回戦
○金泰泳(正道会館)
判定 3−0
●ミノワマン(フリー)
※金が2ndROUNDに進出
“リアルプロレスラー”ミノワマンと“正道会館の空手家”金泰泳による異種格闘技戦。VSプロレスラー無敗の金をミノワマンはストップすることが出来るか?
1R、ミノワマンが右ストレートからタックル! 金はそれを切ると、左ハイキックを蹴る。スタンドの距離になると金が右ロー。ミノワマンはタックルでテイクダウンを狙うが、金はすぐに立ち上がる。
鋭い右ローをバチバチと蹴りまくる金。そしてローをフェイントにしてからの右ハイを蹴る! スタンドの打撃を支配する金は右ローと右ミドル。徐々にミノワマンの手数が少なくなる。
しかしミノワマンがパンチからタックル。これを切ろうとする金だったが、ミノワマンは金の体を回してテイクダウンする。クローズガードの金はミノワマンの腕をカンヌキにとらえて、ミノワマンのパウンドや寝技を阻止する。
イノキ・アリからパスを狙うミノワマン。しかし金は足を利かせてそれを阻止する。それならばとアキレス腱固めを狙うミノワマンだが、金もそれにすぐに反応して逆の足でミノワマンの体を蹴る。ミノワマンの体を蹴り放して立ち上がる金は左ハイ!
タックルでテイクダウンを奪うミノワマンだが、足を一本抜くものの、金は背中を見せながら立ちあがる。スタンドに戻ると金がテンカオと右ロー。このローでミノワマンの左足が真っ赤にはれ上がる。
さらに金はミノワマンが前に出て来るところにジャブ、そして右ストレート。これでミノワマンを下げさせるとボディにテンカオ! そして右ロー! 金が得意の打撃でミノワマンを一方的に攻め込む。ミノワマンも起死回生の右フック!
ここからタックルで金をテイクダウンする。ミノワマンはそこからすぐに足関節。しかし金もそれをディフェンスすると、クローズガードでブレイクを待つ。ブレイク後、金にはイエローカードが提示される。
再開後、ミノワマンがタックル。金はそれを突き放して右ロー、右ハイ。さらに左ハイ、ボディアッパー、首相撲からのヒザ蹴りとミノワマンのボディを狙い撃ち。ミノワマンも必死にテイクダウンを奪うが、金のクローズガードを崩せない。
2R、タックルに入るミノワマン。金をコーナーまで押し込んでテイクダウンするが、金はクローズガードでブレイクを待つ。ブレイク後、ジャブを打つ金に対し、ミノワマンは左にステップして左フック。これが金の顔面を捉える!
すると金が右ストレートからタックルに入る。金はそこからミノワマンから距離を取ってヒザ蹴り。ミノワマンの右ストレートと金のテンカオが交錯! ミノワマンがタックルを仕掛けるが、金がそれを切って4点ポジションからヒザ蹴りを打つ。
そこから立ち上がる金はジャブとヒザ蹴り。さらに左フックを当てる。ミノワマンも必死にタックルに行くが、明らかに勢いがない。金がミノワマンのタックルを切ってがぶった状態からヒザ蹴りを落とす場面が続く。スタンドに戻れば金がテンカオ、首相撲からヒザ蹴り。
棒立ちのミノワマンにアッパーとフックを叩き込む。もはや立っているのがやっとのミノワマン。フラフラのままタックルに入るが、金のヒザ蹴りをもらってしまう。試合はスタンドでの打撃で圧倒し、グラウンドでもミノワマンに決定的なチャンスを作らせなかった金がフルマークの判定勝利を収めた。
▼第1試合 ライト級GP 一回戦
○青木真也(パラエストラ東京)
判定 3−0
●J.Z.カルバン(ブラジル/アメリカン・トップチーム/HERO’S2006&2007ミドル級トーナメント優勝)
※青木が2ndROUNDに進出
前回3月のライト級GP開幕戦では、カルバンのヒジ打ちによって青木が試合続行不可能となり、没収試合となった再戦。昨年の大晦日『やれんのか!』でも試合が決定しながらカルバンの負傷で流れたといういきさつがあり、今回が三度目の決着戦となる。三度目の正直か、それとも二度あることは三度あるのか!?
1R、カルバンがいきなりタックル、青木は胴に両足を絡めるが着地してカルバンをコーナーへ押し込む。青木がサイドに倒して上になろうとしたが、カルバンがすかさずローリング。ロープ際だったためドントムーブ。
再開後、青木はクローズガードからラバーガード。カルバンは腕を引き抜きながらパンチを落とし、追撃しようとすると青木が下から足に絡み付いていく。回転しながらアキレス腱固めにいく青木!
カルバンは踵で青木のアゴを蹴り、上になってパンチを叩き込む! 一方的に打たれる青木! 動きの止まった青木が大ピンチに追い込まれたように見えたが、立ち上がることに成功。両足タックルでカルバンをコーナーへ追い込んでいく。
バックに回って片足を掛ける青木、飛び乗って立ったままのバックマウントからフェイスロックを仕掛けていく。倒れまいと背中に背負った青木をコーナーへ押し付けるカルバン。後ろからヒジ打ち、パンチを放って行く青木。そして腕を再びカルバンの顔に掛けてフェイスロック。背後から執拗にボディへのヒジ、パンチを放ち、フェイスロックを狙う青木にカルバンが座り込む!
足四の字クラッチでカルバンをガッチリと固め、パンチを入れながらフェイスロックまたはスリーパーを狙う青木。一度ドントムーブとなり、リング中央へ。青木は背後からのパンチ、パンチ! 三角を狙っていった青木だが、カルバンはローリングして立ち上がる!
猪木×アリ状態からパンチを落としていくカルバン、青木は下から足を絡めていきつつ顔面へキックを連発! パンチを伸ばそうとするカルバンだが、青木が足を利かしてそれをさせない。猪木×アリ状態のままゴング。
2R、左に右にと構えを変えて前に出るカルバン。コーナーを背にしたところで青木が飛びつき、寝技に引き込む。青木はラバーガードから腕を取りに行くが、腕を引き抜いてカルバンが立ち上がり、スタンドを要求。
カルバンがパンチを狙って近付いてくると、再び飛びついて寝技に引き込む青木、ラバーガードになる。立ち上がるカルバン、アタックを仕掛けていくが青木の足が利いてパンチが入らない。ブレイク。
カルバンのワンツー、青木のタックルを切り、寝転がった青木にパンチで飛び込むカルバン。青木はラバーガードからオモプラッタ、カニバサミのようにカルバンを横に転がし、腕十字へ! が、カルバンは回転して脱出! 上になるカルバンだが、ここでゴング!
勝利を確信した青木は両手を上げてリング上を跳ね回る! 判定は当然、青木の勝利! 青木はリング上で号泣だ。「あの結果に終わって正直、苦しかったです。でも皆さんの暖かい声でこうやってリングの上で闘うことができます。ありがとうございます。何があろうと僕は真っ直ぐに生きていきます!」と宣言した。
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