▲辰尾春暉に豪快な前蹴りを決める服部柊斗(右)
2月28日(日)千葉・ウィラサクレック天王台ジムにて、M-1MC『第32回ウィラサクレックジムアマチュア大会』が開催された。
今大会の目玉は、25kg、30kg、35kg級の次期挑戦者を決めるトーナメントだ。ここで勝ち残った者は、3月28日(日)に大森ゴールドジムで行われる大会で王者とタイトルマッチに挑むことになる。
25kg級トーナメントでは、M-1アマチュア大会の常連ファイター・優音(藤原)と、安本春翔(士道館橋本道場)が激突。軽快なフットワークを踏む優音に対し、安本は落ち着いて優音の出方を見ていた。優音がジャブを突き、安本が右ストレートを放ったところに優音が左ミドルを合わせる。
直後に安本も負けじと飛びヒザで優音に応戦。終盤には互いに打ち合いとなり、ゴングが鳴るまで手を休めることがなかった。判定で安本が勝利し、自身初となるタイトル挑戦権を獲得した。
30kg級トーナメントでは、稲垣柊(WSR蕨)と大橋光明(小比類巻)の新鋭同士の決勝となった。互いにミドルの打ち合いが続く中で、稲垣が大橋をロープへ詰めて強烈な左ミドル! 一瞬大橋の腰が落ち、稲垣が仕留めにかかる。
辛くも稲垣のラッシュから抜け出した大橋が、今度は稲垣をロープへ追い詰め、右ストレートを浴びせる。稲垣が突っ込んできたところを大橋が左ミドルで合わせるが、稲垣が飛び蹴りを放つ。終盤には再び大橋が稲垣をロープに詰めて右ストレートを浴びせるが、ここでゴング。判定で稲垣がタイトル挑戦権を獲得した。
35kg級トーナメントでは、初代M-135kg級王者で、2階級制覇を狙う名倉慧悟(堀切KMC桜)と、ここ最近急成長を遂げてきている末長勇一(K-RIVER)が激突。
→名倉慧悟(右)と末長勇一の一戦
末長の右ローや右ミドルに、得意の首相撲へとつなげられずにいる名倉。末長のワンツーから右ロー、右ローから左ミドルと、蹴りのコンビネーションが冴え渡る。
得意の首相撲が影を潜める名倉は、中盤以降ミドルを中心に試合を組み立てていく。ガードが下がった末長に、的確にミドルをヒットさせていく名倉は、ようやく首相撲で末長のリズムを崩しにかかる。末長は序盤からスタイルを変えず、右ローや右ミドルを放ち続けていく。名倉は的確にミドルをヒットさせていき、有効打を稼いでいく。勝敗は判定へと持ち込まれ、名倉がタイトル挑戦権を獲得した。手数で圧倒した末長だったが、中盤以降の名倉の的確なミドルの有効打を重視したことが、名倉が勝利したポイントだったのかもしれない。
ワンマッチでは、一般の部・70kg契約で行われた前村純(WSR幕張)と渡辺巧(國土會)の一戦では、序盤早々に蹴り合いが展開されていたが、渡辺の左ローに前村がカウンターで右ストレート一閃! 目にも鮮やかな秒殺KO決着となった。
→前村純(右)と渡辺巧の一戦
あまりにも早すぎたKO劇であったため、何が起きたかわからずにいた観客がいたほどだった。
この試合に続けと言わんばかりに、この次の試合に行われた服部柊斗(WSR蕨)VS辰尾春暉(ドラゴンテイル)の一戦では、25kg級王者の服部が開始から前蹴りで辰尾に付け入る隙を与えず、豪快な右の前蹴りが辰尾のアゴを突き刺し、服部が圧巻の秒殺KO勝利を飾り、王者の風格を見せ付けた。
トーナメント戦後に行われた、前M-135kg級王者の野上克輝(WSR九州)と坂入泰士(ドージョー☆シャカリキ)の一戦では、野上の猛然としたラッシュに、成す術なく防戦一方の坂入。
→野上克輝(左)と坂入泰士の一戦
野上の右ローに左ミドルを返す坂入だったが、野上の右ローがしつこく坂入を襲い、ダウンを奪う。続行不可能と判断したレフリーが試合をストップ。秒殺KO勝利を収めることとなった。この3試合は時間にして合計1分余りというスピーディーな展開であった。
また、対戦相手の欠場により、試合が空いた岩間寛(WSR荒川)の対戦相手に、なんとM-1スーパーウェルター級王者のクンタップ・ウィラサクレックが登場。エキシビションマッチという形でゴングが鳴った。
→大人気ないクンタップを羽交い絞めするM-1山本代表
開始から岩間がミドルやワンツー、左ボディーブローと、コンビネーションをつなげていく。徐々に岩間の手数が増えるにつれて、クンタップの顔色が徐々に変わり始め、やがて本気モードの表情を見せ始める。が、クンタップがアツくなっていることに気づいた本部席サイドが「大人気ないからやめなさい(笑)」とマイクコール。場内に笑いがとんでいた。そんな大人気ない態度のクンタップに、M-1・山本代表が羽交い絞めにするハプニングが。大盛り上がりの中でゴングが鳴り、クンタップ相手に果敢に攻め立てた岩間と、エキシビションながらも、岩間の相手として買って出たクンタップに大きな拍手が送られた。
なお、次回大会は3月28日(日)に、大森ゴールドジムにて行われることになっている。
写真&レポート:鈴木雄一郎
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