パンクラス
「PANCRASE 2010 PASSION TOUR」
2010年11月3日(水・祝)東京・ディファ有明
開場15:00 開始16:30
▽本戦第2部
▼メインイベント(第10試合) ライト級戦 5分3R
○ISAO(坂口道場一族/同級4位)
一本 1R4分21秒 ※フロントチョーク
●ウマハノフ・アルトゥール(SKアブソリュート・ロシア)
ロシア軍特殊部隊スペツナズに所属していた元軍人ウマハノフがパンクラスに再上陸! 2006年12月にパンクラスに初参戦し、ケージフォースでは初代ライト級王座を獲得。衝撃的な試合内容でセンセーションを巻き起こし、『HERO’S』や『DREAM』にも参戦した。今回は2008年10月の『DREAM.1』以来、約2年ぶりの来日となった。
迎え撃つは柔道歴10年、総合格闘技歴まだ1年半ながらパンクラス戦績4勝1敗1分でライト級4位にランクインしているISAOだ。
1R、サウスポーのISAOは前に出てワンツーをヒットさせる。ウマハノフも打ち返すが、ISAOはバックステップでかわす。圧力をかけて前に出てくるウマハノフに右のパンチを当て、次のタックルでバックを奪ったISAO。両者は激しく上下を入れ替え、最終的にはウマハノフが上になり、ボディへパンチを打つ。
立ち上がったウマハノフをすぐに両足タックルでテイクダウンさせるISAOだが、ウマハノフはガッチリとホールディングして動きを封じてしまう。
立ち上がったISAOが右のパウンドを強打、ウマハノフがすぐに立ち上がって上を奪ったかと思ったその瞬間、ISAOがフロントチョークで絞め上げる! 完全に落ちてしまったウマハノフ! ISAOが劇的な勝利でメインイベントを締め括った。
リングの中には歓喜した坂口道場一族のメンバーがなだれ込み、観戦に来ていた俳優の坂口憲二もリングに上がり、ISAOを抱きしめて祝福した。
マイクを持ったISAOは「ウマハノフ選手、遠いところをわざわざ来て闘ってくれてありがとうございました。今いろんな団体あると思うんですけれど、このパンクラスのリングが一番アツいんじゃないかと思います。僕もこうやって今日勝てて嬉しいです。僕はパンクラス所属の選手じゃないけれど、パンクラスのリングでずっと闘って引っ張っていきたいと思っています」と“エース宣言”。場内からの喝采を浴び、リング下にはファンが殺到した。
▼セミファイナル(第9試合) ウェルター級戦 5分3R
○KEI山宮(GRABAKA/同級1位)
不戦勝 ※ガジがドクターストップ
●ガジ(SKアブソリュート・ロシア/パンクラチオン大会4連覇)
セミファイナルはガジにドクターストップがかかり、山宮の不戦勝となった。ガジはリング上で「日本での試合を楽しみにしていましたが、直前に怪我をしてしまいました。ギリギリまで調整していましたが、このような形になってしまい残念です。すぐの帰国を予定していますが、出来ればもう一度、万全な態勢になって日本で試合が出来ればと思っています」と欠場のお詫び。
山宮は「今日ここで試合をする予定で、試合のスタンバイしていましたが、休憩前に試合中止と聞いて混乱しているしガッカリしています。ガジ選手がもう1回と言っていましたが、自分はもういいです。もう関わりたくないです」と静かな口調ながらも怒りのこもったマイクでファンに挨拶した。
試合後の坂本靖パンクラス運営本部長の説明によれば、ガジは10月31日(日)に来日する前日のランニング中に左足首を挫き、パンクラスにその旨を連絡。しかし、翌日フライトのため病院には行けず、来日して様子を見ることになった。来日してからはホテルにて氷で患部を冷やし、公開練習にはウマハノフと共に来たが動けないため車の中で待っていた。
公開練習のあった11月1日(月)に「左足首を捻挫しているので、痛み止めを打って試合に出たい」との連絡があり、翌日の計量はパスしたが、試合当日になってドクターが診断したところ(第3〜4試合が行われている時点)「捻挫にしてはひどい。レントゲンを撮ってみないと分からないが、靭帯損傷と骨折の疑いがある」とされ、試合直前にドクターストップがかかった。
パンクラスでは今後、前日の計量後にドクターチェックを行うことを検討するという。
▼第8試合 フェザー級戦 5分3R
△鹿又智成(パラエストラ八王子/同級1位)
ドロー 判定0−0 ※三者とも29−29
△大澤茂樹(SRC育成選手)
SRCから試合経験を積むためパンクラスに参戦、10月大会からの連続参戦となった大物ルーキー大澤が、フェザー級1位・鹿又の首を狙う。次期タイトル挑戦者決定戦的な意味合いを持つカードだ。鹿又は現在3連勝中。
1R、前傾姿勢で打撃を放ちながら前へ出る鹿又に、大澤はバックを奪ってジャーマンスープレックス! すぐにサイドを奪うが、鹿又は下から殴り続ける。サイドポジションで固めたままの大澤。ブレイクがかかる。再び突っ込んできた鹿又を両足タックルで豪快にテイクダウンする大澤だが、鹿又はラバーガードから顔面を殴る。大澤がオモプラッタのような形になったところでラウンドが終了した。
2R、突っ込んで来る鹿又に大澤もパンチで応戦、バランスを崩して倒れた鹿又の上を奪う。1Rと同様にガッチリと上体を固める大澤。鹿又はバックを取りにいくが、大澤がガブる。しばらくそのままの体勢が続き、残り時間30秒でようやく大澤が鉄槌を落としていって動きはあったが、ラウンド終了。
3R、左右の蹴りからタックルにいく鹿又に大澤がガブって上になる。下から殴る鹿又はカカトでも大澤のわき腹を蹴る。とにかく抑え込む大澤。鹿又の頭がロープから出ると、大澤が殴り始めたが、ドントムーブに。
鹿又は両足を大澤の胴に巻きつけてバックに回ろうとしたが、大澤はしっかり抑え込んでの鉄槌。鹿又の下からの腕十字は潰して、また抑え込む。
ブレイク後、左右のフックと左ミドルで前に出る鹿又だが、蹴り足をキャッチされて倒され、またも抑え込まれる。最後は大澤がパスしてサイドを奪ったところで試合終了となった。両者共に目立った攻撃はなく、判定はドローとなった。
▼第7試合 ウェルター級 2010鳥生三番勝負第二弾 5分2R
△鳥生将大(パンクラスism/同級7位)
ドロー 判定0−0 ※三者とも20−20
△窪田幸生(坂口道場 一族)
「鳥生将大2010年試練の3番勝負」その第2戦はパンクラスOBである窪田との再戦となった。第1戦はハイキックでKO勝ちしており、連勝を収めることが出来るか? 窪田とは昨年8月に対戦してドローに終わり、しかも、拳の骨折により長期欠場に追い込まれた因縁の相手でもある。窪田は「俺の顔を殴ると拳が折れる」とうそぶいている。
1R、サウスポー同士の試合。ゴングと同時に右ストレートを放った窪田に鳥生がタックル。窪田が放ったヒザ蹴りがローブローとなり、試合は一時中断となる。
再開後、鳥生は左フックを放つが窪田に右フックのカウンターをもらい、すぐに片足タックル。離れた窪田は左右フックで襲い掛かり、鳥生は左右のストレートから右ハイキック。
窪田の右フックをもらった鳥生がタックルでテイクダウン。右のパンチを連打する鳥生に窪田はアームロックを取りながら立ち上がる。離れると窪田が左右フック、鳥生は右フックとインロー。鳥生のタックルをガブって潰した窪田が蹴り上げから上になったところでラウンド終了。
2R、両者共に左右フックを放ち、鳥生がタックルにいくも窪田はフロントチョークの体勢に。コーナーに押し付けられると鳥生の足を踏み付ける。ブレイク後、窪田がパンチで出て行くと鳥生もパンチで押し返す。大振りになる窪田に鳥生が左フック。
左右のフックで鳥生を追いかけて行く窪田に鳥生はタックルを仕掛けるが、窪田はフロントチョークの体勢に。残り10秒、バックを奪った鳥生は豪快なジャーマンスープレックス! 判定はドローで痛み分けに終わった。
▼第6試合(大類VS久松)〜第1試合(芹澤VS荒牧)の試合結果はこちら
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