日本サンボ連盟
「第14回 サンボ・フレッシュマンズ・カップ」
2010年10月24日(日)神奈川・横浜南スポーツセンター
情報提供:日本サンボ連盟
10月24日(日) 神奈川・横浜南スポーツセンターにて『第14回 サンボ・フレッシュマンズ・カップ』が開催された。この大会は全日本選手権などの上位入賞経験がないことを出場資格とした、いわば『新人戦』的意味合いを持つ大会。今回で14回目の開催となり、出場選手は、その名の通り、学生から、初心者から競技を始めた社会人まで“フレッシュ”な顔ぶれが揃った。
62kg級で優勝し、最優秀選手賞を獲得した廣瀬剛(M-WORKS)は、昨年の同大会では準優勝。この一年の練習が結果として残り、次は全日本選手権での活躍が期待される。右組みからの背負いを中心に組み立てた試合運びは、参加選手中、もっともサンビストらしいものだった。大阪で活動している「M-WORKS」の所属であるが、関東地方に比べると競技人口のハンデがある近畿地方のホープとして、今後の西日本サンボ界を背負ってほしい逸材だ。
決勝を争った名門・八戸工業大学の町田充は今年の全日本選手権ジュニア優勝者。体力差が見られる部分もあったが、若さを武器に、サンビストらしい闘い方を身に付ければシニア大会をかき回す可能性もある。3位に入賞した久保幹洋(スポーツ会館)は、まだキャリアは浅いものの、一回戦はサンビストらしい投げを活かした攻撃で勝利を挙げ、今後の成長が楽しみな選手だ。
68kg級優勝の和田宗法(伊田組)はサンボ初出場。レスリングをベースとした闘い方で、あぶなげなく優勝。影のMVPと言えるだろう。決勝で対戦した梨本隆(刈屋接骨院)は、今年の全日本選手権に続き2回目のサンボ出場。決勝ではアクティブ差で敗れたが、もっとも和田を苦しめた。
和田と準決勝で当たった3位入賞の長友良太(桜美林大学)は、大会ベストバウトとも言える闘いを見せた。結果こそ3位だったが、その潜在能力とサンボへの適応能力の高さは、関係者からも注目を浴びていた。和田の勝因は、レスリングの経験から得たパッシーブ1個差の際どい勝負を制することができる強さ。そこがうまくサンボルールにハマっての勝利だった。逆に言えば梨本がサンボ的な戦略を身に付ければ、全日本選手権でも充分上位に食い込んでくる可能性があるということだ。
74kg級優勝は、68kg級・和田のチームメイトであり、やはり初出場の西尾直之(伊田組)。ベースとなるレスリング技術を駆使して勝ち抜き、この勢いで全日本選手権で、活躍してほしいものだ。決勝で戦ったスポーツ会館の井上泰仁は、今年の東日本選手権3位の雪辱を晴らすべく優勝を狙ったが1ポイント差で惜敗。上位に食い込む地力はあるので、来年の飛躍が期待される。
82kg級優勝の佐々木太一(桜美林大学)は20歳の大学生。全日本選手権ジュニアでは、惜しくも2位だったが、シニアでも充分にメダルを獲得できる実力を持った選手だ。決勝は東日本王者の山下和紀(蒲田サンボアカデミー)をテクニカル一本で下し、堂々の優勝だった。
東京を中心に、青森県、大阪府からも参加があった今大会。この大会での優勝を足がかりに全日本を制覇した選手も多数おり、今回の優勝者・入賞者から来年の全日本選手権メダリストが何名でるか、楽しみだ。大会の結果は以下の通り。
■62kg級
優勝 廣瀬 剛(M-WORKS)
準優勝 町田 充(八戸工業大学)
3位 久保幹洋(スポーツ会館)、櫻井孝男(蒲田サンボアカデミー)
■68kg級
優勝 和田宗法(伊田組)
準優勝 梨本 隆(刈屋接骨院)
3位 犬飼智之(スポーツ会館)、長友良太(桜美林大学)
■74kg級】
優勝 西尾直之(伊田組)
準優勝 井上泰仁(スポーツ会館)
3位 三浦亮平(八戸工業大学)、嶋田恒一郎(横浜サンボ・アカデミー)
■82kg級
優勝 佐々木太一(桜美林大学)
準優勝 山下和紀(蒲田サンボアカデミー)
3位 野田博司(三多摩サンボスクール)、高橋正訓(パラエストラCNW)
最優秀選手賞
廣瀬 剛(M-WORKS)
|