FEG
「K-1 WORLD GP 2010 IN SEOUL FINAL16」
2010年10月2日（土・現地時間）韓国・ソウル オリンピック第1体育館
開場14：00　開始15：00

▼第10試合　FINAL16　K-1ルール　3分3R延長2R
○アリスター・オーフレイム（オランダ/ゴールデン・グローリー）
KO　1R2分8秒　※3ノックダウン
●ベン･エドワーズ（オーストラリア/ブルドッグ/オセアニアGP優勝）
※アリスターがFINAL8へ進出

「ヒョードルは俺との対戦を避け続けた。だからもう、ヤツに興味はない」と言い放つのはアリスター。打倒ヒョードルからK-1制圧に目標をシフトチェンジし、今年は“本気”でK-1の王座を奪いに行くという。今年も台風の目になること間違いなしのアリスターに挑むのは、元いじめられっ子だったというエドワーズ。オセアニア大会では3試合の合計タイムが3分26秒というK-1トーナメント史上最短記録を樹立している。FINAL8最後の枠に入るのはどっちだ!?　強すぎるがゆえか、アリスターにもシュルト同様ブーイングが起こる。

　1R、さっそく左右フックの連打で襲い掛かるエドワーズ。アリスターは両腕ブロックをしっかりと固めながら、フックを打ち返す。圧力に下がりながらも左右のフックを繰り出すエドワーズだが、エドワーズの左フックに狙い済ました右フックのカウンターでアリスターがダウンを奪う！

　立ち上がったエドワーズは左右フック、アリスターは左ロー、右ミドルを繰り出し、またも狙い済ました右フック！　崩れるようにダウンするエドワーズ。これで終わりかと思われるほどの強烈なダウンだったが、それでもエドワーズは立ち上がり、左右のフックとローで反撃を試みる。

　が、アリスターの左フックからなぎ払うような右ショートフックで3度目のダウン！　アリスターが恐るべき強さを発揮し、初回KO勝ちでK-1制圧へ向けての第一歩を踏み出した。

▼第9試合　FINAL16　K-1ルール　3分3R延長2R
○セーム・シュルト（オランダ/正道会館/K-1 WORLD GP 2005〜2007＆2009優勝、K-1スーパーヘビー級王者）
判定2−1
●ヘスディ・カラケス（エジプト/パンクレイション・チャクリキ/It’s SHOWTIME世界ヘビー級王者）※推薦
※シュルトがFINAL8へ進出

　昨年3月にK-1横浜アリーナ大会で対戦しているシュルトとカラケス。この時は判定でシュルトが勝利しているものの、試合数日前にオファーを受けたカラケスが大善戦。常に前に出続けるファイトを見せ、底知れぬポテンシャルを見せた。

　その後、カラケスはIt’s showtimeで活躍し、反則決着ながらもバダ・ハリを下して同ヘビー級王座を獲得。4度のGP優勝、そしてスーパーヘビー級のベルトを防衛し続ける“K-1最強の男”シュルトとのリベンジマッチに挑む。

　1R、インロー、左ミドルを蹴るシュルト。カラケスはインローをカットして左フックと右ストレートを返す。シュルトはジャブと前蹴り。カラケスはそれをブロックしながら右ローを蹴り返す。シュルトのジャブを受けながらもガードを高く上げて前に出るカラケス。確実に右ローを蹴っていく。

　シュルトは距離が詰まると左のヒザ蹴り！　これでカラケスがバランスを崩す。ここからシュルトがプレッシャーをかけて前に出て左フックから右ミドル、そして左の三日月蹴り！　これがカラケスのボディに突き刺さる。しかしカラケスもシュルトのジャブに右フックを返して下がらない。ジャッジは2名が10−9でシュルト、1名が10−10でドロー。

　2R、シュルトのインローを受けてカラケスが左フック！　一気に距離を詰めていくが、シュルトはクリンチで追撃を許さない。逆にシュルトは確実にジャブを当てて右ロー。前に出てくるカラケスのボディに前蹴り突き刺す！　1Rに比べて手数が減るカラケスだが、ガードを上げて必死に前進。シュルトのジャブ、前蹴り、右ストレートをもらいながらも右ローを蹴り返す。

　すると今度はカラケスが息を吹き返し、逆にシュルトが後退。カラケスが左フック、右ストレートと右ロー、そしてシュルトのボディに右のテンカオ！　これでシュルトを下がらせると、カラケスがシュルトの左ミドルをブロックして右ストレート！　これでシュルトの体がのけぞる！　ジャッジは1名が10−9でシュルト、残り2名は10−10のドローとポイントをつける。

　3R、ジャブ、インローと左ミドルを蹴るシュルト。しかしカラケスも強烈な右ローで反撃！　右ストレートから前に出てシュルトを下がらせる！　シュルトのジャブをブロックしてカラケスが右ロー！　左フックから右ストレート、右ローと攻撃の手を止めない。

　しかしシュルトもジャブを返して、距離が詰まるとカラケスのボディにヒザ蹴り。シュルトのジャブ、ワンツーがカラケスの顔面を捉え、カラケスの手数が止まる。カラケスは右ストレートを返して左右のロー。シュルトはカラケスの蹴り足を抱えてマットに押し倒す。カラケスはすぐに立ち上がり左ミドル、右ロー。シュルトが組み付いたところで試合終了となった。

　判定は2−1と割れたもののシュルトの勝利！　最強王者シュルトを追い詰めたカラケスだったが、勝利まであと一歩、手が届かなかった。

▼第8試合　FINAL16　K-1ルール　3分3R延長2R
○マイティ・モー（USA/フリー）
判定3−0
●ラウル・カティナス（ルーマニア/ローカルコンバットチームルーマニア）※推薦
※モーがFINAL8へ進出

　最注目選手だった元UFCヘビー級チャンピオンのアルロフスキーが直前で欠場、代わってマイティ・モーがスクランブル出場を果たす。対するは“サム・グレコの再来”との呼び声が高いカティナス。22歳という若さが可能性を感じさせる。共にパンチャーなだけに、KO決着は必至だ！

　1R、ジャブから右ローで攻めていくカティナス、モーは左右のボディ。しかし、カティナスの右ローで早くも上体が揺らぎ始める。カティナスの左右フック、そして右ロー。モーはフックを振り回していくが、スピードがない。カティナスはパンチから右ロー。カティナスは足を止めて打ち合っていくが、モーのサモアン右フックをもらってダウンする！

　立ち上がったカティナスは打ち合いをやめて右ローを連発、そして左右のボディ。モーは右フックを叩きつけてくる。後ろへ下がるカティナスにモーが左右のフックで追っていき、カティナスはローを蹴り続ける。

　2R、カティナスが右ロー、そして左右フック！　クリーンヒットしたがモーはフックを返してくる。カティナスは右ロー、モーは左右のフック。ボディ、そしてアッパーを繰り出して前に出るモー。カティナスはガードを固めてロー、左右のフックを放つが、モーの右フック一発で形勢を逆転されてしまう。2人とも激しくスタミナを消耗し、スピードが鈍い。

　3R、ボディへのパンチを繰り出すカティナス、モーはボディを打たれ、ローを蹴られながらも前へ出て行く。両者すでにフラフラだ。パンチ、ヒザを出していくのはカティナス。モーは乱打戦に持ち込もうとするが、カティナスは首相撲からのヒザ蹴り。モーが左右のフックを出せば、カティナスも打ち返す。しかし、前に出て手を出すのはモーの方。判定はその通り、モーが3-0でFINAL8へ進出した。

▼第7試合　FINAL16　K-1ルール　3分3R延長2R
○ピーター・アーツ（オランダ/チームアーツ/K-1 WORLD GP 1994・1995・1998優勝）※推薦
延長R　判定2−1　※10−9、9−10、10−9
●エヴェルトン・テイシェイラ（ブラジル/極真会館/第9回極真会館全世界大会優勝）
※本戦は30−30、30−30、30−29
※アーツがFINAL8へ進出

　今年でK-1参戦18年目となる40歳のアーツ。対するのは現役の極真世界王者としてK-1に参戦し続けるテイシェイラ。今年のGPに向けてテイシェイラはオランダに渡り、アンドレ・マナートのもとでK-1用のトレーニングを積んできた。

“K-1のレジェンド”アーツがその強さを見せつけるか？　それともK-1仕様にバージョンアップしたテイシェイラがレジェンド超えを果たすのか？

　1R、じりじりと前に出て行くアーツ。テイシェイラは左ミドルを返す。アーツのワンツーにテイシェイラも右ストレート。テイシェイラは下がりながらインロー。アーツは右ストレートから左ミドルにつなげる。アーツのワンツーにインローを蹴るテイシェイラ。テイシェイラのワンツーにアーツは右ストレートを返す。

　テイシェイラはジャブを伸ばすアーツにワンツーを返し、アーツの右ローに右ストレートを合わせる。アーツは左フックから右ハイキック。テイシェイラは右ロー、アーツが突っ込んで来るところに左ミドル。テイシェイラはこの左ミドルを軸に、右ローにまでつなげる。アーツはテイシェイラのインローを受けながらも右ストレートで前に出る。ジャッジは3者とも10−10のドロー。

　2R、テイシェイラのインローにアーツが右ストレート、そして左ハイキック。テイシェイラは右ロー、左のインロー。アーツが右ボディストレートを打つとテイシェイラは左フック。左フックから右ロー、そしてインローとパンチからローのコンビネーションで攻める。アーツの前進をジャブとインローで止めるテイシェイラ。アーツも右ストレートから距離を詰めてヒザ蹴り、そして左フックを返す。

　ワンツーを打つアーツ。インローを返すテイシェイラ。テイシェイラはアーツの右ミドルをブロックして左フック、そして右ロー！　これでアーツの体が流れる。しかしアーツも右ストレートから左ハイキック、ワンツーで前に出る。テイシェイラはアーツのパンチをブロックしてインロー、右ロー。アーツはテイシェイラのインローを受けて右ハイキックをけり返す。このラウンドも1Rと同様に10−10で3者ともドローで、ポイントに差はつかない。

　3R、右ストレート、右ローで前に出て行くアーツ。テイシェイラも左右のフックを返すが、アーツの右ストレートが当たる。テイシェイラはアーツの右ローを受けて右ストレート、パンチで突っ込むアーツにインローを蹴る。左フックから右ストレートで前に出るアーツ。テイシェイラはガードを上げてインロー。アーツはパンチからクリンチになると、放れ際に右ハイキック。アーツは身体を突っ込むような右ストレートで前に出る。ここでクリンチが増えて両者に注意が与えられる。

　再開後、ガードを上げてローを蹴るテイシェイラ。アーツはワンツー、右ストレートで前に出る。その放れ際にテイシェイラが右フック、アーツの左ミドルに左フックを合わせる。アーツも下がりながら左ハイキック、そして右ストレート。パンチから組んでヒザ蹴り、ハイキックを蹴る。テイシェイラも右ストレートを打ち返す。

　判定はジャッジ1名が30−29でテイシェイラを支持するも、残り2名は30−30でドロー。試合は延長ラウンドにもつれる。

　延長R、ワンツーで前に出て行くアーツ。テイシェイラは下がりながらインロー、右ストレートを返す。常にプレッシャーをかけて前に出ていくアーツ。テイシェイラのローを受けて左フックを返す。テイシェイラは左ミドル。アーツの右ローにテイシェイラはワンツー。アーツは右ストレートで組んでヒザ蹴り。

　アーツはテイシェイラの右ストレート、左フックを受けるとクリンチ。しかし距離が詰まった状態からヒザ蹴りと放れ際のハイキック。そしてアーツが右ストレートから前進！　テイシェイラをロープまで押し込む。このパンチでテイシェイラが左の目尻をカットする。

　ドクターチェック後、アーツがテイシェイラのインローに右ストレート、左ミドル！　テイシェイラもパンチで前に出るが、アーツがクリンチで追撃を阻止する。延長ラウンドの判定は2−1のスプリットでアーツ！　アーツがテイシェイラに逆転勝利し、FINAL8進出を決めた。

▼第6試合　FINAL16　K-1ルール　3分3R延長2R
○京太郎（チームドラゴン/第2代ヘビー級王者）　
試合放棄
●ジェロム・レ・バンナ（フランス/Le Banner X　tream Team）
※京太郎がFINAL8へ進出

　オランダの名門チャクリキで練習を積み、トム・ハーリック会長が「200％を引き出すことが出来た」と評するバンナ。この古豪に引導を渡さんとするのは、アーツをKOした唯一の日本人である京太郎。アーツに続き、K-1レジェンドファイターを越えていくことが出来るか。今回の試合へ向けてバンナは「ワールドGPはこれが最後」と宣言した。バンナはリングインすると、フェイス・トゥ・フェイスで京太郎と睨み合う！　バンナには大歓声、京太郎にはブーイングが起こる。

　1R、京太郎はステップを踏みながら左右へ動く。バンナは左ハイキック、右ロー、パンチは出さずにジリジリと詰めていく。京太郎の右フックには左フック。京太郎は右へ大きく回り込みながら右ハイキックを多用し、右インロー。

　左ロー、左ミドルから入っていくバンナ。京太郎のカウンターを警戒しているのか、蹴り中心のスタイルだ。京太郎がコーナーを背負ったところでバンナが満を持しての左ストレート！　これに京太郎が左フックのカウンターを合わせる！　バンナはもう一度左ストレート、京太郎は左右のフックをまとめ打ちする。1Rは互角。

　2R、バンナの左ミドルと京太郎の右ミドル、京太郎は右へ回り込みながら右ミドル、バンナがパンチを出してくると左右のパンチを繰り出す。京太郎のローバンナが右フック、そのまま圧力をかけて京太郎を押していく。左ミドルからパンチを繰り出すバンナ、京太郎は右ミドルを出しつつ、右フックを合わせに行く。

　コーナーに追い詰めたバンナが打ち合いに行くと、京太郎も打ち合いに応じる。両者の左右フックが激しく交錯し、バンナの左フックで京太郎のアゴが跳ね上がる！　一気に左右フックでラッシュをかけるバンナ！　京太郎はパンチをもらいながらも距離をとる。バンナが優勢なラウンドに。

　3R、京太郎が右ミドルから左右の連打、右を連打していくとバンナが下がる！　一気にパンチでラッシュをかける京太郎の右が連続してヒット！　バンナも打ち返す！　バンナの右フック、京太郎も左フックと右ストレートを返す。バンナの左フックを空振りさせて京太郎が右のカウンター！

　京太郎が右のパンチを効果的にヒットさせて、優勢に立つ。しかし、バンナの左ストレートもヒットし、京太郎が下がる。それでも右の連打をやめない京太郎。そこへまたもバンナの左ストレート。両者フラつきながらの打ち合いに、場内は大いに沸く！　その中、ゴングが鳴った。判定は……ジャッジ1名がバンナを支持したが、他の2名はドロー。

　延長戦へ突入するかと思われたが、ここで予想外のアクシデントが！　判定に不服だったのか、なんとバンナがリングを降りてしまい、スタスタと控え室へ帰ってしまったのだ！　これにより、試合放棄で京太郎が勝利を収め、FINAL8へ初進出した。注目の世代交代対決は、すっきりしない結末となってしまった。

▼第5試合　FINAL16　K-1ルール　3分3R延長2R
○ダニエル・ギタ（ルーマニア/Kamakura/K-1 WORLD GP 2009世界最終予選GP優勝）※推薦
KO　2R18秒　※右ストレート
●エロール・ジマーマン（キュラソー島/ゴールデングローリー/K-1 WORLD GP 2008第3位）
※ギタがFINAL8へ進出

　破天荒な発言と入場パフォーマンス。試合ではド派手な殴り合いを展開するなど、K-1新世代のエンターテイナーとして人気を博しているジマーマン。一方のギタは自らを侍に例えるなど、物静かで“無骨”という言葉がぴったりのK-1ファイター。切れ味鋭いローキックを主体としたファイトスタイルで、昨年のGPではセーム・シュルトを最も苦しめている。

　1R、高くガードを上げてインローを蹴るギタ。ジマーマンはジャブを突いて左フック。ギタはそれをブロックして右ローを蹴る。ジマーマンはワンツー、左フックから右ロー。ギタは左ミドルでジマーマンの前進を止めてインローを蹴る。ギタが左ミドルを蹴ると右ストレートを返すジマーマン。ジマーマンは飛びヒザ蹴りで前に出るが、ギタは落ち着いて左ミドル、インローを蹴っていく。

　このギタの左ミドルでジマーマンが後退。ジマーマンが右のストレートを打つと、ギタも右ストレートを返して強烈な右ロー、そしてインロー！　ギタの左ミドル、そして的確なローでジマーマンの手数が止まる。ギタはジマーマンの右ハイキックをブロックして左ロー。ジマーマンは右ストレートから前に出て行くが、ギタは落ち着いてそれをディフェンスする。ジャッジ2名は10−9でギタ、残り1名は10−10のドローとなる。

　2R、勢いよくワンツーで前に出るジマーマン。ギタは左ミドルを蹴ってそれを止める。ジマーマンは飛びヒザ蹴りで前に出るが、そこにギタは右フックを狙い、返しの左フック！　これがジマーマンの顔面を打ち抜き、ジマーマンがよろめきながら後退！

　何とかガードを上げようとするジマーマンだったが、その間を打ち抜くようにギタが左右のストレート！　ギタが右ストレートを叩き込むと、ジマーマンが棒立ちのまま倒れてダウン！　ジマーマンは前のめりに倒れてピクリとも動かず、ギタが衝撃的なKOでジマーマンをマットに沈めた。

▼第4試合　FINAL16　K-1ルール　3分3R延長2R
○グーカン・サキ（トルコ/チームレベル/K-1 WORLD GP 2008第3位）※推薦
KO　1R2分14秒　※3ノックダウン
●フレディ・ケマイヨ（フランス/ファウコン/東ヨーロッパGP優勝）
※サキがFINAL8へ進出

　ヘビー級としては小柄ながら、スピードとテクニックでK-1のトップカテゴリーに君臨するサキ。今年はウェイトトレーニングを例年よりも激しく集中的にやって肉体改造をしてきたという。一方、ストリートファイトで5人を相手に闘い、自分の身を守るためにキックボクシングを始めたというケマイヨは、これまで数多くの予選に出場しながらもあと一歩のところでFINAL16出場を逃してきたが、ついに今回切符を手にした。現在トップと新鋭、FINAL8に駒を進めるのは……？

　1R、ジリジリと前に出るサキにケマイヨは下がりながら右ロー。サキが左右のフック、ボディ、ローの超高速コンビネーションを繰り出し、場内を沸かせる。サキの強烈な左インロー、続けて左ハイキック。カウンターの右フックで身体が泳いだケマイヨにアッパーと右フックを連打！　サキが早くもダウンを奪う。

　ロープを背負うケマイヨに左フック、身体が泳いだところにボディからアッパーの連打を決め、最後は相手のガードする腕を引き落としての右フック。2度目のダウンから何とか立ち上がったケマイヨだが、サキが再びボディから顔面への高速コンビネーションパンチを繰り出すと、レフェリーは試合をストップした。サキがインパクトある秒殺KO勝ちで幸先のいいスタートを切った。

▼第3試合　FINAL16　K-1ルール　3分3R延長2R
○タイロン・スポーン（スリナム/ブラックレーベルファイティング/WFCAクルーザー級2008世界王者）※推薦
判定3−0　※30−27、30−28、30−28
●レイ・セフォー（ニュージーランド/レイ・セフォーファイトアカデミー）
※スポーンがFINAL8へ進出

　中量級にもひけをとらない卓越したテクニックとスピードを誇るスポーンが開幕戦に登場。現在ではアーネスト・ホーストに師事し、「これまで欲しいタイトルは全て手に入れてきた。残るタイトルはK-1だけだ」とK-1制覇に燃えている。

　当初、今大会でスポーンはルスラン・カラエフとの対戦を予定していたが、カラエフが体調不良により欠場。その代役として長年K-1を支えてきた“南海の黒豹”セフォーがスポーンと対戦することとなった。

　1R、スポーンは左の前蹴りで距離を取りつつ、左右のローを蹴る。セフォーが左ミドルを蹴ると、スポーンもすぐに強烈な左ミドルを返す。セフォーは右フックから右ロー。スポーンはインローでセフォーのバランスを崩す。距離が詰まるとスポーンは左ボディから右フック。セフォーも左右のフックから右ローを蹴る。

　スポーンはじりじりと前に出て顔面前蹴り、そして強烈な左ミドル！　セフォーが強引に距離を詰めてくると右フックを合わせて、左のインローを蹴る。右ローを返すセフォーだったが、スポーンはセフォーがパンチで飛び込んで来るところに左フック。そして左フックから右ローという対角線コンビネーションで攻める。ジャッジは2名が10−9でスポーン、1名が10−10でドロー。

　2R、いきなりスポーンが左ミドルを2発！　パンチで突っ込むセフォーを突き放し、今度は右のミドルを蹴り込む。セフォーは頭をつけるようにして右アッパー。スポーンは飛びヒザ蹴りを放つが、両手でセフォーの頭を掴んでしまい反則となる。

　再開後、スポーンは前蹴り、セフォーの右フックをブロックしてすぐに右フックを返す。ジャブを突いて左ミドルを蹴るスポーン。テンポの良い攻撃でセフォーを攻め込んでいくが、ここでセフォーが意表を突いたバックスピンキック！　これがスポーンのボディに突き刺さり、スポーンが後退する！

　セフォーはここから左右のフック、さらに右ロー！　スポーンの左ミドルをブロックして右ストレートを返す。セフォーのラッシュを受けたスポーンだったが、落ち着いて距離を取ると、セフォーの左右のフックをブロックして突き刺すような右ストレート、そして上から落とすような右ロー！　これがセフォーの出足を止める。

　セフォーは必死にパンチを返して前に出るが、スポーンはそれをブロックして的確に右ロー！　セフォーはロープを背にし、ノーガードで挑発してパンチで前に出る。しかしジャッジ3名は10−9でスポーンにポイントを与える。

　3R、ここも左ミドルから前に出るスポーン。ジャブから右フック、そしてインロー、左ジャブを突いて右フックを連打する。セフォーはノーガードでスポーンを挑発するが、そこにスポーンが右フックを2発！　飛びヒザ蹴、左フックから右ロー、そしてインローと怒涛の攻撃を見せる。

　セフォーもジャブを返して右アッパー、右ローを蹴るが、スポーンはインローでセフォーのバランスを崩して、右ボディストレートを打つ。スポーンのインローでセフォーが膝をついてしまうが、これはダウンにはならず。しかし再開後にスポーンが右ストレート、ヒザ蹴り！　両手でセフォーの首を掴んだとしてスポーンには注意が与えられるが、左ミドル、左フックとセフォーを攻め込む。

　タフなセフォーを倒せなかったものの、スポーンが見事なテクニックを見せてFINAL8への切符を手に入れた。

▼第2試合　スーパーファイト　K-1ルール　3分3R延長1R
○セルゲイ・ハリトーノフ（ロシア/ゴールデングローリー）
KO　1R2分30秒　※右フック
●佐藤　匠（日本/極真会館/第36回極真会館全日本大会ベスト16）

　ゴールデングローリー、そしてタイでもムエタイのトレーニングを積んできたというハリトーノフ。アリスターに続いてMMA（総合格闘技）ファイターとしてK-1侵攻作戦を開始する。対する極真・佐藤は「自分もやっと有名な選手とやれるところまで来たんだな」とハリトーノフとの対戦を喜び、「韓国の皆さんが極真空手をやっているんだと、胸を張って言えるような試合がしたい」と極真空手の強さを見せ付けるつもりだ。

　1R、前に出て行くハリトーノフは左ジャブ、左フックから右のボディを叩く。佐藤は右ストレートを返すが、ハリトーノフは最小限の動きのスウェーバックでかわし、コーナーへ追い詰めていく。鋭くジャブを突き刺し、右ストレートへつなげていくハリトーノフ。佐藤は左ロー、接近してボディ。ハリトーノフも左右のボディを叩き、至近距離から右アッパーを突き上げる！　佐藤にロープを背負わせ、超接近戦でアッパーとフックの連打！　佐藤は右フックでダウンを喫する。

　佐藤が立ち上がるとハリトーノフは右フック、右アッパー、さらに右フックと一方的に強打を叩きつけ、佐藤は力なく前のめりに倒れ込む。そこへダメ押しのヒザ蹴り！　同時にレフェリーが試合をストップし、ハリトーノフがK-1初勝利を豪快なKOで飾った。

▼第1試合　スーパーファイト　K-1ルール　3分3R延長1R
○ジャバット・ポトラック（ボスニア・ヘルツェゴビナ/チームポトラック/K-1ファイティングネットワークプラハ大会2007優勝）
TKO　3R6秒　※タオル投入
●ハリッド“ディ・ファウスト”（ドイツ/ゴールデングローリー/K-1 WORLD GP 2006 IN LAS VEGAS優勝）

　闘うビジネスマンとして“鋼の拳（ディ・ファウスト）”の異名を持つハリッド。WORLD GPには3度の出場経験があり、今回は約2年ぶりのK-1参戦となった。対するポトラックは「闘うことだけが俺の仕事だ」と仕事をしながら格闘技を続けるハリッドのキャラクターとは正反対のコメント。現在4連敗中と結果が出ておらず、ハリッドを下して復活の狼煙を上げられるか？

　1R、ジャブを突いて前に出て行くハリッド。ポトラックもジャブを返して右のローを蹴っていく。ジャブ、左フックで飛び込むハリッドに左フックや右ローを返すポトラック。ガードを上げて頭を振って前に出て行くハリッドだが、逆にポトラックが的確に右ローを当てる。ポトラックのガードの上から右フックを打つハリッド。しかしポトラックは落ち着いて右のローを蹴る。

　ハリッドはそのローに右フックを合わせて、そこから返しの左フック！　ポトラックは両手を広げてダメージがないことをアピールする。ジャッジは1名が10‐9でハリッドを支持、残り2名が10−10のドローとなったが、ポトラックの右ローが確実にハリッドの左足を捉えたラウンドだった。

　2R、左手を伸ばして距離を取りつつ右ローを蹴るポトラック。この右ローでハリッドの体が大きく流れる。ここからポトラックはハリッドをコーナーまで詰めて右アッパーから強烈な右フック！　左右の連打をまとめて、左ボディを突き刺す。距離が離れると鼻から出血するハリッドにドクターチェックが入る。

　再開後、ポトラックはジャブで距離を取りつつ右ハイキックを蹴る。ハリッドは両手を広げて気合の咆哮！　ポトラックも同じように声を出して気合を入れる。ポトラックのジャブに右フックをかぶせるハリッド。しかしハリッドの大振りのフックが空振りする場面が目立ち、ポトラックが前に出て圧力をかける。

　下がってガードを固めるハリッドに対して、ポトラックは右アッパーから左フック、そして棒立ちになるハリッドに右ローを蹴り込む！　2Rのジャッジは3者とも10‐9でポトラックとし、ポイントでもポトラックが逆転。ハリッドは左足を引きずりながら自陣コーナーに戻る。

　明らかに左足にダメージが残るハリッドは3Rが始まると、いきなり右フックで突進。しかしこれが空振りに終わると、ハリッドのセコンドがタオルを投入。TKOという結果に終わったものの、ポトラックが右ローでハリッドの左足を破壊し、久しぶりの勝利を手にした。

▼オープニングファイト　K-1ルール　3分3R延長1R
○ミョン・ヒョンマン（韓国/テウン会館・M-1クレジット）
KO　1R35秒　※右フック
●ソン・ミンホ（韓国/KHAN/チーム・チビン/2007年韓国アマチュアボクシング王者）