12月12日(日)大阪・たかいし市民文化会館アプラホール大ホールにて、DEEP☆KICK実行委員会『DEEP KICK5』が開催された。
今大会の目玉は、4月から3大会にまたがって行われていた「60kg級関西最強決定トーナメント」の準決勝、決勝のワンデートーナメント。シードを含む14選手の中から勝ち上がったFire仭士、石橋真幸、楠本鉱平、階勇弥の4選手が頂点を目指して闘った。
トーナメントは準決勝から白熱。Fireと石橋、楠本と階の4人とも、この後に決勝戦が待っていることなど関係ないかのように壮絶な潰し合いを演じた。
まず第2試合、神戸のハードパンチャー・Fireは得意のパンチに加え、終盤にはミドルも効かせたが、佐藤嘉洋が自信を持って推す弟弟子・石橋真幸がスピーディーなコンビネーションを生かして凌ぎきり、ダメージを負いながらも決勝進出。
続く第3試合ではスパイダーマンのマスクを着けてのダンシング入場がトレードマークとなっている階勇弥と、鋭く正確な攻撃を持ち味とするJ-NET関西の雄・楠本鉱平が延長にもつれ込む大熱戦を展開。本戦、延長とも優劣のつけがたい攻防だったが、ヒザ蹴りを効かせた階がスプリットで勝利し、石橋の待つ決勝へ。
決勝は石橋、階ともにダメージを負っての2戦目となったが、短期決戦を狙った階がゴング直後から積極的に仕掛けたのを機に、両者とも息つく暇もないほどの打撃戦に。互いに口の中を切って出血するほどの激しさとなったが、2Rのラッシュなどでわずかに上回ったのは階。
「せっかく関西最強決定戦という舞台を作ってもらったのに、名古屋の選手には渡せなかった」と、唯一名古屋から参戦し決勝まで上り詰めた石橋にライバル心を燃やしていた階が、見事頂点の座に君臨、チャンピオンベルトと50万円の賞金を獲得した。
一方、敗れた石橋は判定が告げられるとリング上にうずくまって号泣。名古屋JKFの小森次郎会長と佐藤嘉洋に抱きかかえられる姿が印象的だった。
優勝した階は「試合前に肺炎になって練習できなかったりしたんですが、どうしても勝ちたかった。これを機に、東京でももっと注目されるように頑張っていきたいです。NJKFのチャンピオンベルトもほしいです」と決意を新たにした。さらにDEEP KICKが目指す「関西からK-1に出場できる選手を」という目標についても、「K-1 MAXには出たいですね。
(このトーナメントは60kgだったが)普段70kgぐらいあるので、63kgでも問題ないです。やりたい選手……大和哲也選手と言いたいところですが、僕は同じジムの大和大地選手にKO負けしているので(10月のNAGOYA KICK)、何にも言えないです(笑)。誰とでもやりたい」と意欲を露わにした。
激闘に次ぐ激闘で幕を閉じたトーナメント。4月の開幕時にはまだまだだった出場選手のK-1ルールへの対応も、今大会ではほとんど問題なし。優勝した階を筆頭に、ここから表舞台に飛び出す選手たちの活躍に期待したい。
写真&レポート=高崎計三(ソリタリオ)
DEEP☆KICK実行委員会
「DEEP☆KICK 5」
2010年12月12日(日)大阪・たかいし市民文化会館アプラホール大ホール
開場14:00 開始16:15
※オープニングファイト開始14:10
<全試合結果>
▼メインイベント(第13試合) 60kg級関西最強決定トーナメント決勝戦 3分3R
○階 勇弥(健心塾)
判定3−0 ※三者とも30−29
●
石橋真幸(名古屋JKF)
※階が優勝
▼セミファイナル(第12試合) 55kg契約 3分3R
○チャルムチャイ・トーガーハン(タイ)
KO 2R2分14秒 ※右ハイキック
●京谷祐希(Team Free Style)
▼第11試合 57kg契約 3分3R
○皇治(二刃会)
KO 2R2分05秒 ※3ノックダウン
●西村昌平(立志會館)
※2R、西村は右ストレート、右フック、パンチ連打でダウン
▼第10試合 63kg契約 3分3R
○藤阪弘樹(M-FACTORY)
判定2−0 ※30−30、30−29、30−29
●yama刃(二刃会)
▼第9試合 70kg契約 3分3R
○藤元洋次(IGOSSO/OZMOSIS)
KO 1R2分56秒 ※ヒザ蹴り
●拳心(侍)
▼第8試合 63kg契約 3分3R
○ケイスケ(頂上会テアゲネス)
判定2−0 ※30−30、30−29、30−29
●憂也(魁塾)
▼第7試合 47kg契約 2分3R
○百花(T.B.NATION)
判定2−0 ※30−30、30−28、30−29
●井川 恵(日進会館)
▼第6試合 61kg契約 3分3R
○龍啓(国士会館)
KO 1R2分46秒 ※パンチ連打
●服部浩典(SFK)
▼第5試合 58kg契約 3分3R
○辻出優翔(京賀塾)
判定3-0(29-26、29-27、29-27)
●
三浦勝人(誠至会)
※1R、組みつきにより両者に減点1。3R、三浦は前蹴りでダウン
▼第4試合 55kg契約 3分3R
○中務幸信(多田ジム山口道場)
KO 2R1分17秒 ※右フック
●戦国(強者山根道場)
▼第3試合 60kg級関西最強決定トーナメント準決勝 3分3R
○階 勇弥(健心塾) VS
延長判定2−1 ※10−9、9−10、10−9
●楠本鉱平(M-FACTORY)
※本戦判定は1−1(29−30、30−28、30−30)
▼第2試合 60kg級関西最強決定トーナメント準決勝 3分3R
○石橋真幸(名古屋JKF)
判定2−0 ※30−30、30−29、30−29
●Fire仭士(SFK)
▼第1試合 60kg級関西最強決定トーナメント・リザーブマッチ 3分3R
○林 恭平(アツキムエタイ)
判定2−1 ※30−29、28−29、30−28
●自演乙@PIGU(魁塾)
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