サステイン
「プロフェッショナル修斗公式戦
修斗伝承 04 “ROAD TO 20th ANNIVERSARY”」
2008年11月29日(土)東京・後楽園ホール
開場17:30 開始18:00
▼メインイベント(第8試合) 世界ライト級チャンピオンシップ 5分3R
○リオン武(シューティングジム横浜/環太平洋同級王者/挑戦者・世界4位)
判定3−0 ※30−29、30−29、30−28
●門脇英基(和術慧舟會東京本部/王者)
※リオンが第8代王座に就く。
今年3月に田村彰敏を判定で下し、世界王者となった門脇。初防衛戦の相手は元世界王者で、その田村に敗れてベルトを失ったリオン。8年前、アマチュア時代に対戦している両者による世界タイトルマッチとなった。
1R、ジャブを突いて距離を測るリオン。そこから右アッパーのフェイントを見せるが、門脇が鋭い右ストレートを突き刺して、リオンのバランスを崩す。リオンがジャブを打つと、そこに右のパンチをかぶせる門脇。リオンは門脇をコーナーに詰めて右ローを蹴る。
門脇は足を使ってコーナーから脱出すると右ストレート! そこから鋭いジャブをリオンの顔面に突き刺す。
しかしここで門脇が距離をつめたところで、リオンが必殺の右クロスカウンター! これで門脇がダウン! ダメージはないものの、門脇がポイントで先制されるという展開になる。
再開後、ジャブ、ワンツーを出す門脇。しかしリオンは下がらずにじりじりと前に出ていく。門脇は右ストレートで距離を詰めてパンチをまとめる。前に出るのはリオンに対し、門脇はコツコツとジャブを当てる。
残り2分、リオンが強烈な右ロー! これで門脇の足を止めると、そこに右ストレート! 今度は門脇がバランスを崩す。ここからリオンは門脇を後退させて右ロー。
門脇はそれをキャッチしてテイクダウンを奪うと、サイドポジションから腕十字狙い。リオンは体を反転させて、タックルに入る。
2R、ジャブから右ローを蹴るリオン。門脇はローを空振りさせるものの、リオンのジャブが門脇の顔面を捉える。リオンのジャブに右ストレートを合わせる門脇。
リオンは門脇をコーナーに詰めて右ローにつなげる。1Rに比べて手数が減る門脇。大きな右ストレートで飛び込むものの当たりは浅い。
下がりながらジャブを返す門脇だが、リオンは門脇をロープやコーナーに詰めると徹底的に右ロー! 門脇はこれを被弾しながらも、リオンの蹴り足をキャッチして片足タックルに入る。
ここから門脇は立った状態のリオンの後ろに回りこむ。門脇はここからリオンをグラウンドに引きずりこもうとするが、リオンは倒れない。ブレイク後、リオンが右ローを二発!
門脇の体が流れる! しかし門脇も右ストレート! 門脇が組み付いたところでラウンド終了となる。
3R、門脇が右ストレートから左フック、リオンはそこに右ストレートのカウンターを狙う。片足タックルでテイクダウンを狙う門脇。リオンは門脇の腕をアームロックに捕らえて、コーナーに体を預けてそれを許さない。
門脇は体を横にずらして、リオンの後ろに回りこむ。リオンの背中に飛び掛るようにしてバックを狙う門脇。ここからリオンをテイクダウンすると、そこからすぐにカドワキスペシャル(腹固め+スリーパー)の態勢へ!
しかしリオンもこれにすぐ反応し、サイドポジションを取らせる形で門脇に得意の形を作らせない。門脇はリオンの体をまたぎ、マウントを取るが、リオンがそのタイミングを狙ってブリッジで立ち上がる。
試合がスタンドに戻ると、門脇をコーナーに詰めてジャブを打つリオン。リオンの右ローで門脇の体が流れる。
リオンは下がる門脇に右の飛びヒザ蹴り、そして右ハイキック! 門脇の頭が下がったところにヒザ蹴りを突き上げる。門脇もリオンの蹴り足をとってテイクダウンするものの、リオンの足を越えることができないまま試合終了。
1Rにダウンを奪ったリオンが門脇を下し、修斗史上初の世界王者返り咲きとなった。
試合後、リング上で「(門脇は)間合いが独特でやりづらかったですね。パンチが当たりそうでも届かなくて。あんなにパンチを打ってくるとは思わなかったです。タックルを警戒していたんで、裏をかかれちゃいました。
(ダウンを奪ったパンチは?)得意のクロスカウンターで、当たれば倒れます。カドワキスペシャルについても、あれを警戒して、わざとサイドポジションを取らせようと思っていて、練習通りでしたね」と門脇との一戦を振り返ったリオン。
「(世界王者返り咲きは)うれしいですけど、もっともっと練習して強いチャンピオンになりたいと思います。今日は苦しい試合だったんですが、これを経験してもっと強くなれるかなと思います。もっと強くなって修斗をメジャーにしていきたいです!」と世界王者としての抱負を力強く語った。
▼セミファイナル(第7試合) ライト級 5分3R
○日沖 発(ALIVE/世界同級5位)
TKO 1R3分32秒 ※レフェリーストップ
●佐藤ルミナ(roots/世界同級6位)
昨年3月以来、白星から遠ざかっているルミナが、過去に対戦をアピールしたこともある日沖との一戦に挑む。対する日沖は10月にカナダで自らが保持するTKOフェザー級王座を防衛。しかし8月の修斗公式戦では中村“アイアン”浩士と引き分けている。
1R、いつものオーソドックスからサウスポーに構えをスイッチして左ミドルを蹴る日沖。ルミナはそれをブロックしながら、インローを返す。構えを細かく変えて前手を伸ばして前蹴りで距離を取る日沖。
ルミナは日沖のインローにバックブローを狙うが、これは不発。組みの攻防になると、日沖がグラウンドで上のポジションを取る。
サイドポジションでがっちりと押さえ込む日沖に対し、ルミナは自分の足を入れてガードポジションに戻す。ラバーガードからパンチを打つルミナ。日沖は足を一本またいでハーフガードになると、上体を起こしてパンチを打つ。そこから足を抜いてマウントポジションを奪う日沖は、しっかりポジションをキープしながらパウンド!
ルミナも必死に下から暴れてポジションを返そうとするが、日沖はマウントポジションをキープしてパウンドを連打! ルミナの動きが止まったところでレフェリーが試合をストップ、、文句なしのTKO勝利を収めた。
試合後、日沖は「ALIVEに入って10年、本当にありがとうございます。何とかここまで来ることができました。名古屋からいっぱい応援に来てくれて、みんなにどうしても一番上の景色を見せたいです!」と名古屋の応援団に世界王座挑戦を誓った。
▼第6試合 ウェルター級 5分3R
○中蔵隆志(シューティングジム大阪/同級世界王者)
一本 1R4分58秒 ※スリーパーホールド
●ベンディ・カシミール(フランス/オウ・テンション/同級欧州王者)
今年5月に天突頑丈を下して、世界王者となった中蔵が後楽園ホールに凱旋! 欧州王者のカシミールを迎え撃った。
1R、サウスポーのカシミールに対し、ジャブとインローを飛ばす中蔵。カシミールは左右のフックで前に出てテイクダウンを狙うが、中蔵はカシミールを首相撲に捉えてそれを許さない。そこで右ヒザ蹴りを突き上げる中蔵。カシミールは左フックを振り回す。
ブレイク後、中蔵が右ミドルから右のヒザ蹴り。中蔵が再び右ミドルを蹴ったところで、カシミールがそれをキャッチしてテイクダウンを奪う。
ハーフガードから脇を差して立ち上がろうとする中蔵。カシミールはフロントチョークを狙いながら、上のポジションをキープする。中蔵はガードからカシミールの腕を取って変形のアームバー。さらにハーフガードからアームロックで見事なスイープ!
ここからカシミールの腕を完全に伸ばしきるが、カシミールはそれを外して立ち上がる。中蔵はイノキ・アリ状態から立ち上がり、そのままカシミールのバックに回り込んでアッパーを連打!
カシミールがそのままグラウンドで下になると、細かいパンチをカシミールの顔面に叩き込む。カシミールがガードから腕十字を仕掛けると、それを担いでパスガードする中蔵。
そして亀になるカシミールの首元に手を滑り込ませて、そのままスリーパーホールド! 残り時間が少ない微妙な時間帯だったものの、最後はカシミールを絞め落として、見事な一本勝ちを収めた。
▼第5試合 フェザー級 5分3R
△田澤 聡(GUTSMAN修斗道場/世界同級5位・環太平洋同級3位)
ドロー 判定1−0 ※29−28、29−29、29−29
△扇久保博正(パラエストラ松戸/世界同級8位・環太平洋同級6位)
昨年のフェザー級新人王&MVPで無配街道を突き進む扇久保。この試合が公式戦13戦目となる田澤との世界ランカー同士の一戦に挑んだ。
1R、突進してくる扇久保に右フックを当てる田澤。扇久保は田澤をロープに押し込み、投げでテイクダウンを奪う。扇久保はインサイドガードからパウンド、田澤もそれをディフェンスして下から鉄槌を返す。
ガードからアームロックを狙う田澤。扇久保はそれを突き放すと、強烈な右フックを連打。扇久保のパウンドで「ドスン! ドスン!」という衝撃音が響き渡る。
田澤も果敢に下から三角絞めを狙うが、扇久保はそれをつぶして的確にパンチを落とす。扇久保はパウンドからパスガード。
田澤はサイドポジションを取られながらも、上手く立ち上がるが、ここは両者の体がロープの外に出てブレイクとなる。
再開後、田澤が右フック! 扇久保は自らガードを取って下になるが、すぐに上のポジションを取り返し、強烈なパンチを当てる。
2R、再び田澤が扇久保の組み際に右フック。扇久保の腕をキャッチしてアームロックを仕掛ける。必死にタックルでテイクダウンを狙う扇久保だったが、田澤が扇久保の腕をアームロックに捕らえたまま、扇久保の側頭部に細かいパンチを落とす。そして扇久保の腕を伸ばして、田澤が腕十字!
扇久保は腕を伸ばされながらも、体を反転させてここから脱出する。グラウンドで上のポジションをとった扇久保はサイドポジションで田澤を押さえ込んでパウンド。
田澤は扇久保がマウントを狙ったところで、足を入れてフルガードに戻す。扇久保は上体を起こして左右のフック! しかし田澤も下から細かくパンチを返す。
3R、扇久保はすぐにタックルで組み付くが、田澤は倒れない。それでも何とかテイクダウンを奪った扇久保。自分の頭を田澤の胸のくっつけて、田澤を押さえ込む。田澤は下からアームロックやスイープを狙いながら、扇久保にパウンドを許さない。田澤の足を超えようとする扇久保だが、田澤も見事なガードワークでそれを阻止する。
アームロックからポジションを返し、タックルで扇久保をロープに押し込む田澤。そして扇久保をテイクダウンすると、一気にパンチを落としていく。扇久保が下から三角絞めを仕掛けてスイープを狙うが、田澤は上のポジションをキープ。
扇久保のタックルに横三角絞めを合わせて、試合終了となった。1Rは劣勢に経たされた田澤だったが、2R以降は持ち前の粘り強さを発揮し、ドローに持ち込む結果となった。
▼第4試合 ウェルター級 5分3R
○ウエタユウ(PUREBRED京都/環太平洋同級7位)
TKO 1R3分23秒 ※レフェリーストップ
●風田 陣(ピロクテテス新潟/環太平洋同級10位)
デビューから4連勝、冨樫健一郎と引き分けた実績を持つウエタユウが後楽園大会初登場。これまで大阪、札幌、名古屋でキャリアを積んできたウエタは、後楽園でも強烈なインパクトを残した。
1R、拳を握らず、掌を相手に向けるような独特の構えのウエタ。そのまま上体をゆらりゆらりと降らしながら、じりじりとプレッシャーをかけていく。風田は下がりながら左右のローを蹴っていくが、ウエタはそれを裁きながら前に出て行く。
離れた間合いから右アッパーで飛び込むウエタは、風田の右ローをすくって右ストレート、左アッパーから右ストレート、インローをキャッチしてからのヒザ蹴りなど、徐々に手数を増やしていく。
そして風田のインローにドンぴしゃりのタイミングで右ストレート! この一発で風田の腰が落ちる。明らかに効いた素振りを見せる風田にウエタが右ストレート、鋭いジャブを風田の顔面に突き刺す。そして風田のパンチに再び、ウエタがカウンターの右ストレート! これで風田からダウンを奪う。
再開後、ウエタはすぐに風田に襲い掛かり、最後は強烈な右アッパー! これで風田がダウンしたところで、レフェリーが試合をストップ。ウエタが前評判通りの強さを見せ付けた。
ウエタによれば、あの独特の構えと戦い方は風田対策として考えていたもので、古武術や合気道を取り入れた動きだという。「今後もあの戦い方でいきますか?」という質問には「それは秘密です」と答えたウエタ。ファイトスタイルも含めて、これからの活躍が期待される。
▼第3試合 フライ級 5分2R
○ATCHアナーキー(パラエストラ東京)
一本 2R1分44秒 ※スリーパーホールド
●室伏カツヤ(roots)
1R、サウスポーのATCHに対し、左ミドルとインローを蹴る室伏。ATCHはなかなか距離を詰められない時間が続いたが、ラウンド後半、左右のフックで室伏の顔面を打ち抜く。室伏はテイクダウンからパンチを落とすものの、クリーンヒットはない。
2R、室伏の組み際に左フックを合わせるATCH。室伏は右ストレートからタックルに入るが、ATCHが室伏の首をキャッチしてフロントスリーパー! これがガッチリと入り、室伏がタップ。ATCHが4試合ぶりの勝利を手にした。
▼第2試合 ミドル級 5分2R
○奥野泰輔(GUTSMAN・修斗道場/環太平洋同級2位)
判定3−0 ※20−17、20−18、20−19
●大宮ハント(PUREBRED大宮)
1R、左ミドル、右ストレートを当てる奥野。一度は大宮にテイクダウンを許すものの、すぐに立ち上がり、逆に自分がテイクダウンを奪う。サイドポジションからV1アームロックを狙う奥野は、そこからマウントポジションに移行し、パンチを落とす。
2R、ここでも右ストレートを当てる奥野。大宮のラバーガードを外してパンチを落とす。巣丹でも左フック、右ストレート、左ミドルを当てる奥野。大宮が蹴り足をキャッチしてグラウンドでバックを奪うものの、極めることが出来ず。奥野が判定勝利で2連勝を飾った。
▼第1試合 フェザー級 5分2R
△根津優太(和術慧舟會東京本部)
ドロー 判定1−0 ※19−19、19−19、20−18
△マイク・ハヤカワ(シューティングジム大阪)
1R、左フックからの右ストレートで前に出るハヤカワ。根津もそこに左アッパーを打ち返す。ハヤカワは離れた間合いから左フックで飛び込み、しつこくテイクダウンを狙い続ける。
2R、テイクダウンを許す根津だがオモプラッタ、フットチョークで攻め立て、腕十字やアームロックと次々にサブミッションを仕掛ける。試合がスタンドに戻ると左ミドル、左フック、アッパーと攻撃を繰り出す根津。
やや劣勢に立たされたハヤカワだったが、果敢に根津とパンチで打ち合う。結果はドローに終わったが、客席から拍手が起こる熱戦となった。
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