▲K-1トライアウト合格者の小松裕弥(左)が念願の全日本大会初優勝。決勝戦でベテラン・古谷知也からダウンを奪い、一本勝ちした。
11月28日(日)東京・後楽園ホールにて、日本テコンドー協会(JTA)主催『第21回全日本フルコンタクト・テコンドー選手権大会 ITA杯無差別級王者日本一決定戦』が開催された。
既存のライトコンタクトルールではなく、KO勝ちを認めるフルコンタクトルールを採用した、9度目の全日本大会。同大会は『K-1 WORLD MAX』などで活躍する尾崎圭司(2002&2003年王者)、キック8戦8勝無敗のままJ-NETWORKの新人王に輝いた坂本洸巳を輩出したことで知られる。
→前回大会覇者の小山恭弘(左)は一回戦で敗退
フルコンタクトテコンドーとはリングを使用し、本戦3分(延長3分2回まで、決勝戦のみ3回まで)で行う無差別級トーナメントだ。
→全日本初出場の山地和(左)は準決勝戦で敗退も新人賞を獲得
上段・中段への蹴り(ローキックは禁止)と中段への突き(ただしアゴと額に限定した、蹴り技を生かすための突きや牽制のための突きは禁止されない)を用いての一本(KO)勝ちや技あり、または時間内にダウンがなければ判定によって勝敗が決せられる。
今回、男子無差別級には23名、女子無差別級には6名がエントリー。計27試合が行われた。
→二回戦の井上鉄朗(左)と古谷知也の二回戦は延長戦までもつれ込む激闘に
昨年に引き続いて、いきなり1回戦で波乱が起こった。前回大会覇者の小山恭弘(横浜鶴見テコンドークラブ)が鈴木雅博(湘南平塚テコンドークラブ)に敗れたのだ。スピードを生かした横蹴り、回し蹴り、そして突きで攻める鈴木に対し、小山は得意のかかと落としで反撃するも捕らえることが出来ない。手数で上回った鈴木が判定勝ちし、2回戦に駒を進めた。
熱戦が続く中、決勝戦に勝ち上がったのは昨年準優勝の古谷知也(高知支部)と、そして鈴木を準決勝で破った小松裕弥(渋谷原宿テコンドークラブ)。
→優勝した小松裕弥には、GBR賞も贈呈された
小松は2008年のK-1トライアウト合格者であり、K-1新人育成大会「TRIAL LEAGUE」で活躍した選手。2008年12月の同大会でイラン人選手に負けたことがきっかけで格闘技から一線を引いていたが、「今まで準優勝しか獲ったことがないので、どうしても優勝したかった」という思いから今大会で復活を果たした。
それまでパワフルな蹴り技で順当に勝ち進んだ古谷に対し、小松はスピードある突きと蹴りで翻弄。古谷が右中段回し蹴りを出したところに、小松が後ろ回し蹴り! これで古谷のアゴを捕えてダウンを奪う! 小松が見事な一本勝ちで念願の初優勝を果たした。
女子無差別級では、二連覇中の高橋三恵(東京港テコンドークラブ)と、東京大会優勝・松兼ひとみ(東京港テコンドークラブ)の同門対決が決勝戦で行われた。
→三連覇を達成した高橋三恵(左)、写真は松兼ひとみとの決勝戦
ベテランの高橋は、序盤からパワフルな突きと蹴りでプレッシャーをかけ続け、松兼を下がらせる。優位に試合を進めた高橋が勝利し、三連覇を達成した。
なお、開会式ではグラビアアイドルでJTAの道場に通う愛川ゆず季が、毎年恒例となっている試割式を行い、かかと落としと後ろ回し蹴りによる板割りを披露し、今大会の幕を切っている。
●河明生JTA会長・宗師範の大会総括
「無差別級のレベルが上がっていた大会だと思います。華麗な蹴り技の応酬でした。新人の山地和は初出場にも関わらず、よい闘いをしてくれました。優勝した小松は一度引退していましたが、どうしても優勝したいという思いから復活して初優勝しました。その執念がそうさせたのでしょう。連覇しないと本当のチャンピオンとは言えません。小松には連覇を目指してもらって精進するよう、活躍を期待しています。女子組み手で優勝した高橋は圧勝でした。三連覇を達成しましたが、連覇はまだ続くと思います。型優勝の野村修一は二連覇を達成し、大変素晴らしかった。惜しかったのは準優勝の植田。緊張していたことで、蹴り技のキレが抑えられていたと思います。少年少女の型で優勝した渡辺は華麗な蹴り技で文句なしの優勝でした」
日本テコンドー協会(JTA)
「第21回全日本フルコンタクト・テコンドー選手権大会 ITA杯無差別級王者日本一決定戦」
2010年11月28日(日)東京・後楽園ホール
開場16:45 開始17:00
RESULT
▼組手無差別級トーナメント
優 勝 小松裕弥(渋谷原宿テコンドークラブ)
準優勝 古谷知也(高知テコンドークラブ)
3 位 鈴木雅博(湘南平塚テコンドークラブ)
4 位 山地 和(神奈川大湘南校体育会)
▼女子組手無差別級トーナメント
優 勝 高橋三恵(東京港テコンドークラブ)※3連覇
準優勝 松兼ひとみ(東京港テコンドークラブ)
▼蹴武型トーナメント
優 勝 野村修一(岡山備前テコンドークラブ)※2連覇
準優勝 植田博和(東京江東テコンドークラブ)
3 位 高崎健太(東京江東テコンドークラブ)
4 伊 高橋佑輔(高知テコンドークラブ)
▼蹴武型 少年少女部
優 勝 渡辺直樹(東京江東テコンドークラブ)
準優勝 中村勇太(岡山倉敷テコンドークラブ)
▼新人賞
山地 和(神奈川大湘南校体育会)
▼GBR賞
小松裕弥(渋谷原宿テコンドークラブ)
▼最優秀選手賞
小松裕弥(渋谷原宿テコンドークラブ)
▼東京都知事賞
高橋三恵(東京港テコンドークラブ)
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