極真空手道連盟 極真館
「第7回オープントーナメント全日本空手道選手権大会」
2009年11月3日(火・祝)東京・国立代々木競技場第二体育館
開場12:00 開会式13:00
ロシアがその圧倒的な実力を見せ付けた(4階級中3階級を制覇、しかも2階級は優勝から3位までを独占)、10月2〜4日(現地時間)ハンガリー・ブタペストで開催された『第2回全世界ウェイト制空手道選手権大会』から僅か1カ月、今度は全日本大会で日本の空手家たちがロシア人空手家を迎え撃った。
42名によるトーナメントの中に、ロシアからの出場選手が3名。その内の一人、ミハイル・ソハチェフは山田雅則(黒澤道場)が1回戦で下段突きの技ありを奪って破ったが、バシール・タトロコフとスリマン・コスモフは準決勝にまで進出。
段違いの破壊力を誇る突きと蹴りを武器に、コスモフは予選で一本勝ち、2回戦でも左中段廻し蹴りによる一本勝ちを飾り、準々決勝では同じく左中段廻し蹴りで技ありを奪う快進撃。
→重い中段廻し蹴りを武器に勝ちあがったコスモフ
タトロコフも1回戦で左下突きによる技あり二つを奪い合わせ一本勝ち、2回戦では左上段膝蹴りでの合わせ一本勝ち、準々決勝でも左上段膝蹴りで技ありを奪い、世界大会日本代表の藤井将貴(城南大井町支部)を下した。
これにより、ベスト4にはコスモフとタトロコフのロシア勢、他流派の山田が残るという異常事態に。極真館の牙城は第4回全日本王者で世界大会日本代表の藤井脩祐(城南大井町支部)の手に委ねられた。
→ロシア人同士の潰し合いとなった準決勝
準決勝はコスモフとタトロコフの潰し合いとなり、両者とも手の内を知っているからか、それまでのVS日本人とは違い慎重な試合運び。お互いに接近戦で突きを打ち合い、延長戦でコスモフが僅かな差をつけて判定4−0で決勝戦進出を果たした。
もう一方の準決勝は藤井と山田の日本人対決に。藤井は1回戦で下段逆突きの技あり、2回戦は左上段廻し蹴りによる一本勝ち、準々決勝でも右上段廻し蹴りで技ありを奪うという世界大会の疲れを感じさせない好調ぶりを発揮している。特に今大会では一発一発の攻撃がパワフルで、中段廻し蹴りが効果的に決まるため上段廻し蹴りが活きた。
→本戦終了間際、藤井の右上段廻し蹴りが火を噴いた
そして、準決勝の山田戦でもその右上段廻し蹴りが火を噴いた。山田も下段廻し蹴りと下突きで食い下がったが、藤井の力強い突きと上段を蹴るようなモーションから繰り出される中段廻し蹴りをもらい、終了太鼓とほぼ同時に繰り出された藤井の右上段が炸裂! 協議の結果、有効な攻撃と判断されて技ありとなり、藤井が決勝進出を決めた。
決勝戦は日本とロシアの世界大会代表同士の対戦に。藤井はコスモフの左中段廻し蹴りと下突きを警戒し、コスモフが突きで出て来るところを前蹴りで突き放す。押すような前蹴りではなく点で突くような前蹴りでボディにダメージを与えていき、下突きと上段を蹴るようなモーションで放たれる中段廻し蹴りで追い込み。
→コスモフの膝蹴りに逆突きのカウンターを突き刺す藤井
コスモフも強烈な下突きと膝蹴りを連打して反撃。しかし、藤井はその膝蹴りに鋭い逆突きをカウンターで突き刺す! お互いにボディを効かせ合ったが、藤井の右下段廻し蹴りで与えたダメージがやや上回ったか、判定は4−0で藤井! 他流派とロシアから極真館全日本の王座を死守した。
3位決定戦ではタトロコフが山田を下突き連打と左上段膝蹴りで技あり二つを奪って合わせ一本勝ちを飾り、表彰台で藤井の左右を固めたのはロシア。日本がロシアに脅かされている現実をまざまざと見せつけられる結果となった。
→準決勝でコスモフに敗れたタトロコフだが、3位決定戦では山田に合わせ一本勝ちの圧勝
大会総括で盧山初雄館長は「日本の実力は世界に劣っている。世界は完全に日本を凌駕している」と断言。「今日は日本人選手がかろうじて優勝しましたが、勝って兜の緒を締めよの言葉どおり、日本の選手は世界に追いつけるように死にもの狂いで稽古に励んで欲しい」と警鐘を鳴らした。
また、2011年にハンガリー・ブダペストにて今度は無差別級の世界大会が開催されることを報告し、「来年は日本代表を決める予選になります。全ての組織の強い選手が集まり、最強のメンバーで無差別級の世界大会に臨みたい」と、流派を問わず日本人選手の参加を広く呼びかけている。
RESULT
優 勝 藤井脩祐(城南大井町支部)
準優勝 スリマン・コスモフ(ロシア)
3 位 バシール・タトロコフ(ロシア)
4 位 山田雅則(黒澤道場)
5 位 藤井将貴(城南大井町支部)
6 位 大橋 剛(幸手支部)
7 位 小野龍二(游藝館)
8 位 石田武司(総本部)
試割賞 藤井将貴(城南大井町支部)=23枚
技能賞 スリマン・コスモフ(ロシア)
敢闘賞 山田雅則(黒澤道場)
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