パンクラス
「PANCRASE 2009 CHANGING TOUR」
2009年8月8日(土)東京・ディファ有明
開場15:00 開始17:00
▼メインイベント(第12試合) ミドル級戦 5分3R
○近藤有己(パンクラスism/暫定同級王者)
TKO 1R1分52秒 ※レフェリーストップ
●キム・キーボン(韓国/パンクラスコリア/MMAchoman)※初参戦
昨年9月『戦極〜第五陣〜』での佐々木有生戦以来、約10カ月振りに近藤有己(パンクラスism)が復帰戦を迎える。対するは、全国HAPKIDO選手権大会で2度の優勝経験を持ち、柔道・極真空手をベースとしているキム。近藤はお馴染みとなったエンヤの「Book Of Days」ではなく、「いまお気に入り」だというエレファントカシマシの曲で入場。
1R、サウスポーの近藤はパンチで入っていくと、キムも打ち合いに応じる。近藤がパンチをまとめて左ミドル。
ローから左フック、パンチを振り回すキムに確実に左ストレートをヒットさせて左ミドルに繋げる。
近藤の左ミドルに苦痛の表情を浮かべるキム、すかさず近藤がパンチでラッシュをかける。顔を仰け反らせながら打ち合いを挑むキムだが、近藤の右フックがヒットして仰向けに倒れる!
レフェリーが止めると同時にキムのセコンドからタオルが投入され、近藤が約10カ月ぶりの復帰戦を豪快なKO勝ちで飾った。
「本日はたくさんのご来場ありがとうございました。とにかく一生懸命に闘います! これからも応援よろしくお願いします」とマイクで叫んだ近藤は、四方に礼をして足早にリングを去っていった。
インタビュースペースでは正規王者の竹内出と「早い内に闘いたい。暫定王者がいつまでもいるのはうっとうしいと思うので、早くやりたいです」と、王座統一戦の早期実現を望んだ。
▼セミファイナル(第11試合) ミドル級キング・オブパンクラス タイトルマッチ 5分3R
△竹内 出(SKアブソリュート/第7代同級王者)
ドロー 判定1-0 ※29-29、28-27、29-29
△佐藤豪則(Laughter7/挑戦者・同級1位)
※竹内が初防衛に成功。
2007年11月に中西裕一を下して王者となった竹内が、約1年ぶりのパンクラス参戦。挑戦者に桜庭和志の愛弟子・佐藤を迎えての初防衛戦に臨む。竹内35歳、佐藤24歳と11歳差の対決となる。
1R、サウスポーの佐藤に対して、左側へ動いていく竹内。両者のパンチが交錯し、佐藤が自分のローキックでバランスを崩したところで竹内が組み付く。ブレイク。
佐藤のローに竹内が左フック、すぐに佐藤が右フックを返す。
竹内の右ボディストレート、佐藤はハイキックを返して右フック。倒れて下になった竹内にパウンドを見舞い、蹴りを見舞っていく。
素早く立ち上がった竹内を打撃で追い詰めて行く佐藤。両者のパンチが空を切り、佐藤は左インロー。竹内が意外な右ハイキック、佐藤は左ストレートで前へ出て、竹内がパンチを返してくると右フックを合わせる。追い詰めてく佐藤に竹内がタックルに入ったが、これはバッティングに。
再開後、佐藤が右フック、竹内が左フック。続く佐藤のインローがローブローになってしまい、口頭注意が与えられる。試合再開すると佐藤が左ミドル、左右のフックで突進し、右フックで竹内が尻餅をつく! 佐藤が竹内の上に座り込んだところで初回終了。王者がいきなりピンチを迎えた。
2R、強気にパンチを放っていく佐藤、ハイキックから右フック。巻き込まれるように倒れる竹内。すると佐藤は師匠・桜庭ゆずりの側転パスガードを見せる。
上になった佐藤だが、竹内はすぐに立ち上がってタックルでコーナーへ押し込んで行く。これもブレイクに。
竹内がパンチを出すと右フックを合わせる佐藤が左ミドル、さらに右フック。佐藤のパンチが面白いように当たり、インローもヒットする。下がる竹内に突っ込む佐藤。竹内が打ち合いを挑んでいくが、パンチは空を切る。佐藤の優勢、竹内ピンチ! ところが、竹内のパンチを目にもらった佐藤が竹内から目をそらしてレフェリーにアピールしてしまい、そこへ竹内が右の連打! パンチで追い込んでいき、両足タックル。
佐藤がフロントチョークの体勢になるが、竹内は首を抜いてガッチリと抑え込み、単発ながらパンチを落としていく。
3R、左へ大きく回りこんで行く竹内、佐藤がアッパーからフック。下がった竹内が左フックをヒットさせるが、佐藤は“効いてないよ”とアピールする。竹内のジャブに左ミドルを合わせる佐藤、左インローを連発。竹牛のパンチは空を切る。佐藤のインローからの左ストレート、竹内のパンチに合わせた右フックがヒット。
佐藤はフックで前に出てインロー。竹内の右インローには佐藤が顔をゆがめる。竹内は両足タックルで勝負をかけるが、ガブられてしまいブレイクに。
残り時間1分30秒、パンチで前に出る竹内だが、逆に佐藤のパンチをもらってしまう。組み付いた竹内を豪快に投げる佐藤、すぐに立ち上がった竹内はタックルに行くが、今度はフロントチョークに捕まってしまう。竹内はボディを殴りながら首を抜き、インサイドガードからパウンドを叩き込んでいく。ガムシャラに打ち続ける竹内!
佐藤はクロスガードで必死に耐える。試合終了のゴングが鳴ると、竹内は両手を上げ、佐藤はコーナーに飛び乗って両者が勝利をアピールする。
判定は……ジャッジ1名が竹内を支持したが、2名はドロー。竹内が引き分けで初防衛に成功した。
「今日は応援ありがとうございました。若い選手の勢いを体で受けて、1Rで終わっちゃうかと思ったんですが、諦めないでよかったです。勝てなかったのでもっと練習してレベルを上げて、去年戦極に出させてもらったのにダサい試合をして負けちゃったんで、また作り直して戦極で勝ってみたいと思います」と、竹内は戦極への再出撃を希望した。
▼第10試合 ライト級キング・オブパンクラス タイトルマッチ 5分3R
○真騎士(戦極育成選手/挑戦者・同級5位)
TKO 2R4分38秒 ※レフェリーストップ
●井上克也(和術慧舟會RJW/第2代同級王者)
※真騎士が第3代ライト級キング・オブ・パンクラシストに就く。井上は2度目の防衛に失敗。
戦極育成選手としてパンクラスに参戦している真騎士が、デビューして約1年、公式戦わずか5戦目にしてタイトルに初挑戦。
迎え撃つチャンピオンの井上は前・戦極ライト級チャンピオンの北岡悟と3戦して2勝1分と無敗、現チャンピオンの廣田瑞人とはケージフォースで対戦して引き分けている。タイトルの懸かった試合では1度しか負けたことがない鉄板王者に、真騎士はどう挑むのか?
1R、両者サウスポー。真騎士は珍しく慎重な立ち上がりだったが、左ストレートを叩き込むとバックに回って顔面へのヒザ蹴り。
コントロールしてグラウンドに持ち込む真騎士が上になり、井上は両腕をロックする。ブレイク。
飛びヒザ蹴りからストレートをブチ込む真騎士、踵での蹴りも繰り出す。動じない井上はジャブを突き、左ハイキック。真騎士が突進してタックルからテイクダウンを奪い、井上を持ち上げてバスター気味にマットに叩きつける。ブレイク。
井上が左ローキック、前に出ると真騎士が左右のストレートをヒットさせる! 下がる井上に真騎士がパンチでラッシュ! ストレートで何度も井上のアゴを跳ね上げた。
2R、真騎士の飛び込んでの右ボディで井上が苦痛の表情! 一気にパンチでラッシュをかける真騎士。凌いだ井上はローキックで距離をとりながら呼吸を整えるが、真騎士は右フックをボディに叩きつける。
ジャブ、右のボディ、飛んでの二段蹴りと攻める真騎士。片手をマットに着けての廻し蹴りも見せる。井上が左ローキックを二発、そして左フック。正面からの鉄槌打ちも繰り出す。井上のローキックを嫌がったように見えた真騎士だったが、矢のような左ストレートを突き刺すと、飛び込んでの右フック!
この一発が強烈にヒットし、崩れ落ちる井上! すかさずパウンドでラッシュをかける真騎士! 大の字になった井上は抵抗できず、レフェリーが試合をストップ! 戦極育成選手の真騎士が、鉄板の強さを誇った王者を破り早くもその腰にベルトを巻いた。
「一生懸命に頑張っている真騎士です。久しぶりに勝つことが出来て嬉しいです。次の試合に向けて頑張ります」と、真騎士は日本語でさらなる飛躍を誓った。
▼第9試合 ライト級戦 5分2R
○大石幸史(パンクラスism/ライト級1位)
判定2-0 ※20-19、20-20、20-19
●フィリップ・オリビエリ(ブラジル/ノヴァ・ウニオン)※初参戦
大石と対戦するオリビエリは、ノヴァ・ウニオン総帥アンドレ・ペデネイラス氏が自信を持って送り込む新鋭。7戦5勝1敗1ノーコンテストの戦績を持ち、勝利の全てをKO・一本で仕留めているという。
1R、大石がいきなりタックルに行くと、オリビエリは組んでのヒザ蹴り。さらに大石がタックルに入るとヒザを突き上げる。そのまま組み付いた大石。オリビエリは離れ際にハイキック。組みに行く大石にヒザを突き上げるオリビエリは、首相撲に捕らえると回しながらのヒザ蹴り。
オリビエリが左右フックから右ハイキック、大石は胴タックルで組み付くと、持ち上げてテイクダウンを奪う。オリビエリの下からの腕十字をかわすと立ち上がり、もう一度両足タックルから持ち上げてテイクダウン。
立ち上がったオリビエリは踊るように大石に襲い掛かり、パンチとハイキック。大石は組み付いてテイクダウンする。離れたところで、オリビエリがハイキックから右ストレート。前に出た大石が右フックをヒットさせ、後ろに倒れたオリビエリの上に乗って抑え込む。
2R、大石が左右フックから組みに行くとオリビエリがヒザ蹴り、構わずテイクダウンに行く大石だが、オリビエリはロープを掴む。大石がレバーブローからのタックルでテイクダウン、上からコツコツと殴る。下から仕掛けるオリビエリの技をかわし、大石はパンチと同時にパスを狙う。
立ち上がるオリビエリ、左右のストレートから飛びヒザ蹴り。大石がタックルに行くとオリビエリはまたしてもロープを掴む。ボディを叩いて胴タックルに行く大石に、ヒザを高く突き上げるオリビエリ。大石の左フックが炸裂!
オリビエリも組んで高くヒザを突き上げた。首相撲で回してヒザを蹴るオリビエリ。
パンチの打ち合いになるとオリビエリのパンチがヒット、さらに飛びヒザ蹴り。これでクラッときた大石はタックルに入るが、オリビエリはまたしてもロープを掴む。残り時間30秒、打ち合いを展開する両者。大石がレバーブロー、左フック。オリビエリは組んでのヒザ蹴り。激しくもみ合う中、ゴングが鳴った。
判定2-0で勝利した大石は、バテてフラフラのオリビエリの健闘を称えるとともに、着ていたTシャツをプレゼントした。
▼第8試合 フェザー級戦 5分2R
○アライケンジ(パンクラスism/フェザー級4位)
判定3-0 ※三者とも20-19
●村田卓実(和術慧舟會A-3)
1R、頭から突っ込んでいく村田にアライはハイキック、サウスポーのアライに対して村田は左へ回っていく。左フックから組み付こうとした村田の脇を差したのはアライの方、ロープへ押し込んだがブレイク。
村田の右ミドルとアライのバックキックが合い打ちに、村田がすぐに胴タックルで組み付く。これもブレイク。
今度は村田がバックキック、組み付くアライを村田が投げ、バックを奪ってスリーパーの体勢に!
逃れたアライをサイドから抑え込む村田、アライは村田を持ち上げるように立ち上がり、テイクダウンすると村田がフロントチョークの体勢に。
アライを蹴り上げて突き放す村田、アライは踵を落としてガードの中に入っていく。村田が下からのヒールホールド、アライはパンチを落としていった。
2R、村田が右ミドルから組みに行くと、アライはそれをかわしてバックへ回る。村田がアームロックの体勢になるが、アライは立ち上がる。村田が飛び付き、アライが上になってパンチ。すぐに離れる。
アライが左ミドル、村田のフックにアッパーを合わせる。組んできた村田のバックを奪ってスリーパーを狙っていき、バックからパンチ。ハーフガードになる村田に肩固めを狙う。脱出した村田を抑え込みながら、パンチを落としていくアライ。
残り時間1分、ハーフガードの村田にパンチを見舞っていくアライ、村田は蹴り上げて脱出し、すぐタックルに行くがやはりアライが上になってパンチを落とす。村田は下からの蹴り上げ。アライが判定3-0でランカーの意地を見せた。
▼第7試合 ウェルター級戦 5分2R
△鳥生将大(パンクラスism/同級2位)
判定1-0 ※20-20、20-19、19-19
△窪田幸生(坂口道場 一族)
1R、両者サウスポースタイルから、パンチで積極的に攻めていくのは窪田。鳥生が組み付いてコーナーへ押し込みヒザ蹴り、窪田は足踏み付け。ヒザ蹴りがローブローとなって鳥生に口頭注意が与えられる。
再開後、ワンツー&左フックで前へ出る窪田に、鳥生はローキック。左フックから組み付いてきた窪田を鳥生がコーナーへ押し込み、足へのヒザ蹴り。ブレイク後、窪田が左右フックをヒットさせて鳥生の左目尻から出血が見られる。
鳥生がローキック、窪田は左フック。窪田のバックブローに鳥生がハイキックを返し、鳥生が左フックで猛然とラッシュをかけて追い回したところで初回が終了した。
2R、ジャブの合い打ちから窪田の右ミドルをキャッチして、鳥生が組み付いていく。またもコーナーへ押し込んで足へのヒザ蹴り。窪田は足踏みつけ。ブレイクとなる。窪田がパンチで攻勢に出ると、鳥生も蹴りからパンチで応戦。鳥生が胴タックルから離して右フック、窪田もパンチでラッシュをかける。
流血が酷くなる鳥生だが、胴タックルからの右フック、ローキック。入ろうとしたところへ窪田のワンツーがヒット! すぐにタックルからテイクダウンを奪った鳥生は、窪田の足を掴んでリング中央へ引っ張ろうとしたが窪田はロープを掴んでそれを阻止。
ガードポジションになる窪田をガッチリと抑え込む鳥生。パスは出来ず、パウンドを出すことも出来ない。下からのパンチで反撃する窪田に、ようやく鳥生もパンチをボディと顔面へ。胸に顔を付けたまま左右にフックを振り回していく鳥生、窪田も下からのパンチで応戦し、両者決め手がなくドローとなった。
▼第6試合 フェザー級戦 5分2R
△赤井太志朗(ノヴァ・ウニオン・ジャパン/同級5位)
ドロー 判定1-0 ※20-19、20-20、19-19
△鹿又智成(パラエストラ八王子)※初参戦
1R、ロングスパッツの鹿又はパンチから組み付いていく。サウスポーの赤井はフック、ヒザ蹴りで迎え撃つが、鹿又が片足タックルで組み付き、しつこく食い下がってテイクダウンを奪いに行く。
これは逃れた赤井はフックで前進、鹿又は打ち合うことなく両手を伸ばして何度も組みに行くが、赤井のパンチをもらってしまう。
組み付いてきた鹿又を押し倒して赤井が上になり、鹿又はハーフガード。赤井は徐々に肩固めの体勢を作っていったが、これは失敗。
鹿又がラバーガードからパンチを見舞っていく。これはブレイクに。パンチで前に出る赤井、鹿又はヒザ蹴りで反撃するが、赤井の突進に押され気味。組んでのヒザで応戦する鹿又が、足を掛けて赤井を倒し、パウンドを見舞ったところで初回終了。
2R、フックで前に出る赤井と掴んでのヒザ蹴りを狙う鹿又。押される鹿又も打ち返して組み付くが、パンチを嫌がっているように見えてしまう。赤井が鼻から出血したためドクターチェック。
再開後、鹿又がいきなりの片足タックルに入ると赤井がノースサウスチョーク! ガッチリ入っているかのように見えたが、鹿又は下から顔面へコツコツとパンチを返していく。そしてブレイクに。
赤井が立ち上がると、その顔面は血で真っ赤。場内に大きなどよめきが起きる。再開後、鹿又のワンツーがヒット、頭を下げての右ストレートが突進しようとする赤井の顔面を何度も捉える。そして組んでのヒザ蹴り。赤井は構わずパンチを放ち、飛びヒザ蹴り。鹿又は何が何でも首相撲からのヒザ蹴りだ。
残り時間1分、コーナーでの差し合いはブレイク。赤井がパンチで前進し、鹿又が単発ながら打ち返してタックルにも行く。最後は足を止めて両者が打ち合いを展開し、赤井が押していく形だが鹿又はアゴをしっかり引いて額でパンチを受け、打ち返していく。
判定はジャッジ1名が赤井を支持したものの、他の2名は鹿又の防御を評価したか引き分けとし、ドローとなった。
▼第5試合 ライト級戦 5分2R
○エリヤ(坂口道場 一族)
TKO 1R2分2秒 ※レフェリーストップ
●芹澤健市(和術慧舟會 駿河道場)
1R、芹澤がジャブからタックル、これはエリヤが突き放す。スピーディーなパンチの応酬から芹澤がタックルに行くが、これもかわされる。片足タックルに失敗した芹澤にエリヤがサッカーボールキック、すかさずパウンド。猪木×アリ状態になるがこれはブレイク。
エリヤの左フックをもらって倒れこんだ芹澤に、容赦なくパウンドを見舞っていくエリヤ。足を利かして必死に抵抗する芹澤だが、エリヤは立ち上がって顔面への蹴りを連発! レフェリーが試合をストップし、エリヤが快勝を収めた。
▼第4試合 ネオブラッド・トーナメント ライト級決勝戦 5分2R
○ISAO(TEAM坂口道場)
TKO 1R2分2秒 ※レフェリーストップ
●富山浩宇(パンクラスP’sLAB横浜)
※ISAOがネオブラッド・トーナメント・ライト級優勝。
1R、両者サウスポーからハイキックを飛ばし合い、まずは富山がタックルからテイクダウン。しかし、下からISAOが電光石火の腕十字! 富山が反転して逃れると場内が大きく沸く。さらにアームロックを狙った富山が回転して逃れようとするISAOを腕十字に! それをかわされると富山が足関節技狙い、ISAOが足首固めで反撃すると富山がマウントからパンチ、バックを奪う。バックからパンチを見舞っていく富山だがブレイクに。
ISAOがワンツー、タックルをかわして蹴り上げ、マットに倒れた富山へ蹴り、バックからのパンチを見舞っていく。富山はアームロックに捉えるが、ISAOは顔面に踵を落とし、バックからパンチのラッシュ! 残り時間は僅かだったが、富山が亀になって動きが止まったため、レフェリーが試合をストップ! ISAOが歓喜のネオブラッド・トーナメント ・ライト級優勝を果たした。
「皆さんの声援があったので危ない場面もありましたが、勝てました。これからもトップを目指して頑張りたいと思います」(ISAO)
▼第3試合 ネオブラッド・トーナメント フェザー級決勝戦 5分2R
○内山重行(GRABAKAジム/予選優勝)
判定3-0 ※20-18、20-19、20-19
●齊藤 曜(パラエストラ仙台)
※内山が第15回ネオブラッド・トーナメント・フェザー級優勝。
1R、広い両足のスタンスをとる斎藤がパンチで仕掛けていくと、内山はイン&アウトのローキック。右フックからヘッドロックで組み付く斎藤、内山は頭を抜いてバックを奪う。内山がテイクダウン、斎藤が立ち上がるとフロントチョークの体勢に。
首投げでテイクダウンした内山は袈裟固め、斎藤は両足を跳ね上げてセンタクバサミ。これを嫌って内山が立ち上がり、スタンドへ。パンチを振り回していく斎藤、内山は回り込んで虚を突くバックキック!
斎藤が入ってくるところへワンツー。残り20秒で斎藤がタックル入るが、テイクダウンを奪えず終了。
2R、斎藤がワンツーで入ると内山がチョークの体勢になるが、すぐに斎藤がフロントチョークを奪い返す。が、首を抜いて上になったのは内山。再び袈裟固めで抑え込み、斎藤も両足を跳ね上げて首に巻きつけようとする1Rと同じ攻防に。これはブレイク。斎藤の右フックがヒット、組み付いた内山がバックを奪う。斎藤はアームロックの体勢を作るが、これもブレイク。
フックで前に出る斎藤、かわす内山。組み付いた内山がテイクダウンを奪い、上になってボディへパンチ。そのままの体勢で終了のゴングを聞いた。
終始優勢を保った内山が判定3-0でネオブラッド・トーナメント・フェザー級優勝を決めた。「36歳、新人王を取りました。これからも若い選手と闘いますが、おっさんパワーで頑張ります」(内山)
▼第2試合 ネオブラッド・トーナメント バンタム級決勝戦 5分2R
○佐々木亮太(BAD ASS 13)
判定3-0 ※19-19(マスト佐々木)、20-19、20-19
●吉武伸洋(パンクラス稲垣組)
※佐々木が第15回ネオブラッド・トーナメント・バンタム級優勝。
1R、ジャブを突いてタックルからテイクダウンを奪う佐々木、吉武はハーフガードで何もさせずブレイクに持ち込む。吉武は入ってくる佐々木に思い切った左フック、タックルを潰して上になり、バックを奪ってパンチを叩き込む。
佐々木がハーフになってもパンチの手を休めない吉武。佐々木が立ち上がるとフロントチョーク! 外した佐々木がサイドを奪い、吉武が暴れて立ち上がると佐々木がバックへ、チョークを狙うがこれは失敗。
再び吉武が上になり、マウントからパウンド、佐々木が亀になっても顔面へパンチを叩き込んでいく。佐々木が次々と体勢を変えても、吉武はしっかりついていき上をキープ。
佐々木が立ち上がるとスタンドに戻り、佐々木が右フックから組み付いていくが、テイクダウンしたのは吉武の方。パンチを入れて立ち上がり、優勢のまま初回を終えた。
2R、吉武は左ミドル、飛びヒザ蹴りを放ちながら離れ、佐々木は何度もタックルを仕掛ける。ようやく組み付いた佐々木が吉武を腰に乗せて投げ、サイドを奪う。
ブリッジして逃れようとする吉武を、佐々木は片腕を自分の両脚に挟んで固定してのパンチ。吉武が立ち上がろうとすると、バックを奪った佐々木がスリーパー!
ブレイクとなり、吉武がパンチを出していくが佐々木のフックをもらう。組み付く佐々木が投げでテイクダウン、またもサイドを奪う。抑え込みながらパンチを入れる佐々木、吉武はガードに戻すが、すぐに佐々木にサイドを奪い返される。バックに回った佐々木が鉄槌、スリーパーを狙うが吉武は防御。佐々木が殴り続けて試合終了。
2Rに攻勢をかけた佐々木が判定3-0で勝利を収め、ネオブラッド・トーナメント・バンタム級の優勝を果たした。
「勝ってホッとしています。ここまで来れたのは皆さんのおかげです。また練習してパンクラスのリングに上がりたいと思います」(佐々木)
▼第1試合 ネオブラッド・トーナメント フライ級決勝戦 5分2R
○清水清隆(SKアブソリュート)
判定3-0 ※20-19、20-19、20-20(マスト清水)
●矢島雄一郎(禅道会総本部/チームZST)
※清水が第15回ネオブラッド・トーナメント・フライ級優勝。
1R、矢島は距離を取って蹴りを使っていき、清水はジリジリと間合いを詰めていく。コーナーに詰めた清水が右ストレートを放つと、矢島がスリップ。清水がグラウンドに行くも、すぐに矢島が立ち上がって両足タックルでテイクダウン。立ち上がる清水をさらに両足タックルで倒す矢島だが、清水はヒジをロープに引っ掛けてテイクダウンを防ぎ、立ち上がる。
矢島が左に回りながらの右ミドル、入ってくるところに右フックからの両足タックル。清水が差し返してロープに押し付けるが、これはブレイク。清水にロープを掴んだことでの口頭注意が与えられる。
矢島がジャブとミドル、インローと蹴りを使って距離を取り、清水がパンチで突っ込んでいく。清水はうるさい蹴りがじゃまでなかなか踏み込むことが出来ない。
2R、清水が入ってくるところに左フックを合わせ、蹴りで距離を取る矢島。しかし、コーナーを背負わせた清水がいいタイミングでのタックル、テイクダウンに成功する。両足を担ぎ上げてサイドへパス、肩パンチを入れてサイドからボディへのヒザを連打。矢島は清水が立ち上がると下からの蹴り上げを放って暴れるが、清水に抑え込まれてしまう。
矢島が蹴り離して立ち上がり、左ハイキック。清水は左の目尻から出血が見られ、ドクターチェックとなる。再開後、やはり蹴りで距離を取る矢島。残り30秒で清水が胴タックル、コーナーへ押し込むがテイクダウンは奪えず、足へのヒザ蹴り。清水はヘッドロックから細かいパンチを連打して試合終了。
積極的に前へ出て攻めた清水が判定3-0で勝利を収め、ネオブラッドトーナメントのフライ級を制した。「いつも悪いことをして両親を泣かせていましたが、今日はいいことをして泣かせることが出来ました」(清水)
全試合終了後、旗揚げ興行からレフェリーとしてパンクラスを支え続けてきた廣戸聡一レフェリーの引退式が行われた。
リングに上がった廣戸レフェリーは、「今日もリングの上で選手が頑張ってくれました。僕もこのリングに思いを残すことなく、選手にもトレーナーにももう伝えるものがないことですから、そろそろ次の自分の居場所を探してリングを降りることにしました。みんな、ありがとうな!」と挨拶。
尾崎允実・前パンクラス社長より花束、川村と大石からポスターの寄せ書きと花束、梅木レフェリーからも花束が贈られた。
最後にはパンクラスの選手、スタッフがリングに上がり、廣戸レフェリーを胴上げ、みんなで囲んでの記念撮影で締め括られた。
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