HEAT事務局・志村道場・日本拳法同心会館
「HEAT17」
2011年3月13日(日)愛知・ZEPP NAGOYA
開場15:30 開始16:00
写真・情報提供=HEAT事務局
▲判定で敗れ、王座獲得はならなかった富平(左)。陣営関係者は引退も示唆した
▼トリプルメインイベント(第9試合)HEATキックルール ヘビー級タイトルマッチ 3分3R延長2R
○天田ヒロミ(デジタルスピリッツ/王者)
判定2−0 ※30−29、29−29、30−28
●富平辰文(SQUARE/挑戦者)
※天田が2度目の防衛に成功
K-1時代からライバルとしてしのぎを削ってきた二人の決着戦。天田は2度目の防衛戦に臨む。1R、中央で拳を合わせ試合に入る両者。互いにロングレンジからの攻撃で様子を見ていたが、天田が右で動きを止め左を放つ! 富平の顔面をしっかりと捉え、序盤のペースを握る。ジワジワと下がる富平を金網に詰めるように、天田は強烈なパンチをガードの上からでも打っていく。富平は右ハイを見せて反撃に出るが、天田のパンチに押されて連打ができないまま1R終了。
2R、富平は天田の左足にローを集中攻撃し、軸足を壊しにかかる。天田はローが効いたか、徐々に左足に体重が乗らず、パンチが手打ちになっていく。大きな動きがないまま2R終了。3R、後がない富平は玉砕覚悟で前に出るが、天田が待ってましたとばかりに打ち合いに応じ、パンチをヒットさせていく。富平は完全にローキック狙いに絞り、左右のローを連打! しかし天田はかまわずさらに突進し、完全にスタミナが切れた富平に対し手を休めず攻め続けた。
判定は30−29、29−29、30−28となり、僅差ながら2-0で天田が防衛に成功。度重なる負傷を乗り越え、全てを出し尽くしたが惜しくも敗れた富平の陣営関係者は、この試合での引退を示唆。富平の今後の動向が注目される。
▼トリプルメインイベント(第8試合)HEATキックルール ミドル級タイトルマッチ 3分3R延長2R
○ダニロ・ザノリニ(ブラジル/志村道場/ブラジリアン・タイ/王者)
判定2−0 ※29−29、29−28、30−29
●濱崎一輝(シルバーアックス/挑戦者)
※ザノリニが初防衛に成功
HEATの魂ダニロ・ザノリニが最強の挑戦者・濱崎を迎え初防衛戦に臨む。1R、濱崎は慎重に間合いを詰めると、ダニロは金網をすべるように回り、距離を取る。小さなパンチで飛び込む濱崎に対し、大振りなフックで仕留めにいくダニロ。濱崎はしっかりと見てこれをかわし、冷静に対処していく。中盤、ダニロの左ハイキック! わずかに入りきらなかったが、打ち終わりに左フックを重ねペースを掴んでいく。終了間際には濱崎のワンツーをガードすると、返しのパンチの後に飛びヒザ蹴り! これが入りわずかに怯んだ濱崎に追い討ちをかけようとしたダニロだが、クリンチされ追撃はならなかった。
2R、パンチ主体に攻めていた濱崎だが、ロー、ボディへのヒザ蹴りを交えた攻撃を見せ始める。一撃必殺狙いのダニロの攻撃を冷静に防ぎ、サウスポーから放たれる伸びる右のジャブで反撃。しかしクリンチを払いのけたダニロは離れ際に右フック! そのまま左右のフックを浴びせチャンス到来かと思われたが、濱崎が巧みにクリンチでしのぎ2R終了。
3R、カウンター狙いで右を放つ濱崎だが、ダニロのラッシュに一瞬固められて連打を浴びる。あくまでKOを狙うダニロはその後も怒涛の攻撃を見せ、打ち合った濱崎はバランスを崩しヒザをついてしまう。しかしこれはスリップと判断され、ダウンには至らず。濱崎は終盤、左ハイを皮切りに反撃に出るも、ダニロの勢いに互角の打ち合いとなり、勝負はそのまま判定に持ち込まれた。判定は29−29、29−28、30−29の2−0で現王者ダニロの勝利となり、王座防衛を果たした。
▼トリプルメインイベント(第7試合)HEAT総合ルール ウェルター級タイトルマッチ 5分3R
○クォン・ア・ソル(韓国/CMA KOREA/挑戦者)
KO 2R3分2秒 ※飛びヒザ蹴り
●新美吉太郎(ALIVE/王者)
※新王者となったア・ソルがライト級の参戦を希望し、ベルトを返上
ベルトを掲げたALIVE鈴木代表とともに入場した新美が初防衛戦に臨む。ア・ソルは東北太平洋沖地震への義援金を持参し、志村館長に手渡した。
1R、小刻みなステップに頭を動かし、的を絞らせないように動く新美。ア・ソルの大きなフックやアッパーに合わせ、スピードあるジャブを当てていく。しかしジャブと共に懐に入ったところでア・ソルの左がヒット! わずかに下がった新美だが、再び入り込んだところで同じパンチを浴び、中に入りづらくなる。新美が出てこないと見たか、ア・ソルは大きなパンチを狙い、新美を追い込んでいく。ア・ソルの打ち終わりに組み付いた新見だが、深追いできずテイクダウンは奪えない。ラウンド中盤からは両者様子見で大きく動かぬままラウンド終了。
2R、頭の動きを上下に切り替え、ボディを狙っていく新美に対し、左ミドルからの回し蹴りなど大技を見せ始めたア・ソル。さらに金網中央で打ち合いが始まると、伸びるフック、アッパーを放つア・ソルが徐々にペースを掴み始める。パンチの打ち終わりに新美を跳ね除けたア・ソルは隙を突いて右の飛びヒザ! これがヒットし崩れ落ちる新美! 追い討ちのパウンドを浴びながら足に絡みつき立ち上がることに成功したが、離れたところで再びア・ソルの飛びヒザ蹴りが炸裂! ゆっくりと倒れた新美は完全に失神。王座交代の瞬間が訪れた。試合後、マイクを取ったア・ソルは、なんとベルト返上を宣言。総合ルールウェルター級は再び空位となった。
▼第6試合 HEAT総合ルール ライトヘビー級 ワンマッチ 5分3R
○シゲモト・エンリケ(SHOCK COMBAT)
TKO 1R48秒 ※レフェリーストップ
●瀧川リョウ(フリー)
井上俊介の負傷欠場により、急遽出場となった瀧川リョウと重量級の新星シゲモト・エンリケの一戦。左ミドルからパンチで飛び込んだ瀧川。しかしシゲモトがこれを防ぎ、ボディへ放った一撃から試合は一変。フックで瀧川を金網際に吹き飛ばすと、倒れこんだ瀧川に対しフットスタンプ! 顔を背けガードした上からパウンドを叩き込み、完全に圧倒。レフェリーが間に入りストップを宣告。圧巻の秒殺勝利となった。
▼第5試合 HEATキックルール 60kg以下 ワンマッチ 3分3R延長1R
○チャオ志村(志村道場)
判定2−0 ※29−29、29−28、30−28
●岩切博史(月心会)
1R、身長・リーチに勝る岩切に対し左ロー、前蹴りで距離を取るチャオ。キレのあるハイキックを見せて観客を沸かせる。岩切はパンチで攻めるが、金網をうまく回りながら蹴りを出すチャオを捉えきれない。ラウンド終盤にチャオはボディへのヒザ蹴りを放ち、笑顔を見せるなど余裕のある立ち上がりを見せた。
2R、岩切は前に出るも、組み付きを嫌ったチャオは岩切を投げてしまう。起き上がり後、チャオはノーガードで余裕の素振りを見せるとボディにヒザ蹴り! 執拗なヒザに岩切は顔をしかめ下がる場面も見られたが、チャオは必要以上に追いかけず。
3R、前に出きらないチャオに業を煮やしたか、岩切が前に出てパンチで攻め始める。しかし巧みにクリーンヒットを避けるチャオは、前蹴りで距離を稼ぎペースを握らせない。残り1分余り、ボディからアッパー、フックと前に出てラッシュをかけた岩切だが、最後まで決定打は奪えず。手数では岩切が上回ったままラウンド終了となった。判定は29−29、29−28、30−28の2−0でチャオ志村の勝利。最後は攻める姿勢を見せた岩切だが、チャオのペースを崩すことができず判定負けとなった。
▼第4試合 HEAT総合ルール フェザー級 ワンマッチ 5分3R
○鬼頭 潤(格闘集団BRAVE)
判定2−1
●稲葉 力(U-FILE CAMP登戸)
1R、開始と同時に稲葉が前に出て圧力をかける。しかし稲葉が放った左ローが鬼頭の下腹部をかすめローブローで中断。再開後、ヒザで飛び込んだ稲葉だが、鬼頭は足をかけて裏投げでテイクダウンを奪う。グラウンドに移り稲葉が切り返して上を取るが、鬼頭は下から十字、三角と極め技を狙っていく。パウンドを落とす稲葉だが、残り1分、鬼頭が腕十字を敢行! しかし金網を背負い腕を伸ばしきるスペースがなく、極めきれず1R終了。
2R、稲葉はパンチで前に出るが、鬼頭は組み付いてテイクダウンを狙う。再三鬼頭の足がけに耐えた稲葉だが、テイクダウンを許すとバックを奪われ、ペースを握られる。サイドに移動した鬼頭は肩固めで圧迫! 身体を横に揺らし逃れた稲葉は上を取るが、鬼頭は下から密着しパンチの隙間を与えない。稲葉はこれを振りほどき、強烈なパウンドを落としていく。鬼頭は下から三角絞めを狙うが、稲葉が上をキープしたまま2R終了。
3R、パンチで攻める稲葉。ヒザで密着しそのままテイクダウンを奪うとマウントポジションを奪取! しかし鬼頭も足を挟みこみすかさず切り返していく。ガードポジションへ戻され、鉄槌を落とす稲葉。鬼頭は蹴り上げで応戦する。飛び込んできた稲葉を捉えた鬼頭は体勢を入れ替えバックを取ると、パンチを顔面に叩き込んでいく! 嫌がる稲葉は背中を金網に押し付け払いのけるが、スタンドでパンチの打ち合いとなっても鬼頭がペースを制し、パンチをヒットさせていく。一進一退の攻防のまま時間切れとなり、2−1のスプリットで鬼頭が勝利を収めた。自分の戦いに納得がいかなかった鬼頭はマイクを手に取り、「本当は僕の負けです!また試合して下さい!」と再戦をアピールした。
▼第3試合 HEATキックルール ミドル級 ワンマッチ 3分3R延長1R
○福田裕介(PLACE-K)
判定2−0
●田中STRIKE雄基(B・F・A SEED)
1R、互いに軸足へのインローで牽制。田中は右ハイを見せるが福田は冷静にスウェー。田中が前に出たところで打ち合うが、体を入れ替えて福田が金網際から脱出。田中は飛び込んで連打! しかし福田はその田中を捕らえると抱え込みから顔面へヒザ蹴り! その後もラッシュする田中を捕らえてヒザを叩き込む展開となる。
2R、ヒザ蹴りが有効と見た福田は田中の荒いラッシュを防ぎ顔面、ボディと強烈なヒザを突き刺していく。ヒザを警戒し思うように入れない田中はロングレンジからフックを放つが福田を捉えきることはできない。右アッパーからのラッシュも福田に距離を潰され、思うようにパンチを放てない展開となる。
3R、玉砕覚悟で大振りのパンチを放っていく田中だが、福田の細かいカウンターとヒザ蹴りに苦戦。足が止まると福田のパンチが顔面を捉え始める。しかし田中はガードしきれない状態でも前に出続け手を出し続ける。ラウンド終盤には豪快な右ハイがヒット! しかし後を追うパンチにキレがなく、福田の反撃を受ける。両者倒しきれぬまま3R終了。 判定は1者がドロー裁定としたが、2者は福田を支持。試合を通して的確な攻撃を積み重ねた福田の勝利となった。
▼第2試合 HEAT総合ルール ウェルター級 ワンマッチ 5分3R
○石川史俊(風吹BJJアカデミー)
一本 3R2分18秒 ※三角絞め
●長堂嘉夢(CMA戦ジム)
1R、長堂は左ローを中心に攻める。石川は組み付こうとするが長堂は払いのける。長堂の右アッパーでグラついた石川は組み付きタックルを狙うが、長堂はこれを潰し上をキープ。下から三角を狙う石川にヒザを落とす長堂だが、石川は左腕に狙いを切り替え腕十字! 回り込んでどうにか外した長堂は立ち上がり、前転宙返りで飛び込む! しかし落ち着いてバックを取った石川はチョーク! これは長堂が外したが、その後も三角絞めを狙いパンチを顔面に入れていく。ラウンド終盤には長堂が左目付近から流血し、ドクターチェックを受けた。
2R、組み付いてグラウンドに引き込んだ石川だが、長堂はこれをスイープ。しかし石川は下からチャンスを窺いこれを返し上を取ると。サイドからマウントへ移行、さらにバックへ回り、パンチをコツコツ積み重ねていく。パンチを嫌がり首を上げたところを狙いチョークにいくが、極めきれず。石川はグラウンドで長堂を完全にコントロールし、パンチを落としながら極める機会を窺う。
3R、組み付きから引き込んだ石川は、足を抜いて長堂を金網に押し付ける。左腕を捕らえ頭に足をかけて腕十字を狙う石川! しかし長堂もクラッチを外さない。腕が外れないと見るや石川は瞬時に三角絞めに切り替える! 無防備となっていた首を完全に捉えられた長堂は耐えられずタップ! 石川が見事な一本勝ちを収めた。
▼第1試合 HEAT総合ルール バンタム級 ワンマッチ 5分3R
○祖根寿麻(志村道場)
TKO 3R1分34秒 ※パウンド連打による出血
●竹内敬之(GSB)
1R、様子見の展開から入り、竹内のミドルキックから試合が動く。打撃から揉み合い金網に竹内を押し付けた祖根は、足をかけテイクダウンを奪う。祖根の圧力を嫌い足関節、さらにはラバーガードへ移行を試みた竹内だが、祖根の小さなパウンドで動きを防がれる。立ち上がった祖根は豪快な踏み付けで竹内を潰すと、サイド、マウントと移動しヒジを顔面に落としていく。
2R、払い腰で祖根を投げてバックを取った竹内だが、祖根はこれをスイープ。金網際に押し潰すように小さくパウンドを落として圧力をかけていく。逃げようとする竹内のバックを取り、パンチを細かく当てダメージを蓄積させる。終了間際、竹内の左足を取りヒールホールドを狙うが極まらず2R終了。
3R、祖根の右ストレートでわずかに怯む竹内。金網際へ押し込むと、祖根が竹内を持ち上げ強引にテイクダウン! 下から蹴り上げで抵抗する竹内だが、祖根は雄叫びとともにヒジを打ちおろし続いて強烈なパウンドを連発! 竹内は左目付近から大量に流血し試合はストップ。祖根のTKO勝利となった。
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