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【ムエローク】ノラシンが現役王者に激烈KO勝ち!オロノーはトライジャックを封じ込む

2010/04/25


DEEK総合企画
「MUAY2010 2nd〜ムエロークプレステージ」

2010年4月25日(日)東京・ディファ有明
1部開場14:00 開始14:30
2部開始18:00
※10:00〜ムエロークジュニア大会(アマチュア)を開始

▽2部

▼ヨードムエチャンピオンズカップ一回戦 Bブロック 3分5R
○オロノー・ウォーペットブーン(タイ/元ルンピニースタジアム&プロムエタイ協会スーパーフェザー級王者、第二回レンヨー杯王者)
判定3−0 ※三者とも49−48
●トライジャック・シットジョームトライ(タイ/元プロムエタイ協会フェザー級王者、トヨタ杯トーナメント王者)
※オロノーが決勝戦に進出。

 王者の中の王者を決める立ち技最高峰のトーナメントとして、ルンピニー、ラジャダムナン、タイ国プロムエタイ協会という権威あるタイトルを獲得・保持している選手によって争われる「ヨードムエ チャンピオンズカップ」(ヨードムエ=真の最高峰の選手にのみ使われる称号)。ムエタイのトップ選手が激突するBブロックが行われた。

 −60kg級Bブロック一回戦で対戦するのは、共に来日経験のあるオロノーとトライジャック。

 オロノーはブアカーオに2戦2勝、ヨーセングライには2戦2KO勝ち、ベテランらしく長身から繰り出される巧みな技の数々を持ち、特に首相撲からのヒザに磨きがかかり試合運びの上手さが光る。

 今回の試合前には「今年いっぱいで長年の選手生活に終止符を打つ事に決めました」と年内での引退を表明しており、トーナメントを制して有終の美を飾ることが出来るか?

 対するトライジャックは、重いパンチ&ローキックで常に倒しにいく超攻撃的なファイトスタイルで人気上昇中。キャリアこそ少なめだがムエタイの強いイサーン地方のジム所属で、なにより打撃のポイントを重視するムエロークルールにはピッタリの戦いをしてくれる選手だ。

 1R、両者ともサウスポー。トライジャックは最初から積極的に左ロー主体に攻めて行く。体格でかなり優るオロノーを相手に、パンチと左ロー、バックブローまで繰り出す。

 オロノーが長いリーチから繰り出す伸びのある左右のパンチを軽々とステップでかわし、回り込んで空振りさせてのパンチ。トライジャックの左ローが早くも効いて、完全に優勢に立つが、ラウンド後半になるとオロノーは組んでのヒザ蹴り。トライジャックは自分のヒザを押し当てるようにしてディフェンスする。

 2R、トライジャックがパンチを当てていくと、オロノーは組みに行く。首相撲の攻防でお互いに崩し合うが、どちらも倒れない。トライジャックは自分のヒザを相手に押し当ててヒザを防ぎ、オロノーはそのヒザの上から回すようにしてヒザを落とす。

 両者とも崩し合いを繰り広げるが、絶妙のバランスで全く倒れることがない。トライジャックの左ローとフックに押され気味のオロノー、首相撲からヒザだけでなくヒジも入れる。

 3R、トライジャックの左ローが完全に効き、足を上げるオロノー。しかし、オロノーは長く伸びるストレート、右ミドルから組み付いてのヒザ蹴りに活路を求める。このしつこい首相撲にトライジャックは体力を削られていき、体格差もあって徐々にヒザを防げなくなっていく。オロノーはヒジも混ぜて攻撃。

 それでも離れるとトライジャックはパンチとロー、オロノーはすぐに組んで首相撲とヒザ蹴りで削っていく。

 4R、オロノーはパンチやミドルを一発当てると即座に組み付いての首相撲。逃げるトライジャックだが、オロノーの右ローをもらってしまう。アリ地獄のようなしつこくねちっこい首相撲に、明らかに体力を奪われたトライジャック。完全にオロノーのペースとなった。

 トライジャックのヒザ防御はおろそかになり、オロノーが蹴る真っ直ぐのヒザもボディに入る。トライジャックは掴まれないように逃げながらのパンチ、オロノーはびくともせずに組んでいく。そして、ついにトライジャックが首相撲でコカされる場面も。

 5Rもオロノーの首相撲で打撃を封じられるトライジャック。序盤はローとパンチで何とか挽回しようとしたが、中盤を過ぎると負けを悟ったか、前蹴りを出すのみで諦めモード。オロノーは首相撲からのヒザを続けて、中盤以降は軽く流して最後のゴングを聞いた。

 判定はジャッジ3名とも49−48でオロノーの勝利を支持。オロノーは8月1日(日)東京・八王子京王プラザホテルで行われる決勝戦で、Aブロック勝者のシンダム・ギャットムー9(タイ)と対戦することを決めた。

●オロノーのコメント
「あまり満足できない試合でした。今月10日にイタリアで試合があり、練習期間が1週間ちょっとしかなかったのが原因ですね。イタリアではフランス人にヒジで2RKO勝ちです。最近は海外での試合が多く、去年はタイで試合をしたのは1回だけ、あと3回は他の国でした。

 1Rでトライジャックのローキックが効いてしまったので首相撲に行きました。スネでカットしても効きました。トライジャックが軽量だったから勝てたようなもの。テクニック的には自分よりも相手の方が上でしたね。相手が蹴れないような状態にしてしまうため、近い距離で闘う対策を使いました。4Rの終わりと5Rの真ん中でポイントを奪ったと思います。相手はスタミナが切れていました。

 シンダムとはこれまで9回闘い、私が4回勝って5回負けています。今度が10回目で、勝てばイーブンになります。勝てる自信? フィフティフィフティでしょうね」




▼ヨードムエチャンピオンズカップ一回戦 Bブロック 3分5R
○ノラシン・ルークバンヤイ(タイ/元ルンピニースタジアム認定ライトフライ&フライ級王者、元ラジャダムナンスタジアム認定ライトフライ級王者、2007年ムエタイMVP)
KO 3R2分43秒 ※左フック
●ヨードトンタイ・ポーテラクン(タイ/現ラジャダムナンスタジアム認定ライトフライ級王者)
※ノラシンが決勝戦に進出。

  −51kg級のBブロック1回戦で対戦するのは、“ムエタイ軽量級の壊し屋”ノラシンとラジャダムナンスタジアム認定ライトフライ級の現役王者ヨードトンタイ。ムエカオ(ヨードトンタイ)VSムエマッド(ノラシン)、フライ級最高峰の対戦となった。

 ヨードトンタイは、ムエタイで最も有名なワンソンチャイプロモーションの選手。17歳の現役高校生ながら抜群のセンスと知性を持っているという。4月5日にはタイトルを防衛したばかりだ。ソンチャイ・プロモーターは「一階級上で、実績のあるノラシンと戦うのはまだ時期早々だ」とこの対戦に難色を示していたというが……。

 1R、ジャブと軽いローキック、フェイントの掛け合いとかなりゆったりとしたスタートとなったが、突如、ノラシンが踏み込んでの左右フック連打でテンポを変える。鋭い踏み込みからの左右フック連打を何度か仕掛けた。

 しかし、ヨードトンタイは動じずに前蹴りで距離をとり、ローを蹴ってニヤニヤと余裕の笑み。ボディへのストレートも放ったが、いかにも様子見という態度を崩さず。逆にノラシンは強い右ローもヒットさせていく。

 2R、左右の強打でラッシュを仕掛けるノラシン! ヨードトンタイも強気に打ち合い、場内は大きく沸く。2度目の打ち合いでノラシンのフックがヒットし、ヨードトンタイが腰を落とす場面もあったが、驚異の回復力ですぐに持ち直し、打ち返す。

 ローの蹴り合いが続き、ノラシンはローからパンチにつなぐ。ヨードトンタイはテンカオを突き刺してロー。両者共に軸足を蹴るが、両者とも倒れることはなかった。

 3R、ここまで様子見だったヨードトンタイが一気に転じて攻撃を仕掛ける。パンチとヒジでラッシュ、強いローキック。押され気味のノラシンだったが、それでもフックを打ち返す。

 激しいバトルになり、ヨードトンタイはヒジ、ノラシンは左右フックで至近距離で打ち合う! そして、打ち合いの最中でノラシンの右フックがヒット! ダウンを奪う。

 立ち上がったヨードトンタイだったが、ダメージは深く、ノラシンは一気にパンチのラッシュ! 凄まじい強打がヨードトンタイの頭を何度もふっ飛ばし、ロープに釘付けにしてメッタ打ち! 最後は左フックが炸裂し、ヨードトンタイは前のめりにダウン! ノラシンが現役ラジャ王者から壮絶なKO勝ちを奪い、ルンピニーの強さを見せ付けた。

 ノラシンは8月1日(日)東京・八王子京王プラザホテルで行われる決勝戦で、Aブロック勝者のクンスック・P.N・ジム(タイ)と対戦する。

●ノラシンのコメント

「勝てて嬉しかった。相手はちょっとデカくて強かったけれど、予定通りにパンチでKOしに行ったよ。相手は全然怖くなかった。3Rの最初は攻撃を当てられてちょっと効いてしまったが、その後、もう1回立て直して攻撃をした。勝てたのは練習のおかげ。そして、打ち合いの時に怖がらずに、自分から力強く行ったのがよかった。

 クンスックとは初めての試合になる。大丈夫、勝つと思うよ。相手もパンチを得意にしているし、似ているタイプだね。もし僕のパンチが当たればまたKOで勝てると思う」




▼WPMF日本ランキング査定試合 55kg契約 3分3R
○清水雄介(尚武会/J-NETWORKバンタム級王者)
判定3−0 ※三者とも29−27
●エッガラート(タイ/立川KBA)

 2月21日に牧裕三を破り、J-NETWORKバンタム級王者になった清水が参戦。国内では14戦12勝(2KO)2分と無敗のまま高校生チャンピオンとなり、勢いにのっているところで初のタイ人選手と激突する。

  清水の右ローで始まった1R、しばらく互いに見合う状態が続くが、その状態を破ったのがエッガラート。右ローを仕掛け、突っ込んでワンツー。清水も右ローを返す。すぐさまエッガラートが左フックを出すが、清水はこれをスウェーで避ける。すかさず今度は清水が左フックを出すが、エッガラートもスウェーでかわす。清水は右ミドルや右ハイを打ち分けていき、じりじりとエッガラートをロープへ詰め、ノーモーションで右ストレート! ガードをすり抜け、アゴをとらえてダウンを奪う。

  2R開始早々、互いに激しいパンチの打ち合いが展開され、パンチが飛び交うところをエッガラートがカウンターの右ヒジ! 1Rで奪われたダウンを奪い返す。

 このヒジで清水は額をカット。エッガラートに流れが傾くかと思われたが、清水の右ストレートがエッガラートをとらえ始め、エッガラートの左目が徐々に腫れ上がっていく。

 3R、ゴングが鳴った直後にタイムストップ。エッガラートの左目の腫れがひどいようだ。再開すると、エッガラートは左目を保護するかのように、ガードを高く構える。清水は右ヒジ、ワンツー、右ストレートとつなげていくが、エッガラートは右ミドルを何度も返す。清水もひるむことなくワンツー、右ミドルと手を休めない。エッガラートも右ミドル、ワンツーと清水と同様に返していく。

 互いに倒しきれずに、勝敗は判定へ。結果、手数で上回った清水が競り勝ち、王者戴冠後初となる試合を白星で飾った。



▼WPMF日本ランキング査定試合 バンタム級 3分3R
○勇児(HOSOKAWA/MA日本キックボクシング連盟フライ級6位)
判定3−0 ※三者とも30−27
●一戸総太(WSRフェアテックス)
※一戸が計量オーバーのため一戸10オンス、勇児6オンスのグローブハンデ、一戸は減点1からのスタート

  1R、序盤は互いに右ローで出方を探る状態が続く。一戸は右ローを出すと、勇児はそのまま懐めがけて突っ込んで右ボディストレート、左右フックと前に出る。前に出る勇児とは対照的に距離をとりながら間合いを図る一戸。

 前蹴りで牽制しながら自分の距離を保つ一戸に、勇児は右ローを出していく。距離をつめていく勇児は、一戸をコーナーに詰めてつっこみながら右ストレート、右ハイとつないでいく。

 2R、先手で仕掛けたのは勇児。右ローからワンツー、距離を詰めてパンチのラッシュ! ガードをしながら右ヒジを仕掛ける一戸。右ミドル、右ハイと鮮やかにつないでいくが、勇児はしつこく前に出てワンツー、左右フックを振り回し、さらにはパンチのラッシュと、勇児の猛攻がとまらない。

 3R、ここに来てさらに手数を多く出していく勇児。細かく動き、右ローやワンツーと、とにかく攻めの姿勢を崩さない。

 これには一戸も防戦一方に。勇児のパンチのラッシュが続く中、一戸は右ヒジ、左ミドルを返す。

 しかし勇児はこれをしっかりと見て交わし、左の縦ヒジ! パンチのラッシュに加え、飛びヒザ、飛びヒジと、スタミナが豊富だ。

 終了のゴングが鳴ると、勇児は勝利を確信して両手を挙げてアピール。結果、勇児がフルマークで一戸を下し、東北人対決を制した。



▼スーパーライト級 3分3R
○K・ルークプラバーツ(センチャイムエタイ)
TKO 3R2分52秒 ※右ヒジによるカット
●細野岳範(チームドラゴン)

  1R、細野が左ミドルと右ローを打ち分け、対するKはワンツー主体。細野がジャブで牽制すると、Kもジャブで牽制。しばらく見合う状態が続くと、今度はロープ際で首相撲からヒザの展開が続く。ここでKが右ヒジを出すが、直後に細野も右ヒジを返す。Kは左右のヒジを出し、ヒジ合戦となる。

 2R、ヒジを主体としたスタイルに変わっていくK。しばらく首相撲からヒザの展開が続く。Kが体勢を入れ替え右ヒジ! そして自ら首相撲を仕掛け、ヒザを叩き込んでいく。ジャブで牽制しながら間合いを図る細野は、距離を詰めて右ヒジ! これがKの首元にグサリと突き刺さる。その後も首相撲からヒザの状態が続いてゴング。

 3R、序盤は見合う状態が続くが、細野の左ストレートが当たりはじめ、Kの顔が徐々に赤くなっていく。Kは首相撲からヒザで応戦していく。細野が前蹴りで距離を保つが、Kは前蹴りを捌いて右ストレート。すぐさま細野は右ローを返す。残り10秒のところでKの右ヒジで細野をカット! ドクターチェックになるも、レフリーがストップ! そのままTKOとなった。細野は最後の最後でKの右ヒジで沈む結果となった。



▼スーパーウェルター級 3分3R
○クンタップ・ウィラサクレック(WSRフェアテックス/M-1スーパーウェルター級チャンピオン)
KO 2R2分54秒 ※パンチ連打
●ジョバーニ・コンバット(イタリア)

 1R、右ミドルを中心に出していくクンタップに対し、ジョバンニはジャブで牽制しながら前に出る。ワンツー、右ストレートとパンチのコンビネーションをうまく使い分けながら前進してくるジョバンニ。

 中盤に差し掛かるとクンタップはサウスポーにスイッチ。左ミドルを中心に出していく。クンタップが執拗に左ミドルを出してくるが、ジョバンニはお構いなしにと突っ込みながらワンツーを出していく。

 2R、サウスポーのクンタップは左ミドルを出し続ける。オーソドックスに戻すと左右ミドルを出し、ミドルを中心にジョバンニに仕掛けていく。1R同様、ジャブで牽制しながら前に出るジョバンニはワンツー、右ストレートと、パンチを主体にクンタップに応戦。

 徐々にクンタップがプレッシャーをかけ始めると、ジョバンニをコーナーへ詰めて左フック、右ストレートからパンチのラッシュと、クンタップの重厚感溢れるパンチ音が場内に響き渡る。

 クンタップは畳み掛けてジョバンニからダウンを奪うと、さらに猛追をかけて左フック、右ストレート、左右のボディ打ち。ジョバンニをめった打ち! たまらずジョバンニは腰を落とし、ここでレフリーが止めてTKOとなった。


▽1部

▼スーパーフライ級 3分3R
△飛燕野嶋(契明/MA日本キックボクシング連盟フライ級1位)
ドロー 判定1−0 ※29−29、30−29、29−29
△薩摩サザ波(TARGET/J-NETWORKスーパーフライ級6位)

▼ヘビー級 3分3R
○小澤和樹(アストラルジャパン)
判定2−0 ※29−28、30−29、29−29
●Edo Ryoma(バンゲリングベイスピリット)

▼フェザー級 3分3R
△玲央(フォルティス渋谷)
ドロー 判定1−1 ※30−29、29−29、29−30
△マシアス・コンバット(イタリア)

▼68kg契約 3分3R
○クンスック・アラビアジム(アラビアムエタイ)
TKO 3R48秒 ※ヒジによるカット
●メリケン雄人(契明)

▼75kg契約 3分3R
○入月健一(S.V.G)
判定2−0 ※30−29、30−29、29−29
●影・センチャイジム(センチャイムエタイ)

▼63kg契約 3分3R
○SHOWYA(チームバークス)
判定3−0 ※30−29、30−28、30−28
●川井りん太郎(Kインター柏)

▼ウェルター級 3分3R
○左 禅丸(レグルス池袋)
判定2−0 ※30−29、29−29、29−28
●杉内 勇(チームROKEN)

▼60.5kg契約 3分3R
○田口真也(名古屋JKファクトリー)
判定3−0 ※三者とも28−25
●川崎 亮(尚武会)

▼ウェルター級 3分3R
△セバスチャン中村(レグルス池袋)
ドロー 判定1−1 ※29−29、30−29、29−30
△三縄良太(尚武会/超人クラブ)

▼63.5kg契約 3分3R
○青木宏樹(GT)
KO 1R2分33秒 ※右ヒザ蹴り
●GOEMON(新宿)

▼ムエロークジュニアトーナメント1回戦
○伊藤紗弥(尚武会)
判定3−0 ※三者とも20−18
●齋藤絋也(ドラゴン)
※伊藤が決勝戦に進出。

▼ムエロークジュニアトーナメント1回戦
○那須川天心(K-RIVER)
KO 2R1分40秒
●名倉彗吾(堀切KMC桜)
※那須川が決勝戦に進出。

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