「スック・ルンピニー+ラジャダムナン ルアンナムチャイスーチャイデンタイ」
2009年7月3日(金・現地時間)タイ・ルンピニースタジアム
▼第9試合(メインイベント)128ポンド契約
○センチャイ・ソー・キングスター
判定3-0 ※48-47、48-47、49-48
●ペッブンチュウ・F・A・グループ(1〜3R)
●サゲッダーオ・ペットパヤタイ(4〜5R)
この興行はファンからもムエタイの二大殿堂“ルンピニーVSラジャダムナン”とうたわれ話題を呼んだが、もう一つの目玉はセンチャイ一人に対し、ペッブンチュウとサゲッダーオの二人を闘わせるという奇想天外な試合が組まれたことだ。
試合前のくじ引きで1〜3Rはペッブンチュウが対戦する事に。両者は今年4月に対戦しており、その時はセンチャイの軽快なステップを前に、得意の組み技を全く生かすことが出来なかったペッブンチュウだったが、今回は3Rだけとあってか、ペッブンチュウは初っ端から猛突進し強引に組んだ状態に持っていく。
これではムエタイというよりは柔道の組み手を見ているような展開だったが、2Rに入り次第にセンチャイの蹴りも当たり始めた。
センチャイとしては相手へダメージを云々というよりは、自分のスタミナを維持させるための省エネ戦法の様な軽い蹴り方だった。3Rに入ると、センチャイの捌きでペッブンチュウが転ばされる事も。
試合がセンチャイに傾いてきたや否や、ここで相手がサゲッダーオに交代だ。サゲッダーオもペッブンチュウと同様に組んでのヒザの選手だが、それでもペッブンチュウの様な強引な距離の詰めは無かった。こうなると組む一歩手前の接近距離での打撃戦となるが、これはセンチャイの得意な距離ともいえた。
センチャイは前蹴りとミドルを交互に使って上手く距離をとる。4、5Rを通して有効打の数だけで言えばセンチャイが若干リードしていたか。ジャッジは3者ともセンチャイを勝者とした。
常にハンディマッチ(体重差)を強いられるセンチャイだが、この日も勝利後リング上で大の字になり、その解放感を体で表現。「もうこれ以上のハンディマッチは勘弁してくれ」とでも言いたさそうな辛い表情が印象的だった。
また、ルンピニーVSラジャダムナンのスタジアム対抗戦はルンピニー側が7勝1敗で大勝を収めている。
文・写真=「シンラパ・ムエタイ」Hiroshi Soda
|