最新の試合を題材に、打撃のスペシャリストである筆者が打撃技術を分析していく。その第23回目は、3・5『戦極』旗揚げ戦で約1年ぶりの復帰戦を勝利で飾った五味隆典だ。筆者が見たさらにレベルアップした五味の打撃技術とは? そして、今後予想される「苦戦するタイプ」とその対処法をズバリ指摘する!
■以前に比べて肩の力が抜け重心が落ちている
正直、ブランクがある五味にとっては、やや荷が重い相手だと思われたが…そんな懸念を吹き飛ばすかの様に、結果は終始打撃で圧倒しての見事なTKO勝ち。まったく危なげなかった。ブランクを微塵も感じさせず、逆に以前の五味以上に力をつけてきた様にさえ思えた。
序盤、いつものややスタンスの広いサウスポー構えを見せる五味だが、以前に比べて非常に肩の力が抜けて重心が落ちているのを感じた。それゆえ、相手への反応が非常に滑らかで柔軟性に富んでいるため、ディフェンスからオフェンスへのつなぎにタイムラグが生じず、常時カウンター効果を打撃に生みだすことが可能なため、見た目以上に攻撃が効くのである。
また、万一パンチなどを被弾したとしても、柔軟性に富んだ体へのパンチはスプリング作用が生じ、パンチの威力自体も抑制してしまう。さらには相手の攻撃を冷静に見極めやすくなる=防御勘も相乗的に増すものである。
五味の構えすべてが、自身の攻防力を以前にもまして格段にレベルアップしているといえる。ブランクの間にどの様なトレーニングを実践してきたかは存じていないが、相当自身の能力を知り課題を設けた上で、その課題克服に向けたトレーニングを実践しているのでは? と試合を見ていて率直に感じた。
■ラドウィックのリーチに優った攻防一体の技
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吉鷹弘の「打撃」研究室 第23回 内容
■以前に比べて肩の力が抜け重心が落ちている
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■ラドウィックのリーチに優った攻防一体の技
■五味にもし打撃の打ち合いで不覚をとらせるとしたら…
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