KGS
「RISE 61」
2010年1月24日(日)東京・新宿FACE
開場16:30 開始17:30
▼メインイベント −70kg契約 3分3R延長1R
○日菜太(湘南格闘クラブ/Toshin Family/初代RISE 70kg王者)
判定3-0 ※三者とも30-27
●オ・デュソク(韓国/水原闘魂/世界ムエタイ連盟ウェルター級王者)
現在はK-1
WORLD MAXで活躍する日菜太が2008年11月以来、約1年2カ月ぶりにRISEのリングに帰って来た。3月に予定されるMAXまで試合の間隔が空きすぎてしまうため、キャリアを積むため自ら望んでの参戦だという。今回は得意の左ミドルに加えてボクシングジムで磨いたパンチでのKOも狙う。対するはK-1韓国大会で2勝1敗の戦績を持つジュソク。
1R、快調に左ミドルを蹴り込んでいく日菜太に対し、ジュソクはパンチで距離を詰めていく。
左ミドルを蹴らせないためにパンチでのインファイトを仕掛けていくのだが、日菜太は距離をとっての左ミドルを面白いようにヒットさせていく。日菜太がヒザ蹴り2連打から左ミドル、左ストレート。
2R、左ミドルからの左ストレートをヒットさせた日菜太は何度か右フックで自分から突っ込んでいくが、パンチは空振りが目立つ。ジュソクは1Rと変わらずパンチで突っ込んでいき、距離が開くと日菜太の左ミドル、左ローをもらう。パンチの距離になると両者とも組みが多い。
日菜太がワンツーからの左ミドルを鮮やかに決めるが、パンチだけで行くとリキみすぎているのか、大振りが目立つ。
3R、日菜太の左ミドルからの右ストレートがクリーンヒット。すかさずパンチで攻めて行く日菜太だが、ジュソクもパンチを返す。日菜太が高めの左ミドルをジュソクのガードの上から連発すると、ジュソクの顔が苦痛に歪む。日菜太は左ミドルからのバックブロー、左ミドルで止めておいての左ヒザ蹴りと蹴り続け、ジュソクもパンチで突っ込むのを最後までやめなかったが、クリーンヒットはほとんどなく、日菜太が完封した形となった。
マイクを持った日菜太は「すいません。申し訳ない試合をして」といきなりのお詫び。「パンチで倒そうと思っちゃって……」と言うと、場内の応援団から「お前の持ち味は蹴りだ!」との声が飛び、「そうなんですけど」と日菜太は頭をかく。「まだパンチがヘタクソなので、もっと練習して倒せるようになりたいです。いま格闘技が面白くないとか言われていますが、自分が一番になって引っ張っていこうと思っています。もっともっと頑張ります」と、日菜太はファンに宣言した。
するとここで、同じくK-1MAXで活躍する渡辺一久がリングに上がり、マイクを持つと「次は日菜太君とやります。今日は俺が教えた左ミドルがよかったな」とジョーク(日菜太は70kg、渡辺は60kgのため対戦はない)を飛ばし、「2人で盛り上げていこう」と日菜太にエールを送った。
▼セミファイナル −65kg契約 3分3R延長1R
○裕樹(リアルディール/初代RISE 60kg級王者)
延長R 判定3-0 ※三者とも10-9
●大石駿介(OISHI)
※本戦は30-29、30-30、29-29
出場が決定していた田中秀弥(RIKIX)が練習中に鼻骨を骨折して欠場となり、12月12日に試合を行ったばかりの前RISE60kg級王者・裕樹がスクランブル出場。大石と対戦する。裕樹は60kg級では持ち味が出なかった時期もあり、前回の試合から65kg級に階級を変更。今回がRISEでは初の65kgでの試合となる。
1R、気合い満点の裕樹はローを次々と蹴っていくが、大石はしっかりとスネでブロックして同じローを蹴り返す。
ローを得意とする裕樹に真っ向からローの蹴り合いを挑むという意外な展開に。裕樹が右ローを蹴れば大石が右ローを蹴り、さらに裕樹が右ローを返すと大石も右ローを返す。裕樹は左ハイキックも繰り出すが、これは受けられた。
2R、激しいローの蹴り合いがこのラウンドも続く。裕樹のヒザ蹴りで大石が右の頬をカットして流血、ドクターチェックが入る。再開後、裕樹は細かくパンチを放ってアッパー、ヒザを入れてロー。大石もパンチからローで応戦し、パンチとローの打ち合いに。
大石に2度目のドクターチェックが入ったあたりから、裕樹の左ローが効果を発揮し始め、大石が足を上げる場面が多くなってくる。裕樹はアッパーからロー、大石も負けじとアッパー、ヒザ、ローを返す。
3R、細かいパンチでブロックさせてアッパーを突き上げ、ローにつなげる裕樹。大石はダメージが見えるが、強気にローを打ち返す。そして、大石が度々狙っていた裕樹が頭を下げた瞬間に放つアゴへのヒザ蹴りがヒット! 裕樹がガクッと腰を落とす。
裕樹はラスト30秒でパンチとローをまとめたが、判定はドローで延長戦に突入。
大石はジャブと前蹴りで距離を取り、裕樹にローを蹴らせないようにするが、それでもローを蹴られると蹴り合いに応じる。裕樹もパンチからロー、そしてヒザ蹴りの連打。大石のパンチをしっかりブロックして、ローとアッパー。パンチ、ヒザ、ローとまとめて有効打で大石を上回り、裕樹が判定勝ち。しかし、納得がいかなかったか裕樹は四方に向かって頭を深々と下げた。
▼第8試合 −55kg契約 3分3R延長1R
○二戸伸也(クロスポイント吉祥寺/2008年 RISING ROOKIES CUP 55kg級優勝)
延長R 判定3-0 ※三者とも10-9
●梅原タカユキ(TARGET/2008年 RISING ROOKIES CUP 55kg級準優勝)
※本戦は29-30、30-30、30-30
2008年8月にRISE新人王決勝戦で対戦している両者。この時は二戸が判定勝利を収め、新人王を獲得した。その後、二戸はKO-ICHIに敗れるものの、Krushとの対抗戦では瀧谷渉太を撃破。ここで梅原を下して寺戸とのタイトルマッチに辿り着きたいところだろう。
一方の梅原は寺戸、森田晃允、ウエンツ☆修一と各団体のチャンピオンクラスとの対戦が続き、敗れてはいるものの激闘を展開。成長と実力の評価を高めつつある。
二戸にリベンジを果たし、寺戸とのタイトル&リベンジマッチにつなげたい。RISE55kgエース候補同士による一戦に注目だ。
1R、新人王決勝戦の再現のように、二戸が左ジャブを梅原の蹴りに合わせて突き刺し、仰向けに倒すが今回はダウンにならず。二戸はパンチのコンビネーション、梅原はミドル&ローで両者スピーディーにやり合う。二戸はワンツーの右ストレートをボディと顔面に打ち分け、得意のレバーブロー。
梅原はパンチ一発一発に対して、ミドルとローを必ず打ち返す。
2R、梅原は左ミドルを中心に攻め、二戸はジャブとロー。二戸は顔面に偏ることなく、右ボディストレートと左レバーブローをコンビネーションに混ぜてボディへダメージを与えていく。梅原も負けじと左ミドル、左ローを返し、完全にパンチVS蹴りの闘いに。
3R、梅原は二戸のローをスネでカットしてすぐにローを返し、二戸もそれにパンチを返していく。二戸がストレートを伸ばすと梅原が左ミドルを合わせる。
左ミドルと右ローを交互に入れていく梅原。二戸は右ボディストレートで攻めて行く。前半は梅原が蹴りでペースを握ったかに見えたが、後半は二戸のボディが効く一進一退の攻防。
ジャッジ1名が梅原を支持したが、判定はドロー。延長戦へ突入する。二戸がワンツーのボディとレバーブローを叩き込めば、梅原もローを蹴り返す。二戸はパンチだけでなく前蹴り、ボディへの飛びヒザ蹴りと梅原のボディへ集中攻撃。
これによって梅原が身体を丸め、蹴りの威力が弱まってきた。すかさずレバーブローと右ボディストレートで攻めて行く二戸。
二戸の執拗なボディ攻めに梅原は蹴りが出なくなり、出しても3Rまでの威力は感じられない。そこへ二戸が左をフェイントしての右ストレート! これがクリーンヒット。全ラウンドを通じて均衡が破れた唯一のシーンとも言える場面を作り出し、二戸が判定勝ちで梅原を返り討ちにした。55kg級ならではのスピードとテクニックで魅了するような、両者のスタイルが噛み合った好試合となった。
▼第7試合 −65kg契約 3分3R延長1R
○小宮山大介(北斗会館)
KO 2R2分27秒 ※3ノックダウン
●敏暴ZLS(チームゼロス/2008年 RISING ROOKIES CUP 65kg級準優勝)
小宮山兄弟の長男・大介が今大会で約2年ぶりに復活。これまで70kgを主戦場としてきた小宮山だが、復帰戦に向けて階級を変更。よりベストウエイトに近い65kg級での復活をかける。対するは左ミドルを得意とするサウスポーの敏暴。
1R、小宮山は腰をどっしりと落とした変則的な構えを見せたり、半身に構えてのフットワークで距離を取ったりと相手を惑わすような変わった動きを次々と見せる。
胴廻し回転蹴りや中足(足の指を反らして付け根の部分で蹴る)での前蹴りなど、70kgの時にはあまり見られなかった空手技を次々と繰り出していく。
さらに、離れた距離から右ストレートを突き刺し、敏暴はしりもちをつく。
2R、小宮山の変則的な動きにペースを握れない敏暴がパンチで行くと、小宮山は右のショートパンチ。かなりショートの距離だったが、威力は抜群で敏暴はグラつく。
ローとフックで攻め込む小宮山に、敏暴は組んでのヒザ蹴り。小宮山が首相撲に対応できないため、これが起死回生になると思われたが、敏暴が組みに行くところで小宮山の左フックがカウンターで炸裂! ダウンを奪う。
小宮山は左ボディから右ストレート、敏暴のローにアッパー気味の右ストレートを合わせて2度目のダウンを奪うと、反対側のコーナーから助走をつけての豪快な飛びヒザ蹴り! ガードしていた敏暴だが、バッタリと倒れたため試合終了。
小宮山が本来の空手を活かした新しいスタイルで復活の勝利を遂げた。
小宮山は「2年ぶりにリングに帰ってきました。2年前に脳みそを壊して試合が出来なくて、その間に弟(工介)が活躍してくれたんですけど、俺も2年間頑張ってきました。これからRISEの65kgは俺が盛り上げるから。俺と工介で日本の格闘技を盛り上げるからさ!」と高らかに吼えた。
最後には、前かがみになった工介の後ろから大介が前転、背中に乗った大介の両足を工介が抱えて肩車の体勢になるという派手なパフォーマンスを兄弟で披露した。
▼第6試合 −65kg契約 3分3R延長1R
○渡辺理想(=ゆうと/極真会館2007年全日本ウェイト制空手道選手権中量級準優勝)
延長R 判定3-0 ※三者とも10-9
●國安浩史(シルバーウルフ/2008年 RISING ROOKIES CUP 70kg級優勝)
※29-30、29-28、29-29
今回が2度目のRISE出場となる渡辺は、極真空手『全日本ウェイト制大会』最大の激戦区である中量級で準優勝した実績を持つ。対する國安は2008年のRISE70kg級新人王で、今回から65kg級に下げてベルトを狙う。
1R、渡辺は空手家らしく次々と多彩な蹴り技を繰り出して國安を翻弄。ハイキック、ミドルキック、重いローキックにとどまらず、顔面への前蹴り、後ろ蹴りをやったかと思えば上段後ろ廻し蹴り。パンチをヒットさせたい國安だが、なかなか入ることが出来ない。
2Rも同様に、渡辺はまるで手のように足を扱い、多彩な蹴り技で國安を追い込んでいく。インファイトでパンチを入れようとする國安だが、蹴りに阻まれてパンチが届く距離に入れない。渡辺の後ろ蹴り、上段前蹴り、重い奥足へのローがヒットする。
しかし3R、國安は戦法をガラリと変えて組んでのヒザ蹴りに活路を求める。この作戦がドンピシャではまった。首相撲に対応できない渡辺は國安のヒザ蹴りをもらい続け、國安は組んでヒザ蹴り、放してパンチ、また組んでヒザ蹴りの連打と一方的に攻め続ける。
この國安の組みヒザで本戦は三者三様のドローとなり、延長戦へもつれこんだ。
延長戦になると國安は再びパンチで勝負をかけようとするが、今度は渡辺が戦法を変え、左右に動いて國安のパンチをかわしながらフックと蹴りを入れていく。
機を見て後ろ蹴りやハイキックも放ち、パンチをサイドステップでかわしていく渡辺。國安は捕らえきることが出来ず、渡辺がRISEで2勝目を挙げた。華麗なる足技が4Rを通じて出続けるだけに、渡辺は65kg戦線で面白い存在になりそうだ。
▼第5試合 −60kg契約 3分3R延長1R
○倉田光敏(ヌンサヤーム/元全日本フェザー級9位)
延長R 判定3-0 ※三者とも10-9
●麻原将平(シルバーアックス)
※本戦は30-28、30-30、30-30
パンチ一辺倒でローが出ない麻原に対し、倉田は左ミドルキックを放って序盤からペースを握り続ける。左ミドルからパンチ、パンチから左ミドルと左ミドルを主軸にして、蹴りが当たればパンチが当たる、パンチが当たれば蹴りが当たるという相乗効果を生み出していく。
3Rラストには左ミドルを連打して勝利を決定付けたかに見えたが、判定はドロー。
延長戦になると倉田は集中力が切れたか迷いが出たのか手数が減り、逆に麻原はようやくローを放ってパンチを当てて行く。倉田も左ミドルを蹴り返すが、今度はパンチのヒット数で麻原が上回ったかに見えた。
しかし、判定は3-0で倉田の勝利。元・全日本キックボクシング連盟のランカーの実力を知らしめた。
▼第4試合 −60kg契約 3分3R
○花田元誓(リアルディール)
KO 3R46秒
●仲江川裕人(如心館)
成長著しい仲江川は60kg級のホープ。対する花田は今回がRISE初参戦だが、数多くの強豪を生み出してきたリアルディールが自信を持って送り込む秘密兵器だという。
1Rは仲江川が得意のボクシングテクニックを活かして左フックを何度もヒットさせ、花田がガクッと腰を落とす場面も。しかし、2Rになると花田が右のパンチを多く使ってクリーンヒットを何度も奪い、1Rに数多くもらった左フックにもしっかり対応。
互角で迎えた3R、花田は圧力を掛けて前に出ると同時の攻撃。前に出る勢いが凄い。フックの打ち合いから花田がいきなりの飛びヒザ蹴り! これで仲江川がダウン!
立ち上がったところへ花田が左ジャブを突き刺し、仲江川が転倒したところでレフェリーが試合をストップ。初参戦の花田が60kg戦線の勢力図を塗り替え、伊藤隆&山口元気も花田を絶賛した。
▼第3試合 ヘビー級 3分3R
○清水賢吾(極真会館/極真会館2007年全日本ウェイト制大会軽重量級準優勝)
KO 1R2分7秒 ※ヒザ蹴り
●福田雄平(フリー)※デビュー戦
極真会館から参戦した清水がまたも豪快なKO劇を演出した。フックをブンブンと振り回す福田に対し、清水は左ミドルと左ヒザ蹴りで徹底したレバー攻め。
レバーに意識を集中させておいての左フックで最初のダウンを奪うと、しっかりと首相撲で固めての左ヒザ蹴りから放して右ストレート、そしてもう一度、首相撲からのヒザ蹴りを連打してKO。圧倒的な勝利を飾った。
▼第2試合 ヘビー級 3分3R
○羅王丸(TARGET)
KO 2R2分 ※ヒザ蹴り連打
●吉沢 大(King Bee)※デビュー戦
ヘビー級のホープ羅王丸は日本人ヘビー級にありがちなフックを振り回すタイプではなく、コンパクトに回転を活かして連打が出来る。左ミドルと前蹴りで距離を取ろうとする吉沢に、羅王丸は連打で詰めていっての右フックでスタンディングダウンを奪う。ロープを背負わせての連打でもダウンを追加。
1Rは倒しきれなかったが、2Rにもフックの連打でダウンを奪い、最後は左ボディからのヒザ蹴り連打でKO。まだ23歳と若く、重量級のホープに名乗りを挙げた。
▼第1試合 −65kg契約 3分3R
○3104(=さとし/DEEP)
KO 3R1分2秒 ※右ストレート
●後藤 亮(STRUGGLE)※デビュー戦
1Rと2Rは完全に後藤のペース。パンチとローで上下に打ち分け、ヒザ蹴りで応戦する3104を翻弄する。ところが3Rの始まった直後、後藤のヒザ蹴りに3104がカウンターの右フック! これでダウンを奪い、左目上もカットして形勢逆転。
完全にポイントを奪われた後藤はパンチで倒しに行ったが、3104に右のクロスを合わされて仰向けにダウン! 3104が豪快な逆転KO劇でオープニングを飾った。
|