DRAGON GYM
「チャリティーキックボクシングイベント
NO NAME HEROES 10」
2010年10月31日（日）秋田・湯沢市体育センター
開場13：00　開始13：10
情報提供＝DRAGON GYM

「NO NAME HEROS（ノーネームヒーローズ）」とはDRAGON GYM（ドラゴンジム）主催で、年1回、秋田県湯沢市体育センターで行われているチャリティーキックボクシングイベントの名称。チケットの収益から車椅子や書籍などを施設に寄付し、16年間も続いているイベントで、キックボクシングで世の中の役に立ちたいという熱い思いがスタッフの原動力となっているという。今年は第1部にアマチュアファイト、第2部にジュニアとプロの試合が行われ、会場はタイの田舎のムエワット(お祭りの野外の試合)をイメージし、それに似た照明も設置された。

▼メインイベント（第7試合）キックルール　66kg契約　2分3R
○村上リエ（DRAGON/J-GIRLSライト級＆WPMO世界女子ライト級＆ワンソンチャイワールドタイトル63kg王者）
KO　3R1分50秒
●高橋洋子（FIGHT CHIX）

　日本女子総合格闘技界の大物・高橋がキックボクシングのリングで3冠王の村上と激突するメインイベント。高橋はひさびさのキックのリングに派手なウエスタンスタイルで入場する。

　1R、動きながら様子をうかがう村上に対し、高橋がサウスポーの構えで前に出ながら右ローを蹴る。村上も左ミドルを出すが、高橋がそれに右ローを合わせる。

　 村上の前蹴りが入るが、体格で勝る高橋は構わず前に出る。サウスポーがやりづらそうな村上とは対照的に、高橋は距離を詰めて単発ながらパンチを出していく。ピリピリした緊張感あるラウンドだった。

　2R、相手の作戦が分かった村上は首相撲で流れを変えようとするが、高橋の体格とパワーの前になかなか思うような闘いができない。逆に高橋は恐れることなく前に出て、右ローで村上の内ももを真っ赤にさせ、村上のパンチにはダッキングしてポイントずらし連打をもらわない。全体的に村上が押している印象だが高橋の頑張りが目につく。村上は様々な攻撃を出しながらも高橋の前進スタイルに決定打が出せない。タフで威圧感のある高橋が前に出て距離を潰すため、いつものキレのあるカウンター攻撃ができない村上。動いて攻める村上を高橋がベタ足で追う展開が続く。

　3R、手数を出しながら左右のミドルを蹴ってパンチを出す村上。村上の攻撃を貰いながら、顎を引いて前に出て右ローとパンチを出し続ける高橋。このまま判定かと思われた最終ラウンド中盤、試合が大きく動いた。

　 3R1分15秒、村上のバックハンドブロー(初めて試合で使ったという)が高橋を直撃。高橋はそのままバランスを崩して倒れ痛恨のダウンを喫する。立ち上がった高橋に対し、村上がここぞとばかりに重いパンチを連打し、コーナーに追い込む。そして高橋がぐらついたところでレフリーが試合を止めた！

　 KOタイムは3R1分50秒。残り10秒で試合終了の、ぎりぎりのノックアウトだった。メインイベントにふさわしい緊張感あふれる激戦となり、お客さんも大喜び。高橋の頑張りが村上のレベルを引き上げた試合となった。

▼セミファイナル（第6試合）キックルール　64kg契約　2分3R
○モニカ（DRAGON/MADタイトル66kg王者）
判定3−0　※30−28、30−28、30−27
●藪下めぐみ（FIGHT CHIX/初代スマックガール無差別級王者）

　現在3連勝中の世界王者モニカとベテランの総合格闘家・藪下がキックルールで激突するセミファイナル。リング上で両者が並ぶと客席からどよめきが出るほどの身長差。184cmのモニカと158cmの藪下の身長差は何と26cmだ。体重こそ同じだが信じられないくらいの身長差が両者にはある。

　1R、パワーで勝るベテランの藪下に体格差を生かした長い攻撃でモニカが立ち向かう。遠い距離から前蹴りやミドルを出すモニカ。それを冷静に捌きながらサイドキックやパンチを出す藪下。このラウンドは動きの固いモニカに、距離を取った藪下が単発ながら攻撃を返す展開だった。

　2R、前に出てパンチ連打から首相撲に持ち込むモニカだが、柔道出身の藪下はヒザ蹴りを出させないように体を密着させる。モニカのパンチは当たるが単発でまとめることができない。しかも得意の首相撲が思うように出来ずに焦るモニカ。キャリア豊富な藪下はタイミングを読んでトリッキーな大技・浴びせ蹴りを何度もモニカの顔面に決める。藪下の頑張りが目につく。

　3R、倒しに行くモニカだがベテラン藪下のインサイドワークに空回り。パンチ連打からヒザにつなげられず体格差を生かしきれないまま試合終了。判定でモニカが勝利したものの、課題の残る試合となった。

▼第5試合　ライト級　3分3R
○ダイナマイト柿崎（DRAGON湯沢）
KO　2R50秒　
●鬼塚ジョー（KAGAYAKI）

　1R、ファイタータイプの柿崎と元プロボクサーで5戦のキャリアがある鬼塚の試合は最初から激しい打撃戦になった。柿崎のローにパンチを合わせる鬼塚はローも上手い。お互いのパンチからローのコンビネーションが交差する。若さとパワーに勝る柿崎が前に出てボディーブローやローで攻めると、キャリアで勝る鬼塚もローやパンチを返す。そして2分48秒、コーナーで柿崎のパンチからのハイキックが鬼塚を直撃。たまらずダウンする鬼塚。気合いで立ち上がったところでラウンド終了となった。

　2R、前に出てくる柿崎のパワフルな攻撃にダウンのダメージが残る鬼塚は防戦一方に。そして開始50秒、パンチ連打で柿崎が鬼塚をノックアウト。短い時間であったが中身の濃い試合だった。柿崎はこれで2試合連続のKO勝利だ。

▼第4試合　Bクラス　ウェルター級　2分3R
○長谷川　傑（DRAGON秋田）
KO　2R1分7秒
●ジャンキー熊倉（ハワイアンリーゼント）

▼第3試合　Jrムエタイ　55kg契約　2分2R
○藤野　寛（DRAGON湯沢）
判定3−0
●阿部寿樹（DRAGON石巻/前WINDY50kg王者）
※2R20秒、藤野のパンチによって阿部にダウンあり

▼第2試合　KID’Sムエタイ　30kg契約　2分2R
○伊藤愛里珠（DRAGON）
判定3−0
●伊藤紅愛（DRAGON/前WINDY25kg王者）

▼第1試合　KID’Sムエタイ　体重ハンデマッチ　2分2R
○佐藤太陽（DRAGON）
判定3−0
●丹大亮（DRAGON湯沢）