10月23日(土)東京・Zepp Tokyoにて、パウンド・フォー・パウンド『MUSASHI ROCK FESTIVAL』が開催され、K-1ヘビー級で活躍した武蔵が実弟のTOMOと引退試合を行った。
このイベントには、ハードロックやヘビーメタル好きで有名な武蔵とゆかりのある3バンド、LOUDNESS(ラウドネス)、SEX MACHINEGUNS(セックス・マシンガンズ)、マキシマム ザ ホルモンが出演しイベントに華を添えた。
満員のファンが詰め掛ける中、まず登場したのは世界を舞台に活躍する日本のヘビメタバンド「LOUDNESS」。熱唱で会場を盛り上げると、ボーカルの二井原実氏は2005年に武蔵の入場テーマ曲「The Battleship MUSASHI 」を提供したことに触れ、「僕たちの曲が強すぎて、武蔵選手は負けが多かったですね」とコメントし、会場から笑いを誘っていた。
マキシマム ザ ホルモン、そしてSEX MACHINEGUNSが熱唱し終わったところで、本日のメインイベントとして登場したのは武蔵とTOMO。レフェリーは角田信朗K-1競技統括プロデューサーが務める中、最後のゴング! 試合形式は3分2R。
「エキシビジョンだと思われない真剣なガチの試合を見せたいと思います。お互いにいい意味で楽しいぶつかり合い、地上最強の兄弟喧嘩が出来ればいいなと思います」と戦前に武蔵が語っていたとおり、両者共に強烈なミドル、ハイを叩き込みまさに本気モード。一発が出るたびに、会場からはどよめきが起こる。
お互いにバチバチの打ち合いを見せる中、TOMOの右ストレートが炸裂し、武蔵がフラッシュダウン気味にダウン! ダウンカウントが数えられる中、立ち上がった武蔵は猛反撃に出た。
2Rには、武蔵が強烈な左ミドル! この一発でダウン寸前のTOMOに対し、武蔵はボディを連発し猛ラッシュを仕掛ける。TOMOも反撃したところでゴング。TKO、KO以外は勝敗がつかないため、兄弟喧嘩はドローに終わった。
試合後、漫画家・橋ヒロシ氏、K-1創始者・石井和義館長、そして武蔵の両親がリングインし、武蔵に花束を贈呈。
マイクを握った武蔵は「今日のイベントが出来たことは一生の宝物であり、記念になりました。こういう舞台で最後の試合が出来たことは感無量です。自分はテンカウントゴングや涙を見せることは苦手なので、最後はSEX MACHINEGUNSとバンドを結成しました」と驚きの発表を行う。
SEX MACHINEGUNSのメンバーを迎えた武蔵はヘッドバンギングしながらのデス声で「アイアンファイター」「デスゲーム」の二曲を熱唱しイベントは終了した。
囲み取材を受けた武蔵は「試合が終わっても緊張感は続いていました。このイベントを考えたときぐらいから、SEX MACHINEGUNSとのバンド結成を考えてました。僕はロックやメタルが好きで一緒に騒げたらいいなと、Anchang(あんちゃん、SEX MACHINEGUNSのボーカル)に話したら『ええよ』と理解してくれて、バンド結成に至りました。いざ演奏が始まると歌詞は飛んだけど、気持ち良かったですね」と初ボーカル挑戦の感想を語った。
引退試合については「攻撃を出すたびにお客さんから声が上がって、何かK-1の初期の頃を思い出しましたね。あんまり格闘技をみたことのない人が多い中、驚きと衝撃を与えられたと思います。バンドの演奏が終わったらみんな帰ってしまうんじゃないかという不安もあったのですが、盛り上がって嬉しかったです」とコメント。
「これからまた第二弾、第三弾とやっていきたい」と音楽と格闘技の融合に手応えを感じた武蔵は、今後もMUSASHI ROCK FESTIVALの開催を行いたいとした。
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