M-1MC
「M-1 FAIRTEX SINGHA BEER ムエタイチャレンジ
第40回M-1ムエタイアマチュア大会」
2011年2月11日(祝・金)千葉・ウィラサクレック幕張ジム
計量10:00 開始11:00
※写真&レポート=鈴木雄一郎
今大会は天王台ジムから幕張ジムへと舞台を移して初めての大会となる。今年最初にして初舞台となる幕張ジムでのアマチュア大会では、ジュニアクラスの全階級でタイトルの次期挑戦者決定戦が行われ、毎回のように多数の観客が訪れ、すし詰め状態に。まさに「満員札止め」状態となった。
▼M-1ジュニア25kg級次期挑戦者決定トーナメント 準決勝戦
○彪雅(クロスポイント吉祥寺/同級5位)
判定
●小宮山怜虎(尚武会/同級6位)
※彪雅が決勝戦進出
当初出場エントリー予定であった中島将吾(尚武会)が欠場になったことにより、同門である小宮山怜虎が出場。小宮山はWINDY Super Fight 20kg級王者であり、急遽舞い込んできたチャンスを掴めば、二階級制覇が見えてくる。
彪雅が右ミドルで先手を仕掛け、首相撲からヒザへとつないでいく。小宮山は彪雅の突進に臆することなく前に出てワンツーで応戦していく。小宮山の前進に彪雅は右ミドルを打ち続けていく。この右ミドルで活路を見出した彪雅が判定で小宮山を下し、決勝へと駒を進めた。
▼M-1ジュニア25kg級次期挑戦者決定トーナメント準決勝
○東原享介(WSR池袋/同級2位)
判定
●松土龍冴(WSR天王台/同級1位)
※東原が決勝戦進出
互いに前に出てワンツー、右ミドルを出し合い、首相撲からヒザの応酬が続いていく。松土が前に出て突っ込んでいくが、東原は冷静に構えて右前蹴り。この光景がしばらく続いていく。松土はパンチを、東原は右前蹴りをそれぞれ主体としていく。
2Rからは東原が積極的に前に出て右前蹴りを多様。これには松土はなかなか懐に入り込めない。それでも松土はワンツーを打ちながら東原の右前蹴りに応戦していく。右ロー、右前蹴りととにかく東原の勢いが止まらない。手数と勢いで東原が判定で松土を下し、決勝へと駒を進めた。
▼M-1ジュニア25kg級次期挑戦者決定トーナメント決勝戦
○東原享介(WSR池袋/同級1位)
判定
●彪雅(クロスポイント吉祥寺/同級5位)
※東原が次期挑戦権を獲得
この一戦に勝利すれば、優音(藤原)の持つ王座に挑戦することになる。彪雅はタイトル初挑戦、東原は前回のリベンジを果たしての王座奪還をそれぞれ狙う。
1R、先手を仕掛けたのは彪雅、準決勝で活路を見出した右ミドルで東原に攻めていく。彪雅が右ミドルを打っていく中で、東原は彪雅の右ミドルをキャッチしてコカす。
直後に飛び蹴りを出し首相撲へ。距離をとる彪雅に東原はワンツーから右ヒザ、距離を詰めてワンツーから右ヒザと、東原の猛攻にたまらず彪雅は防戦一方となってしまう。
2R、ゴングが鳴る直前、互いに雄叫びを上げ、リングへ。右ストレートを打つ東原に、前蹴りで応戦する彪雅、しかし東原は1R同様に、彪雅の前蹴りをキャッチしてコカす。彪雅はワンツーから前蹴りを返し首相撲へと持ち込んでいく。
しかし、東原の勢いは止まらず、右前蹴りや右ミドルをバンバン打っていく。終始主導権を握り続けた東原が判定で勝利し、優音の持つタイトルの次期挑戦権を獲得。前回のタイトル戦で敗れた悔しさを果たす機会を自力でもぎ取った。
▼M-1ジュニア30kg級次期挑戦者決定トーナメント準決勝
○辻 龍也(WSR三ノ輪/同級1位)
判定
●佐々木雄汰(尚武会/同級3位)
※辻が決勝戦進出
序盤は互いに様子を見ながら出方を待っている状態が続く。同じタイミングで互いにパンチの打ち合いを仕掛け、激しさを伴った乱打戦が続いていく。その後辻は左ミドルを、佐々木は右ローを中心に試合を組み立てていくが、終盤には再び激しい打ち合いになっていく。左ミドルを蹴り続けた辻が判定で勝利し、決勝へと駒を進めた。
▼M-1ジュニア30kg級次期挑戦者決定トーナメント準決勝
○服部柊斗(同級5位)
判定
●中村翔星(MSJ)
※服部が決勝戦進出
勢いよく前に出る中村は、いきなり打ち合いを仕掛けてくる。これに服部が応じて激しい打ち合いとなっていく。服部は距離を詰めて左ミドルを連打!これに中村は右前蹴りで応戦。
しかし服部はお構いなしに左右ミドルをバンバン蹴っていく。終盤には中村が猛チャージをかけ、前に出て首相撲からヒザを仕掛けるも、手数で勝った服部が判定で勝利し、決勝へと駒を進めた。
▼M-1ジュニア30kg級次期挑戦者決定トーナメント決勝戦
○服部柊斗(WSR蕨/同級5位)
判定
●辻龍也(WSR三ノ輪/同級1位)
※服部が次期挑戦権を獲得
辻のセコンドにはちはるが、服部のセコンドにはクンタップがそれぞれ就き、M-1王者同士がセコンドに就いた。辻はタイトル初挑戦を、服部は二階級制覇をそれぞれ狙っており、負けられないという気持ちはそれぞれ同じことだろう。
1R、開始早々、互いに激しい打ち合いになっていき、両者一歩も引かない展開に。服部はワンツーから右ミドルを仕掛け、これに辻は右ローを返す。しかし服部はこれをカットしてすかさず左ミドルを返す。互いに蹴ったら蹴り返す、といった状態が続いていく。切り返しの速さに伴って、試合の方も徐々にスピーディーになっていく。
2R、蹴り合いからパンチの打ち合いと、激しい乱打戦が展開されていく。辻がプレッシャーをかけながら服部をロープへ詰めていくが、服部も詰められる中で首相撲で応戦するなどして、互いに下がらず。
中盤に服部は前に突っ込んで右ストレートから左ミドルとコンビネーションつなげていく。辻はワンツーから左ミドルで応戦していく。互いに蹴りを多く出し競っていたところがあったが、軍配が上がったのは服部。溝口達也(尚武会)の持つタイトルの次期挑戦権を獲得。二階級制覇に向けて順調な滑り出しを果たした。
▼M-1ジュニア35kg級次期挑戦者決定トーナメント準決勝
35kg級次期挑戦者決定トーナメント準決勝戦
○稲垣 柊(WSR蕨/同級4位)
KO 1R
●温貴(不死鳥道場)
※稲垣が決勝戦進出
開始から稲垣が首相撲からヒザで圧倒、温貴に手を出させる隙を与えず1RKO勝ちを収めた。得意の左ミドルを出すことなく、無傷で決勝へと駒を進めた。
▼M-1ジュニア35kg級次期挑戦者決定トーナメント準決勝
○黒木翔太(尚武会/同級1位)
判定
●MASAYA(チームSK/同級3位)
※黒木が決勝戦進出
開始早々、先手を仕掛けたのはMASAYA。回転力のあるバックスピンキックを見舞っていくのに対し、黒木は冷静に左ミドルで応戦していく。互いにキレのある動きを見せてスピーディーな攻防を繰り広げていった。黒木が判定で勝利し、決勝へと駒を進めた。
▼M-1ジュニア35kg級次期挑戦者決定トーナメント決勝戦
○黒木翔太(尚武会/同級1位)
判定
●稲垣 柊(WSR蕨/同級4位)
※黒木が次期挑戦権を獲得
30kg級のタイトルを獲得した経験を持つ稲垣が、二階級制覇を狙う。一方の黒木はこれに勝てばタイトル初挑戦となる。
1R、互いに左ミドルを出し合い、しばらく首相撲からヒザが続いていく。黒木は左ミドルから左ヒザ、首相撲と鮮やかにコンビネーションをつなげていく。しかし、稲垣は黒木が仕掛ける首相撲を自分のペースに引き込んで黒木を回して崩す。ジャブから左ヒザを出していく黒木に稲垣は左ミドルで応戦していく。
2R、稲垣が突っ込んで首相撲からヒザを叩き込んでいく。黒木も同様にヒザを叩き込んで応戦していく。距離を取り、稲垣が左ストレートを出したところに黒木が左ミドルを合わせ、右ストレートを追撃。稲垣は左フックで応戦。
その後首相撲の応酬となるが、黒木が回して崩したところで試合が終了し、黒木が判定で勝利。名倉彗悟(堀切KMC桜)の持つタイトルへの挑戦権を獲得。悲願の初タイトル奪取まであと一歩のところまで漕ぎ着けた。
▼M-1ジュニア40kg級次期挑戦者決定戦
○佐々木輝夜(尚武会/同級5位)
判定
●児玉成世(BRAVELY)
※佐々木が決勝戦進出
成長著しい佐々木が次期挑戦権を賭け、九州からの刺客・児玉成世と激突。勝てば両者共にタイトル初挑戦となるだけに、激戦が予想される。児玉は1月のM-1九州大会で鎬を削った末に勝ち取った挑戦者枠なだけに、佐々木以上に負けられない気持ちは強い。
1R、互いに様子を見ながら静かな立ち上がりとなり、互いに右ミドルを出し合い、首相撲からヒザの応酬が続いていく。
2R、開始早々、思い切りのいいパンチを打っていく児玉。ここに右ミドルを混ぜて更に勢いを加速させていく。
佐々木も右ミドルや前蹴りで応戦していく。徐々に蹴りを増やしていく佐々木は児玉の右ミドルを受けながらもワンツーや右ミドルを返していき、判定で佐々木が勝利。
那須川天心(チームTEPPEN)が持つタイトルへの挑戦権を獲得。悲願の王座初戴冠に向けてあと一歩のところまで漕ぎ着けた。
▼M-1ジュニア45kg級次期挑戦者決定トーナメント準決勝戦
○末永勇一(フリー/M-1 40kg級1位)
判定
●野上克輝(WSR九州/第4代M-1 40kg級王者)
※末永が決勝戦進出
末永は右ロー、野上はパンチをそれぞれ主体に試合を組み立てていく。野上が徐々にプレッシャーをかけていく中、末永は得意のヒザでプレッシャーを跳ね除けていく。ヒザに加え、右ローを混ぜながら打ち分けていき、有効打で上回った末永が判定で勝利。決勝へと駒を進めた。
▼M-1ジュニア45kg級次期挑戦者決定トーナメント準決勝戦
○内野隼也(WSR三ノ輪/同級5位)
判定
●稲垣 澪(WSR蕨/同級8位)
※内野が決勝戦進出
右ミドルからワンツーと素早いコンビネーションを仕掛ける内野に対し、右ローから左ミドル、ワンツーとこちらも素早いコンビネーションを仕掛ける稲垣。徐々にプレッシャーをかけながら右ミドルやワンツーで手数を増やしていった内野が判定で勝利し、決勝へと駒を進めた。
▼M-1ジュニア45kg級次期挑戦者決定トーナメント決勝戦
○内野隼也(WSR三ノ輪/同級5位)
判定
●末永勇一(フリー/M-1 40kg級1位)
※内野が次期挑戦権を獲得
一撃必殺のヒザを武器に勝利を量産してきた末永と、精悍な肉体を誇り、強打を武器に急成長中の内野が激突。互いに一発でマットに沈める武器を備えており、好戦が期待される。
1R、先手を仕掛けたのは内野。左ローから左ミドル、首相撲とつないでいく。更に、右ミドルや前蹴りととにかく蹴りを多用していく内野。末永は右ミドルを返して応戦し、首相撲を仕掛けていく。
2R、ジャブで牽制しながら右ミドルを打つ内に、距離を詰めて首相撲を仕掛ける末永。内野が右ミドルを打てば、末永は右ローをすかさず返していく。そして、内野の右ミドルをキャッチして右ストレートを打つ末永。
内野は右ミドルや右ロー、ワンツーととにかく手数を増やしていく。これが勝敗を左右したのか、内野が手数で上回り、次期挑戦権を獲得。同級王座を保持している平本蓮(フリー)が50kg級次期挑戦者決定戦へエントリーしているため、空位となる可能性が濃厚となった。
▼M-1ジュニア50kg級次期挑戦者決定戦
○平本蓮(フリー/M-1 45kg級王者)
判定
●HPS(Team DATE/同級5位)
※平本が次期挑戦権を獲得
50kg級へと階級を上げた平本が二階級制覇を狙う。平本はM-1の他にWINDY Super Fight、KAMINARIMONのタイトルを獲得し、名実共にジュニアクラスのトップファイターに君臨している。この3タイトルを獲得しているのは現在平本のみであり、これだけでは飽き足らず、昨年U-15全日本ボクシング大会で優勝を果たしている。
一方のHPSはタイトル戦初挑戦。得意のパンチで平本相手にどこまで太刀打ちできるか?非常に興味深い一戦となった。
1R、ジリジリと距離を詰める平本は右ヒザを叩き込んでいく。HPSは首相撲で平本の勢いを止めにかかる。前に出ながらワンツーを打っていくHPSに平本は前蹴りから左ミドルを連打。それでもHPSはとにかく前に出てワンツーを打っていく。
2R、首相撲からヒザの応酬が続いていく。平本が距離をとって右ローから右ミドルを蹴りのコンビネーションを何度も打っていく。それでもHPSは前に出て首相撲からヒザ。ラスト10秒で、平本は左ミドルを連打!
手数で圧倒した平本が勝利し、伊藤澄哉(尚武会)の持つタイトルへの挑戦権を獲得し、二階級制覇に向けて好スタートを切った。
▼M-1ジュニア55kg級次期挑戦者決定戦
○小賀龍二(萬田)
判定
●陀羅尼(Team DATE/同級2位)
※小賀が次期挑戦権を獲得
Team DATEきってのジュニアエース・陀羅尼が王座奪還に向けて次期挑戦者決定戦に参戦。対する小賀は同戦は初挑戦となる。陀羅尼は50Kg級の同戦で同門であるHPSが敗れ、小賀はここまで九州陣営が全て敗れてしまったことにより、互いに最後の砦ということになる。両者共に後がないだけに、負けられない気持ちは相当強いことだろう。
1R、陀羅尼への凄まじき声援が場内を包み込む中で、開始のゴングが鳴り響く。すぐさま激しい打ち合いが展開され、序盤から場内のボルテージが一気に上がっていく。
陀羅尼がワンツーを打ちながら前に突っ込んでいき、首相撲からヒザ。小賀もワンツーで応戦していき、終盤には小賀の右ストレートが陀羅尼をとらえる場面があったが、当たりが浅く、陀羅尼は踏ん張りを利かせてこれを耐える。
2R、首相撲からヒザでもつれるように倒れこむ光景が目立つ。小賀が右前蹴りを出すと、陀羅尼はワンツーを打ちながら前に突っ込んで首相撲からヒザへとつないでいく。組んでくる陀羅尼に、小賀は突き放しながらワンツーで応戦していく。右ローを混ぜながらワンツーを中心に小賀が攻めていくが、とにかく前に出てくる陀羅尼。
終盤に手数で勝った小賀が判定で勝利し、名倉拓海(堀切KMC桜)の持つタイトルの次期挑戦権を獲得し、九州陣営の全敗を阻止した。破れたはしたものの、決して引かない、そして前に出続けた陀羅尼のハートの強さには目を光るものがあった。
■ワンマッチ
前回悲願の王座奪取に成功した、M-1 25kg級王者の優音(藤原)がワンマッチに出場、侃WSR(WSR池袋)と対戦。
前半は優音が右ローや左ミドルで試合をコントロールしていたが、後半に侃が右ストレートや左ミドルで猛チャージをかけていき、侃が判定で勝利。
会場にはWPMF&WMC女子世界ミニフライ級王者の神村エリカ(TARGET)の姿が見られ、神村の試合を見てTARGETに入門したという須方星(TARGET)のセコンドに就いていた。
神村自身が手塩にかけて育てているそうだ。惜しくも判定で敗れはしたものの、「よかったよ!すごくよかった」と愛弟子の健闘を称えると共に、次に向けてスイッチを切り替えた。
最近ではJ-Girlsで活躍し、昨年7月にはU-15ミニフライ級トーナメントを制し、王者となった新垣聖羅(WSR蕨)がワンマッチに登場、NAO(Team DATE)と激突。体格差で劣る新垣ではあったが、経験では圧倒的に新垣が上回っている。
前に出ながらワンツーを打ってくるNAOに、正確無比の左右の左ミドルを叩き込んでいく新垣。首相撲では体格差を跳ね除けて自分のペースへ引き込んでいくなどして主導権を終始握り続けた新垣が勝利。
次期挑戦者が行われる中、M-1 30kg級王者の溝口達也(尚武会)がワンマッチで登場。今回もインファイトを仕掛け、鬼の形相をしながら強烈な右ミドルや右ローを打っていく。王者としての貫禄を見せつけ圧勝。試合後間もなく同門である黒木翔太、佐々木輝夜のセコンドとしてサポート側に回っていた。
試合の間で2010年度の表彰式が行われ、優秀選手賞と優秀ジム賞が下記の通り発表された。
■優秀選手賞
那須川天心(チームTEPPEN)
名倉拓海(堀切KMC桜)
安本晴翔(士道館橋本道場)
■優秀ジム賞
尚武会
堀切KMC桜
WSR蕨
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藤原ジム4人衆のガチンコ総当り戦スパーリング、神村エリカにウィラサクレック会長がヒジ打ちを直伝、腕を折る強いミドルキックを蹴る方法、ムエタイの首相撲テクニックなどの動画に加えて出場選手インタビュー多数 |
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