新日本キックボクシング協会 「FINAL
武田幸三引退記念興行」 2010年5月16日(日)東京・後楽園ホール 開場16:45 開始17:00
▼ダブルメインイベント(第10試合) 武田幸三引退エキシビジョンマッチ 3分1R −武田幸三(治政館) エキシビジョンのため勝敗なし −佐藤嘉洋(名古屋JKファクトリー) 昨年10月にK-1MAXでアルバート・クラウスを相手に引退試合を行った武田が、ホームリングである新日本キック協会のリングでエキシビジョンマッチを行った。
対戦相手はK-1で対戦することこそなかったものの、同じ日本人ファイターとして切磋琢磨してきた佐藤。武田は治政館の長江国政代表と共に2人でリングへと向かう。
両者共にレガースを着用したエキシビジョンマッチとして行われた一戦だが、大会後に武田から「レガースをつけていたけどガチでやらせてもらいました」という告白があったように、このエキシビジョンは実戦さながらの激しいものとなる。
まず武田がいきなりフルスイングのパンチで突進! 佐藤もそこに容赦なく左のヒザ蹴りを突き刺す。佐藤が左ミドルを蹴っていけば、武田はそれをブロックして右のインロー。
佐藤は左のヒザ蹴りから奥足へのロー、さらにパンチから右ローと得意のコンビネーションで攻め込む。武田も必死にパンチとローを返していったが、佐藤の左ハイキックでダウンを奪われてしまう。 再開後も佐藤は強烈な左ボディ、ヒザ蹴り、パンチとローで武田を追い詰める。武田は佐藤の圧力に下がりながらもローとパンチを返していくが、佐藤の右ボディストレートで2度目のダウンを奪われる。
しかしそれでも武田は立ち上がり、最後まで佐藤と激しい打ち合いを繰り広げ、エキシビジョンマッチに関わらず“やるか、やられるか”の戦いを見せた。 エキシビジョン終了後、最後の相手を務めた佐藤、日本のキックボクシングの生みの親でもある野口修氏、新日本キックの伊原信一代表、そして長江代表が武田に花束や記念品を贈呈。そして武田は後楽園ホールに集まったファンにメッセージを送る。
「昨年K-1の谷川さんに試合を組んでもらい、角田さんに試合をさばいてもらい、引退試合を行いました。当初は引退セレモニーのみだったのですが、先生や関係者と話をし、佐藤君とレガースをつけていたけどガチでやらせてもらいました。体はボロボロですが、普段の試合前と同じくらい練習をやって、エキシビジョンをやりました。これからは佐藤君がK-1、キックを引っ張ってくれると思います。協会の選手もそれに続いて欲しいと思います。
もし今世で来世の人生を選ぶことが出来るなら、またキックボクシングの道を進み、治政館に入門し、来世もキックをやって頑張りたいと思います。
こんな弱い自分を“キックボクサー武田幸三”として試合に出してもらい、そして応援していただいた皆さん、15年間ありがとうございました」 この挨拶と10カウントゴングを終えた武田は、リングサイドのファン・関係者にお礼の言葉を述べて、最後のリングを降りた。
▼ダブルメインイベント(第9試合) 日本ミドル級タイトルマッチ 3分5R △宮本武勇志(治政館/王者) 判定1−0 ※49−49、49−48、48−48 △喜多村誠(伊原/同級1位/挑戦者) 昨年10月に後藤龍治を破って王者となった宮本。初防衛戦の相手となった喜多村はその後藤の後輩にあたる存在。2人はこれまでに3度対戦しており、戦績は喜多村が1勝2分と勝ち越している。 1R、圧力をかけて前に出て行く喜多村。宮本はそこに左ミドルを蹴っていく。喜多村はジャブをついて右ロー、左ミドル。喜多村が左ミドルやパンチを返してきても、構わず前に出て右フックで飛び込む。 2R、宮本を下がらせて左ミドルと右ローを当てる喜多村。宮本はその左ミドルをブロックしてローを返す。しかし前に出続けるのは喜多村でしっかり右ローを当てて、そこから右のハイキック! さらに右ストレートを当てて前に出る。 3R、喜多村が左ミドル、左右のローで攻撃を組み立てる。宮本はジャブと左フックを突いて、そこからローを蹴り返す。距離が詰まるとヒジ打ちを見せる喜多村。やはりここも前に出右ローを蹴っていくが、宮本も左ミドルを蹴り返してパンチからロー。首相撲の攻防になっても互いに積極的にヒザ蹴りを出す。 4R、いきなりバックキックを放つ喜多村。宮本は喜多村の攻撃をブロックして右ストレートから左フック、左ミドルを受けてすぐにローを蹴り返す。前に出て右ローを当てる喜多村。宮本はそこにパンチを合わせて、喜多村も右のクロスを狙う。距離が詰まり首相撲になるとヒジ打ちを打ち合い、緊張感のある展開が続く。 5R、左ミドルと右ローの喜多村。しかし宮本はそれをブロックしてワンツー、そして左フック! 喜多村はこのパンチをもらうものの、前に出て右ロー。宮本も下がりながら左フックを当てて、後手には回らない。最後は喜多村が宮本をコーナーに詰めてバックキックを放ったところで試合終了となった。互いに両手を挙げて勝利をアピールしたものの、判定は1−0(宮本)のドロー。宮本がドロー防衛という形でベルトを守った。
▼セミファイナル(第8試合) 60kg契約 3分3R △蘇我英樹(市原/日本フェザー級王者) 判定0−0 ※3者とも29−29
△内田雅之(藤本/同級6位) 一昨年前にタイトルへの挑戦権をかけて対戦している2人。この時は激闘の末に蘇我が内田を振り切って挑戦権を手にしている。(※公式結果はドロー、挑戦者決定戦だったため延長Rが行われ勝敗がつけられた) 1R、右ストレートからパワフルなローで前に出て行く蘇我。内田は足を使って距離を取り、蘇我の奥足にローを蹴っていく。さらに蘇我が前に出てくるところにヒジ打ちを狙う内田。しかし蘇我は前に出続けて重いローを蹴る。 2R、ジャブを突いて左のヒザ蹴り、そして奥足ローを蹴る内田。蘇我が強引に前に出てくると前蹴りや左ミドルでそれを突き放す。しかし蘇我はその前蹴りと左ミドルをキャッチして左フック! 内田をロープまで詰めると右のショートフックを当てて、そのままラッシュ! 内田は蘇我に背中を向けながらも何とかガードしてこのラウンドを凌ぐ。 しかし3Rに入ると内田が右フック、ヒジ打ちを当てて反撃! 蘇我は前に出続けるが、内田はそこにヒザ蹴り、そして右フックを的確に当てる。それでも前に出てパンチとローを繰り出す蘇我。内田も下がりながらではあるが、距離を作ってヒザ蹴りやローを蹴る。そして内田が終盤、左ミドル、そして左ハイキック! これを蘇我にヒットさせ、さらにはバックヒジ打ち! 試合はこのまま終了となり、互いに1ポイントを奪い合う形でドローとなった。
▼第7試合 日泰国際戦 68kg以下 3分3R ○サムランチャイ・96ピーナン(タイ/ルンピニースタジアムスーパーライト級6位) 判定3−0 ※30−29、30−28、30−28 ●緑川 創(藤本/日本ウェルター級王者) 元プロムエタイ協会ライト級王者で、過去には山本優弥にも勝利している サムランチャイが新日本キックに登場。ウェルター級王者の緑川がそれを迎え撃った。 1R、右ローを蹴り、そこからパンチにつなげていく緑川。サムランチャイは前蹴りで距離を取りながら右ロー、そして左ミドルを蹴る。緑川はサムランチャイのミドルをブロックしてすぐにパンチとローを返すが、組みの攻防になるとサムランチャイが緑川を豪快にマットに叩きつける。 2R、ここからサムランチャイが右ローを蹴りながら一気に前進。緑川はサムランチャイが出てくるところに右ストレートを狙うが、サムランチャイは首相撲に持ち込んで緑川をマットにこかす。左ミドル、右ローと強烈な蹴りで攻めるサムランチャイ。緑川も左ミドルをブロックして、すぐに左フックを返すがサムランチャイには当たらない。逆にサムランチャイは蹴りを当てて、首相撲に持ち込み、何度も緑川のバランスを崩す。 3R、左ミドルと右ローをけり続けるサムランチャイ。緑川も蹴りにパンチやヒジ打ちを合わせようとするがサムランチャイのガードは固い。また強烈な蹴りのプレッシャーで前に出て行くがサムランチャイで、どうしても印象が悪い。必死に最後まで攻撃を返した緑川だったが、サムランチャイが危なげない試合運びで勝利を収めた。
▼第6試合 55kg契約 3分3R ○木暮 智(ビクトリー/日本バンタム級王者) 判定3−0 ※30−28、30−29、30−29 ●松下隆義(トーエル/日本バンタム級4位) 1R、両者共にサウスポーでまずはローを蹴り合う。松下が右フックから左ミドルを蹴って前に出る。木暮は松下が前に出てくるところにヒジを合わせて、さらに前蹴りと左ミドルで距離を取る。 2R、パンチで距離を詰めてローにつなげる松下。しかし木暮はしっかりと足を使って距離を取り、左ミドルと左右のローを上手く蹴って、松下に攻撃を出させない。 3R、木暮を追いかけるようにパンチとローを出す松下だが、木暮はそれをかわして左ミドルを的確に当てる。さらにここから木暮は左ストレートとヒジ打ちも当てて、最後まで松下をコントロール。王者としてきっちり判定勝利を収めた。 ▼第5試合 57.5kg契約 3分3R ○雄大(治政館/日本フェザー級2位&K-1甲子園初代王者) 判定2−0 ※30−29、30−30、30−29 ●田中義人(伊原/日本フェザー級7位) ▼第4試合 日本ヘビー級 3分3R
○國吉(治政館/日本ヘビー級1位) 判定3−0 ※29−27、30−28、30−28 ●中西裕一(チーム・ポーゴ/第4代DEEPミドル級王者) ▼第3試合 日本バンタム級 3分2R ○志朗(治政館) 判定3−0 ※3者とも20−18 ●薄井将徳(八景) ▼第2試合 日本フェザー級 3分2R ○古谷佑太郎(揚心) KO 2R1分1秒 ●平井功剛(トーエル)
▼第1試合 日本フェザー級 3分2R △KAZUYA(伊原) 判定0−0 ※3者とも19−19 △秀彪(横須賀太賀)
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