10月31日(日)千葉・ウィラサクレック天王台ジムにて、M-1MC『M-1 FAIRTEX SINGHA BEER ムエタイチャレンジ 第38回M-1ムエタイアマチュア大会』が開催された。
今年最後となる、M-1ジュニアの王座を巡る最後のチャンスを決定すべく、次期挑戦者決定戦が全階級で実施。
▼25kg級次期挑戦者決定トーナメント決勝戦
○優音
判定
●東原亨介
25kg級では、M-1ジュニアの常連・優音、東原亨介、松土龍冴、山本礼がエントリー。優音は、8月29日に同級タイトルマッチに挑戦するも惜敗。王座奪還に向けて再び立ち上がった。
くじ引きによって、優音VS山本、東原VS松土となり、”東京VS千葉”の地域対抗戦という図式が成立。勝ち上がってきたのは優音と東原。両者は互いに好敵手と認め合っているだけに、好戦が期待できそうだ。
1R、静かにリングインする優音に対し、雄たけびを上げて気合を十分入れてリングインする東原。小刻みに頭を振ってキレのある動きを見せる優音に、東原も同様の素振りを見せる。優音が左ミドルを放つと東原はこれをブロック。すかさず東原は右ミドルを返す。その後コーナー際で打ち合いとなり、東原の右フックに優音は左ミドルを合わせる。
2R、開始早々、東原が右ミドルを打つが優音はこれをカット。すぐに優音は右ミドルを返すが東原がよけて右ミドルを返す。距離をとった東原が左のロングフック!しかし優音は前に出てパンチを繰り出し、首相撲からヒザへ。
判定で優音が勝利し、安本晴翔が持つ王座への挑戦権を獲得すると共に、前回のタイトルマッチでのリベンジを果たす機会を自力で呼び寄せた。
▼30kg級次期挑戦者決定トーナメント決勝戦
○山田貴仁
判定
●辻龍也
30kg級では、山田貴仁、辻龍也、服部柊斗、侃WSRがエントリー。山田はWINDY Super Fight 30kg級王座に続く二冠王者を、服部はM-1 25kg級に続いて2階級制覇を狙いたいところ。ここに成長著しい辻と侃が加わり、王者組と新鋭組が激突するという図式が成立。 くじ引きによって、服部vs山田の王者対決、辻vs侃の新鋭対決となった。決勝へと駒を進めた、王者組の山田と新鋭組の侃の間で次期挑戦者を争うこととなった。
1R、序盤にパンチが交錯する激しい展開となるが、辻が右ミドルを仕掛ける。すると山田も右ミドルを返す。辻をロープへと詰めた山田はそこからジャブ、右ローとコンビネーションをつないでいく。ロープ際で山田がジャブから右アッパーをつなげた直後に辻の右ストレートが山田のアゴをとらえる。
2R、互いに右ローを出し合うが、山田がパンチで突っ込んでいく。そこへ辻は右ローで応戦。直後に山田は右ミドルを出すが、辻も左ミドルを返して互いに反撃の手を緩めない。中盤以降は山田が右ミドル、左ストレートと的確に当てていく。
有効打を稼いだ山田が判定で勝利し、溝口達也の持つ王座への挑戦権を獲得した。
▼35kg級次期挑戦者決定トーナメント決勝戦
○黒木翔太
判定
●名倉彗悟
35kg級では、名倉彗悟、黒木翔太、柊がエントリー。名倉と柊は共にM-1 30kg級に続く二階級制覇の期待がかかる。黒木は王座初戴冠を狙う。
くじ引きによって、黒木vs柊となり、名倉はシード権を獲得。黒木が勝ち上がり、シードの名倉と次期挑戦者を争うこととなった。
1R、開始早々、名倉は右ハイを放ち、その後黒木をロープに詰めてテンカオ、首相撲へ。黒木はパンチや左ミドルで応戦していき、一進一退の攻防へ。
2R、距離を取る黒木に名倉は右ミドルを放つが、うまくよけた黒木は直後に左ミドルを返す。黒木の前蹴り、名倉の左ミドルが交錯した直後、黒木の左ストレートが名倉の顔面をとらえる。名倉は左右のミドルを打ち分けていく。黒木は左ミドルで応戦。ロープ際で名倉が右ミドルを出すが、黒木も負けじと左ストレートを返す。
結果、判定で黒木が勝利し、悲願の初タイトル獲得へ王手をかけた。35kg級は同門である伊藤紗弥が巻いていたこともあるだけに、伊藤に続いて王座を獲得したいところだろう。
▼40kg級次期挑戦者決定戦
○末永勇一
判定
●内野隼也
40kg級では、内野隼也と末永勇一との間で次期挑戦者を争うこととなった。キャリアで勝る末永は電光石火のヒザが最大の武器。たった一撃のヒザでKOすることも。内野は一撃のパワーはジュニア随一。激戦が予想されるが果たして…
1R、蓋を開けてみれば、意外にも落ち着いた立ち上がりで、互いに様子を見ながら出方を待つ。内野がパンチで攻め入ると、末永はワンツー右ローとコンビネーション系を駆使。
2R、1Rと同様、内野はパンチ、末永はコンビネーション。内野は左ミドルも加えていく。末永は上下に散らし、有効打をとっていく。内野のジャブに右フックをかぶせる末永に、内野は左フックから左ミドルで応戦。終盤はパンチで打ち合っていく。
上下に打ち分けて有効打を稼いだ末永が次期挑戦権を獲得。得意のヒザが影を潜める結果となったが、次戦では閃光の如く突き刺すヒザに期待したいものだ。
▼45kg級次期挑戦者決定トーナメント決勝戦
○平本 蓮
判定
●久保田凌央
45kg級では、久保田凌央、平本蓮、壮太がエントリー。WINDY Super Fight二階級制覇、KAMINARIMON 40kg級の王座を獲得している平本が4つ目のベルトを狙う。壮太は10月2日にUKF日本ジュニア45kg級を獲得し、二冠王者を目指す。また、初出場の久保田が王者クラスを相手にどのような戦いを繰り広げるかが見所だ。
くじ引きによって、平本vs壮太の王者対決が決定、久保田がシード権を獲得。平本が王者対決を制し、久保田と次期挑戦者を争うこととなった。
1R、平本が前蹴りで牽制すると、そこから左ミドル、右前蹴りとつないでいく。ワンツーで応戦する久保田に平本はお構いなしにパンチを打ちながら前に突っ込んでいく。平本の猛追を止めるかのように、久保田は首相撲で応戦。
2R、平本は強烈な前蹴りで久保田のガードをこじ開け、そこから右ミドルと追撃。久保田は首相撲からヒザを出す。平本のジャブに左ミドルを合わせる久保田は首相撲へとつなげ、平本の突進を止めていく。平本はパンチと右ローを打ち分け、自分のペースへと引き込んでいく。
結果、主導権を握り続けた平本が判定で勝利を収め、4本目のベルト獲得と共に、M-1ジュニア初戴冠に向けて今年最後のチャンスを獲得した。
▼50kg級次期挑戦者決定トーナメント決勝戦
○伊藤澄哉
判定
●原田龍星
50kg級では、伊藤澄哉、原田龍星、渡邉隆聖がエントリー。3選手共に王座初戴冠を目指す。 くじ引きによって、渡邉vs原田が決定、伊藤がシード権を獲得。原田が勝ち上がり、シードの伊藤と次期挑戦者を争うこととなった。
1R、伊藤が右ローを打って先手を仕掛ける。その後、原田が前へ出て突っ込んで伊藤をロープに詰めていく。しかし、伊藤はテンカオで原田の勢いを抑える。
2R、コーナー際でパンチが交錯すると、互いに距離を取りながらロープ際での攻防となる。ここで伊藤の左ハイが炸裂!何とかガードで防いだ原田に左前蹴りを追撃する伊藤。伊藤の右ストレートに原田は左フックをかぶせ、直後に右ストレート!これが伊藤の顔面を打ち抜く! しかし伊藤はこれを耐え、右ロー、テンカオを的確にヒットさせていく。
判定で伊藤が勝利し、悲願の初タイトル獲得へ王手をかけた。
▼55kg級次期挑戦者決定トーナメント決勝戦
○名倉拓海
判定
●晃希
55kg級では、名倉拓海、晃希、陀羅尼、蓮也がエントリー。名倉はM-1 50kg級を返上し、40kg級、50kg級に続くM-1ジュニア初となる三階級制覇を狙う。晃希はWINDY Super Fight 50kg級王座に続いて二つ目のベルトを狙う。陀羅尼は、8月29日に山浦俊一と同級王座を賭けた一戦に臨むが、王座獲得ならず。その雪辱を晴らすべく、王座獲りに向けて再挑戦。蓮也は次期挑戦者決定戦は初出場。 くじ引きによって、晃希vs陀羅尼、蓮也vs名倉となった。決勝へと駒を進めたのは晃希と名倉。
1R、左右のローを打ち分ける晃希に対し、右ミドルと前蹴りで応戦していく名倉。しばらくは打撃戦が中心となっていき、終盤には名倉の右ミドルが晃希のわき腹をとらえる。
2R、名倉の右ミドルをキャッチした晃希は、直後に左ミドルを返す。晃希が右ストレートを出そうとしたところに名倉は右ミドルを合わせる。すかさず右ローを返す晃希だが、名倉はこれをスウェーで回避。更に名倉は右ハイ、右ミドルとつなげていく。晃希は右ストレートで応戦。
判定で名倉が勝利し、M-1ジュニア初となる三階級制覇へ乗り出した。
ワンマッチ・ジュニアでは、M-1 25kg級王者の安本晴翔が先陣を切って第1試合に出場、判定で勝利している。
M-1 30kg級王者・溝口達也、M-1 35kg級王者の須永大護がワンマッチに参戦。溝口はKO勝ちしたものの、須永は判定負けを喫する結果となった。
一般の部では、昨年小児がんを克服し、K-1甲子園に出場したことで話題を呼んだ牧野亮佑がアマチュア一般の部に参戦。拠点を栃木から埼玉へと移し、心機一転を図っていた。蹴りを中心とした試合展開を見せ、文句なしの判定勝ちを収めている。
また、ラストには、”M-1アマチュアのお祭り男”兎ラビットFire煎餅が満を持して登場、Team DATEの最後の砦・真王と対戦。煎餅の声援が場内を包むかと思ったら、真王の声援があまりにも凄まじく、ウィラサクレックジム各支部総出で声援を送っても、煎餅への声援がかき消されてしまうほどの凄まじさだった。
序盤から互いに激しい打ち合いとなり、真王が首相撲からヒザで煎餅をKO寸前まで追い込んでいく。何とか耐え切る煎餅は、ワンツーや右ミドルで応戦していく。
後半になると真王への声援が更にヒートアップ!真王コールが飛び出し、真王サイドの応援団が総立ちするほどの熱狂ぶりを見せる。
結果、手数で勝った真王が判定で勝利。その瞬間、応援団が怒涛のごとくリングへなだれ込み、大団円を組んで真王の勝利を祝福。感極まったのか、リング上で真王の涙腺が緩む一面が見られた。リングに居合わせた煎餅は、真王の手を上げ、自らも真王の勝利を祝福し、静かにリングを後にした。
なお、次回大会は12月12日(日)を予定している。この日にM-1ジュニアの全階級タイトルマッチが行われる予定となっている。
また、来年1月10日(日)に福岡にてWSR九州アマチュア大会が行われる予定となっており、ワンマッチやトーナメント戦を行う予定。
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