Krush実行委員会
「Krush.5」
2010年1月4日(月)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始18:00
▼メインイベント(第7試合) 61kg契約 K-1ルール 3分5R
○ジョン・デニス(イギリス/バッドカンパニー)
KO 1R2分29秒 ※3ノックダウン
●石川直生(青春塾/第2代全日本スーパーフェザー級王者)
昨年のKrushでは劇的な試合を連発した石川が今年最初のKrush後楽園大会のメインイベントに登場。
この試合で石川はK-1谷川貞治イベントプロデューサー(以下、EP)からの刺客=リアム・ハリソンとの対戦を予定していたが、ハリソンと契約体重で調整がつかず。ハリソンと同門のデニスと61kg契約で対戦することとなった。「60kgと70kgの立場を逆転させる」ことを目標としてK-1参戦をぶちあけている石川。
未知の強豪外国人という難敵を相手に、石川はきっちりと勝利を奪い、夢の舞台への扉をこじ開けられるか?
1R、インローと左ミドルを蹴っていく石川。デニスはじりじりと前に出て右ミドルを蹴る。左フックで大きく踏み込むデニス。石川はジャブを突いて右ロー、インローから左ミドルにつなげる。デニスはジャブ、ワンツーとパワフルなパンチで前進。これで石川を下がらせると、デニスが強烈な左ジャブを突き刺して、打ち下ろすような豪快な右フック!
これでデニスが石川からダウンを奪う。再開後、デニスが再び左ストレート! これが石川のガードの間を打ち抜いて、2度目のダウンを奪う。これで後がなくなった石川。
パンチで突進するデニスに飛びヒザ蹴り、さらにクリンチで残り時間を凌ごうとする石川だったが、デニスの左フックがヒット! 石川が尻餅をついたところでレフェリーが3度目のダウンを宣告! 石川はすぐに立ち上がり、ダメージを感じさせなかったものの、結果は3ノックダウンによるKO負け。石川にとって2010年は厳しい船出となった。
石川直生の試合後のコメント
「今日はありがとうございました。(しばらくうなだれて)ミスとかそういうレベルじゃないですね。(デニスが)ああいうタイプなのは分かっていたし、イメージは作り上げていました。ただパワーが思ったよりもあって、そこにどう合わせようかと思っているうちに、(攻撃を)もらっちゃいました。ある程度は(デニスの攻撃を)受けて、自分の攻撃を合わせようと思っていたんですけど、もらっていた攻撃が効きすぎました。合わせるタイミングを作っていくうちに受けすぎました…
(ダウンのダメージがないことをアピールしていましたが?)最初のダウンは効いてました。というかジャブ、左ストレート、左フック、右フック、右ストレート、全部が効いてました。それでも大丈夫だと思っているうちにライフゲージというかHPがなくなった感じですね。これじゃあ何も始まらないですね、キックボクシングも軽量級の明るい未来も。その扉は開きますよ。開きますけど、1・4に勝つのと負けるのでは違うんです。
(ダブルメインの第1試合が流れて気負いはあった?)今日はKOが何試合かあったけど、仕事始めということもあってお客さんの入りもあまり良くない中で、試合内容も良くなかった。それで外国人選手とメインイベントというのは見えづらいと思うんですよ。でもメインイベンターを真っ当できなかったと思います。
(この試合に勝って言いたかったことは?)それは今日勝って言うから意味があるんですよ。だからもう意味がない。今年は軽量級の扉が開くんですよ。でも僕がやりたいことは今日の試合に勝って言わないと実現しないものです。プロは結果を出してナンボですから…
(相手は外国人選手でしたがパンチは強かった?)強かったですね。でも体重は一緒ですから。欧米人はやっぱり…でも今年、軽量級が始まるということは、体が大きい外国人選手と試合をやる機会が多いわけで、それは言い訳にはならないです。
(2010年が敗北からのスタートになったことについては?)団体にとっても、自分にとっても景気が悪いですよね。今日の大会はメインが締まって、そこから始まるものなんで。軽量級もキックボクシングも今日から始まると思っていたんで。自分が弱くて負けたんですけど悔しい…受け入れがたいです」
▼エキジビションマッチ 2分2R
−寺戸伸近(青春塾/第24代全日本バンタム級&M-1バンタム級&RISE 55kg級王者)
エキシビジョンのため勝敗なし
−ランバー・ソムデート・M16(タイ/M16ムエタイスタイル/初代修斗世界フライ級王者)
当初、イギリスの4冠王アンディ・ハウソンとの対戦を予定していた寺戸だったが、来日直前にハウソンが足を負傷し、この試合を欠場。修斗世界フライ級王者でもあるランバーとエキシビジョンマッチを行うこととなった。
ランバーはなぜかOFG(オープン・フィンガー・グローブ)を着用して登場。1Rは寺戸もランバーもタックルやテイクダウンを見せるコミカルなエキシビジョンマッチだったが、2Rに入ってランバーがボクシンググローブにつけ変えると、エキシビジョンマッチが一気にヒートアップ。バチバチの殴り合いを見せた。
エキシビジョンマッチ終了後、寺戸は「僕の試合を楽しみに来てもらったみなさん。こんな感じになってしまってすいませんでした」と挨拶。
アンディ・ハウソンとの再戦をアピールすると共に「今年もリングの上で元気な姿を見せられるよう頑張りますので、応援よろしくお願いします」と今年の抱負を語った。
▼セミファイナル(第6試合) 60kgFIGHT K-1ルール 3分3R延長1R
○青津潤平(NPO JEFA)
判定3−0 ※29−28、30−28、30−29
●水谷秀樹(スクランブル渋谷)
RISEで活躍を続けてきた水谷がKrush初参戦。RISE60kgトーナメント王者の実力をKrushのリングでも発揮できるか? 対する青津はJ-NETWORK・Krushでキャリアを積み、昨年は山本真弘らとも拳を交えている。ベテラン(水谷=35歳)VS若手(青津=25歳)対決であると共に、60kg戦線の生き残りをかけたサバイバルマッチとなった。
1R、一気に前に出ていくサウスポーの水谷。青津は前蹴りで距離を取りながら、前に出てくる水谷に左フックを合わせてダウンを奪う。
再開後、青津は左フックから右ストレート、左アッパー。水谷はガードを上げて左ローで前に出る。
突っ込む水谷に左フックと左アッパーを合わせる青津。水谷は顔面前蹴りから左ロー。青津も同じように顔面前蹴りを返す。中間距離を潰してパンチとローで攻める水谷。ここで両者共にホールディングが多くなり、レフェリーから注意が与えられる。水谷は細かいパンチから左ローまでつなげる。
2R、ここも細かいパンチとローで前に出ていく水谷。青津は1Rと同じように左フックと左アッパーを合わせる。水谷は青津の体を手で押すようにして左ロー。青津も水谷のガードが空いたところを狙ってフックやアッパー、ヒザ蹴りを突き上げるが、水谷は下がることなく前に出続ける。
3R、パンチで前に出てローとヒザ蹴りを続ける水谷。青津は水谷を押し返してバックブロー。水谷も下がりながら顔面前蹴り、パンチから距離を詰めてヒザ蹴り。青津もパンチを返し、乱打戦になって試合が終了。青津が水谷を振り切り、勝利で2010年のスタートを切った。
▼第5試合 55kgFIGHT K-1ルール 3分3R延長1R
○瀧谷渉太(桜塾)
KO 2R2分28秒 ※3ノックダウン
●那須儀治(興気塾)
ベテランVS若手の第2戦は新旧新空手全日本王者対決。35歳の那須は2004年の新空手K-2軽量級王者で、20歳の瀧谷は2007年の同王者だ。
1R、いきなり右ストレートから突っ込んでいく那須。サウスポーの瀧谷はそこに右フック、左ストレートを返す。右フックから左ミドルを返す瀧谷。真っ直ぐに伸びる左ストレートで那須を下がらせると、距離を詰めて細かいパンチの連打をまとめる。那須も右アッパー、左フック。瀧谷はパンチと左ハイキックを返す。
2R、距離が潰れて首相撲の攻防が多いため、レフェリーは両者に注意を与える。しかし注意を与えられた後、瀧谷が強烈な左ミドルを那須のボディに2発! これで下がる那須に瀧谷が左の飛びヒザ蹴り! この一発で瀧谷が那須からダウンを奪う。
再開後、一気にラッシュを仕掛ける瀧谷。那須はこれで鼻から出血し、ドクターチェックを受ける。再開後、瀧谷は手数を止めることなく左ストレートから連打をまとめ、那須から2度目のダウンを奪う。何とか試合続行となった那須だが、瀧谷が右の前蹴りからパンチの連打。これで瀧谷が3度目のダウンを奪い、KO勝利を収めた。
▼第4試合 65kgFIGHT K-1ルール 3分3R延長1R
○渡部太基(藤原)
判定2−0 ※29−28、29−29、29−28
●笹谷 淳(P.O.D.)
ベテランVS若手の第1戦として紹介された一戦。笹谷は34歳でキャリアが23戦、渡部は22歳でキャリアは13戦となっている。
1R、サウスポー同士の両者。渡部のアウトローに笹谷が右フック。笹谷が左ストレートから右フック、さらに鋭い右ストレートで渡部を下がらせる。右フックから左ローにつなげる笹谷。渡部も左ストレートを当てて、笹谷を下がらせる。そして渡部が笹谷をロープまで押し込んで左ストレート、左アッパー、右フック! 渡部が笹谷を攻め込む。
2R、笹谷の左ローに渡部が左ストレート。この左ストレートで前に出て行く渡部だが、笹谷も右フックのカウンター。さらにコツコツと蹴り続けてきた笹谷の左ローで渡部の足が止まる。そして笹谷が左ボディストレートから右フック。渡部も左ハイキックを当てるが、笹谷が右フック、右フックからの左ローを確実に当てる。
3R、パンチとローで細かく手数を出して攻める笹谷。渡部は左ハイキックを蹴り返す。序盤は手数で押されていた渡部だったが、笹谷をロープに詰めると左ストレートを基点に怒涛の連打! 笹谷も倒れず打ち返すが、渡部が前に出続ける。判定は僅差で渡部! 渡部が後半の猛攻で笹谷を撃破した。
▼第3試合 60kgFIGHT K-1ルール 3分3R
○遠藤大翼(和術慧舟會駿河道場)※キックデビュー戦
判定2−0 ※29−29、30−29、29−30
●宮田隼児(キックボクシングアカデミーROOTS)
1R、宮田はインローと左ミドルで前に出る。遠藤もミドルを蹴り返して右ストレートを返す。そして遠藤の右ストレートがヒット! これで宮田がバランスを崩す。さらに遠藤は右ストレート、左ハイキック、右ストレートと手数を増やす。
2R、このラウンドもローとミドルで前に出る宮田だが、遠藤はそれをバックステップでかわし、前蹴りで宮田を突き放す。距離を取り、右ストレートを狙う遠藤。宮田は細かくローとミドルを蹴って前に出る。
3R、宮田のローに右ストレートで飛び込みパンチをまとめる遠藤。インロー、右ローで前に出て行く宮田。遠藤はローを受けて右ストレートを合わせる。遠藤のパンチと宮田のローという展開で試合が続き、判定は2−0で遠藤。ケージフォースを主戦場とする遠藤が立ち技デビュー戦で勝利を収めた。
▼第2試合 55kgFIGHT K-1ルール 3分3R
○洋センチャイジム(センチャイムエタイ)
判定3−0 ※30−28、30−29、30−29
●坪井悠介(斬刃拳)
1R、前後にステップして細かくパンチとローを出す坪井。洋はミドルを蹴りながら前に出て行く。坪井は距離を詰める洋にフック、アッパーを合わせる。ここで洋が頭部から出血、ドクターチェックが与えられる。再開後、洋のミドルに右ストレートを合わせる坪井。洋は声を出しながらミドルを蹴って前に出る。
2R、いきなり洋が左ミドルを連打。坪井もワンツーで前に出て行くが、洋はそれをしっかりと両腕でブロック。そこからミドルを蹴り返して、右ストレートを当てる。
坪井の右フックが当たる場面があったものの、洋はミドルとヒザ蹴りをコツコツと当てる。
3R、ワンツー、右フックで前進する坪井。洋はこれをもらいながらも、距離が詰まるとヒザ蹴り、右ストレートを当てる。手数が減った坪井に洋は左ミドルとヒザ蹴り、右ストレート。終了間際にパンチでラッシュを仕掛けた坪井だったが、洋は首相撲に持ち込む。洋がK-1甲子園出場経験のある坪井に勝利した。
▼第1試合 65kgFIGHT K-1ルール 3分3R
○小川貴広(青春塾)※デビュー戦
判定3−0 ※29−27、30−28、29−27
●わた丸@シグナム(P.O.D.)
1R、サウスポーの小川が左ミドルを中心に攻撃を組み立てる。わた丸はそれを受けて右フックを返す。蹴りの距離を詰めてパンチで前に出るわた丸。小川は距離が詰まるとヒザ蹴りでそれを迎え撃つ。
2R、左ストレートを突き刺す小川。わた丸は構えをスイッチしながら、そこに左右のフックを出す。小川はワンツーで前に出て左ミドル。そしてミドルをフェイントにした左ストレート。わた丸も細かく手を出すが、クリーンヒットはない。
3R、わた丸がスイッチしてワンツー。オーソドックスから左フックで前に出る。しかしわた丸の左アッパーに小川が左ストレート! これで小川がダウンを奪う。
ここから小川は左のテンカオで前進。3Rにダウンを奪った小川が判定3−0で勝利し、デビュー戦を飾った。
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