最新の試合を題材に、打撃のスペシャリストである筆者が打撃技術を分析していく。その第28回目は、大晦日『Dynamite!!』で行われたDREAMの総合格闘家がK-1ルールでK-1ファイターに挑んだ3試合。結果はご存知の通り、K-1ファイターが全員1RでKO負けするという衝撃的な結末を迎えた。K-1ファイターはなぜ打撃で総合格闘家に敗れたのか?
■武蔵、武田幸三、バダ・ハリに共通する敗因
大晦日『Dynamite!!』にて、打撃を本職とする3選手が総合系の選手に全て1RKO負けするという大波乱が…果たしてこれは本当に波乱なのだろうか?
彼らの敗因を経験に基づく観点、及び自身が毎週総合の選手たちと打撃スパーをする観点から述べてみたい。
武蔵、武田、そしてバダ・ハリと打撃系で名だたる3選手すべてに一切の攻撃をさせず完封したムサシ、川尻、オーフレイム。
どの選手にも共通していえるのは後ろへ下がらされたところでファーストダウンを奪われ、そこからの繋ぎでKOされている。
下がらされているところをよく見ると分かるが、3選手共に重心を浮かされやや腕は開いたオープンブロック(ガード)になっている。なぜ下がらされると重心が浮くのだろうか?
相手に勢いよく突進してこられる状況を想像してもらいたい。どんな者でも必ず逃げよう、避けようとする本能的動作により上体が上に仰け反ってしまうからである。
これは相当体を練りあげる訓練を行っていないと回避することはまず無理だ。それでも何とかこの状況を避けようとするのだが、大抵の選手はこの状態からでも後ろへ下がって間合いを保とうするものである。
ただ重心が浮いたまま後ろへ下がる動作にはどうしても動作に無理があるため、不安定な状態をより促進してしまうものである。バランスを崩しかけるとこれまた本能的に両腕が開きがちになってしまうのだ。
平均台に乗って後ろへ歩く時に脇を閉じているものはおらず、必ず腕をやや広げてバランスを保持しようとするもの。この原理と同じで、どんな者でも両手を開いたガードになってしまうのである。
武蔵は下がるところへオープンガードの真ん中を右ストレートで捉えられた。武田は下がるところに左右のプッシュ気味のパンチで押し崩され、ややサイドを向いたバランスを崩した状態でブロッキングがないところへ左フックを被弾された。バダ・ハリも後ろへ下がらされ、そこへ右の引っ掛け崩しからの左飛びヒザ→左ストレートで追い打ちされた。
さらにここから吉鷹弘がK−1ファイター敗北の原因を細かく分析
続きはこちら→
※ここからは会員専用ページです。
続きを読みたい方で、非会員の方はGBR会員登録ページから登録をお願いします。
●今すぐ無料登録(GBR会員登録ページへ)
吉鷹弘の「打撃」研究室 第28回 内容
■武蔵、武田幸三、バダ・ハリに共通する敗因
※以下GBR会員の方のみご覧になれます。
■普段からステップワークを持ち合わせていれば…
■圧力負けしないために原点のあの練習方法が必要
|
|