▼WBC世界フェザー級タイトルマッチ 3分12R
○エリオ・ロハス(ドミニカ共和国/挑戦者・同級1位)
判定3−0 ※118−110、116−113、117−111
●粟生隆寛(帝拳/王者)
※ロハスが新王座に就く、粟生は初防衛に失敗。
粟生初防衛ならずーー。7月14日(火)超満員の後楽園ホールで行われたWBC世界フェザー級タイトルマッチ12回戦で、チャンピオンの粟生隆寛(帝拳)は1位挑戦者エリオ・ロハス(ドミニカ共和国)に3-0判定負けを喫し、王座を明け渡した。
「最強の挑戦者」の前評判はダテではなかった。元アマのトップ選手ロハスは立ち上がりから敏捷な動きに乗せてスピード豊な左右を繰り出した。サウスポーの粟生に対し、ジャブ、上下に打ち分ける右を多用してぺースに乗り、ポイントを蓄えていく。WBCの規則で4回と8回の終了時に公開された途中採点でも、ロハスは優勢を保った。
一方、相手の速い動きに思うように手の出なかったチャンピオンも、後半やや強引に出て、7、9回には左を強打してあわや逆転のチャンスをつかみかけた。しかしいずれもロハスが必死にクリンチ、ホールドに逃れると、粟生はそれ以上決定打を決める機会をつかめず、ズルズルと12回を終了。公式スコアは118−110、116−113、117−111と明白にロハスの勝利を告げていた。
試合後ロハスは「スピードの勝利」と自讃し、4ヵ月の短命王者に終わった粟生は「相手が上だった。うまかった」と潔く敗北を認めた。ロハスが「再戦の要望があれば、いつでも応じる。また日本にきたい」と語ったと聞かされると、「もちろん、やりたい。でも、それには僕がもっと強くなる必要があると思う」。無冠となった25歳は未だ発展途上。この敗北をバネに、さらなる成長を誓った。
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