M-1MC
「M-1 FAIRTEX SINGHA BEER ムエタイチャレンジ
第39回M-1ムエタイアマチュア大会」
2010年12月12日(日)千葉・ウィラサクレック天王台ジム
計量10:00 開始11:00
今年最後となる同大会では、ジュニアの全階級タイトル戦が行われ、激闘の末に全階級で王者が誕生した。
▼M-1 25kg級王座決定戦
○優音(藤原/同級1位)
判定
●東原享介(WSR池袋/同級2位)
※優音が新王者に。
同級王者であった安本晴翔(士道館橋本道場)が王座を返上。上位に位置している優音と東原の間で、空位となった王座を争うこととなった。前回の次期挑戦者決定戦の決勝戦で対峙した両者が、王座を争うステージで再び激突。M-1ジュニアの舞台で両者は今年2度対戦しており、いずれも優音が勝利を収めている。互いに好敵手と認め合うだけに、好戦が期待できそうだ。
1R、互いに前に出て打ち合いとなる両者だが、優音が半ば強引に前に突っ込んで左右ミドルを打ち分けていく。押され気味の東原だが、優音に負けじと自らも打ち合いを仕掛けていく。ロープ際で首相撲からヒザの展開となり、しばらくすると、東原が両手をだらりと下げて打って来い!と言わんばかりの挑発を仕掛ける。しかし、優音はこれに応じず、自分のペースを保つ。
2R、開始から互いに打ち合いとなり、一歩も引かない両者。優音がワンツーから左ミドルを仕掛けると、東原が首相撲で優音の猛攻を抑えていく。その後、東原がワンツーを仕掛ければ優音は右ローを返し、優音がワンツーを仕掛ければ、東原は首相撲で応戦し、互いに譲らない。
3R、東原が右ミドルで先制すると、優音はワンツーを打ちながら打ち合いに持ち込んでいく。これに東原は応じ、互いに手を止めず、攻めの姿勢を崩さない。中央で首相撲からヒザの展開が続くと、優音は距離を取ってワンツーを打っていく。東原は首相撲からヒザで応戦。更に、東原は右の前蹴りから首相撲とつなげていく。優音はワンツーとミドル、右ローを打ち分けていく。
結果、手数で上回った優音が判定で勝利し、悲願の王座初戴冠を果たした。リング上では東原は悔しさをにじませながら涙する場面が見られた。互いに健闘を称え合う姿に、場内から惜しみない拍手が送られた。
▼M-1 30kg級タイトルマッチ
○溝口達也(尚武会/王者)
判定
●山田貴仁(ワイズ/同級1位/挑戦者)
※溝口が初防衛に成功。
前王者のSHUU(WSR蕨)を破って王座返り咲きを果たした溝口が初防衛戦に挑む。インファイトを持ちかけ、無尽蔵のスタミナで手数で圧倒していくのが溝口の最大の特徴だ。 対する山田は打ってよし、離れてよしのバランスがとれたファイター。階級に見合わぬ強打を武器に勝ち星を量産してきている。
1R、しばらく様子見の状態が続き、静かな立ち上がりとなった。山田が前蹴りで先制すると、溝口は右ミドル、首相撲とつなげていく。距離を取りながら間合いを図る山田は右ストレートを打つ。これが溝口をとらえるも、当たりが浅く決定打には至らず。すかさず溝口は右ローを返し、ワンツーをつなげていく。
2R、距離を取りながら、様子見の状態が続いていく。山田がジャブを突きながら間合いを図っていく。溝口はインファイトに持ち込むべく、前に出ながら山田との距離を縮めていく。そしてワンツーから右ヒザ、首相撲と山田に攻めの手を許さず。それでも山田は距離を取りながら左前蹴りを出していく。すぐに右ミドルを返す溝口は、そこからワンツーから首相撲。
3R、ワンツーを打って先手を仕掛ける山田。すかさず右ミドルを返す溝口。山田の右ストレートに、溝口は右ミドルを合わせる。打ったら打ち返す攻防が見られ、一進一退の展開に。なおも前に出てプレッシャーをかけていく溝口はワンツーから右ミドルとコンビネーションをつなげるが、山田もワンツーを打ち返していく。
結果、判定で溝口が勝利し、初防衛に成功した。
▼M-1 35kg級王座決定戦
○名倉彗悟(堀切KMC桜/同級2位)
判定
●黒木翔太(尚武会/同級1位/挑戦者)
※名倉が新王者となり、30kg級に続いて二階級制覇を達成。
同級王者であった須永大護(フリー)が王座を返上。上位に位置している黒木と名倉の間で、空位となった王座を争うこととなった。M-1ジュニア最激戦区である35kg級は過去に岩田翔吉や伊藤紗弥といった、名を馳せた選手が巻いてきたベルトだ。黒木が勝利すれば王座初戴冠となり、名倉が勝てば二階級制覇となる。
1R、右ミドルで先手を仕掛ける名倉に、左ストレートから首相撲をつなげる黒木。更に黒木は左ストレートから左ヒザ、首相撲。名倉も首相撲で応戦していく。
2R、しばらく組んでの攻防が続いていく。その後、首相撲からヒザの展開へ。名倉が右ミドルを打つと、黒木は左ミドルを返す。終盤には、黒木が左ミドル、左ローと上下に打ち分けていくが、名倉右ミドルを返していく。
3R、名倉は右ミドルを中心に仕掛けていく。黒木は首相撲で応戦していく。黒木がワンツーを打つと、突っ込みながら左ミドル。前に出てくる黒木を首相撲で止めていく名倉。右ミドルを打ち、ワンツーから左フック、首相撲と手数を増やして黒木に応戦していく。
結果、判定で名倉が勝利し、30kg級に続いて二階級制覇を成し遂げた。
▼M-1 40kg級タイトルマッチ
○天心(チームTEPPEN/王者)
判定
●末永勇一(フリー/同級1位/挑戦者)
※天心が初防衛に成功。
”最強の小学生”の名高い那須川が初防衛戦に迎える。8月にはムエロークジュニアトーナメントを制覇し、その3週間後にはM-1 40kg級王者となり、ひと月で2冠王者の偉業を成し遂げている。 一方の末永は”閃光のヒザ”の異名を持つ技巧派ファイター。一撃で戦闘不能にすることがあるほどの凄まじき破壊力を兼ね備えたヒザで、幾多の強豪をマットに沈めてきている。コンビネーションで那須川、首相撲からヒザで末永という図式が成り立つ。
1R、ワンツーを打ちながら突っ込んでいく天心に、末永もワンツーを打ち応戦。その後、首相撲からヒザの応酬が続いていく。
2R、1R同様、ワンツーを打ちながら突っ込んでいく天心に、首相撲で応戦していく末永。その後、互いに距離を取り合うと、末永が距離を詰めて首相撲からヒザ。再び距離を取る天心は、ワンツーから左ロー、左ミドル。終盤、天心は得意の胴回し回転蹴りを浴びせるも空を切る。すぐにワンツーを打ちながら突っ込んでいく天心に、首相撲で捕まえて勢いを止める末永。
3R、組んでの攻防が続いていくが、末永はワンツーや左フックをつなげ、パンチ主体で組み立てていく。天心はワンツーを打ちつつも、ジャブを突いて距離を取っていく。右ミドルや首相撲、ヒザを打っていく末永に、天心は中盤からワンツー、左ミドル、左ローと次々にコンビネーションをつなげ、猛チャージをかけていく。これには末永もたまらず下がりを見せてしまう。
結果、判定で天心が勝利し、初防衛に成功した。天心は19日にRISEディファ大会にてKAMINARIMON 40kg級王座決定戦に出場が決定している。
▼M-1 45kg級王座決定戦
8月29日に新王者となった梶颯(WSR蕨)が王座を返上。1位の平本蓮(フリー) が優先的に挑戦権を得ていたが、上位ランカーのスケジュールの折り合いがつかず、対戦相手が決定しないという非常事態となった。
協議の結果、これまでの平本の実績を考慮し、”認定王者”として、平本をM-1 45kg級王者と決定した。平本は過去にKAMINARIMON 40kg級王座を獲得、更には今夏に行われた全日本ボクシング大会で優勝し、WINDY Super Fightで2階級制覇を成し遂げ、急成長を遂げている。
▼M-1 50kg級王座決定戦
○伊藤澄哉(尚武会/同級1位)
判定
●小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/同級2位)
※伊藤が新王者となる。
尚武会最強のジュニアファイターである伊藤が遂にM-1の王座に初挑戦。これまで勝利を量産してきた伊藤だが、昨年まではしばらく試合から遠ざかっており、今年になって復帰。怒涛のごとく勝ち星を上げてきている。
対する小笠原は、”山口元気二世”の呼び名高きファイター。7月19日に行われたREBELSでは、左ストレート一撃でKO勝利を収め、場内が騒然としたことが記憶に新しい。成長に伴い階級を上げ、45kg級に続いて二階級制覇を狙う。
1R、互いに出方を探っているのか、様子見の状態が続く静かな立ち上がり。小笠原が左ミドルを打つと、伊藤はすかさず右ミドルを返す。蹴っては蹴り返しの状態が目立つ。
2R、1Rとは打って変わって、パンチ主体の攻防が目立つ両者。伊藤はワンツーから左フック、左ローと、上下に散らす。小笠原はワンツーから左フック、左ミドル、左ストレートとコンビネーションを活かしながら伊藤に応戦していく。残り5秒のところで、伊藤が放った右ストレートが小笠原の顔面をとらえ、小笠原の首が上がる。
3R、開始早々、首相撲の応酬が続き、なだれ込むように倒れる。このRもパンチ主体の攻防となる両者。ロープ際では激しいパンチの打ち合いがなされ、互いに一歩も退かず。ジリジリと前に詰め寄る伊藤に、小笠原も距離を詰めていく。終盤になると、首相撲からヒザの展開が続いていく。
結果、判定で伊藤が勝利を収め、嬉しい王座初戴冠を果たした。
▼M-1 55kg級王座決定戦
○名倉拓海(堀切KMC桜/同級1位)
判定
●晃希(祥龍館Team S.R.K/同級2位)
※名倉が新王者となる。40kg級、50kg級に続いて三階級制覇を達成。
同級王者であった山浦俊一(B-FAMILY NEO)が王座を返上。上位に位置している名倉と晃希の間で空位となった王座を争うこととなった。両者は過去2戦しており、いずれも名倉が勝利している。
両者共に首相撲からヒザの展開を得意としており、実力はイーブン。しかし、晃希は月一のペースで試合を消化するなどして、着実にキャリアを伸ばしてきている。 名倉が三たび勝利し、M-1ジュニア初となる3階級制覇となるか?それとも晃希がリベンジを果たしてM-1ジュニア王座初戴冠となるか?
1R、互いに出方を探りながら様子を見る状態に。先に仕掛けたのは名倉。右ミドルを打ってすぐに首相撲の展開へ。名倉が右ミドルを打つと、晃希はこれをキャッチ。足払いでコカそうとする。その後、晃希はワンツーを打ち、名倉との距離を詰めるが、名倉がタイミングよく首相撲を持ちかけ、勢いを封じていく。互いに放った右ストレートが顔面にヒット。相打ち状態となったところでゴング。
2R、しばらく首相撲からヒザの展開が続いていくが、名倉が右ミドルを打つと、晃希はまたしても足をキャッチ。それでも名倉は右ミドルを打っていく。今度は晃希が首相撲で名倉の勢いを封じていく。そして右ストレート、右ミドルと追撃していく。
3R、名倉が右ミドルで先手を仕掛けると、晃希は右ストレートを返す。打っては打ち返す展開となり、互いに一歩も譲らない。名倉が右ミドルを放ってすぐに晃希は首相撲を持ちかける。首相撲が解けてきたところに右ストレートを打つ晃希。前に出てプレッシャーをかける晃希は、名倉をコーナーに詰めて右ストレート!ガードして何とか直撃を防いだ名倉は、右ミドルで応戦。その後晃希は右ミドル、右ローを打ち分けていく。名倉は右ミドルと首相撲に徹していく。
結果、判定で名倉が勝利し、40kg級、50kg級に続く三階級制覇を成し遂げた。これはM-1ジュニア初の快挙となる。
また、ワンマッチでは、M-1女子40kg級王者の伊藤紗弥(尚武会)、元M-1 40kg級王者の新垣聖羅(WSR蕨)が揃って参戦。
伊藤はこの日2試合こなすこととなり、後の試合で男子と戦うことになり、パワーの差が歴然としていたが、伊藤はこれをキャリアとテクニックでカバーし、難なく勝利。一方の新垣は、女子同士となるも、首相撲や右ミドルを中心に独り相撲状態で試合を運んで圧勝。
ワンマッチの中で、この日一番の盛り上がりを見せたのが内野隼也(WSR三ノ輪)vsTARA(Team DATE)の一戦。
リングコール直後に互いに激しい応援合戦が勃発するも、Team DATE陣営の凄まじきハイテンションぶりは、内野陣営の応援がかき消されてしまうほどだった。しかし、蓋を開けてみれば、内野がパンチからのコンビネーションで終始試合をコントロール。内野が文句なしの判定勝利を収めた。
内野はTARAとの一戦の前に試合を消化しており、ここでも判定勝利を収めている。内野は伊藤と同様に2試合こなすこととなった。
M-1アマチュア大会最高の盛り上がりを見せ、大盛況の中で、2010年を締めくくった。
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