FEG 「DREAM.7
フェザー級グランプリ2009 開幕戦」 2009年3月8日(日)さいたまスーパーアリーナ 開場15:00 開始16:00
▼メインイベント(第9試合) フェザー級GP1回戦 1R10分・2R5分 ○今成正和(Team-ROKEN) 判定2−1 ●山本 篤(KRAZY
BEE) フェザー級GP開幕戦のメインは今成VS山本の異次元対決。足関十段の異名を持ち、DEEPでは2冠王となった日本が世界に誇るグラップラー。PRIDE武士道以来となるビッグイベントのリングで結果を残すことが出来るか?
一方の山本は山本“KID”徳郁の一番弟子で日本の軽量級トップファイター。DREAMでは昨年、KIDとの対戦を熱望する所英男を下している。山本のセコンドにはKID、今成のセコンドには青木真也がつく。 1R、ガードを下げてサウスポーに構える今成。山本は今成のトリッキーな動きを警戒してか、無理に距離は詰めない。下がりながら左ミドルを蹴っていく今成。
これを数発受けた山本だったが、山本が今成の左ミドルにカウンターの右ストレート! これで今成が尻餅! 山本は一気にパウンドで襲い掛かっていくが、今成はガードポジションからすぐに腕十字を狙う。 今成の体を潰してそれをディフェンスする山本。今成はラバーガードからオモプラッタ、山本の手をコントロールして三角絞めを狙うが山本のディフェンスは固い。ここはブレイクとなり、山本にイエローカードが提示される。 ブレイク後、今成の左ミドルに右ストレートを合わせる山本。今成はそれを受けて山本の足を取ろうとするが、山本もすぐに離れる。山本に対して完全に横に構える今成。山本はそこに右ローを蹴っていく。今成はオーソドックスに構えを変えて右ミドル、サイドキックを出す。 山本が右ストレートで飛び込むと、今成は自らがその場に座るようにして引き込む。そして今成がガードポジションから三角絞めからオモプラッタ、そして腕十字!
山本は必死に体を回転して、ここから脱出。今成はその動きに合わせて、サイドポジションで山本を押さえ込む。 サイドポジションから今成は腕十字! しかし山本も腕を抜いてそれをディフェンスする。ガードポジションになる今成はすぐにラバーガードで山本の動きを固める。山本はコツコツとパンチを落とす。 2R、ここもトリッキーな構えから左ストレートを見せる今成。山本は今成が引き込もうとすると、山本はすぐに距離を取る。
今成は右ストレートから飛び込んで、タックルからガードポジションに引き込む。しかしここは両者、動きが止まってしまいブレイク。今成にイエローカードが提示される。 再開後、両手を前に出して完全に横を向いてしまう今成。蹴って来いと言わんばかりの構えだが、山本は細かくローを蹴るだけとなる。逆に手招きをして今成を挑発する山本。今成が左ミドルを蹴ると山本も右ストレート。今成は山本の右ストレートに合わせて組み付いて引き込む。 残り1分、今成がラバーガードから三角絞め、そして顔面蹴り上げ。山本は立ち上がってスタンドを要求するが、今成はすぐにタックルから引き込み。
今成がガードポジション、山本がインサイドガードという状態で試合終了となった。どちらも譲らない試合展開だったが、判定はスプリットで今成! KIDの愛弟子を下し、2回戦進出を決めた。
▼セミファイナル(第8試合) DREAMフェザー級グランプリ1回戦 1R10分・2R5分 ○高谷裕之(高谷軍団) KO 2R0分40秒 ※右ストレート→パウンド ●キム・ジョンウォン(韓国/Team
Yoon) HERO’Sのリングでは適正体重よりも重い70kgで戦っていたため、持ち味を発揮することが出来なかった高谷。ベストウエイトとも言えるフェザー級で“喧嘩番長”ぶりは爆発するのか?
対するジョンウォンは今回が総合格闘技デビュー戦となる韓国の柔道家。柔道ではアトランタ五輪出場をはじめ、国際レベルで活躍した選手。
一部ではプロボクサー並みのパンチを持つとも報道されている。この未知の相手を前に高谷はどんな試合を見せるのか? 1R、じりじりとプレッシャーをかけて前に出る高谷。ジョンウォンがロープを背負うと高谷が左フック! ジョンウォンが右ストレートを放つと、高谷はそこに右ローを合わせる。
ジョンウォンもタックルを狙いながら左フック。高谷はジャブを突いて右ロー。ジョンウォンをコーナーに詰めて左フックを放つ高谷だが、ジョンウォンも頭を振ってそれをかわす。
高谷の右ローに右ストレートから左フックで飛び込むジョンウォン。高谷は強烈な右ローでジョンウォンの足を止める。 ジャブを突くジョンウォンに対し、高谷は左ミドルを返す。高谷は細かいパンチで前に出て左フック、そして右ロー。この右ローがジョンウォンの足を捉えるが、ジョンウォンは高谷の蹴り足をとってテイクダウンを奪う。
高谷はコーナーを背にして立ち上がろうとするが、ジョンウォンは高谷の腰で両手をクラッチし、高谷を寝かせようとする。何度かバランスを崩す高谷に対し、テイクダウンは許さない。 ブレイク後、左フックから右ローを蹴る高谷。そしてジャブを突きながら高谷が左フック! ローのカットが出来ないジョンウォンに高谷はジャブ&右ローを徹底。ジョンウォンはその蹴り足をとって、テイクダウン。
高谷は尻餅をつくようにして立ち上がり、ロープ際でブレイクを待つ。残り1分、高谷がジャブをつきながら右ロー。ジョンウォンの右ストレートを空振りさせると、すぐに右ストレートを返す。さらに高谷の右ローでジョンウォンの足が止まる。 2R、高谷はすぐに右ロー、ジョンウォンのパンチを空振りさせて左フックから右ストレートを返す。高谷は圧力をかけてジョンウォンをロープに詰めると右ストレート!
この見事なカウンターがジョンウォンの顔面を打ち抜き、ジョンウォンがダウン! 高谷がパンチを落としたところでレフェリーが試合をストップ。高谷が豪快なKO勝利で1回戦をクリアした。 試合後、マイクを握った高谷は「ファンのみなさん、遠いところまで足を運んでいただき、ありがとうございます。そして高谷軍団のみんな、ありがとう。また5月にここに戻ってくるんで、ぶっ倒すような試合をするんで、応援よろしくお願いします」とファンにメッセージを送った。
▼第7試合 DREAMフェザー級グランプリ1回戦 1R10分・2R5分 ○前田吉朗(パンクラス稲垣組/元フェザー級キング・オブ・パンクラシスト) 判定3−0 ●ミカ・ミラー(アメリカ/アメリカン・トップチーム) 日本軽量級のトップファイター前田がDREAMのリングに登場! 山本“KID”徳郁との対戦が希望されてきた前田がついにKIDと同じ舞台に立つことになった。
しかし対戦相手のミラーは総合格闘技の超名門アメリカン・トップチームが送り込む軽量級の雄。
フェザー級離れした183cmという身長のグラップラーで、前田もこのリーチ差には「嫌なんじゃないですかね」と警戒心を見せている。何とミラーは青木真也ばりにロングスパッツを着用して試合に挑む。 1R、サウスポーの前田に対してオーソドックスに構えるミラー。前田はミラーの左に回りながら右ローを蹴る。前田がテイクダウンを狙ったところで、勢いあまってしまいミラーがロープの外にまで出てしまう。
ブレイク後、ミラーは長身を生かして首相撲からのヒザ蹴り。前田はボディに左ストレートを放ち、距離を詰めようとするが、ミラーの首相撲に捕まってしまう。 組みの攻防になるとやや引き込み気味にガードポジションになるミラー。ここからラバーガードで前田の動きを固めようとするが、前田はミラーの足をまたいでパスガードを狙っていく。
ハーフガードで上になる前田はミラーの奥の脇を差してわき腹にヒジ打ち。ミラーは長い手足をいかして前田のパスガードを阻止し、再び前田をラバーガードに捉える。
がっちりとラバーガードで前田の動きを固めるミラーだったがここはブレイク。両者にイエローカードが提示される。 再開後、ミラーはすぐに引き込んで下からアームロック。前田は腕を抜いてパウンドからパスガードを狙うが、ミラーはラバーガードからオモプラッタ! 前田はミラーの足を手で持って、ミラーの体をまたぐようにしてディフェンス。
ミラーの足関節を潰しながら、前田が上のポジションをキープする。それでもしつこくヒールホールドを狙うミラー。前田はそれをディフェンスしながらミラーの顔面にパンチとカカト落とし。最後はミラーがグラウンドで上を取ったところでラウンド終了となった。 2R、ここも右回り&右ローの前田。ミラーが距離を詰めてくると右フックを打つ。ミラーがバランスを崩してグラウンドで下になるが、すぐにタックル。
ミラーは強引にテイクダウンを狙いつつ、ガードポジションに引き込む。そしてミラーはすぐにラバーガード。しかし前田は頭を抜いてパウンド、立ってスタンドを要求する。 ブレイク後、右ストレートを伸ばして前に出るミラー。前田も右フックを返すが、ミラーは首相撲からヒザ蹴りを突き上げる。前田をロープに詰めてテイクダウンを狙うミラーだが前田は倒れない。
ミラーの右ストレートに見事なカウンターのタックルを合わせてテイクダウンを奪う前田。立ち上がろうとするミラーの足を畳んで、前田がミラーをマットに寝かせる。
足を抜いてパスガードを狙う前田。ミラーはそれに合わせてバックを狙うが、前田もそれを阻止。終了間際、ラバーガードから腕十字を仕掛けたミラー。前田は腕をクラッチして極めさせない。 判定は前田が3−0で勝利。ミラーの長い手足を駆使したラバーガードに苦戦したものの、しっかりと結果を残した前田。2回戦以降の爆発に期待したい。
▼第6試合 ライト級 ワンマッチ 1R10分・2R5分 ○川尻達也(T-BLOOD) 一本 1R4分5秒 ※チョークスリーパー ●ロス・エバネス(アメリカ/BJ・ペンMMA)
※エバネスは契約体重を1.5kgオーバー、イエローカード1枚からのスタート 青木と並ぶDREAMライト級の日本人エース・川尻。大会直前での参戦決定となった川尻の相手は、あのBJ・ペンの弟子でもあるエバネス。
試合前の公開練習では「この試合はGP、青木君、石田君の試合との勝負でもある。自分がDREAMライト級を盛り上げる」と宣言していた川尻だが、その言葉通りの試合を見せることはできるか?
会場で流された煽りVTRでは川尻が戦極を主戦場にする五味隆典に対してコメントする場面も。エバネスは前日計量でリミットをオーバー。試合前にイエローカードが提示されてからの試合となった。 1R、サウスポーのエバネスにインローを蹴る川尻。右ストレートで飛び込むと、エバネスも左のパンチを返す。距離が離れるとエバネスが飛びヒザ蹴り!
川尻はそれをキャッチしてエバネスからテイクダウンを奪う。ガードポジションから川尻の体を蹴り離し、エバネスは立ち上がる。 エバネスをロープにまで押し込む川尻。エバネスは川尻の足を抱えてテイクダウンを奪うが、川尻はすぐに立ち上がり、逆にエバネスをテイクダウン。
川尻はしっかりとマウントポジションをキープし、エバネスの動きに合わせてバックへ。最後はチョークスリーパーでエバネスからタップを奪った。 「ルールは守れないやつは懲らしめてやろうと思いました。DREAMはしっかりしたリング、これからはきっちりやっていきます」と計量をオーバーしたエバネスを口撃。 そして「みんな楽しいですか? 格闘技は好きですか? DREAMは好きですか? 僕も好きです。このリングをもっともっと盛り上げるから。それで一つだけわがまま言わせてください。
5月、DREAM9、ぜひJ.Z.カルバンと次期挑戦者決定戦でやらせてください。これは僕のワガママなんで、みなさんも盛り上げてください」とカルバンとの対戦をアピール! ライト級注目の一戦は実現するか?
▼第5試合 74kg契約 ワンマッチ 1R10分・2R5分 ○青木真也(パラエストラ東京/DREAMライト級GP準優勝) 一本 1R5分58秒 ※チョークスリーパー ●デイビッド・ガードナー(アメリカ/チーム・クエスト・サウス)
今年はウェルター級GP挑戦を表明した“DREAMの大黒柱”青木が今大会に緊急参戦! GPに向けての前哨戦として74kg契約でアメリカのガードナーと対戦する。
ガードナーはステルスと呼ばれる見えないパンチを武器とする31歳のベテラン。青木はきっちりと一本勝ちを収め、GPに弾みをつけることが出来るか? 1R、サウスポーの青木は距離を測りながら、ガードナーがパンチを打とうとしたところで片足タックル。これは切られた青木だったが、ハーフガードから引き込んで見事なスイープ!
グラウンドで上のポジションを取った青木はすぐにガードナーの後ろに回りこみ、バックでポジションをキープする。 しっかりと両足を四の字クラッチしてガードナーの動きを固める青木。スリーパーをディフェンスしようとするガードナーに対して、青木は後ろからガードナーの顔面にパンチを入れる。
青木は強引にスリーパーを狙っていくが、ガードナーも必死にそれを阻止する。そしてガードナーの動きに合わせて青木が三角絞め! 鮮やかな動きでガードナーを三角絞めに捕らえた青木だったが、ガードナーも頭を抜いて立ち上がることに成功する。 試合がスタンドに戻ると、青木はガードナーの左ローをキャッチし、ガードナーを後方に投げてテイクダウンを奪う。そしてすぐにバックに回り込んだ青木。
ここでガードナーは「大丈夫」と言わんばかりに客席に手を振るのだが、ここで首ががら空きになってしまい、青木はそこに腕を回してチョークスリーパー! これががっちりと入り、ガードナーはタップ! 自ら墓穴を掘るような形になり、ガードナーの一本負けとなった。 試合後、青木は「ハロージャパン!」と挨拶。(※試合後の青木によると、ガードナーは客席に手を振った時に「ハロージャパン!」と言っていたという…)「正直、ウェルター級は怖かったです、怖かったです、怖かったです。でも青木真也は今年もDREAMを背負って世界を駆け抜けます!」とアピールした。
▼第4試合 ライト級 ワンマッチ 1R10分・2R5分 ○石田光洋(T-BLOOD) 判定3−0 ●中村大介(U-FILE
CAMP) 昨年の大晦日に所英男に勝利した中村。必殺の腕十字を武器に連戦連勝し、DREAMライト級の台風の目となりうる存在だ。
逆に石田はチョン・ブギョンに不完全燃焼の判定勝利、宇野薫には一本負けを喫してしまった。波に乗る中村VS復活を期する石田という図式の試合となった。混沌とするDREAMライト級で生き残るのはどっちだ? 1R、サウスポーの石田に対し、中村はガードを下げた構えからプレッシャーをかける。石田を下げさせて右ミドルを蹴る中村。そして中村が石田の顔面に右ストレートを放つ。石田は距離を測りつつ右アッパーから左ストレート、そのままタックルでテイクダウンを奪う。 ガードポジションを取った中村はそこからアームロック、そして得意の腕十字へ! しかし石田は中村の体を潰して、中村の体をがぶるとポジションをキープしながらヒザ蹴り。中村は背中を見せるようにして立ち上がり、石田のタックルにアームロックを仕掛ける。 石田は中村の体を持ち上げてテイクダウン! しかし中村はマットに叩きつけられながらもしっかりとアームロックの形を作る。
中村のアームロックに長く捕まっていた石田だが、腕を抜くと四つんばいの中村にヒザ蹴り。さらに石田は中村の後ろに回りこむとスープレックスで投げ飛ばす。やや守勢に回る中村だったが、ガードポジションから石田の右腕を取ってアームロックを狙う。 石田はハーフガードから脇を差して起き上がろうとする中村をがぶってヒザ蹴り。中村はそこから頭を抜いて逆に石田のバックに回りこむ。
石田はその中村を前に振り落とすが、中村はここからでもアームロックを狙う。その後もひたすらアームロックを狙い続ける中村だが、腕十字の形にまでは持ち込めない。
石田はアームロックの形を崩して上四方固めで押さえ込みながらヒザ蹴り。中村は石田の体を押し離して立ち上がる。 中村は石田をコーナーに詰めて右ハイキック。じりじりとプレッシャーをかけて石田を後退させる中村。左フックで飛び込むが、そこに石田がカウンターのタックル! 中村が腕十字を狙ったところでラウンド終了となった。 2R、ここも右ミドルで前に出て行く中村。石田は中村の右ストレートにタックルを合わせるが、中村は倒れない。一度はタックルを切られた石田だったが、すぐに片足タックル。中村は飛び付き腕十字を狙うが、石田もすぐにそれをディフェンス。ハーフガードで中村をしっかりと押さえ込む。 ここでもアームロックを狙う中村。フックガードの形から石田の体をひっくり返す。一瞬、マウントポジションを許した石田だったが、すぐにタックル。
中村はポジションを許しながらアームロックを狙っていく。終了間際、中村はアンクルホールドを仕掛けるが極めることが出来ない。 判定は3−0で石田。レスリング&ポジションキープで中村の持ち味を消した石田が、約1年ぶりの日本での白星を手にした。
▼第3試合 DREAMフェザー級グランプリ1回戦 1R10分・2R5分 ○エイブル・カラム(アメリカ/Cullum
Ground Fighting) 判定3−0 ●西浦“ウィッキー”聡生(STGY) “ファイティング・アーティスト”ウィッキーがDREAMに初参戦。ガードをだらりと下げた独特の構えから繰り出されるハードパンチ。世界を見渡しても他に類を見ないトリッキーなファイトはDREAMのファンに衝撃を与えるはずだ。 そんなウィッキーと対戦するカラムはニューメキシコ州出身のKOTCフライ級王者。寝技での一本勝ちが多いグラップラーで、トレードマークがカウボーイをモチーフにしたウエスタンファッションという、ウィッキーに負けず劣らずの個性派ファイターだ。 1R、この日もサウスポーでガードをダラリと下げた構えで前に出るウィッキー。カラムはそれを無視するようにタックル。これを切られると引き込んで寝技に持ち込む。ウィッキーはカラムの顔を突き放そうとするが、カラムは足でウィッキーの体を浮かせてタックルに入る。 これを切られるカラムだが、すぐに右ストレートで前進。そこにウィッキーが右フックのカウンターを合わせるが、カラムはしつこいタックルでウィッキーの体を持ち上げてテイクダウンを奪う。ウィッキーの足を超えてマウントを狙うカラム。 ウィッキーはブリッジを効かせて上のポジションを取り返す。しかしカラムはガードポジションからウィッキーの腕を抱えてアームバー、そして腕十字! ウィッキーは腕を抜いてパウンドを落とすが、カラムはガードから次々とサブミッションを仕掛け、タックルに入る。 立ち上がるウィッキーに対し、カラムはタックルで突進。そこにウィッキーは右フックを狙うが当たらない。タックルで倒せないと見るや引き込むカラム。ウィッキーは頭を抜いて立つ。再びスタンドでは右フックを狙うウィッキーだったが、カラムもカウンターの右フック! これでウィッキーが尻餅! そのままグラウンドで上を取ってたカラムはパスガード、マウントポジションを狙う。ここでもウィッキーはブリッジで上を取り返すが、カラムはガードからアームロック、腕十字、横三角、オモプラッタとサブミッションのオンパレード! ウィッキーは極める形こそ作らせないものの、カラムの関節技地獄から逃れられない。カラムは寝技で距離が開くと、すぐにタックルでウィッキーをコーナーまで押し込む。そして立ち上がろうとするウィッキーのボディにヒザ蹴りを突き刺す。 スタンドで距離が開くと、ウィッキーが左ハイキック! しかしカラムはそれをうけても、前に出てウィッキーをテイクダウンする。そしてすぐにマウントを取るカラム。背筋を伸ばしてウィッキーの顔面にパンチと鉄槌を落とす。 足を入れて何とかガードに戻すウィッキーだったが、カラムはすぐに足をまたいでパスガード。マウントポジションからパウンドでダメージを与えて、イノキ・アリ状態から飛び込むようなパウンド。さらにはフライングニールキックまで見せる。 2R、ワンツーで突っ込むカラム。ウィッキーはそこに右フック。しかしカラムはタックルでウィッキーをロープに押し込み、ウィッキーのバランスを崩してヒザ蹴り、バックを狙う。結果的にはグラウンドで下になるカラムだったが、ガードポジションから足を利かせてタックル。ウィッキーをマットに寝かせて、しっかりと上を取る。 カラムはサイドポジションからウィッキーのボディにヒザ蹴り。マウント、バックとポジションを変化させる。ウィッキーはブリッジで正対、カラムのタックルを切ってヒザ蹴りを入れる。
ブレイク後、ウィッキーは左ミドルを蹴り、カラムが前に出てくるところに右フックを連打。タックルを切られたカラムはガードポジションに引き込んで、三角絞めと腕十字。ウィッキーは頭を抜いてパンチを落とし、カラムを立たせる。 試合がスタンドになると、ここでもウィッキーの右フックがヒット! これでぐらついたカラムだったが渾身のタックル! これでウィッキーをテイクダウン。一度は下になるカラムだったが、すぐにタックルで上のポジションを取り返した。判定は3−0でカラム。サブミッションを中心とした見事なグラウンドムーブを見せたカラムが2回戦に駒を進めた。
▼第2試合 DREAMフェザー級グランプリ1回戦 1R10分・2R5分 ○ジョー・ウォーレン(アメリカ/チーム・クエスト/2006年レスリング世界選手権グレコローマン60kg級優勝) TKO 1R終了時 ※ドクターストップ ●チェイス・ビービ(アメリカ/HITスクワッド/元WEC世界バンタム級王者) アメリカWECの元チャンピオンで、このGPの優勝候補大本命であるビービ。レスリングをベースにし、打撃も組み技もそつなくこなすトータルファイターで最先端のMMAを見せてくれるファイターだ。
すでに確かな実績を持つビービとは対照的に今回が総合格闘技デビュー戦となるウォーレン。世界レベルのレスラーだったウォーレンはDREAMでもそのポテンシャルを発揮できるか? 1R、いきなりタックルで組み付いてヒザ蹴りを放つウォーレン。ウォーレンは大きな右ストレートから前に出て、タックルを切られるとすぐにヒザ蹴りを突き上げる。その後もパンチで距離を詰めて首相撲からヒザ蹴りを出すウォーレン。ビービはそこにクリンチアッパーを突き上げる。 ブレイク後、ウォーレンは右ストレートで飛び込み、タックルからヒザ蹴り。ビービはジャブを突いてワンツー。
ウォーレンはプレッシャーをかけてビービを下がらせて、ロープ際で強引なスープレックス! ビービはこれを潰してバックを狙うが、ウォーレンもすぐに体を起こして立ち上がり、ポジションを許さない。 突っ込んでくるウォーレンに対して、距離を取って右ローを蹴るビービ。ウォーレンはジャンプしてから右ストレート(※スーパーマンパンチ)で飛び込みタックル。抜群のレスリングの強さを見せるウォーレンはヒザ蹴りでビービを攻め込む。ビービもウォーレンの突進に左フック、右アッパーを合わせるが、ウォーレンの勢いは止まらない。 ウォーレンのタックルを受けてギロチンを狙うビービ。しかしウォーレンはそれをディフェンスして、ひたすらタックルでビービを下がらせる。
距離を取ってジャブ、左フック。ワンツー、右フックを放つビービ。ウォーレンは前蹴りでビービを下がらせて右ストレート! ビービがタックルからテイクダウンを試みるが、ウォーレンは倒れない。 再び右ストレートで飛び込むウォーレン。ここまで何とかタックルを切り続けてきたビービだったが、ウォーレンはビービを高々と組ち上げてテイクダウン!
インサイドからパンチを落とすウォレーン。ビービはガードポジションからウォーレンの体を蹴り離して立つ。ウォーレンは前蹴りでビービを下がらせ、ビービはそこに右アッパー。 ウォーレンはビービをロープに押し込んでテイクダウン。ビービは下から腕十字を狙うが、ウォーレンは必死に腕を抜いてディフェンス。
ビービは再び腕十字や三角絞めを狙うが、ウォーレンはそれを許さない。ビービはガードからのオモプラッタでスイープ狙い。しかしウォーレンはここでもバランスを崩さずに立ち上がる。 そして試合がスタンドに戻ると、ウォーレンが飛びヒザ蹴り! これがビービの顔面を打ち抜く! ウォーレンはそのままビービをタックルでテイクダウン、ビービはウォーレンのヒザ蹴りで額から大量の出血。ビービの顔が鮮血で染まる。ラウンド終了後、ビービにドクターチェックが入ると、ドクターが試合をストップ! 総合デビュー戦のウォーレンが、山本“KID”徳郁も対戦を希望していた優勝候補のビービを撃破する金星を挙げた。
▼第1試合 DREAMフェザー級グランプリ1回戦 1R10分・2R5分 ○ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル/レボリューション・ファイトチーム) 判定3−0 ●大塚隆史(AACC) 今大会で開幕戦を迎えたフェザー級GP、第1試合を飾るのは大塚VSビビアーノの一戦となった。大塚は海外での実績があり、昨年DEEPでブレイクを果たした期待の新鋭。レスリングをバックボーンに持ち、豊富なスタミナで常に動き続けるノンストップファイトが武器だ。対するビビアーノは柔術元世界チャンピオンで、HERO’Sでは山本“KID”徳郁を後一歩まで追い込んだブラジリアン。このGPの中でも優勝候補の一人に上げられている。 1R、ローで様子をうかがうビビアーノ。大塚はそれを取ってタックルに入るが、ビビアーノはそれを切る。そして首相撲からヒザ蹴りを突き上げるビビアーノは逆にタックル! これで大塚からテイクダウンを奪うとハーフガードで上になる。下から必死にビビアーノの体にしがみつく大塚。 ビビアーノは大塚の足のクラッチに手を入れてパスガードを狙うが、大塚もそれについていく。再びハーフガードで上になるのはビビアーノ。大塚の体をロープに詰めて、イノキ・アリ状態からパンチを落とす。ビビアーノは大塚の足をまたぎながらパウンド。この状態でレフェリーはブレイクを命じ、ビビアーノにはイエローカード。ビビアーノは思わず「Why?」と首をかしげる。 再開後、右ローを蹴っていくビビアーノに、大塚はパンチで飛び込んでいく。大塚の右フックにタックルを合わせるビビアーノ。このタックルは切られたビビアーノだったが、すぐに大塚の足を手で取ってテイクダウンを奪って、間髪入れずにパンチを落とす。 ブレイク後、大塚は左フックから前に出るが、ビビアーノは四つ組みで組む。距離が開くと、両手を広げてビビアーノを挑発する大塚。
ビビアーノは組み付いて大塚のボディに右ヒザ蹴り。ここはテイクダウンできないビビアーノだったが、スタンドでは強烈な右ローを飛ばす。ワンツーで飛び込む大塚。ビビアーノは大塚のローに右ストレートを合わせる。 スタンドではローとミドルを出す大塚。ビビアーノはその右ローを受けると、すぐに右ストレート。前に出てくる大塚にはカウンターの左フックを合わせる。
そしてビビアーノが鋭い片足タックルから大塚のバックに回り込み、そのまま大塚をロープに押し込む。しかし大塚もテイクダウンは許さない。左フックから前に出る大塚。ビビアーノは大塚の右アッパーにタックルを合わせ、それを切られるとボディにヒザ蹴り! これが大塚の腹部に突き刺さる。スタンドに戻ってもビビアーノが右フックから片足タックル。その後もビビアーノはタックル→切られるとすぐにヒザ蹴りやパンチという攻撃を繰り返す。 2R、軽くジャブを出して様子をうかがう大塚。ビビアーノはガードを高く上げて、距離を取ってそれをさばく。パンチのフェイントから右ローを蹴る大塚に対し、ビビアーノもすぐに右ローを返す。
ジャブを突くビビアーノ。そして大塚の右フックに片足タックルを合わせると、大塚の体を振り回すようにしてバックへ! 素早い動きで大塚から完璧なバックポジションを奪ったビビアーノは、首に手をかけてチョークスリーパー! このままビビアーノの一本勝ちかと思われたが、大塚はビビアーノを背中に背負うようにして、立ち上がってそれを阻止。ポジションをキープできないと判断してか、ビビアーノは手と足のロックを外して大塚と向き直る。距離が離れるとビビアーノが右ストレート! 大塚のタックルを狙うが、ビビアーノは倒れない。ビビアーノは右ミドルから右ストレート。大塚のミドルをキャッチすると、再び片足タックルからバックへ。何とかそれを切る大塚だったが、どうしても後手に回ってしまう。 ブレイク後、大塚は右アッパーから左フック。組みでビビアーノがヒザ蹴り! これで大塚が倒れてタックル。何とかビビアーノをロープまで押し込む大塚だったが、ブレイクとなる。
再開後、ビビアーノが胴タックルで大塚に組み付いてサバ折りでテイクダウン。ビビアーノはパスガードを狙いながら、大塚の顔面にパンチを落とす。 大塚の蹴り上げを裁いてパスガード、バックポジションを狙うビビアーノ。ここで立ち上がった大塚は右アッパー! しかしビビアーノはそれをかわして大塚をテイクダウン。大塚の胸に頭をつけてコツコツとパンチを落とす。
ビビアーノが大塚の蹴り上げを潰して、バックを取りかけたところで試合終了となった。2年前のKID戦からよりパワーアップしたビビアーノが判定3−0で勝利。前評判以上の強さを見せ付けた!
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