「IT’S SHOWTIME」
2010年2月13日(土)チェコ・プラハ 写真=IT'S SHOWTIME 試合レポート=Vos Gym Rotterdam
▼IT’S SHOWTIME世界ヘビー級タイトルマッチ ○バダ・ハリ(モロッコ) KO 2R2分50秒 ●ムラッド・ボウジティ(オランダ) IT’S
SHOWTIMEの世界ヘビー王者ハリが、チェコのプラハで行なわれた大会でタイトル防衛に成功した。 1R序盤から強打を続けて浴びせていく王者ハリ。挑戦者ボウジディはリング中央でハリの動きに合わせて回ることが精一杯の様子で、ガードを高くキープした状態を維持し、手数が少ない。
そのままラウンド終了になるかと思われたが、終盤にハリが右のボディストレートから返しの左フック、そして右フックをヒットさせ、ボウジディの意識が飛びかけたが、ここはゴングに救われる。 2Rに入ってもハリ優勢は変わらず、ラウンド序盤に左フックからのパンチでダウンを奪う。カウント8で立ち上がったボウジディだったが、ダメージは見た目にも明らか。
だがハリは冷静にKOの機会をうかがい続ける。その後も防戦一方となったボウジディに対し、ハリは容赦なく左右の強いフックを振り回し、このラウンド2度目のダウンを奪うと、迎えた2R2分50秒、ハリの右アッパーがまともにボウジディのアゴを捉え、レフェリーが即座に試合を止めた。
▼スーパーファイト ○ドラゴ(アルメニア) 判定3−0 ●山内裕太郎(日本) 3年前のK-1MAXで対戦している両者。この時はドラゴが山内から計5度のダウンを奪い、圧勝している。山内はアウェーの地でドラゴにリベンジを果たすことが出来るか? 1R、パンチのコンビネーションから前に出る山内は、そこから左ミドルをヒットさせる。しかし試合をリードし始めたのはドラゴ。
山内は次第にドラゴの周囲をサークリングしながらカウンターとローキックを織り交ぜ、ポイント取りに移行する。ラウンド後半からドラゴが強いパンチをまとめ出し、ハイキックを山内の顔面にヒット。 まともにくらった山内も後ろに退かず、懸命に前に出続ける。破壊力のドラゴに対し、山内はフックを混ぜたパンチのコンビネーションから、最後はローキックという上下の打ち分けでポイントを確実に奪おうとする。山内の飛び膝が決まったところでラウンド終了。
2R、身体が温まったドラゴが強打を続けて繰り出し、コーナーに山内を追い詰める。追い詰められた山内は時折ローキックをカウンターで当てるが、ドラゴはお構いなしにボディフックを連打。
ロープを背にした山内、ここで美しいフォームからのサイドキックをドラゴの顔面にヒットさせる。だが、ドラゴは引き続きパンチで前に出続け、それをカウンターの前蹴りとヒザ蹴りで迎え撃つ山内。ドラゴもスピンキックをみせるが、これは当たらず、続けてヒザ蹴りを2連打。これには山内も左のヒザ蹴りを3つ続けてドラゴのボディに返していく。 先ほどのお返しとばかりに山内も回転しての蹴りを放つが、バランスを崩してマットに倒れる。なおも距離を詰めて強打で攻めるドラゴは、右のパンチから左アッパーに繋げる。パンチからのローキックで返す山内は、ラウンド終了直前に、レフェリーから肘打ちの注意を受ける。このラウンドではドラゴが蹴りでまとめ、勝負は最終Rへ。
ラストラウンド、ドラゴは開始から山内を攻め立て、再びコーナーに追い込んでいく。山内も左の前蹴り、右ローから活路を見出そうとする。
ここから試合はパンチの打ち合いに発展し、観客も両者を称えるように歓声で試合を盛り上げる。止まらないドラゴの強打に対し、山内は細かいパンチのコンビネーションとローキックで止めようとする。 それでもドラゴは攻撃の手を緩めず、勝利を確定させるようにパンチとキックをまとめ、山内を後退させる。残り1分を切ったあたりから、両者最後の気力を振り絞っての攻防に発展。山内はパンチからの飛びヒザ蹴りをみせるが、決定打にはならず、そのまま試合終了。試合を終えた両者は、握手で互いの健闘を称え合った。クリーンヒットで上回ったドラゴが判定で勝利を収めた。
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