↑韓国王者をKOして連敗から脱出した駿太(左)だが、反省しきり
マーシャルアーツ日本キックボクシング連盟
「BREAK-2 〜WMAF世界フェザー級タイトルマッチ&ウェルター級王座決定戦〜」
2010年5月30日(日)東京・ディファ有明
開場15:30 開始16:00
▼Wメインイベント−2(第9試合) WMAF世界フェザー級タイトルマッチ 3分5R
○駿太(谷山/WMAF世界フェザー級王者)
KO 4R2分32秒 ※ヒジのラッシュ
●金景完(韓国/韓国フェザー級王者)
※駿太が初防衛に成功。
昨年12月にサムランデート、今年3月にはセンモラコットとムエタイ現役ランカーに2連続KO負けを喫している駿太が、再起戦で世界タイトルの防衛戦に臨む。2008年6月に王座獲得以来、これが初の防衛戦となる。対する金は18歳の韓国フェザー級チャンピオン、戦績が15勝(3KO)9敗という以外、何もデータがない未知の挑戦者だ。
1R、サウスポーの金に対して駿太は左のパンチを小刻みに繰り出しながらの右ミドル&右ロー。パンチに行くところで金の前蹴りをボディにもらい、大きく息を吐き出したところで金がパンチでラッシュをかけてくる。駿太は距離を取り直して強い右ミドルで攻撃。
2R、金はいかにも力強そうな左ローから強い左フックを繰り出し、接近すると駿太に組み付いて崩し倒そうとする。金が頭から突っ込んでくる上に組んだ後も頭を振り回すため、セコンドの城戸康裕が「バッティングに気をつけろ!」と駿太に注意を促す。
駿太は強烈な右ロー、右ミドルを蹴ってパンチで行くが、打ち合いになると金もパンチを思い切り振り回してくる。駿太は序盤からの硬さがなかなか抜けず、ギクシャクした印象を受ける闘いぶり。
3R、金は組みを多用して密着した状態からのヒジを強打! 駿太も右ローとヒジで応戦し、パンチでコーナーへ詰めての右ヒジを直撃! ダウンを奪う。金が立ち上がったところへさらにヒジとパンチでラッシュを仕掛け、離れ際に右ヒジをぶち込んで2度目のダウンを追加。金が立ち上がったところでゴングとなる。
4R、やはりヒジでラッシュを仕掛ける駿太が、ロープを背負った金に今度は左の縦ヒジを叩き込んでこの試合3度目のダウンを奪う。右ローからヒジで攻める駿太に抱きつく金だが、駿太のヒジのラッシュに金は心が折れたか、自ら倒れこんでKO負けを選んだ。最後まで波に乗れなかった感のある駿太は、ベルトを巻いても笑顔はなかった。
そして試合後、7月31日(土)東京・ディファ有明で開催される谷山ジム主催興行『ビッグ・バン〜統一への道』に新日本キックボクシング協会の日本フェザー級チャンピオンである蘇我英樹(市原)の参戦が発表され、駿太と一騎打ちを行うことが告げられた。これまで鎖国態勢で他団体と交わらなかった新日本が開国、MA日本キックVS新日本キックの対抗戦が実現することになった。
●駿太のコメント
「まずサウスポーというのにビックリしました。オーソドックスと聞いていたので、テンパってどうすればいいのか分からなくなってしまったんです。サウスポーとは2〜3回闘ったことはあるけれど、“あれ? どうすればいいんだっけ?”と思って。倒しきれなかったのも、倒し方を忘れてしまったんです。28戦やって初めてでしたね。倒し方ってどうやるんだろうと悩んで、力が入ってしまってそれがなかなか抜けませんでした。
後の先じゃないけれど、相手が手を出したところで返そうと思っていたんですが、相手も手を出さなかったので、自分が手を出せばよかった。酷いことになってしまいました。右ミドルはビビッて出していたので、すぐに蹴り足を引いちゃって全然きれいに当てられませんでした。相手は嫌倒れですよ。思い切り当たってないですもん。すぐに倒れるわりには起き上がってくるし、力が入っているからKOも出来ないし、メッチャクチャになってしまいました。勝った嬉しさは全くないです。
(次に対戦する蘇我は)気持ちの強い選手だし、気合いを入れて行きたい。このもやもやは試合で発散するしかない。理詰めで攻めて来るのではなくケンカ的に来る選手なので、嫌なタイプではありますね。ケンカっぱやくて悪そうなイメージがあります(笑)。新日本は今まで他団体とやったことがないですよね。自分が出来るのは嬉しいです。その次は自分を新日本のリングに出撃させると会長に言われました。今日の反省点を7月31日までに修正したいです。次を見てください」
↑パンチが得意な水町から逆にパンチでダウンを奪った一貴(右)
▼Wメインイベント−1(第8試合) WMAF世界ウェルター級王座決定戦 3分5R
○一貴(マスターズピット/MA日本ウェルター級王者)
TKO 2R1分23秒 ※ヒジによるカット→ドクターストップ
●水町 浩(士魂村上塾/元WMAF世界ウェルター級王者)
※一貴が新王座に就く。
北山高与志が返上した王座を、その北山に同タイトルを奪われた水町とMA日本同級チャンピオンの一貴が争う。
MAのトップファイターとして長く君臨している水町だが、一貴は現在5連勝中と波に乗っている。水町が勝てば王座奪回、一貴が勝てば日本&世界の二冠王となる。
1R、一貴はパンチとローで左右にうねるような動きでアグレッシブに攻める。水町はパンチで打ち合いに行くが、一貴は打ち合いに応じながらも最後は右ローで終わらせるようにコンビネーションを放つ。
この右ローで早くも身体が傾く水町。打ち合いの中、一貴が左のショートパンチをカウンターでヒットさせ、先制のダウンを奪った。
2R、一貴の顔面前蹴りで鼻血を出す水町。パンチの連打で逆転を狙って倒しに行くが、一貴はハイキック、バックキック、バックブローと水町を翻弄し、熱くなって打ち合いに行く水町へ右ヒジ!
フルスイングのヒジがモロに決まり、水町は目尻をカット。ドクターチェックでストップとなり、一貴が世界タイトルを獲得した。
試合後、一貴は「汚い雑な闘い方でした。理想にはほど遠いので頑張ります。最後のヒジはたまたま当たっただけ。途中経過がプロとして重要だからダメですね。自分はタイトルが欲しいというよりも、ただ強くなりたいだけなんです。もっと強い人たちとやって、勝てば強くなったということになると思います。これから挑戦者が強い挑戦者が現れるだろうから楽しみです」と感想を語り、WBCムエタイ統一ランキング戦で敗れた、NJKFの初代WBCムエタイルール統一日本ウェルター級チャンピオンの宮越宗一郎とのリベンジを「彼は面白いのでやりたい」と希望した。
↑豪快な上段後ろ廻し蹴りを繰り出す加藤(右)
▼セミファイナル(第7試合) WBCムエタイルール フライ級挑戦者決定戦 3分5R
○加藤竜二(橋本/MA日本フライ級王者)
KO 2R2分30秒 ※後ろ蹴り
●エリー隆司(武勇会/MA日本フライ級2位)
現在6連勝中、12戦目で日本タイトルのベルトを巻いた21歳のサウスポー加藤。MAがいま売り出し中の軽量級ホープだ。対するはMAフライ級のトップランカーとして君臨し続けているエリー。まだ26歳だが「アンチ世代交代」を宣言している。
1R、サウスポーの加藤が右ローと右ミドル、エリーは左ミドルとパンチを狙ってくる。ふてぶてしいまでの表情で余裕を持って攻める加藤は、残り時間わずかになると得意の左右ハイキックを連発。
2R、加藤がキビキビと動いてハイキック&ミドルキック、エリーは左右のローと得意の首相撲で組んでいくが、加藤もなかなか倒れない。ラスト30秒過ぎ、エリーの左前蹴りを受け流した加藤がカウンターの左ロングフック! これでダウンを奪う。
3R、顔面前蹴りを連発した加藤は、いきなりの後ろ蹴り! これが効いたか、エリーは下がる。加藤はパンチで追撃し、ダイナミックな右の上段後ろ廻し蹴り! 勢いあまって両者とも倒れるが、ガッツポーズをしながら笑顔で起き上がった加藤に対し、エリーはボディが効いているのか立つのが遅れる。
立ち上がったエリーに加藤は左ハイキック、続いてパンチを連打していくとスリップするように倒れ込むエリー。レフェリーも最初はスリップと判断したが、なかなか立ち上がることが出来なかったため加藤のKO勝ちとなった。
これにより、NJKFの大槻直輝(OGUNI)が保持するWBCムエタイルール統一日本フライ級王座に挑戦するのは、加藤に決定した。
↑ヒザ蹴りでイラン王者を一蹴した武田(左)
▼第6試合 日本VSイラン国際戦 70kg契約 3分3R ショーダウンマッチ
○武田一也(JMC横浜/MA日本ミドル級1位)
TKO 2R2分30秒 ※右ローキック
●ナーセル・アハマディアン(イラン大誠塾/イランキックボクシングミドル級王者)
3連勝でミドル級1位にランクアップした武田が、イランでナショナル王者になった経験を持つナーセルを迎え撃つ。ナーセルは2008年11月24日に日本で初試合を行い、現在までの日本での戦績は2戦2敗。
1R、ナーセルは強いパンチを顔面とボディに放ち、武田は左ミドルで応戦してローにつなぐ。武田が首相撲からのヒザ蹴りに行くと、両腕を腹の前で揃えてヒザを受けてしまうナーセル。いかにも首相撲が出来ない、という対応だ。それでも一発一発が重いパンチを放って武田を押していき、武田もボディブローで反撃する。
2R、武田は左ミドル、レバーブロー、そして組んでの左ヒザでナーセルを苦しめていく。思いっ切りパンチを振るってくるナーセルに、武田は右ストレート、右ローでダメージを与えていく。そして、コーナーへ詰めてのパンチ&ローで一方的になったところでレフェリーがダウンを宣告。ナーセルはファイティングポーズを取らず、戦意喪失した形で武田が完勝した。
▼引退記念エキジビションマッチ 2分2R
森田晃允(橋本/MA日本バンタム級王者)
勝敗なし
平本 悠(橋本/MA日本バンタム級3位)
“MAの暴君”として日本の軽量級トップ戦線で活躍、MA日本フライ&バンタム級王座、RISE初代55kg級王座の3冠王となった森田が、31歳の若さで引退することになった。引退エキシビションマッチは後輩の平本と2分2R、レガースを着けていたが、ガチンコの打ち合いを展開して場内を沸かせた。
森田は「悠にいっぱい殴られて言うことを忘れました(笑)。自分は10年間キックボクシングを続けてきて、3本のベルトを巻くことが出来ました。これは自分1人の力ではなく、応援してくれたみんなの力で獲れたと思います。皆さんのおかげで10年間続けることが出来ました。引退してもこの絆は一生の宝物です。10年間ありがとうございました」とマイクで挨拶し、10カウントゴングを聞いた。
▼第5試合 フェザー級次期王座挑戦者決定トーナメント準決勝 3分3R ショーダウンマッチ
○十二林稔(HOSOKAWA/同級3位)
判定2−0 ※30−29、30−29、29−29
●保田 俊(花澤/同級2位)
▼第4試合 フライ級ランキング戦 53kg契約 3分3R
○伊東拓馬(橋本/同級4位)
判定3−0 ※30−27、30−27、29−27
●勇児(HOSOKAWA/同級7位)
▼第3試合 ジム対抗戦 60kg契約 3分3R
○町田 光(橋本/MA日本ライト級6位)
判定3−0 ※30−29、30−29、30−28
●高橋幸光(はまっこムエタイ)
▼第2試合 交流戦 70kg契約 3分3R
○阿部雅俊(パーフェクト超人工房)
KO 2R2分25秒
●大津フランシス(ウィラサクレック・フェアテックス)
▼第1試合 ジム対抗戦 バンタム級 2分3R
○大野貴志(士道館新座)
判定3−0 ※30−28、29−28、30−28
●大沢享之(KING BEE)
▼オープニングファイト第10試合 ウェルター級 新人王トーナメント2回戦 2分3R
○千野陽祐(Kインター柏)
KO 1R1分25秒
●中谷安裕(ワイルドシーサー群馬)
▼オープニングファイト第9試合 ウェルター級 新人王トーナメント2回戦 2分3R
○川口龍哉(武勇会)
判定3−0 ※三者とも30−29
●TAKUTO(八木橋)
▼オープニングファイト第8試合 ウェルター級 新人王トーナメント2回戦 2分3R
○小林 準(JMC横浜)
判定2−1 ※30−29、29−30、30−29
●長谷川 亮(Kインター柏)
▼オープニングファイト第7試合 ライト級 新人王トーナメント2回戦 2分3R
○レンジャー桜井(士道館ひばりが丘)
判定2−1 ※30−29、29−30、29−28
●森實恭平(士魂村上塾)
▼オープニングファイト第6試合 ライト級 新人王トーナメント2回戦 2分3R
○狂平(武勇会)
判定3−0 ※30−29、30−29、29−28
●阿修羅(PCK)
▼オープニングファイト第5試合 ライト級 新人王トーナメント2回戦 2分3R
○春日 翔(士魂村上塾)
判定2−0 ※30−29、30−29、29−29
●鈴木 光(菅原)
▼オープニングファイト第4試合 フェザー級 新人王トーナメント2回戦 2分3R
○松本光平(習志野)
不戦勝
●我妻 慧(谷山)
▼オープニングファイト第3試合 フェザー級 新人王トーナメント2回戦 2分3R
○野口直人(飯島)
KO 1R0分58秒
●岡田幹夫(KINGBEE)
▼オープニングファイト第2試合 フェザー級 新人王トーナメント2回戦 2分3R
○寺田亮太(マイウェイ)
KO 3R1分10秒
●山根俊輔(VERSUS)
▼オープニングファイト第1試合 バンタム級 新人王トーナメント2回戦 2分3R
○宮本啓介(橋本)
不戦勝
●ボン太(直心会) |