FEG
「DREAM.11フェザー級グランプリ2009 決勝戦」
2009年10月6日(火)神奈川・横浜アリーナ
開場17:00 開始18:00
観衆=14,039人
▼メインイベント(第9試合) DREAMフェザー級GP決勝戦
○ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル/レボリューション・ファイトチーム)
判定2−1
●高谷裕之(高谷軍団)
※ビビアーノが初代DREAMフェザー級王者に
準決勝では所英男の左フックでぐらつかされる場面があったものの、パウンドでTKO勝利を収めた高谷。一方のビビアーノは電光石火の腕十字でジョー・ウォーレンから秒殺勝利を奪った。所戦のパンチのダメージ、そして2Rまで闘ったことを考えると、ビビアーノが高谷よりもやや有利か。
1R、ジャブを付いて前に出る高谷。ビビアーノがコーナーに詰まるとそこに左フックで飛び込む。ビビアーノは片足タックルから高谷をテイクダウン。高谷が立ち上がろうとすると、自ら引き込み腕十字を仕掛ける。
ビビアーノは次々とグラウンドで関節技を仕掛けるが、高谷も立ち上がって距離を取る。試合がスタンドに戻ると、ジャブを突く高谷にビビアーノが右ロー。ビビアーノが片足タックルでテイクダウンを狙うが、高谷はそれを切って突き放す。アッパーからフックを返して前に出る高谷。ビビアーノも果敢にパンチを打ち返し、ブロックの上から強烈な右フック!
高谷をタックルでテイクダウンすると、立ち上がる高谷の背中に飛び乗ってバックポジションを奪う。
スタンドでビビアーノを背中に背負う形となる高谷はサブミッションをディフェンスしてブレイクを待つ。ブレイク後、ローを蹴っていく高谷。ビビアーノもローやミドルを蹴り返す。ビビアーノは左右のフックで前進してタックルに入るが、高谷は倒れない。逆にビビアーノをロープに詰めて高谷が右ストレートから左アッパー! ビビアーノも同じようにパンチを返す。
高谷はビビアーノの蹴りにパンチを合わせる。ビビアーノは高谷の左フックにカウンターのタックルを合わせるが高谷は倒れない。
高谷の左ミドルにパンチを合わせるビビアーノ。互いに激しく打ち合う展開が続く。インローからパンチに繋げる高谷。ビビアーノは右フックで飛び込んで、そのまま高谷の足を手で刈ってテイクダウンを狙うが、高谷はここも倒れない。ビビアーノは大振りの右フック。高谷はそれをブロックしてパンチを返す。
しかしここでビビアーノが左のパンチから絶妙のタイミングでカウンターのタックル! そのまま高谷に尻餅をつかせる。
高谷はロープを背にして、手でバランスを取りながら、グラウンドの攻防を許さない。そして高谷が右ストレートから左フック! ビビアーノは下がりながら何度もタックルに入るが高谷は倒れない。強烈な右ローでビビアーノを下がらせる高谷。ビビアーノも右フックを返すが、高谷もそれをブロックする。
2R、前足を上げながらジャブを突く高谷。ビビアーノは前蹴りで高谷を突き放すと、そこに強烈な右フック! これで高谷を吹っ飛ばすとさらにもう一発、右フックを強振!
そのまま高谷をタックルでテイクダウンし、一気にバックまで回り込む。ここで高谷は1Rと同じようにビビアーノを背負った。ブレイク後、高谷のジャブを空振りさせて右フックを打つビビアーノ。
高谷はそこにワンツーで飛び込むが、ビビアーノも必ず右フックを返す。左フックから右ストレートの高谷。ビビアーノはそれをしっかりとブロックする。パワフルなパンチを繰り出すビビアーノに高谷は細かくジャブ。ビビアーノは顔面とボディにパンチを打ち分け、右フックにまでつなげる。
右ローを蹴る高谷にビビアーノは左右のフック。逆に高谷がビビアーノの右ローに右ストレート! ジャブからパンチをまとめてビビアーノを下がらせる。応援団の声援を受けてパンチで前に出て行く高谷! ビビアーノも必死に打ち合うが、高谷がビビアーノをロープに詰めて怒涛の連打! ここで試合終了のゴングが鳴らされた。
ジャッジは最初の一人がビビアーノ、そして二人目が高谷……運命の三人目のジャッジはビビアーノ! スプリットの判定にまでもつれた接戦はビビアーノが勝利し、初代DREAMフェザー級王者のベルトを手に入れた。
試合後、ビビアーノは「これがDREAM、私の夢だった。今日、信じれば夢が叶うんだということが分かった。応援ありがとう。今日一緒に闘った選手たちも素晴らしい選手たちだ。みんなありがとう! そしてDREAMありがとう!」と喜びを語った。
▼セミファイナル(第8試合) DREAMライト級タイトルマッチ
○青木真也(パラエストラ東京/挑戦者)
一本 2R4分56秒 ※腕ひしぎ十字固め
●ヨアキム・ハンセン(ノルウェー/フロントライン・アカデミー/王者)
※ハンセンが初防衛に失敗、青木が第2代DREAMフェザー級王者に
元柔術世界王者ビトー“シャオリン”ヒベイロを下し、ハンセンの持つベルトへの挑戦権をもぎとった青木。ハンセンとはこれまで2度戦っており1勝1敗。DREAMのベルトをかけて3度目の決着戦に挑む。
青コーナーから挑戦者の青木が先に入場。いつものように白い道衣を着て、仲間達と言葉をかわしてリング上がる。王者・ハンセンはDREAMのベルトを手に持ったセコンドを引き連れて、リングに向かう。青木はシャオリンに引き続き、ロングスパッツの上にキックパンツを履いて試合に挑む。
1R、互いにサウスポーの両者、ハンセンが鋭いジャブをつく。インローを蹴る青木にハンセンは右フックを返す。ハンセンは青木をコーナーまで詰めるとハンセンが右アッパー!
青木はそこにカウンターのタックルを合わせてハンセンに組み付く。ハンセンはロープに体を預けてテイクダウンを阻止しようとするが、青木はハンセンの体をロープ際から引き出すようにしてテイクダウンを奪う。サイドポジションで上になった青木は手前の脇を差して、ハンセンをしっかりと抑え込む。
ハンセンも足を入れてガードポジションに戻すが、青木もハンセンの足を担ぐようにしてバックを狙い、ハーフガードで上になる。ハンセンがガードに戻そうとすると、青木は体を起こしてパンチを落とす。
ハンセンがガードポジションから腕十字を仕掛けると、青木は持ち上げるようにしてエスケープ。ハンセンがそのまま立ち上がると、青木はすぐにタックルに入ってハンセンを寝かせる。青木はハンセンの体を抑えてパスガードを狙いつつ、コツコツとパウンド。
パスガードを狙う青木、それを阻止するハンセンという展開が続く。ここでイノキ・アリ状態になった青木にハンセンが下から蹴り上げ。
これがローブローに入ってしまうが、ハンセンはそのまま青木の顔面を蹴り飛ばしてしまい、レフェリーから青木にインターバルを与える。ニュートラルコーナーで座り込み、ドクターのチェックを受ける青木だが、場内からはブーイングも起こる。しかしインターバル後、試合は同じポジションから再開。
ここも青木がパスガードを狙い、ハンセンがそれを阻止して、下から青木の顔を殴る。ここでハンセンがガードポジションから腕十字! そのまま青木の体を返してグラウンドで上のポジションを取る。グラウンドで下になった青木はハンセンの胴に両足を絡ませてハンセンに有利なポジションを与えない。
ハンセンは青木の足のクラッチを振りほどいて、グラウンドで上のポジションを取る。青木はハンセンに背中を見せるようにして立ち上がると、ハンセンはそこにパンチを連打!
青木はハンセンと正対すると、そこから両足タックルでテイクダウンを奪う。ハーフガードで上になった青木は鉄槌。ハンセンはガードポジションから腕十字を狙いつつ、スイープも仕掛けるが青木はグラウンドで上のポジションをキープする、
2R、ジャブ、右ボディを打つハンセン。青木はそのままハンセンと四つで組み、ハンセンからテイクダウンを奪う。ハンセンは下から足関節を狙う場面があったものの、青木はしっかりと上のポジションをキープ。そしてハンセンの足を飛び越えるようにしてパスガードを狙う。
ここでブレイクとなり、スタンドで試合再開。ハンセンが左ローを蹴ると、それに合わせて青木がタックル。ハンセンはそれを切りつつ、右のヒザ蹴り! これを胸元に受ける青木だったが、青木はそのまま両足タックルでハンセンからテイクダウンを奪う。
サイドポジションになった青木はハンセンの体をまたいでマウントポジションを奪う。ここから青木はハンセンの首に手を絡ませて、チョークを狙う。
そして残り1分、ハンセンがブリッジで体を返そうとしたところで青木が腕十字を仕掛ける。これをディフェンスしつつ、ハンセンが青木の顔面にヒザ蹴りを落とすが、青木はその動きに合わせてハンセンの左腕を伸ばし、ハンセンがタップ!
青木が一本勝ちでハンセンとの因縁に終止符を打ち、DREAMライト級王者となった。腰にベルトを巻かれた青木は「つまらない試合ですいません。今日は勝ちたかったんです…今まで突っ張ってきましたけど、このベルトが欲しかったんです。でも僕は決めました」と挨拶。
涙で目を潤ませながらも「僕は闘うことで周りの人を幸せにする仕事だから、僕はもう絶対に泣かない! トップはUFCじゃなくてDREAMだ!」と絶叫した。
するとここで川尻がリングサイドに登場! マイクを渡されると「青木選手、挑戦を受けてくるよね?」と青木に対戦を要求。ここで青木が対戦を承諾…と思いきや「検討します」と一言。さらに川尻が「2人だったらDREAMで世界最高峰ができると思うけど」とさらに詰め寄るのだったが、青木はここでも「えっ〜最高峰は僕なんで…検討します」と川尻の挑戦をすかした。
▼第7試合 ミドル級ワンマッチ
○桜庭和志(Laughter7)
一本 1R2分53秒 ※アームロック
●ルビン“ミスター・ハリウッド”ウィリアムズ(アメリカ/リングメディアグループ/グラディエーター・アカデミー)
大会3日前に緊急参戦が決まった桜庭。対戦相手はアメリカのボクサーだというウィリアムズ。ボクシングではNBAスーパーミドル級王者、IBUインターコンチネンタルスーパーミドル級王者、NABCインターコンチネンタルスーパーミドル級王者の肩書きを持つ。
試合前、桜庭がアニメ『エヴァンゲリオン』のパロディをする映像が流され、エヴァンゲリオン風のマスクを被った桜庭が入場。桜庭は左腕の前腕部にサポーターを巻いたまま、試合に挑む。
1R、サウスポーの桜庭はオーソドックスのウィリアムズに強烈なインロー! これでウィリアムズの足が流れる。左手を下げてジャブを打つウィリアムズだが、間合いが遠く当たらない。そして桜庭は片足タックルでウィリアムズを難なくテイクダウン。
桜庭の体にしがみつくウィリアムズに桜庭は鉄槌とヒザ蹴り。さらに桜庭はウィリアムズの体と顔にビンタ。
ウィリアムズの腕を取ってアームロックで捻り上げると、ウィリアムズは為す術なく、マットを叩いてタップした。
試合後、マイクを握った桜庭は「本日はお足元が悪い中、ご来場いただきましてありがとうございました。もう40歳になりましたけど、もうちょっとだけやりたいんで、やらせてください」と観客にアピールした。
▼第6試合 ライト級ワンマッチ
○川尻達也(T-BLOOD)
TKO 1R3分48秒 ※レフェリーストップ
●メルカ・バラクーダ(アメリカ/Purebred
Spike22)
5月のDREAM.9ではJ.Z.カルバンに勝利、7月にはK-1MAXで魔裟斗とも対戦した川尻がDREAMに凱旋。レスリングをバックボーンに持ち、ADCCでも入賞経験があるメルカを迎え撃った。
1R、サウスポーのメルカが右フックから突進。川尻をコーナーまで詰めてテイクダウンを狙う。川尻はメルカのタックルをしっかり受け止めるとテイクダウンに成功。川尻はメルカの上半身を固めながら、メルカの顔面にコツコツとパンチを落とす。
ここから川尻はマウントポジションへと移行し、しがみつくメルカの即頭部にゴツン!ゴツン!とパンチを落とす。
メルカは体を反転させてここから脱出しようとするが、川尻はポジションをキープしてメルカの顔面にパンチを連打! メルカの動きが止まったところで、レフェリーが試合を止めた。
タイトル前哨戦とも言える試合をキッチリとTKO勝利で飾った川尻は「今日はご来場ありがとうございました。
皆さん、俺はこんなもんじゃないから。大晦日、ライト級タイトルマッチで決まりですよね? 相手は関係ない。青木君でもハンセンでも、大晦日にオレの格闘技人生、オレの生き様を見に来て下さい。2009年の大晦日に夢をかなえます。みなさんよろしくお願いします」と、大晦日のDREAMライト級タイトルマッチを力強くアピールした。
▼第5試合 スーパーハルクトーナメント準決勝戦
○ソクジュ(カメルーン/チームクエスト)
TKO 1R1分31秒 ※レフェリーストップ
●ボブ・サップ(アメリカ/チームビースト)
1回戦ではヤン“ザ・ジャイアント”ノルキヤを下したソクジュ。準決勝ではDREAMミドル級王者ゲガール・ムサシとの対戦を予定していたがムサシが負傷欠場。代役のボブ・サップと準決勝を争うこととなった。
1R、足を使って距離を取るソクジュに対し、サップが突進! サップは声を出しながらパンチを繰り出すが、ソクジュが片足タックルでサップからテイクダウンを奪う。
サイドポジションをとったソクジュは体を起こしてサップの顔面にパウンドを連打する。
手と足を伸ばしてそれをディフェンスしようとするサップだったが、ソクジュは構わずパンチを落とす。するとサップはガードを固めて防戦一方。動きが止まったサップを見てレフェリーが試合をストップ、ソクジュが余裕のTKO勝利を収めた。
▼第4試合 スーパーハルクトーナメント準決勝戦
○ミノワマン(フリー)
一本 2R1分27秒 ※ヒールホールド
●チェ・ホンマン(韓国)
日本人としてスーパーハルクトーナメントに参戦しているミノワマン。ホンマンとの一戦に向けて横綱・白鵬のもとで出稽古を行い、ホンマン対策を積んできた。
それを迎え撃つホンマンは「ミノワマンは弱い選手。1分以内で勝つ」とミノワマンをこきおろした。リング上で2人が対峙すると、約45cmの身長差・約80kgの体重差が如実に分かる。
1R、じりじりと前に出て行くホンマンに対して、ミノワマンは前転するようにして足を取りに行こうとするが、ホンマンはすっと足を引いてそれをディフェンスする。
ミノワマンは再び同じようにホンマンの足元に飛び込むが、ホンマンはそこに鉄槌を落とす。
ホンマンの周りをミノワマンがグルグル回るという展開が続く中、ミノワマンがタックル! ホンマンはそれを切ってパンチを落とす。するとミノワマンはホンマンの足を取るようにして、グラウンドでポジションを入れ替えようとするが、ホンマンもミノワマンの体を蹴り離して立ち上がる。試合がスタンドに戻るとミノワマンが前転してホンマンの足へ!
ここからテイクダウンを狙うがホンマンは倒れない。ホンマンが前に出ると、サイドステップでサークリングするミノワマン。果敢にタックルに入るが、ホンマンはそれを切ってパンチを落とす。
ここまでほとんど打撃らしい打撃を出さなかったミノワマンだったが飛び込むような右フック。ホンマンはミノワマンの首をキャッチしてヒザ蹴り、さらにフォローのフック! 間一髪でそれをかわしたミノワマンはホンマンの左足に片足タックル!
必死にそれを切ろうとするホンマンの体を左右に振って、遂にミノワマンがテイクダウンを奪う。
サイドポジションを取ったミノワマンはホンマンのボディにパンチとヒザ蹴りを入れる。ホンマンは必死にミノワマンの体にしがみ付いてブレイクを待つ。立ち上がったホンマンにはイエローカードが提示される。
再開後、すぐにタックルに入るミノワマン。ホンマンはそれを切ると左右の鉄槌を落とす。
ホンマンはミノワマンのタックルを切ってミノワマンの顔面に左右のパンチを入れる。試合がスタンドに戻るとホンマンが左アッパー! 左のヒザ蹴り! これでミノワマンの動きが止まる! タックルでテイクダウンを狙うミノワマンだがホンマンはそこにパウンドを連打! 試合はブレイクとなるが、ミノワマンはダメージの色が濃い。
2R、ミノワマンはホンマンの周りをグルグルと回り、そこからタックル。これを切られたミノワマンだったが、脇をくぐるようにしてホンマンのバックに回り込み、そのままテイクダウンを奪う。
そしてここからホンマンの左足を取ってミノワマンがヒールホールド! これでホンマンがタップ! ミノワマンが必殺の足関節でホンマンを下した。
サップ、ホンマンというスーパーヘビー級の選手から2連続で一本勝ちを収めたミノワマン。四方に向かって拳を突き上げて、勝利の喜びを爆発させ、リングサイドで試合を見ていた白鵬と喜びを分かち合った。
▼第3試合 DREAMフェザー級GP準決勝戦
○ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル/レボリューション・ファイトチーム)
一本 1R42秒 ※腕ひしぎ十字固め
●ジョー・ウォーレン(アメリカ/チームクエスト)
※ビビアーノが決勝戦に進出
フェザー級GPで総合格闘家デビューを果たし、元WEC王者のチェイス・ビービ、山本“KID”徳郁を次々と撃破。一躍、優勝候補に名乗り出た。元柔術世界王者としてGPに参戦したビビアーノは大塚隆史と今成正和を下し、下馬評どおりの強さを見せ付けている。
1R、ハイキック、そして左フックを打つウォーレン。ここから組みの攻防になるとウォーレンがビビアーノの体を持ち上げるようにしてテイクダウンを奪うが、ビビアーノも腰を切ってすぐに立ち上がる。
ウォーレンはビビアーノのローに合わせてタックル。ウォーレンが豪快にテイクダウンを奪ってパンチを落とすが、そこにビビアーノが電光石火の腕十字! これがガッチリと極まり、ビビアーノが秒殺勝利! ハイテンションのビビアーノは勝利者コールが終わる前にリングを降りて控え室へと戻った。
▼第2試合 DREAMフェザー級GP準決勝戦
○高谷裕之(高谷軍団)
KO 2R32秒 ※パウンド
●所英男(チームZST)
※高谷が決勝戦に進出
DJ.taikiに判定で敗れるものの、taikiの負傷欠場により繰り上がりで2回戦進出を決めた所。その2回戦ではエイブル・カラムから一本勝ちを収め、復活の狼煙を上げた。対する高谷はアメリカWECからDREAMに参戦し、2回戦では前田吉朗との日本人対決をKOで制して、準決勝に駒を進めた。
1R、距離を取りながら左ミドルを蹴る所。高谷はジャブを突きながらジリジリと前に出る。高谷がパンチで前に出ると足を使ってコーナーから脱出する所。
スタンドでは足を使って距離を取り左ミドルを蹴る。前に出て圧力をかけ続ける高谷に所も右ストレート、左ミドル。所が組み付いてテイクダウンを狙おうとすると、高谷はそれを突き放す。
所のジャブに高谷もジャブ。高谷は所の頭が下がったところで右フック。所が左ミドルで空振りし、尻餅をつくが所はすぐに立つ。所が高谷の左に右ストレート。高谷も左右のフックを返す。ジャブを頭と顔面に打ち分ける所がタックルに入るが、所はそれを切られるとガードポジションに引き込む。
高谷は寝技に付き合わずバチバチとロー。所が立ち上がる。ジャブを突いて距離を測る所。高谷も同じようにジャブを突いて左右のロー、所もそこにパンチを合わせる。所は右ストレート、さらにインローを蹴る。所のインローに右フックを合わせる高谷。高谷の前進をジャブで止める所。そこから所がワンツー。高谷は所をロープに詰めて左から右ストレートを打つ。
所もそこに右ストレートを返して、タックルから引き込む。高谷はその際を狙ってすぐにヒザ蹴り。立ち上がってローを蹴る。
所は体を起こして高谷にタックル、そのまま高谷をロープまで押し込む。必死にテイクダウンを狙う所だったが、高谷は所の頭を下げさせて首相撲からヒザ蹴り。試合はスタンドに戻る。
ジャブで距離を取り、ローを蹴っていく所。高谷は所のローに右フックを合わせる。所が右ストレート、高谷も右ストレートを返して、さらに右フック! 所がややバランスを崩して引き込むが高谷はすぐに立つ。所はジャブ、右ストレート。そしてインロー。
そこに高谷は左フックを返す。じりじりと高谷が圧力をかけて前に出ると、そこに所が飛びヒザ蹴り! このまま一気に前に出て左フック! これでバランスを崩す高谷!
高谷はすぐに立ち上がり、パンチで前に出て行くと、所の左フックがヒット! これで高谷の腰が落ちる! 必死に組み付く高谷。ここで所は引き込み気味に三角絞めを狙うが、高谷はそれを許さない。インサイドガードで所を抑え込む高谷。そして高谷が体を起こして強烈な右のパウンド! これで動きが止まる所!
高谷が一気にパンチを連打し、ガード一辺倒になる所。ここでゴングが鳴り響き、勝利を確信して喜ぶ高谷! しかしこれはラウンド終了のゴングで試合はインターバルに入る。
辛くもゴングに救われた所だったが、コーナーに戻る足元はフラフラ。「諦めるな!」とセコンドから檄を飛ばされ、短い時間で何とかダメージを回復させて再び立ち上がる。
2R、鋭いジャブを突く所。距離が詰まると高谷が左右のフックを出す。そして高谷は所をロープに詰めて右ストレート、右フック!
所がタックルから引き込み気味にグラウンドで下になると、そこに高谷が強烈な右のパウンド! この一発で動きが止まる所! 高谷が一気に追撃の鉄槌を落とすと、レフェリーが2人の間に入るのとほぼ同時に、所のセコンドからもタオルが投入された。
試合後、高谷は所のもとに駆け寄り、所の健闘を称えると、所も決勝に向かう高谷に言葉をかけた。
▼第1試合 DREAMフェザー級GP リザーブファイト
○宮田和幸(フリー)
判定3−0
●DJ.taiki(フリー)
フェザー級GPのリザーブマッチは1回戦で所英男に勝利するも、2回戦を負傷欠場したtaikiVSフェザー級に階級を落としてチャンスを掴んだ宮田の一戦となった。
前日計量では外国人選手も驚くほど絞りぬかれた肉体を披露した宮田。この階級でどんなパフォーマンスを見せるか。この日のtaikiは氷室京介の「Kiss Me」に乗って、いつものエアーヴォーカルを披露してリングへと向かう。
1R、サウスポーの構えるtaikiは上体を低くして宮田と目線を合わせるようにしてロー、ミドルを蹴る。
宮田はじりじりと距離を詰めると、そこからtaikiに組み付いてスルリとtaikiのバックに回り込む。taikiは宮田の手をキャッチして、宮田のサブミッションをディフェンス。
宮田はシングルバックの状態でtaikiの体を固定する。ここから宮田はtaikiの足をキャッチして股裂き、そしてツイスター(※グラウンド状態でのコブラツイスト)! taikiも宮田に脇をくぐらせず、ブレイクを待つ。ここでtaikiには膠着を誘発するとしてイエローカードが提示される。
ブレイク後、オーソドックスに構えるtaikiは右ロー、左ミドル。宮田は左フックから前に出てtaikiに組み付く。しかしtaikiはテイクダウンさせずに距離を取る。左フックで飛び込む宮田にtaikiもカウンターの左を狙う。
taikiはじっくりと距離を測りながら鋭いジャブ。これを当てると圧力をかけて前に出て左フックから右ストレート! 宮田はそれを受けるものの両足タックルでtaikiを寝かせる。ハーフガードで上になった宮田はtaikiのボディにヒザ蹴り。taikiも体を半身にして、立ち上がるチャンスを窺う。
ここからマウントポジションを狙う宮田だったが、taikiは体を反転させて宮田にバックを取らせ、そこから立ち上がろうとする。しかし宮田はtaikiの体をコントロールしてサイドポジションで抑え込む。
宮田はtaikiのボディにヒジ打ちとヒザ蹴り。taikiはサイドを取られながらも、宮田の顔面にヒザ蹴りを打つが、宮田がマウントポジションに移行。パンチを落としながら、taikiが背中を見せると今度はバックからパンチを落とす。
2R、オーソドックスに構えてインロー、アウトローを蹴るtaiki。宮田もそこにパンチを合わせる。
パンチで圧力をかけて前に出るtaikiだったが、そこに宮田がカウンターのタックル! taikiを寝かせてインサイドガードになると、細かくパンチを落とす。taikも下から宮田の体を蹴り離し、必死に立ち上がるが、宮田はすぐにタックルでtaikiをマットに寝かせる。
taikiは宮田の股の間を潜り、宮田の体を前に蹴るようにして立つが、ここも宮田のしつこいタックルで得意の打撃に持ち込むことが出来ない。それでもtaikiは下から宮田の顔を殴りつけ、宮田の体を蹴って立ち上がる。
ここから左右のローを飛ばすtaiki。宮田はそこにタックルを合わせるが、taikiがカウンターのギロチン! taikiの腕がガッチリと宮田の首元に入るが、宮田も必死に頭を抜いてインサイドガードのポジションをキープする。背中を見せて立ち上がろうとするtaiki。宮田はtaikiのバックについてtaikiの体を後方に投げるようにしてテイクダウンを奪う。
taikiはガードポジションを声を出しながら宮田の顔面を殴るが、この状態のまま試合終了。持ち前のフィジカルを活かし、タックル&グラウンドコントロールを駆使した宮田がリザーバーの権利を得た。
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