アクセルプロモーション
「ACCEL vol.15 夏の陣」
2010年12月26日(日)兵庫・神戸ポートターミナルホール
開場15:00 開始16:00
▼メインイベント(第20試合) アクセルGルールミドル級タイトルマッチ
○TOMOYUKI(誠剛館/国際チャクリキ協会ミドル級王者/挑戦者)
判定3−0
●松本勇三(勇三道場/王者)
※松本が初防衛に失敗、TOMOYUKIが第4代王者に
港町・神戸土着の格闘技祭りアクセルが過去最高の20試合7時間にも及ぶ興行が行われ、2000人の観衆の中、フィナーレは王座交代劇という劇的な内容で幕を閉じた。
地上波放送やケーブルTVでもお馴染みとなった本大会だが、メインイベントではこの夏にアクセル不動王者と言われた屋比久孟嗣の腕を粉砕し、新王者になったばかりの松本勇三が登場。その松本の初防衛の相手は、アクセルデビューから2年間ベルト奪取だけを最大の目標として来た“播州の狂犬”TOMOYUKI。
1R開始から常にパンチで先手を打ったTOMOYUKIに対し、パンチからロー、そして時折強烈な右ミドルを返す松本。それを受けながらもお構いなしに上下のパンチで更に圧力をかけるTOMOYUKI。早速息を呑むスリリングな展開となる。1R終了間際、松本のバックスピンキックでTOMOYUKIがぶっ飛ばされたところでゴング。
2R、またもやパンチで前に出るTOMOYUKI。前へ前へ圧力とパンチの回転で勝るTOMOYUKIに松本は自分の距離が保てず得意の蹴り技が出ない。それどころかTOMOYUKIの左右ボディーブローからフックに繋ぐコンビネーションをもらいだした松本はフルコン空手家特有の打たれ強さを持ってしても徐々にスタミナを奪われる。不利と見た松本はまたも強烈な右ミドルを蹴る。しかし、あまりにも力んだ蹴り故にブロックする相手の腕を腫れ上がらせたものの自らのスネを裂傷させてしまう。
本来ここでTKO負けとなってもおかしくなかったが、迅速なドクターの対応で試合再開に松本は一命をとりとめた。右足を断念した松本はここで覚悟を決めパンチ勝負に出る。
しかしTOMOYUKIの土俵である打ち合いではやはり分が悪く、最終Rに入ってもこの流れは断てず完全にTOMOYUKIがペースを握る。
全くスタミナの衰えないTOMOYUKIの圧力とパンチラッシュにブロックするのが精一杯の松本はカカト落とし、後ろ回し蹴り、ブラジリアンキックと大技で起死回生を狙うが、ここはすぐ目前にベルトが見えているTOMOYUKIにもはや通用せず。
判定は3ー0でTOMOYUKIが文句なしの完封勝利。そして第4代アクセルGルールミドル級王者に就き 、初代の宮野孝裕から地域外流出が長かったベルトが約4年ぶりに兵庫に戻った。
ミドル級としては西日本トップと言われるアクセル王者に就いたTOMOYUKIだが、ここからが多数の王者が点在する首都圏への殴り込みの始まりとなるだろう。
▼セミファイナル(第19試合) ライト級 ムエタイルール 3分3R
○デンサイアムルークプラバーツ(タイ/センチャイムエタイ)
判定
●為房厚志(二刀会北野)
現在、大和哲也を始め、未だ日本人選手を相手に負けなしのムエタイ戦士デンサイアムと、今関西で最も乗る男・為房との対戦。為房は今回どうしても戦いたい相手とあって、ウェルターからライトまで階級を落として挑んだ一戦となった。
ヒジ、ヒザそして首相撲からの投げというムエタイ技で行きたいデンサイアムだが、為房は思うようにさせず得意のパンチを時折デンサイアムにヒットさせる。組まれても上手くブロックし、相手にペースを握らせない。
デンサイアムはウェイトのタップリ乗った重いミドルを為房に放り込むが、為房はこれにも動じず一歩も引かない。デンサイアムが徐々に圧力をかけ出した2R後半、ようやくデンサイアムのムエタイらしさが光り始め、為房を首相撲から崩すシーンも見られる。
最終R、やや疲れの見えた為房にミドル、ヒザ、ヒジを狙いペースを上げたデンサイアムだったが、為房も徐々に盛り返し、共に決定打のないままに終了ゴングがなった。
判定は1名ドロー、2−0でデンサイアムが勝利した。
▼第18試合 ミャンマーラウェイルール 3分3R
○黒田昌裕(黒田道場)
TKO 1R ※ドクターストップ
●高橋克典(紫円塾)
ベテラン52歳の鉄人・黒田に対するは、過去に黒田と対戦し何もできず完敗した高橋。
開始早々、高橋は力んで放った左パンチが黒田の頭部に当たり脱臼した指が曲がってしまう。普通なら試合続行不可能で黒田のTKOが成立するが、高橋の再戦にかける熱意からドクター処理後にすぐに再開された。
高橋は黒田の右の逆突きをもらい耳が切れ傷が開いており血まみれで戦うが、その後多くのサミングを出してしまいイエローカード。試合はまたも黒田のペースになり、防戦の高橋。ここでまた負傷した指が曲がりドクターストップとなった。
▼第17試合 ミャンマーラウェイルール 3分3R
○SEIKEN(UMW)
判定
●谷口 聡(理心塾)
ラウェイ経験の豊富なベテラン谷口に対し、リーチの長いSEIKENが谷口を懐に入れず。組んでは頭突き、投げのポイントで手数の出ない谷口に何もさせず2ー1の判定で逃げ切った。
殴り合いが信条のミャンマー本国のラウェイとは言い難い消極的な内容にやや不満足な試合となった。
▼第16試合 ミャンマーラウェイルール 3分3R
○島虎(フリー)
KO
●ナイトオブキング・ジュリー(地下プロレス)
ユニークな入場をする元力士の島虎に相対するは、沢田研二の「勝手にしやがれ」で帽子を投げて登場したジュリー。
開始から張り手で突っ込む島虎の猛攻をもろに受けたジュリーは、たちまち転倒。
ここで島虎はルールを無視し、なんと上からパウンドを加えていく。レフェリーが止めに入る。ジュリーは大きなダメージを追うも、レフェリーはなんと警告に留め続行する。
立ち上がったジュリーだが、意識は朦朧としており、それでもプロレスラーの気合いでラリアート。更にヒジを島虎にヒットさせるが、体重差30kgもある巨体の相撲取りになかなかダメージは与えられない。
力尽きたジュリーは再び転倒するも、島虎は再び馬乗りになってパンチを放り込む反則行為に出た。ここでようやくレフェリーがイエローカードを出す。あまりのレフェリングの曖昧さに場内から野次も飛ぶ始末だが、ダメージが大きいのは被害者ジュリー。
それでも立ち上がりまたも殴り合う。しかし島虎の体重の乗ったパンチを浴びジュリーが遂に力尽きた。記録は島虎のKO勝ちだが、通常ならばジュリーの反則勝ちが妥当と言って差し支えない内容だった。
控え室に戻って意識を回復したジュリーは「あの野郎〜次は総合でやらせろ!」と早くもリベンジを要請していた。
▼第15試合 Gルール初代ヘビー級王座決定GP一回戦 3分3R
○デイビス・アラン(アメリカ/Mファクトリー)
判定3−0
●加藤実(フリー)
アメフトから総合に転向し、今は立ち技と順応力のある加藤と新鋭アメリカンキックボクサー、デイビスの一戦。
いつもと違いやや動きの悪い加藤に対し、持てる力をすべて出し切ったデイビスが3-0の判定で快勝した。
▼第14試合 Gルール初代ヘビー級王座決定GP一回戦 3分3R
○ジョームラサキ(究道会館)
KO 1R
●楠ジャイロ(フリー)
ボクシングヘビー級東洋太平洋チャンピオン・オケロピーターとも対戦経験のある楠と謎の男空手家らしきジョームラサキとの一戦。
体格で一回り大きなジャイロは出だしはジャブで様子を見るも、ローをコツコツ当ててくるジョーに業を煮やし一気にパンチで仕掛ける。たちまちブロックに徹するジョーだが、焦りを全く見せずまたしても離れてローを返す。ジャイロはパンチの猛ラッシュ。危ない場面を見せたジョーだったが、下段ヒザ蹴りでダメージを与え、右ローでトドメをさした。
▼第13試合 Gルール初代ヘビー級王座決定GP一回戦 3分3R
○大石 亨(日進会館)
KO 1R
●ハルト(スタイル)
アクセル期待の新人ヘビー級のスピードスター、ハルトとK-1JAPANで活躍した大石の一戦。絶妙のディフェンスでハルトのパンチを封じ、大石がローキックを数発入れると明らかにハルトの動きが鈍くなる。
勝負と見た大石は、更に強烈なローキックを一発。ハルトは起き上がることなく1Rで勝負がついた。
▼第12試合 Gルール初代ヘビー級王座決定GP一回戦 3分3R
○丹山 命(命武會)
●池野栄司(池野道場)
ヘビー級グランプリ一発目のこの試合は共に空手出身、道場主同士の対戦となった。 基礎に忠実な丹山のミドル、ローのコンビネーションが決まり、ダウンを奪っての快勝。
▼第11試合 ライト級 Gルールワンマッチ次期タイトルマッチ挑戦者選考ランキング戦 3分3R
○森本達也(日進会館)
●松岡 力(截空道)
K-1甲子園の関西ファイナリスト、現チャクリキライト級王者の松岡が、日進会館のベテラン森本達也と対戦。 試合は終始圧力をかける森本ペースとなる。時折ジュニア特有のアクロバティックな技を繰り出す松岡だが、森本の完璧なガードには通じず。的確なパンチを当てていった森本が難なく勝利した。
▼第10試合 ミドル級 Gルールワンマッチ次期タイトルマッチ挑戦者選考ランキング戦 3分3R
○小西拓槙(M−BLOW)
TKO 2R
●高芝海土(金剛カラテ)
小西はNJKFアマトーナメントも制し、Krashなどのプロ大会も5連勝し現在20連勝というレコードを持つ。対する高芝は、プロ実績こそ少ないが、カラテ全日本チャンピオンを始め、総合でも負けなし。キックでは横山剛をあと一歩まで追いつめるなど脅威のスタミナを誇る新鋭。
キャリアから見る限り、小西が1Rから優位に立つと思われた。しかし、スタミナを一切無視して襲いかかる高芝のスピードに戸惑う小西は左ハイキックをもらってしまいぐらつく。
2R、1Rで高芝の動きを読み終えた小西が大反撃に出る。小西のパンチで顔を血で染めた高芝はニヤリと笑い、打たれても倒れない。エスカレートしていく小西の非情な攻撃の前に、レフェリーは高芝にスタンディングダウンを告げる。その後も同じ展開が続き、2R終了間際レフェリーがTKOを宣告した。
▼第9試合 ミドル級 Gルールワンマッチ次期タイトルマッチ挑戦者選考ランキング戦 3分3R
○メリケン雄人(契明)
KO 2R
●RYOTA(小西スポーツ)
MAランカーメリケンと四国のキックジム代表RYOTAの一戦。開始こそ地味な展開が続いたが、徐々にローでペースを掴んだメリケンが、2R中盤にガードの下がったRYOTAのテンプルに右ハイキック一閃! 崩れ落ちたRYOTAは嘔吐し、しばらく立ち上がることが出来なかった。
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