アクセルプロモーション
「ACCEL.vol1212DREAM NIGHT」
2009年9月6日(日)兵庫・神戸メリケン波止場上屋劇場
開場16:00 開始17:00
▼メインイベント Gルールミドル級(72.5kg契約)3分3R
△TOMOYUKI(誠剛館)
ドロー 最終延長判定1ー0
△我龍真吾(ファイティングマスター)
※本戦は30-29、30-30、30-30。延長は10-9、10-10、10-10。
今年5月23日、大麻の不法所持(不起訴処分)で逮捕された我龍真吾が復帰2戦目の場所に神戸『アクセル』を選んだ。3週間前の8月15日に『宇都宮蹴拳伝 vol.3』で復帰戦を行い、KO勝ちでWMF世界ライトヘビー級王座を獲得、5階級制覇を達成したばかり。前回は約80kgで今回はミドル級契約となったが、減量の影響はなさそう。しかし、意外にも初のアクセル参戦は厳しいものとなった。
1R、我龍が長いジャブから攻め、約10cm身長で劣るTOMOYUKIはやり辛そうにもキレのある右ローで応戦する。途中リーチ差を活かしたテンカオで我龍が早くも勝負をかけるが、TOMOYUKIも飛びヒザ蹴りで反撃。
ならばパンチはどうだと我龍が多彩なコンビネーションを出すが、TOMOYUKIのガードは固く打たれても必ず右ローを返していく。 やや攻めあぐねたか我龍は強引に首相撲で捉えTOMOYUKIを投げるが、アクセルGルールで投げは禁止。首を掴んでの攻撃は2打までで軽い注意が与えられるも1Rはドロー。 実はTOMOYUKI、既にこのラウンドで右手甲を骨折していた……。
2R、さらにエンジンのかかった両者はまたしてもスタミナを気にせず、我龍がパンチからヒザ、TOMOYUKIはパンチからローの展開。飛び込んでショートパンチを当てたいTOMOYUKIだが我龍は入ってきた所で組み、左右のヒザ蹴り。 我龍のベテランテクニックはなるほど老獪だ。
中盤、そのヒザ蹴りがTOMOYUKIは気になり出したのか、我龍が圧力をかけコーナーに追い込んだ瞬間、背中を向けてしまう。そこで我龍のパンチが後頭部にヒット。これは相手が後ろを向いたとは言えルール上反則となるが レフリーは試合の流れからとの判断で、イエローカードを出さず軽い警告に留める…。それでもTOMOYUKIのダメージは大きく、ドクターによる回復処理が3分近く行われ何とかOKサイン。試合続行となったもののかなり流れは我龍側に傾いてしまうと思われた。
しかし、この一戦にかけるTOMOYUKIの魂はタダ者ではなかった! 我龍がラッシュをかけたその刹那、TOMOYUKIはまさしく「窮鼠猫を噛む」の闘争本能を発揮!! 我龍の攻撃を上回る猛攻に出る。
このラウンドはややTOMOYUKIがフックをヒットさせていたが、喧嘩師を倒すまでは至らない。最後まで一進一退の攻防が続き、ジャッジ1人はTOMOYUKにポイントを与えるも終了までお互い決定打はなし。
最終ラウンド、共に腹を決めた両者はゴングと同時に先制攻撃。 またしてもお互いの得意パターンでの攻防となり、ヒザ蹴り対ローキックだ。やはりショートレンジで行きたいTOMOYUKIは前へ出て左右パンチを放つ。
その時、やや早めに「我龍タイム」は始まった。早めの我龍タイムに意味はあったのか? もしくは、早く得意パターンで演出を見せつけたい我龍の焦りでもあるのか…。TOMOYUKIもこれに応じ、ヨーイ ドン!! で打ち合い開始。ショートパンチを何発かヒットさせるTOMOYUKIだが、ほぼ互角のまま最終ラウンド終了のゴング。ジャッジはTOMOYUKIが1ポイントを奪うも痛恨のドロー!! 試合は延長戦に突入した。
延長ラウンド、ここで行かなきゃ男じゃないという鬼の形相TOMOYUKIと、一気に王者の意地を爆発させたい我龍。やはり2人は壮絶な打ち合いを展開し、またしても我龍は「我龍タイム」を要求。自分の闘いがしたいTOMOYUKIであったが、大先輩の誘いを有り難く受け止め足を止めての殴り合い。後半、若さとスタミナで勝るTOMOYUKIがやや有利か?
その予想通り、判定はジャッジ1人がTOMOYUKIを支持、残る2名はドローで両者痛恨の痛み分けとなった。観客席の中からは「TOMOYUKIが勝ったのでは?」の声も出たが……。
実は、主催者はメイン前にレフリー&ジャッジ陣に緊急ミーティングを敢行。「真剣勝負だ! よほどのダメージが無ければポイント差などいらない! 両者痛み分けで構わない」と述べていた。ホームタウンデシジョンの多いフルコン空手界。そんな中で歩んで来た勇誠会は主催試合で互角の場合、むしろ相手に花を持たせるというジャッジを十数年してきた。
他団体が何としても勝利という肩書きに拘るように、勇誠会(アクセル)は完全決着に拘るようだ。また、引き分けたものの我龍自身が一番よくこの結果の重さを理解し、観客に「スミマセン、王者として情けない試合をしました! それだけにTOMOYUKIは手強かった!」と土下座で謝罪。観客席からは「今度はキッチリKO勝負しろよ!」と暖かな声援が聞こえた。
次回アクセル年末大会は12月27日(日)神戸ポートターミナルで開催される。
▼セミファイナルNo.2 武道会ルールヘビー級3分3R
○黒田昌裕(黒田道場)
判定2-0 ※29-29、30-29、30-29
●高橋昌克(紫円塾)
セミファイナル第2試合では“生きる伝説”黒田昌裕が登場。年齢51歳……まさにアンチエイジングの象徴だ。この日もラウェイ戦などを得意とする100kgの空手家・高橋昌克と互角以上に闘い、アクセル連勝をマークした。
互いに薄いグローブで闘う武道会ルールだけに、シーンと緊迫した雰囲気に場内の様子はガラリと一変。一撃で勝負は終わるのでは、と思われたが最終ラウンドまでもつれ、結果2-0で黒田が勝利。
この両道場主同士の闘いにはある意味、教え子を持ち看板を背負いながらも闘う行為をやめない、ハッタリで格闘技や道場経営をするものではないという真の武道家らしい考えと、その背中を後進に見せたいという思いそのものだった。
▼セミファイナルMo.1 Gルールライト級3分3R
○植山Ninja三千直(理心塾)
KO 2R1分53秒 ※左ハイキック
●HIKARU(勇誠会)
セミファイル第1試合はアクセル常連の植山Ninja三千直が、勇誠会の新人HIKARUに胸を貸す。植山はいつもながらドMコスチュームで入場! 場内は大爆笑、完全にふざけている
一方、ホスト出身のHIKARUは新開地の貴公子と呼ばれる美男子。グローブ空手大会で3連覇したもののプロ昇格後たった1勝しただけで、RISE、S−1などで3連続KO負けを喫し、タイトルマッチやラウェイ戦、ワンロップとも打ち合った経験のある植山に実績は全く及ばないと言ったところ。
本来の対戦相手ムテキングの代役で急遽出場チャンスを得たHIKARUだったが、それを活かしきれず、植山の前に常時守備的ないいところなし。2R、左ハイキックでKO負けとなった。
▼第4試合 Gルールライトヘビー級3分3R
○拳心(チーム侍)
判定3-0 ※30-28、29-28、29-28
●西野哲史(FABC)
大阪で開かれたケンカ大会『ZERO』を制した日本拳法出身の拳心がキックデビューし、アクセル常連ベテランの西野哲史に1R強烈な右ストレートを浴びせダウンを奪う。西野は無意識に近いまま3Rまで粘り、それどころか後半スタミナの切れかけた拳心からポイントを奪っていく。
しかし、ダウンポイントは覆らず、拳心が逃げ切り白星となったが、このストレートの速さ、当て勘、タフネス、闘争心をもつ拳心という選手。今後ますます伸びるのは間違いない逸材だろう。
試合後、西野は病院へ直行。頭部ダメージだけではなく肋骨を完全に砕かれており、2週間後に控えたシュートボクシングでの試合を断念せざる得ないことになった。
▼第3試合 Gルールミドル級3分3R
○細江俊裕(截空道)
判定3-0 ※30-28、30-27、30-27
●アベールヒメネス(勇誠会)
第3試合では截空道の細江俊裕が、何とムエタイ65戦という勇誠会のアベールヒメネスと対戦。スタミナの続く限りパンチを打ち続けた細江が最後まで押し切り、判定3-0でメキシコからの刺客を撃破した。
▼第2試合 Gルールヘビー級3分3R
○池野栄治(池野道場)
KO 3R2分20秒 ※右ストレート
●玉川博実(ミクニ)
▼第1試合 武道会ルール3分3R
○レッツゴー☆瞬(アクセルジム大阪)
判定2-0 ※30-28、29-29、30-28
●魔沙流(シルバーバック)
▼オープニングマッチ第2試合 Gルールライト級2分3R
○三浦和貴(黒田道場)
判定2-0
●上杉文博(FABC)
▼オープニングマッチ第1試合 Gルールヘビー級2分3R
○福岡和也(誠合館)
判定3-0
●本田忠臣(シルバーバック) |